DOGMA(ドグマ)は、東京都杉並区出身のラッパーです。
漢a.k.a.GAMI率いるMSCに魅入られ、彼のラップキャリアは始まります。
拘留・重度の吃音症などハードな問題を乗り越え、彼はラップシーンで唯一無二のスタイルを築いていきます。
DOGMAの持つダーティな世界観は、例え客演であってもまるで主役かのような存在感を魅せてきます。
そんな彼の壮絶な生い立ちやおすすめ楽曲を紹介します。
目次
DOGMAのプロフィール
出生名 | 非公開 |
アーティスト名 | DOGMA(ドグマ) |
年齢 | 1984年(現在39歳) |
身長 | 非公開 |
血液型 | 非公開 |
出身地 | 東京都杉並区 |
事務所 | |
レーベル | |
公式サイト | https://twitter.com/_deadhead_OG_ |
江戸っ子気質の父親と、気の強い母親の間に育つ。弟が1人いる。
DOGMAは東京都杉並区宮前生まれのラッパーです。
父親は非常にユニークな人で、かつて戦地だった場所をツアーするという旅行会社を立ち上げていました。
DOGMAの生き様やカルチャーは、父親の影響を多く受けていると話しています。
幼少期は西荻窪の小さなアパートに住んでいました。
10代の頃は杉並界隈の「いたずらっ子」として仲間たちと遊んでいたといいます。
DOGMA
高校卒業後は日本でも有数の造園会社に入社しました。
しかし納期直前の2週間は睡眠時間がほぼ2・3時間という過酷な環境でした。
DOGMA
その頃、MSCのライブで漢a.k.a.GAMIのラップに今まで覚えたことのない衝撃を受け、頻繁にライブに通うようになります。
その後漢a.k.a.GAMIに気に入られ、MSCの一員として遊ぶようになりますが、ラップはしていませんでした。
その後、ストリート事情で逮捕され拘留をされる中で、彼はラップを書くという気持ちに目覚めていきます。
2011年、少佐・SAW・DOGMAの3人からなるクルー、SATELLITEからアルバム「FULL SMOKE」を発表し、その存在感と世界観で注目を集めます。
DOGMAの世界観は映画の影響
DOGMAは幼少の頃から彼の父親の影響で、映画が好きでした。
音楽も映画の劇中歌を通じて親しむようになります。
「パルプ・フィクション」「レザボア・ドッグス」などのサウンドトラックに夢中になる少年時代でした。
DOGMAの作品中にも映画のサンプリングが多々あり、「パルプ・フィクション」「グラインドハウス」など、映画の世界観が彼の創作の一端を担っています。
また、彼がHIP HOPに興味を持つようになったのもギャング映画が入り口でした。
かの有名なギャングスタラッパー・2PACとノートリアスB.I.Gが激しいビーフの末、銃殺されてしまうという事件はDOGMAに衝撃を与えました。
DOGMAは重度の吃音症だった。
DOGMAは幼少期から重度の吃音症に悩まされていました。
DOGMA
漢a.k.a.GAMIと出会い、ラップにも触れる機会が多くなっていましたが、「頼むからラップだけは振らないでくれ」と思っていました。
23歳の時に漢a.k.a.GAMIにリリックを書いてみろと言われ、書いたものの仲間内で散々ネタにされてしまったことからも、
DOGMA
と思っていたといいます。
マリファナとVlog「4:20」
DOGMAは自身のYouTubeチャンネルで「4:20」というVlogを2019年から公開しています。
「4:20」というVlog名は、DOGMAが愛好するマリファナの隠語「420」から来ています。
DOGMAおすすめの飲食店や彼の友人たちとの出来事を、彼独特の語り口で煙たく語る様は、ついつい観入ってしまうコンテンツとなっています。
Vlogの再生分数も、毎回「4分20秒」で終わっていて、彼の遊び心とこだわりを感じさせます。
2021年あたりまで更新されていましたが、その後ぱったりと更新されていません。
最後のVlogはJNKMNとお気に入りのハンバーグ店について語る動画でした。
DOGMA
DOGMAのタトゥー
DOGMAは、2014年ごろからタトゥーを入れ始めました。
ファーストタトゥーは、左手にカラスの羽と日本刀を入れたと話しています。
父親は無関心、母親は「入れちゃったの?」という反応だったといいます。
笑うせぇるすまんのタトゥーを入れたときも、母親に「ばかねぇ〜」と笑われたというエピソードもあります。
SNSなどで腕や背中には和彫がガッツリ入っている様子が確認できます。
DOGMAと漢 a.k.a.GAMIの出会い~ビーフ〜決別
DOGMAと漢a.k.a.GAMIの出会いは、DOGMAが客としてMSCのライブに行ったことがきっかけでした。
DOGMA
DOGMAがMSCのライブ中にヤジを飛ばし、ステージ上から漢a.k.a.GAMIに「お前、うるせえから後で来い」と言われ、行ったらガン無視されたというエピソードも残っています。
その後も諦めずMSCのメンバーに話しかけていたところ、次第に漢a.k.a.GAMIに気に入られ、MSCの一員に加わることとなります。
そんな2人でしたが、ある事件をきっかけに決裂してしまいます。
漢a.k.a.GAMIが2020年に大麻所持で逮捕され、さらに覚せい剤の陽性反応が出たことが受け、DOGMAは「for K」という楽曲をYouTubeにアップし、それが2人の決別のきっかけとなります。
DOGMAが覚せい剤を批判しながらまだ現在も使用しているという話が持ち上がり、それが漢a.k.a.GAMIの耳に入りSNS上で炎上していきます。
最終的には漢a.k.a.GAMIとDOGMAが話し合い、一応決着がついていますが、DOGMAは鎖Groupを脱退しています。
DOGMAのラップスタイル
- リアルを追求した「黒い」ラップ
- ダーティな心象風景を表現したリリック
DOGMAのラップスタイルの最大の魅力は、リアルを追求した黒いラップです。
MSCの「ラッパーはリアルでなければならない」というルールに基づいて、とことんまで自分の過去や生き方と向き合った結果、このようなスタイルが生まれたと話しています。
また、彼が他のストリートラッパーと一線を画している最大の魅力は、芸術性の高いリリックです。
DOGMAはリアルをスピットする時に「一言でわかる怖さ」が滲み出るフレーズを探しているといいます。
バイオレンス映画のキャッチコピーのような、読んでも聴いても怖さがわかるリリックが、彼作品には数多く見られます。
とことんまでリアルを追求する姿勢と、それを詩的に表現するリリックが融合して、唯一無二の「黒いラップ」を生み出していると言えます。
留置所でラップに目覚める
DOGMAは24歳の頃、諸事情で逮捕・拘留を経験しています。
28日の拘留生活の中で、彼は様々な思考や人間模様に出会います。
DOGMA
また、シャバでは出会うことのなかった様々なに人々を目の当たりにし、歌詞を書こうと思い立ったとも話しています。
留置所では手紙以外でペンと紙を使用することができない上に検閲もあり、リリックを書き留めることは難しい状況でした。そこで彼は一計を案じます。
DOGMA
その留置所生活で生まれた楽曲こそが、彼の代表曲「CROCKERS」でした。
DOGMAのフロウの発見
現在のDOGMAのフロウは、「CROCKERS」を制作していく中で発見されました。
漢a.k.a.GAMIがアドバイスして開発されたフロウが、DOGMAのラップスタイルの根幹を作り上げていったというエピソードがあります。
ただ平坦にリリックを発声するのではなく、強く抑揚を付けて音にはめていくというスタイルを作り上げました。
そしてこのフロウがDOGMAの名前をラップシーンに轟かせることになります。
DOGMA
脂ぎったステアリング
ガソリンはエンプティ
DOGMAのデビュー作は「gRASS HOUSE」
DOGMAのソロデビュー作は2015年3月11日にリリースされた「gRASS HOUSE」です。
この作品は9sari group×BLACK SWANという新体制連続リリースの第5弾としても発表され、それまでMSCへの客演やSALELLITEのメンバーとして暗躍していた彼が初のソロということでも注目を浴びた作品でした。
不穏なスキットで幕を開けるこの作品は、DUTCH MONTANAや盟友MEGA-Gをフューチャリングに迎えた6曲入りのEPです。
DOGMAのEP「我が、超限戦」について
2023年6月25日に、DOGMAが4年ぶりのEP「我が、超限戦」を配信開始しました。
客演には梵頭・JinDoggなどを迎え、6曲ながらもボリューミーな作品に仕上がっています。
「超限戦」という言葉は、1999年に発表された中国人民解放軍大佐による著書の題名であり、筆者たちによる造語です。
このEPは第一章だと話していて、続編も作りたいということで、今後の作品も楽しみです。
DOGMAのおすすめ楽曲【厳選3選】
DOGMAは2023年現在、2枚のアルバムをリリースしています。
また、SATELLITE名義や数々のラッパーとの客演を多くこなし、その個性的な世界観と声で多くのヘッズを虜にしています。
そんな彼のおすすめ楽曲を3曲紹介します。
DOGMA / 杉並区
EP「gRASSHOUSE」に収録されています。
2015年4月20日に、YouTubeにてMVが公開されました。
MVの監督・編集は全てDOGMAが担当し、カメラマンはTOSATSUMAのDaikyが手掛けています。
DOGMA
蛇の道は蛇じゃヘヴィー 東京市杉並区宮前ブギー
掃き溜めからサンライズ仲間
札束とハニー 腹決めて立つ道前線のストリート
EveryTime 420 Gpen WaxMusic
DOGMA / FAILED ESCAPE / DROPOUT SIDING feat.漢 a.k.a. GAMI & D.O
DOGMA×LORD 8ERZ「DROPOUT SIDING」表題曲です。
漢a.k.a.GAMIとD.O.をフィーチャリングに迎えた気鋭の楽曲となっています。
MVもまるでショートフィルムを観ているような見応えのある作品です。
DOGMA
納得いかねージャレ合うPeace
無理矢理ねじ込むパズルのPiece
てめぇが欲しがる麻酔を打ち込み
黙らせた後は気分がピーク
DOGMA / STOP IT EARLY
2023年6月に公開された「我が、超限戦」収録曲です。
DOGMA
いつもしたくなる悪いこと 仲間集まればどこでもそう
別に美味くはねぇよ親の煙草 ガキが背伸びしてる分浮いた踵
ちょっと付いてるよ鼻に白いの
全部吸ってみよう酸いも甘いも
ラップクルーSATELITEについて
- DOGMA
- 少佐
- SAW
SATELLITEは、漢a.k.a.GAMI率いるラップクルーMSCの裏の別動部隊として結成されたクルーです。
クルーネームは「衛星」という意味があります。
他の不良ラップとは一線を画す、ダーティでアンダーグラウンドな雰囲気を纏い、MSCのリアルのみを歌うという意志を色濃く引き継いだグループです。
アルバムは「FULL SMOKE」の1枚のみのリリースですが、このアルバム収録の「CROCKERS」がDOGMAの名前をラップシーンに轟かせました。
「for K」
2020年5月に漢a.k.a.GAMIが大麻所持の容疑で逮捕され、さらに覚せい剤の陽性反応が出たことを受けて、DOGMAは「for K」という動画をYouTubeにUPしました。(現在は削除済み)
「K」は漢a.k.a.GAMIと覚せい剤の頭文字をとったものとされています。
映像も生々しく、コメント欄には「(使用したことがある人が観たら)フラッシュバックしてしまう」と書かれるほどリアルでダーティな楽曲でした。
DOGMA
一度見つけた底なしの快楽
二度と戻れねえあの時の自分
DOGMAの仲の良いラッパー
- JNKMN
- MEGA-G
- 梵頭
- T2K
- 鎮座DOPENESS
SNSなどではあまり交友関係が見えないDOGMAですが、梵頭やJNKMN、MEGA-Gなどいわゆる「ストーナー」ラッパーと交流があることが伺えます。
Awichとのコラボ曲「洗脳」のフィーチャリングでは、Awichが「3体の菩薩」というリリックがあるから3人ラッパーを集めないとという話になり、DOGMAが鎮座DOPENESSを電話で呼んだというエピソードがあります。
JNKMN
DOGMAとJNKMNの出会いはクラブだったようですが、お互いトビ好きが昂じてほとんど記憶がないとのことです。
共通の友人がJNKMNにお互い出会ったら絶対仲良くなると言われ続け、実際出会ったら
2014年頃から出会い親交を深めていて、DOGMAがやっていたVlogにも度々登場しています。
Dutch Montanaと3人で制作した「Daijoubu」がバイラルヒットを飛ばし、その後も2020年に2人のコラボアルバム「DARC」をリリースするなど、公私ともに仲が良いです。
MEGA-G
MEGA-GはMSCのメンバーとも仲が良く、そこで出会っています。
2014年にMEGA-Gの楽曲「HIGH BRAND」に客演したことがきっかけで、「STONEDZ」というプロジェクトを立ち上げ、2016年には「STONEDZ PROJECT」をリリースしています。
MEGA-Gがハンバーガー屋「JUICY BURGER」をオープンさせた際も、DOGMAは早々に駆けつけ自身のVlogで話すなど、親交が深いことがわかります。