今回紹介するILL-BOSSTINO(イルボスティーノ)は、THA BLUE HERB(ザ・ブルーハーブ) のメインMCです。
THA BLUE HERB ではBOSS THE MCという名前で活動していますが、ソロ名義の時は「ILL-BOSSTINO」と名乗り活動しています。
ILL-BOSSTINOは北海道の札幌を拠点としてラップを始め、当時東京至上主義だったヒップホップシーンに痛烈な批判を叩きつけ、反響を呼びました。
その影響力の強さから、ILL-BOSSTINOが絡んだビーフは数知れず、過去にはTOKONA-Xや RHYMESTERなどともやり合っています。
ILL-BOSSTINOは20年余りのキャリアを超えた今でも、北海道・札幌を代表する日本のラップシーンの重鎮として、日本中のラッパーやヘッズの支持を得ています。
目次
ILL-BOSSTINOのプロフィール
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出生名 | |
アーティスト名 | ILL-BOSSTINO(イルボスティーノ) |
年齢 | 1971年(現在52歳) |
身長 | 180cm |
血液型 | 型 |
出身地 | 北海道亀田郡七飯町 |
事務所 | |
レーベル | THA BLUE HERB RECORDINGS |
公式サイト | http://www.tbhr.co.jp |
ILL-BOSSTINOは北海道七飯市出身です。
高校時代は進学するも休学し、配管工の仕事をしていました。
その後大学に進学するため、札幌に移り住みます。
札幌の最大の歓楽街「すすきの」は、ILL-BOSSTINOにとって様々なことを吸収した場所でした。
ILL-BOSSTINOは、すすきので遊んでる時に、キャバクラやクラブで流れていたヒップホップにはまっていきます。
大学卒業後はダンサーになりたかったのですが挫折し、パーティーオーガナイザーとして活動しながらすすきのでウェイターの仕事をしていました。
その時にB.I.G.JOEのライブを見て
ILL-BOSSTINO
B.I.G.JOEのライブを見たことがきっかけでILL-BOSSTINOはラッパーへの道を歩んでいきます。
その後も地元札幌で活動を続け、独自のスタンスで「札幌スタイル」を築き上げていきます。
THA BLUE HERBでライブや楽曲制作をしていくかたわら、ソロでも様々なアーティストと共演しています。
ILL-BOSSTINO名義が初めて使用されたのは、ラッパ我リヤと共演した「ヤバスギルスキル PT.6」です。
2006年にはCalmとJAPANESE SYNCHRO SYSTEMというダンスミュージックユニットを組んでいます。
ILL-BOSSTINOは様々なビーフやラッパーとの出会いを重ね、そのキャリアを揺るがぬものとしています。
ヘッズだけでなく多くの著名なラッパー達のプロップスを得ていて、20年以上のキャリアを経た今でも、日本のラップシーンの最前線に立ち続けています。
ILL-BOSSTINOファッションブランドのまとめ
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LIBE(ライブ)はプロスケーター森田貴宏が手がけているアパレルブランドです。
NEW ERA(ニューエラ)は1920年創業のニューヨークの老舗ヘッドウエアブランドです。
ILL-BOSSTINOはよくLIBEやNEW ERAのキャップを愛用しています。
また、森田貴宏はTHA BLUE HERBのMV制作にも参加しています。
SOPH.(ソフ)はデザイナー清水浩史が代表を務める東京を代表するアパレルブランドです。
ILL-BOSSTINOは、清水浩史とも個人的に親交があります。
Stay Home, Stay Safe.
Huge thanks ILL-BOSSTINO (THA BLUE HERB) @tbhr_sapporaw …!SOPH. “Stay Home, Stay Safe” – ILL-BOSSTINO (THA BLUE HERB) https://t.co/CKQh5MmcJG
— SOPH. (@SOPH_co_ltd) May 5, 2020
ILL-BOSSTINOの希望で、THA BLUE HERBのPVでもSOPH.の衣装を着用しています。
ILL-BOSSTINOは結婚している?
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ILL-BOSSTINOが結婚していることがわかるエピソードを紹介します。
2005年に京都で漢 a.k.a GAMIがILL-BOSSTINOに出会った時フリースタイルを仕掛け、そこで仲良くなったというエピソードがありますが、その時ILL-BOSSTINOは新婚旅行で来ていました。
また、2014年に般若が札幌でライブをした時に、ILL-BOSSTINOに飲みに誘われ、SHINGO★西成、ILL-BOSSTINOと奥さんとB.I.G. JOEのメンバーでTwiGyのライブを観に行ったということです。
ILL-BOSSTINOのビーフまとめ
ILL-BOSSTINOは様々なラッパーとビーフを巻き起こしています。
ビーフを仕掛けられても相手をせず、アンサーをしないこともあります。
TOKONA-Xとのビーフ
Bossがトコナに向けて歌うなんて本当時代は流れたと思うよ。
ビーフしてた時代を俺は見てないけど
TOKONA-X『OUTRO feat. ILL-BOSSTINO』【Music Video】Produced by DJ RYOW https://t.co/a6u3KpWrXk— Kill X4N (@KillX4N) October 20, 2016
ILL-BOSSTINOとTOKONA-Xのビーフの原因は、
TOKONA-Xが「A SWEET LITTLE DIS」のリリック内で「XXX DIS」の部分が自分の刺青を批判されたと思い込んだことでした。
TOKONA-Xは、すかさず2003年に発表した「EQUIS.EX.X」という曲で反撃しました。
ILL-BOSSTINOはそれに対しアンサーは返さず、沈黙を守ったままでした。
結局TOKONA-Xは亡くなってしまいました。
そこから数年後、DJ RYOWがILL-BOSSTINOにTOKONA-Xとのコラボ曲をオファーしたのをきっかけに、ILL-BOSSTINOは沈黙を破り、真相を話しています。
話し合いの結果、2人は和解していて、その後もお互いのライブを観に行っていました。

RHYMESTERとのビーフ
メジャー的ヒップホップのRHYMESTERと、アンダーグラウンドでインディーに徹するILL-BOSSTINO率いるTHA BLUE HERBのヒップホップに対する思想の違いが、ビーフに発展しました。
RHYMESTERが「ウワサの真相」でILL-BOSSTINOをDISったことに対して、「SHINE ON YOU CRAZY DIAMOND」や「サイの角のようにただ独り歩め」でILL-BOSSTINOはアンサーを返しています。
長い沈黙の後、RHYMESTERの宇多丸が自身のラジオ「ウィークエンドシャッフル」でILL-BOSSTINOとの再会を果たしたという話を披露し、和解していることがわかっています。
ILL-BOSSTINOのラップの特徴
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- 韻を踏まない緊張感のある語り
- 圧倒的な練習量に支えられる熱いライブパフォーマンス
ラップとは押韻をすることが基本とされています。
しかしILL-BOSSTINOは、あえて韻を踏まず語るようなライムを吐き出します。
それが曲の中でシリアスな緊張感を生み出し、唯一無二のスタイルをヒップホップ界に叩きつけました。
また、ILL-BOSSTINOはライブが始まると
ILL-BOSSTINO
毎日ライブのために生きているというストイックな姿勢が、ILL-BOSSTINOのヒップホップ道を支えています。
ILL-BOSSTINOがラップを始めたきっかけ
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ILL-BOSSTINOがラップを始めたきっかけは、北海道の歓楽街、すすきので流れていたヒップホップを聴いたことでした。最初はBiggieやNAS、Gang Starrなど、アメリカのラッパーに憧れていました。
大学卒業後にすすきのでウェイターのバイトをしていた時、B.I.G.JOEのライブを観て、日本人でこんなかっこいいラッパーがいるのかと衝撃を受けたことがきっかけでILL-BOSSTINOは本格的にラッパーの道へ進みました。
ILL-BOSSTINOがMCを務める「THA BLUE HERB」
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ILL-BOSSTINO率いるTHA BLUE HERBは、北海道札幌市を拠点として活動するヒップホップグループです。
トラックメイカーのO.N.O(オーエヌーオー)とライブDJのDJ DYE(ディージェーダイ)の3人から構成されています。
また、シンガーのJERRY “KOJI” CHESTNUTS(ジェリー“コージ”チェストナッツ)も度々楽曲に参加していて、準メンバーとしてTHA BLUE HERBを支えています。
THA BLUE HERBは2020年で結成23年を迎えます。
現在も日本のヒップホップシーンの重鎮として、シーンの最前線で活動を続けています。
ILL-BOSSTINO名言のまとめ
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ILL-BOSSTINOの歌詞は文学的・哲学的なリリックが特徴的です。
フリースタイルのような即興性よりは、1小節に3日かけるような言葉への飽くなき探究心がILL-BOSSTINOのラップの最大の魅力となっています。
未来は俺等の手の中
ILL-BOSSTINO
窓から空は見えない 明日は今日なのかもしれない
まかないの後5分だけもらった煙い休憩室 自由とは何だ?
俺はこのままでは終わらない そうだな 未来は俺らの手の中
あの夜だけが
ILL-BOSSTINO
ライムからピンとくるのはコトバではなく1本のコロナだった頃2杯目は
ジンロック、金・土舞台はすすきの、いつも探してた先週の続きを
STILL STANDING IN THE BOG
ILL-BOSSTINO
心をすり減らしその削りカスで得るモノ
つまり情熱よ お前のスタミナをためすぞ
サイの角のようにただ独り歩め
ILL-BOSSTINO
野蛮なる度胸と冷静さの2つで 勝機を見極め1発で腰を砕くぜ
だから勢いよ お前は振り返らず先頭をサイの角のようにただ独り歩め
ILL-BOSSTINOのおすすめ楽曲厳選3選
ILL-BOSSTINOのおすすめの曲をまとめました。
SEEDA 「Mic Story feat. ILL-BOSSTINO」
2007年に発表されたSEEDAのアルバム「街風」に収録された曲です。
ILL-BOSSTINOとSEEDAが初めてコラボした一曲です。
OLIVE OIL × ILL-BOSSTINO × B.I.G.JOE 「MISSION POSSIBLE」
2010年、ILL-BOSSTINOの盟友B.I.G.JOEと、OLIVE OILによって発表された曲です。
OLIVE OILのトラックに乗せ、ILL-BOSSTINOとB.I.G.JOEによる平和を願い未来へのメッセージが込められた一曲です。
olive oil + ill-bosstino + b.i.g. joeの”mission possible” 525円CDは、意外にもハマってた。olive oilのクセのある楽曲にrapがついていけるか心配だったけど全く問題なし。
— Artemis (@ArtemisSuccubus) July 21, 2010
mission possible / OLIVE OIL,ILL-BOSSTINO,B.I.G.JOE http://t.co/7mwdz5s0 TBHのILL-BOSS先輩DOPEです!
— きよきよしいKIYO-C (@analogkiyoc7) May 18, 2012
クラムボン featuring ILL-BOSSTINO 「あかり from HERE 」
2010年の「KAIKOO POPWAVE FESTIVAL’10」にて、ILL-BOSSTINOとクラムボンがコラボした楽曲です。
ILL-BOSSTINOの優しく力強く希望を語りかけるリリックが感動的な曲です。
ジャンルを超えたこのコラボは、多くのリスナーの反響を得ています。
#ツインボーカル愛好会
クラムボン featuring ILL-BOSSTINO
あかり from HEREぱっと見は違和感ある組み合わせですが、めっちゃハマったナイスコラボ KAIKOO 2010のライブ映像、何度も観ましたが、毎度エモーショナルに過ぎて、グッときます https://t.co/8AEIjezFMT pic.twitter.com/36vJ2LVJwD
— maru.o (@maru_12XU) December 25, 2019
これさいこうやし、いつもききたくなるし、これでbossのこと好きになった
クラムボン featuring ILL-BOSSTINO – あかり from HERE @ KAIKOO POPWAVE FESTIVAL’10 https://t.co/X0lSnHOl4t @YouTubeより pic.twitter.com/umRSUajG9z
— あさじ船長○* (@asazizizi) June 16, 2019
何度見てもエレルギーに充ちてて、
感動する😭
クラムボン featuring ILL-BOSSTINO – あかり from HERE pic.twitter.com/jRLq2ZGzHh— ほり (@kapyu) July 5, 2018
クラムボン featuring ILL-BOSSTINO – あかり from HERE @ KAIKOO POPWAVE FESTIVAL’10 https://t.co/etNO0T9470 #30DaySongChallenge day9
何回見てもめっちゃくちゃ感動するし、幸せな気分になる pic.twitter.com/fFL9IGUXkj— g (@kugayachitsu) April 28, 2020
ILL-BOSSTINOの交友関係のまとめ
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- B.I.G.JOE
- 漢 a.k.a GAMI
- YOU THE ROCK
ILL-BOSSTINOは、東京のヒップホップシーンに対抗するスタイルで様々なラッパーとビーフを起こしてきました。
しかしその中で多くのラッパーと解り合い、楽曲制作やライブを行なっています。
ILL-BOSSTINOとB.I.G.JOE
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B.I.G. JOEとはILL-BOSSTINOがラップを始めた頃から親交があります。
彼のライブを見て、ILL-BOSSTINOがラッパーになろうと決意したきっかけのラッパーでもあります。
ILL-BOSSTINOは彼のサイドMCも務めていました。音楽仲間としても、友人としても深く付き合っていました。
いきなりDISを受けた時も、何らかの誤解で起きたことでビーフに持ち越すべきではないと考え、しばらく後に公式サイトで真相を語るのみにとどめています。
今ではお互いリスペクトし合っていて、楽曲制作などで共演しています。
ILL-BOSSTINOと漢 a.k.a GAMI
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ILL-BOSSTINOと漢 a.k.a GAMIの出会いは、2003年の京都でした。
漢 a.k.a GAMIが京都でのライブ後、深夜の路上でILL-BOSSTINOを見かけます。
漢 a.k.a GAMIとその仲間たちは、ILL-BOSSTINOにフリースタイルをかまします。
ILL-BOSSTINOもそれに応えてサイファーが行なわれました。このサイファーの様子はMC漢&DJ琥珀のアルバム「MURDARATION」内の「これがFREE STYLE」という曲に一部が収録されています。
フリースタイルが終わったあと、2人はがっちり握手をして出会いを喜んだといいます。
漢 a.k.a GAMIは自伝「ヒップホップ・ドリーム」で後日談を記していて、「ひとりの男としてかっこいい」とILL-BOSSTINOをリスペクトしています。
