FRANKENは東京都荒川区出身のラッパーです。
マシンガンのように言葉を連射する早口フロウと独特のワードセンスが魅力で、ラップのキャリアは20年以上とベテランの域に達しています。
テレビ番組「フリースタイルダンジョン」では「マジでそうさ」「ピロリアン」などの耳に残るフレーズと、憎めないキャラクターで再注目を集めました。
日本語ラップシーンの愛されキャラクターとしてブレイクしたFRANKENを紹介します。
FRANKENのプロフィール
この投稿をInstagramで見る
出生名 | 大矢とおる(おおや とおる) |
アーティスト名 | FRANKEN(フランケン) |
年齢 | 1983年12月3日(現在39歳) |
身長 | 186cm |
血液型 | B型 |
出身地 | 東京都荒川区 |
事務所 | BOMB SOUND |
レーベル | BOMB SOUND |
公式サイト | https://twitter.com/FRANKEN_03 |
FRANKENは東京都荒川区出身、東京都在住のラッパーです。
ラップ始めたのは高校1年生の頃で、友達とイベントを見に行ってステージ上のラッパーに憧れたのがきっかけでした。
FRANKEN
すぐに友達と3人組ラップユニット「絶壁」を結成して、高校在学中に200本以上のライブを開催するなど、精力的な活動を開始します。
ラップユニット「絶壁」は解散しますが、高校卒業後はソロ名義「FRANKEN」として2006年にファーストアルバムをリリースするなど、日本語ラップシーンに確かな存在感を示していきました。
しかし、徐々に人気が下降していったこともあり、築地市場(移転後は豊洲市場)で働き始めます。
ラッパー人生の再起をかけて出演した2017年8月8日放送のテレビ番組「フリースタイルダンジョン」で1回戦1ラウンド目でクリティカル負けという最悪の結果に終わりますが、その独特なワードセンスと愛されキャラクターで爪痕を残しました。
「魚売りとラッパーの二足の草鞋」というアイデンティティを持ち、日本語ラップシーンでも異質な存在感を放っています。
もうひとつの顔は「豊洲市場の魚売り」
「ダメ、豊洲市場」
エレキング with FRANKEN & Ichi Naotoそして残念な事に本日で築地市場の営業は終了となるみたいです。@FRANKEN_03@ELEKINGGG@IchiNaoto
Director Shiho
Camera Daichi
Behind Camera Hiroki
Hair Make Yoshie
Asisstant Aisha #築地移転 #築地市場の豊洲移転反対 pic.twitter.com/y7qz5JFOHL— ビリビリ〜Art Space & Bar (@biribiri_1111) October 6, 2018
FRANKENのもうひとつの顔は、豊洲市場(移転前は築地市場)で働く「魚売り」です。
2010年から週6日、夜の23時から昼の11時まで働くハードワークをこなしています。
FRANKEN
移転前の築地市場ではFRANKENがフリースタイルでお客さんを呼び込む姿が名物になっていました。
豊洲市場に移転後は完全に裏方に周り、競り場で仕入れた魚の運搬、売り子が売った魚をお客さんへ届けることが仕事のメインです。
豊洲市場で働き始めたきっかけ
FRANKENは当時アルバイトをしていたコンビニの常連客から「体格がいいから築地で働いてみたら」と声をかけられたことがきっかけで、築地市場で働き始めました。
FRANKEN
声をかけられた当時、リリースする音源のセールスも落ちてきて、FRANKEN自身「ラッパー以外でしっかり地盤を固めないといけない」と思っていました。
また、市場のワークスタイルがクラブと一緒で夜から始まる仕事ということも、築地市場で働くことを決めた理由です。
翌日すぐに面接に行き、面接の次の日には築地市場で働き始めました。
ラップを辞めようとしていた。
ラップを辞めたり連絡の途絶えてしまった仲間達も俺がぶっ放し続けていればきっと見ていてくると信じている。
そんなみんなの僕は希望の光になりたい。
生きる活力を与えたい。
— FRANKEN (@FRANKEN_03) May 23, 2019
FRANKENはラッパーとして活動していくことを諦めかけていた時期がありました。
FRANKEN
ラップを始めてから順風満帆だったFRANKENのラッパー人生に陰りが見え始めて、FRANKEN自身も「人気は冷めていくもの」と冷静に見ていました。
豊洲市場で働きながらラッパーとしての再浮上のタイミングを夢見ていたところに、テレビ番組「フリースタイルダンジョン」からのオファーがあり、ラストチャンスのつもりで出演を快諾します、
「FRANKENはまだやっているぞ」とアピールするために意気込んで出演して惨敗を喫しますが、結果的にFRANKENのキャラクターがリスナーに受けて、予期せぬ形でラッパー人生に一筋の光がさすことになりました。
急死に一生の体験
FRANKENは2018年に急死に一生の体験をしています。
豊洲市場から寝ずにラジオの収録、渋谷のクラブイベントに出演というハードワークをしているときに、お酒が回って階段で頭から落ちてしまいました。
頭からかなりの出血がありましたが、傷口をホッチキスで止めて、ライブはやりきります。
しかしその後、急に体が動かなくなり、病院に運ばれました。
FRANKEN
病院での診断結果は「脳内出血」で、死んでもおかしくない状態でした。
しかし、入院生活中でも病院内でフリースタイルをするほどの元気さがあり、後遺症もなく完治しています。
一児のパパ
この投稿をInstagramで見る
FRANKENは結婚していて、男児「悠斗」君を育てるパパです。
かなり子煩悩で、SNSでも頻繁に子供の写真をアップしています。
FRANKEN
2023年4月2日には息子に向けたメッセージソング「Dear My Son」をリリースしていて、FRANKEN流の父親から息子に向けた熱いメッセージが詰まっています。
パンチライン「マジでそうさ」
【FRANKEN】
お前ヘボキモいな お前の口臭 屁の匂いだ
まじで公衆の面前で恥かかせてやる状況
だけど マジでNegativeは消去
マジでそうさ やめとけそのRapじゃ
マジで俺に勝つことは出来ない
だけど マジこの場で役不足
消えろよテメえは鼻くそ君— 日本語ラップ名バースbot (@japan_hip_hop) February 6, 2023
フリースタイルダンジョンのバトルで放った「マジでそうさ」は、放送終了後にTwitterのトレンド入りするほどの反響がありました。
その反響を受けて、FRANKEN自身もYouTubeやSNS、楽曲でも積極的に使っています。
FRANKEN
フリースタイルダンジョンが選ぶ「HIP HOP的流行語大賞」にもノミネートされるなど、FRANKENを象徴するパンチラインになっています。
FRANKENのバトルスタイル
FRANKENは言葉を矢継ぎ早に放つ早口フロウを武器にしたラップスタイルです。
「常にふざけている」というFRANKENらしいアンサーもオーディエンスをぶち上げる理由ですが、ラップスキルの高さもあり、単に「ふざけたイロモノ」では終わりません。
「FRANKEN語」とも言える独特なワードを使って、誰も傷付けないエンターテインメント性溢れるバトルスタイルも、FRANKENの魅力です。
【ベストバウト】FRANKEN vs BATTLE手裏剣 vs がーどまん & ゆうま vs Amateras vs JAYPAY / 戦極BATTLE TOWERⅡ 敗者復活戦
戦極BATTLE TOWERⅡ 敗者復活戦の「FRANKEN vs BATTLE手裏剣 vs がーどまん」の変則バトルを紹介します。
ビートはKICK THE CAN CREWのヒット曲「地球ブルース〜337〜」です。
FRANKEN
今日は勝ちたい よかったら僕に清き一票
BATTLE手裏剣
言っちゃったな 清き一票 媚び売った時点で1人死亡
FRANKENは得意の早口を使い、自らが「負けキャラ」だと自虐して会場を沸かせます。
BATTLE手裏剣はフロウ、がーどまんは核心を突くディスと、それぞれのキャラクターを生かしたラップで会場を盛り上がりました。
FRANKEN
BATTLE手裏剣
FRANKENらしい「キノコみたいな頭を食べれば僕もハイになれるのかな」というパンチラインも飛び出しますが、がーどまんの終始バイブスの高いラップに一歩届かず、がーどまんの勝利となりました。
フリースタイルダンジョンでの活躍
さすが、フリースタイルダンジョン出て一番成功してるラッパーは言うことが違うわ。捕まる事はしないっ!!!マジでそうさ。#FRANKEN#ニート東京#フリースタイルダンジョン pic.twitter.com/iLPRv9BIyt
— OWL’s FLOW / アウルズフロウ (@owlsflow) December 1, 2018
FRANKENは2017年8月8日に放送されたフリースタイルダンジョン 4th season Rec1-1に出演しました。
FRANKEN
長らくフリースタイルバトルからは遠ざかっていたFRANKENでしたが、持ち前のポジティブさから特に練習はせずに、ノープランで本番に挑みました。
結果は1回戦の呂布カルマ戦で1ラウンド目にクリティカル負けを喫します。
FRANKENは持ち味を出すことができず、爪痕を残すことなくフリースタイルダンジョンのステージから去りました。
出場後の反響
フリースタイルダンジョンでは1回戦1ラウンド目にクリティカル負けという散々な結果に終わりましたが、独特なキャラクターとパンチラインでSNSを中心に話題になりました。
FRANKEN
SNSには「ダサい」「カッコ悪い」という誹謗中傷が多く発言されましたが、そういった誹謗中傷も「世間が自分に注目している」とポジティブに捉えました。
また、バトルで放った「マジでそうさ」というパンチラインや強烈なキャラクターも注目を集めます。
TwitterでFRANKENに向けられたリスナーからのメッセージに、ひとりひとりフリースタイルラップでアンサーをするなど、憎めないキャラクターを全面に押し出して人気者になるきっかけになりました。
FRANKENのラップスタイルは早口
- マシンガンのような早口フロウ
- 感動からお笑いまでラップするトピックの広さ
- 豊富なボキャブラリー
FRANKENはバトル同様に、早口を駆使したラップスタイルです。
フリースタイルダンジョン出演以降はそのユーモラスなキャラクターがフォーカスされがちですが、面白くてふざけた楽曲も振り切ってできることも強みになっています。
ユーモアな楽曲だけでなく、ラブソングやメッセージソングも等身大の言葉でストレートにラップしていて、普段のFRANKENのキャラクターとはギャップがありますが、FRANKENの真っ直ぐな人間性が伝わって人気です。
早口フロウでもしっかり緩急があり、豊富なボキャブラリーも楽曲のスパイスになっています。
ラップを始めたきっかけ
昨日はMVの撮影そして今日はTV撮影📺をしていました。
このタイミングで絶壁(FRANKENが17歳の時に組んでいたラップグループ)のNOBUと共に撮影出来て嬉しかった☆ pic.twitter.com/jxr5obiWCh
— FRANKEN (@FRANKEN_03) July 15, 2019
FRANKENがラップを始めたきっかけは、高校1年生の頃に友達に誘われて行ったクラブイベントで見たラッパーに衝撃を受けたからです。
FRANKEN
FRANKENが所属していたサッカー部の先輩にヒップホップを教えてもらって知っていましたが、ステージ上でラップするラッパーの姿を生で見たことで「自分もラッパーになりたい」という気持ちが芽生えます。
同級生を誘って3人組のラップユニット「絶壁」を結成して、ラップのキャリアがわずか1ヶ月で自主企画イベントも開催しました。
その後、学校や駅前でのフリースタイルやクラブイベントも2年間で200本以上も出演して、スキルを磨いていきます。
FRANKENのおすすめの楽曲【厳選3選】
FRANKENの確かなラップスキルと特異なキャラクターが堪能できるおすすめの楽曲を厳選して3曲紹介します。
FRANKEN / 俺は誰だ feat. 輪入道
FRANKENが「輪入道のように強者とコラボがしたい」とオファーしたことにより実現したコラボ楽曲です。
リリックとラップだけで男2人が熱くぶつかり合う、バイブス満点の仕上がりになっています。
FRANKEN
FRANKEN / 下町プライド feat. 黄猿、はなび
FRANKENと同じ東京の下町を拠点に活動する黄猿、はなびを客演に迎えた楽曲です。
3人それぞれの地元への愛、下町愛に溢れた渋いラップは、FRANKENのラッパーとしての魅力を再確認できます。
FRANKEN
FRANKEN / TOKYO MONEY feat. KIMO JAMES
FRANKENの2枚目のシングル「TOKYO MONEY」のリードトラックです。
USライクなフロウにハードコアなライミングと、粗削りながらスキルの高さが分かります。
FRANKEN
FRANKENと仲の良いラッパー
この投稿をInstagramで見る
FRANKENは活動キャリアも長く、同じ東京の下町を拠点に活動する地元のラッパーとがっちりリンクしています。
あべみかこ
しかし、FRANKEN自身の楽曲のトピックスの広さと比例するように、年齢や出身地、性別問わず、様々なラッパーと交流を持っています。
色眼鏡で見ることなく、様々なフィールドで活動するアーティストとリンクすることが、FRANKENの楽曲の幅広さへ繋がる理由です。
輪入道
FRANKENと輪入道は、西麻布にあるクラブのCLUB XROSSで出会っています。
当時、FRANKENは21歳で輪入道は17歳と若く、面識はありませんでした。
FRANKEN
輪入道は初ステージでしたが、ビートボクサーを連れて全てフリースタイルのライブを披露します。
そのステージにFRANKENは感動して、FRANKENから感動して輪入道に声をかけたことで、2人の交流が始まりました。