中心メンバーのT-Pablow、YZERRが揃って高校生ラップ選手権で優勝、クルーとしては単独武道館公演を成功、衝撃の解散発表など、2023年もBAD HOPが「日本語ラップシーンの中心」と言っても過言ではない活躍を見せました。
BAD HOPの解散までのタイムリミットが迫る2023年下半期に、BAD HOPと同じく日本語ラップシーンを牽引する舐達麻とRYKEY DADDY DIRTY、阿修羅MIC、ジャパニーズマゲニーズという構図のビーフに発展して話題を集めています。
目次
YZERRがBADSAIKUSHの胸ぐらを掴みブンブン振り回す
YZERRと舐達麻の
出演前後にしたのがだめだったよね。これ
これでBAD HOP出演なくなったのか…やば#AH1 #フェス pic.twitter.com/MlFlVD8Umz— TAICHI (@tic69__oknw) October 24, 2023
2023年10月22日に愛知県国際展示場(Aichi Sky Expo)で開催された野外ヒップホップフェス「AH1(ASIAN HIPHOP CONNECTION)」で、YZERRが舐達麻のBADSAIKUSHの胸ぐらを掴み、ブンブン振り回す動画がSNSで拡散されて話題になりました。
舐達麻がライブを終えてインタビューを受けているところに、YZERRが「お前俺のことディスったよな?」とBADSAIKUSHに詰め寄り、乱闘に発展しています。
DJ TY-KOH
BAD HOPのメンバー、舐達麻周りのアーティストも入り乱れる大騒動となり、収集がつかない状況に、大トリを務めるはずのBAD HOPは急遽イベントへの出演を見送る事態となります。
BAD HOPはすでに解散が発表されていて、メンバーのBenjazzyが「BAD HOPとして出演するフェスはAH1が最後」と公言していたこともあり、ファンからは落胆の声が多数上がることになりました。
そしてその後、YZERRが事の経緯をインスタライブで説明して、関係するラッパーがそれぞれアンサー曲を発表したことにより、日本のヒップホップ史上稀に見るビーフへと発展していきます。
BADSAIKUSHとYZERRのビーフの原因は?
YZERRがAH1の舞台裏でBADSAIKUSHに掴みかかった原因は2つあり、その原因について詳しく解説していきます。
① 元々の火種はRYKEYとBADSAIKUSHのディス曲「You Can Get Again / RYKEY × BADSAIKUSH」
201年8月24日にRYKEY × BADSAIKUSH名義でリリースしたアルバム「Mary Jane」の収録曲「You Can Get Again」が、今回のビーフの元々の火種です。
このディス曲がリリースされた背景として、RYKEYが2018年12月8日に「15人に暴行を受けた」として血だらけでインスタライブ内で「BAD HOPが暴行に関与している」という趣旨の発言をしたことで始まります。
更にYZERRの楽曲「Back Stage feat. Tiji Jojo」を「MarshmelloのProject Dreamsのパクリだ」とインスタライブで批判したことがきっかけで、SNS上で両者がヒートアップしていきました。
そんなSNS上での舌戦を見かねた阿修羅MICがRYKEYに「ヒップホップ的なビーフをしたほうがいい」と提案したことで、このYZERRに対するディス曲「You Can Get Again」がリリースされています。
しかし、楽曲内でBADSAIKUSHはYZERR含むBAD HOPに対してのディスと取れるリリックはありません。
RYKEY
② 孫GONGがYZERRに手を出してYZERRの怒りが爆発
気づいたらYZERRと孫gongに
なってる。BADHOP と 舐達麻だと思ってた。 pic.twitter.com/THOfEbnYnz
— ケンコバ:吉本農業 (@kencandayu420) October 24, 2023
2023年9月23日に開催されたイベント「THE HOPE 2023」のアフターパーティで、YZERRとRYKEYが居合わせて、口論に発展しました。
YZERRとRYKEYの口論に酔っ払った孫GONGが仲裁に入ったことで、トラブルに発展します。
YZERRが「関係ないやつが入ってくるな」と孫GONGを突き放すと、孫GONGがキレてYZERRを殴りました。
そこで「俺はヤクザの息子だぞ」と組織の名前を出したことでYZERRもキレますが、アフターパーティーの会場に遅れてきた阿修羅MICが仲裁に入る形でYZERRを外に連れ出します。
さらに騒ぎを聞きつけたT-Pablowが現れ、T-Pablowが阿修羅MICに殴りかかり、大きなトラブルに発展しました。
しかし、その後は孫GONGからYZERRへの謝罪はなく終わっています。
今回のビーフの時系列のまとめ
結果、BAD HOPはAH1への出演がキャンセルとなる
結果、一度ライブ会場から出て、阿修羅MICらはライブ会場へ戻ってきた
リッキー乱入、舐達麻のLIVEにて
デルタ「おいクソ金歯!まずシャブ辞めろ」
バダサイ「お前ラッパーの癖によ、お前の曲はパクリで俺のはRequiem」
動画2分20秒しか貼れん
今からバチバチなってくるからフォローしといてそれで blue 入る#リッキー#バダサイ#舐達麻#yzerr#ビーフ#hiphop pic.twitter.com/xGPMff1VHT
— XxAxX_$.P.G@今年小さい事言うの忘れてた (@SPG_JAP) December 16, 2023
BADSAIKUSHは「来いよぅお!」と挑発、LIVE終了後にBADSAIKUSHが瓶を割って武器にする動画が拡散され波紋を呼ぶ
中身入ってないとダメだよ瓶は
可愛いなバダサイ♡
— 九紋龍史進 (@Kumonryu_666) December 17, 2023
アンサーソングのPVを見るYZERRからバダサイへのアンサー。
これはまだ序章。昨日上げたバダサイの文春のくだりを知っておかないと内容理解できない人もいるだろうと思ったからな。
舐達麻がバックれた1/5のライブの真実も出ちまったな。
(YZERR)
羽田までのフライト 歌詞を貯めるiPhone
空の上で地に足つけ乗せる俺のPride… pic.twitter.com/vdxD4rQS6Q— Hustler (@CryptoHustlerJP) January 21, 2024
YZERRがインスタライブで語った内容のまとめ
フェス「AH1」での騒動がSNSで話題になり、出演キャンセルになった経緯を説明するためにYZERRが2回、インスタライブの配信を行いました。
1回目のインスタライブでは「AH1」の出演キャンセルについて主催者、来場者に謝罪した上で経緯を説明しています。
YZERRはかなり感情的になり、今回のトラブルに発展した関係のラッパーへの非難も多い内容でした。
続けて4日後に配信された2回目のインスタライブの内容は、当事者となったラッパーやヒップホップシーンへの想いを熱く語りながら「謝罪を受け入れる」という内容のものです。
YZERRのパンチライン
yzerrインスタライブまとめ
孫GONG
クソ豚🐖隙間産業阿修羅
仲裁で株をあげようとする伝統芸者
目をキラキラさせた熱血教師✨JAGGLA
気持ち悪いからスケボー🏄バダサイ
くそもろパンピー
5秒で有罪そそのかし犯🚨とりあえずみんな気持ち悪いと#yzerr#ワイザー#BADHOP#孫GONG#舐達麻 pic.twitter.com/V6qKUwtSMw
— umimi (@umimimimim) October 25, 2023
YZERRの2回配信されたインスタライブでは、これまで表で語られることのなかったYZERRとRYKEY、舐達麻、ジャパニーズマゲニーズ、阿修羅MICとの関係、トラブルが赤裸々に語られました。
そして、そのビーフの内容だけでなく、当事者のラッパーたちに対しての発言、ワードチョイスが面白いことも話題になっています。
そそのかし犯・もろパンピー|BADSAIKUSH
BADSAIKUSHについては「もろパンピー」と雑魚発言をしています。
また、BADSAIKUSHの立ち振舞を「そそのかし犯」「裁判だったら5秒で有罪」と痛烈に非難しました。
隙間産業|孫GONG
孫GONGについては容姿を何度も「豚、クソ豚」と発言して、明らかな嫌悪感をあらわにしています。
そして、孫GONGの立ち振舞を「人の感情の隙間に入り込んで」と表現して「隙間ビジネス」「隙間産業」と怒りをあらわにしました。
非営利団体・仲介中毒|阿修羅MIC
阿修羅MICについては、Kenny-GとBADSAIKUSHのビーフの仲裁、またTHE HOPE 2023でも仲裁に入ろうとした経緯もあり、主に「仲裁」についてYZERRは発言しています。
毎回トラブルの仲裁に入ろうとする阿修羅MICの立ち振舞を「伝統芸」と比喩して「仲介中毒(チューチュー)」「仲介仲裁中毒(チューチューチュー)」とディスしました。
ですが、2回目のインスタライブでは阿修羅MICを「自分に得がないのに仲裁しようとするいい人」と発言して、その様子を「非営利団体」と表現しています。
アメ村でスケボーやっとけ|JAGGLA
JAGGLAに関しては、THE HOPE 2023のアフターパーティーのトラブル後に女性と乾杯して盛り上がっている姿をYZERRが見たことで、YZERRの怒りを買っています。
「アメ村でスケボーやっとけ」とYZERRはJAGGLAに対して発言しましたが、JAGGLA本人は「スケボーはやったことないからできない」と後に釈明していて、どこからYZERRの「JAGGLA=スケボー」が出てきたかは不明です。
ただの良い人|G-PLANTS
舐達麻、RYKEY、ジャパニーズマゲニーズ、阿修羅MICの中で、唯一始めからYZERRが好意的な発言をしたのがG-PLANTSでした。
YZERRはG-PLANTSと飲んだことがあることを明かして、G-PLANTSに対しては「ただの良い人」と発言しています。
阿修羅MICが「UNTITLED」でアンサー
今回のビーフで一番最初に楽曲でアンサーしたのが阿修羅MICでした。
2023年11月24日に楽曲「UNTITLED」を発表して、今回のビーフについてリリックで説明しています。
自身のインスタライブでもYZERRに対して謝罪をしていましたが、YZERRのインスタライブでの「仲介中毒」などの発言で「顔に泥を塗られた」という趣旨のリリックでアンサーしました。
阿修羅MIC
舐達麻が「FEEL OR BEEF BADPOP IS DEAD」でアンサー
舐達麻は今回のビーフに発展してから1ヶ月以上、SNSでの発言も一切なく、沈黙を貫いてきました。
ビーフが鎮火したと思われていた12月1日に、楽曲「FEEL OR BEEF BADPOP IS DEAD」でBAD HOPへアンサーを返します。
YZERRがプロップスを上げて、沈黙していた舐達麻がプロップスを下げるような形でのビーフの終焉が見えていた最中、あくまでSNSや暴力は使わず、楽曲一つで形勢逆転に成功しました。
当事者であるBADSAIKUSHだけでなく、DELTA9KID、G-PLANTSもキレキレのリリックでアンサーしています。
ディス曲に対してのYZERRの反応
Yzerrのストーリーのこの文章、好きな人に言われたらめちゃくちゃアツいな pic.twitter.com/fqWR8PhTmu
— 🎟17🎟 (@pinkshikakatan) December 4, 2023
舐達麻の楽曲「FEEL OR BEEF BADPOP IS DEAD」が発表された2023年12月1日、YZERRは彼女と海外旅行中でした。
この楽曲の発表でYZERRはInstagramのストーリーズを激昂した様子で更新して、ビーフのさらなる発展を予告しました。
しかし、YZERRは楽曲でアンサーするのか、それとも暴力で解決するのかについては明言していません。
RYKEY DADDY DIRTYが「BUSTER CALL」でアンサー
今回のビーフでは完全に蚊帳の外のような扱いを受けていたRYKEY DADDY DIRTYですが、2023年12月6日に楽曲「BUSTER CALL」でアンサーしました。
楽曲の冒頭で「一日で作ってやったぜバカが」と言っていますが、実際に北海道のdj hondaのもとへ半ば無理やり訪れて、1日で完成させています。
内容は主にBADSAIKUSHへ向けたリリックで、YZERRについてはこの楽曲内で触れていません。
RYKEY DADDY DIRTY
YZERRが帰国を予告
yzerr帰国はあつい pic.twitter.com/pcRJ199tiX
— 宇陀 (@utqlaSiakids) December 12, 2023
舐達麻の楽曲「FEEL OR BEEF BADPOP IS DEAD」の発表後、ヘッズがこのビーフの盛り上がりも最高潮になる中、2023年12月12日にYZERRが旅行先のドバイから日本へ帰国することをSNSでアップします。
ヘッズからはYZERRから舐達麻へのアクションを期待する声がSNSで上がり、中には過激な発言もありました。
しかし、現状YZERRから舐達麻への楽曲でのアンサーはありません。
ジャパニーズマゲニーズが「I guess I’m beefin’」でアンサー
遅れること2023年12月15日にジャパニーズマゲニーズも楽曲「I guess I’m beefin’」でアンサーを返しました。
MVには実際にYZERRのインスタライブを見るJAGGLAの姿も写っていて、明らかに好戦的な姿勢を楽曲で見せています。
舐達麻の「FEEL OR BEEF BADPOP IS DEAD」と同じトラックを使っていることも話題になりました。
舐達麻の出演イベントが次々にキャンセル
川崎のチッタに続き、土浦CLUB GOLD舐達麻ライブも中止へ。
茨城に関しては誰も触れていなかった為、こちらもキッズの犯行予告等による中止かと思われる。
雪達麻式に大きくなるこのビーフ。結末や如何に。 pic.twitter.com/fkKKCRa19z— Hustler (@CryptoHustlerJP) December 25, 2023
舐達麻のアンサーソング「FEEL OR BEEF BADPOP IS DEAD」発表以降、ビーフは過激さを増していきます。
SNSでは舐達麻への暴露のような投稿や脅しとも取れる投稿が溢れて、舐達麻を狙ってライブ会場へ押しかける過激な投稿もありました。
実際に舐達麻のライブにRYKEY DADDY DIRTYが乗り込んで、あわや大乱闘という緊迫した会場の動画もSNSにアップされています。
そんな中で、舐達麻が出演するはずだった2024年1月5日に神奈川県川崎市にあるCLUB CITTA’で開催予定のライブイベント「Y.O.L.O -2024-」も、舐達麻への殺害、爆破予告が相次ぎ、イベント開催が中止になりました。
「Y.O.L.O -2024-」だけでなく、舐達麻が出演予定のイベントが相次いで開催中止、出演キャンセルに追い込まれるなど、ビーフの影響は拡大しています。
2024年1月28日ワイザーがアンサーソングをリリース
リアルなアンサーソング「guidance (舐達麻 ジャパニーズマゲニーズDiss) 」を発表