電波少女(デンパガール)はハシシ、NIHA-C、nicecreamからなる3人組ヒップホップユニットです。
インターネットを主戦場とした「ネットラップ」界隈で絶大な人気を誇り、2017年にはメジャーデビューを果たしました。
既存の概念に囚われない電波少女ならではのヒップホップ感で、日本語ラップシーンでも異彩を放っています。
目次
電波少女のメンバープロフィール
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- ハシシ・・・MC
- NIHA-C・・・MC
- nicecream・・・パフォーマンス&ボタンを押す係
電波少女(デンパガール)はMCのハシシ、NIHA-C、パフォーマンス&ボタンを押す係のnicecreamからなるヒップホップユニットです。
同じ高校出身の親友であるハシシとnicecreamに、2018年にNIHA-Cが加入して現在の3人体制になりました。
SoundCloudやニコニコ動画、YouTubeなどのインターネットを駆使した「ネットラップ」をルーツに持っています。
元々は6人組でスタートしましたがメンバーの脱退、加入を繰り返して、2017年9月27日にアルバム「HEALTH」でメジャーデビューを果たしました。
ハシシ
ヒップホップマナーに則りながら、ネットラップ文化らしいアングラ感とキャッチーさを兼ね備えた独自の楽曲、活動スタイルからコアな人気を集めています。
ハシシのプロフィール
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出生名 | ハシシ |
アーティスト名 | ハシシ |
年齢 | 1987年8月1日(現在36歳) |
身長 | 非公開 |
血液型 | A型 |
出身地 | 宮崎県日南市 |
事務所 | redrec/sputniklab.inc |
レーベル | redrec/sputniklab.inc |
公式サイト | https://twitter.com/hasisisisisisi |
宮崎県日南市に母子家庭の一人っ子として生まれる
19やゆずにハマってギターを始める
ヒップホップにハマってラップを始める
ハシシは電波少女のMCとリーダー、また、唯一のオリジナルメンバーです。
ハシシ
中学校の頃にはフォークにハマってギターを始めますが、高校に入るとDJから入り、ラップを始めます。
ラップからではなくDJから始めた理由は「DJをやってからラッパーになったほうが違和感がないと思ったから」です。
nicecreamとは高校からの親友で、ハシシ自身「今も親友はnicecreamしかいない」と語っています。
抜群のメロディセンスとメッセージ性のあるリリックが魅力です。
ラップを始めた理由は「目立ちたいから」
ハシシは小さい頃から「目立ちたい」「有名になりたい」という気持ちが強くあり、ラップを始めました。
中学生の頃は19やゆずなどのフォークにハマりギターを始めますが、高校生の頃にヒップホップが流行っていたこともあり、ラップをするようになります。
ハシシ
NITRO MICROPHONE UNDERGROUNDや妄走族、MSCの影響を受けて「歌唱力がなくてもキャラクターやリリックでどうにかなる」と思ったことが、ハシシがラップを始めた理由です。
ハシシが大麻取締法違反の疑いで逮捕
電波少女・ハシシ、大麻リキッド所持で逮捕https://t.co/l7IFkDBgdB
ネットラップを代表するヒップホップクルーのリーダー。報道に衝撃が広がっています
— KAI-YOU(カイユウ) (@KAI_YOU_ed) October 22, 2021
ハシシは2021年10月21日に大麻取締法違反(所持)容疑で逮捕されました。
2020年8月17日の夜に東京都日野市上田の路上で車を運転していたところに職質を受け、電子パイプに入った大麻リキッド約0.3グラムが見つかります。
ハシシは自ら使用する目的で所持していたことを認めました。
ハシシ
しかし、逮捕の影響はかなり大きく、所属レーベルのソニー・ミュージックレーベルズとの専属契約解除、CDの出荷停止、音源のデジタル配信停止、武富士アコム名義でリリース予定だったトップハムハット狂とのコラボ作「二Ø二Ø」の発売中止が発表されました。
NIHA-Cのプロフィール
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出生名 | 二橋 健人(にはし けんと) |
アーティスト名 | NIHA-C(ニハシー) |
年齢 | 1990年9月15日(現在33歳) |
身長 | 非公開 |
血液型 | O型 |
出身地 | 静岡県浜松市 |
事務所 | redrec/sputniklab.inc |
レーベル | redrec/sputniklab.inc |
公式サイト | https://twitter.com/NIHAC_DPG |
NIHA-Cは2018年3月31日に電波少女に加入したMCです。
17歳の頃にラップを始めて、電波少女とほぼ同時期の2008年頃からMC NOSE名義で動画投稿サイトをメインに本格的に活動を開始しました。
ソロのラッパーとしてSKY-HIが主催するレーベル「BULL MOOSE」からアルバム「BRIGHT LIGHT」をリリースするなど、順調にキャリアを重ねます。
NIHA-C
元々NIHA-Cはソロのラッパーとして活動していくことに限界を感じていましたが、そんなNIHA-Cをハシシが見て「このままならラップをやめてしまう」と思い、ノリで誘って電波少女に加入しました。
加入前から電波少女の楽曲に多く参加していて、高いスキルとハシシとの抜群のコンビネーションで電波少女のフロントマンとして欠かせない存在になっています。
nicecreamのプロフィール
ナイスさん誕生日おめでとうございます
これからも電波少女の大将として頼りにしてます pic.twitter.com/Jtfkir9xvw— NIHA-C (ニハシー) (@NIHAC_DPG) January 26, 2023
出生名 | 阪衛 悠(さかえ ゆう) |
アーティスト名 | nicecream(ナイスクリーム) |
年齢 | 1988年1月26日(現在35歳) |
身長 | 165cm |
血液型 | A型 |
出身地 | 宮崎県日南市 |
事務所 | redrec/sputniklab.inc |
レーベル | redrec/sputniklab.inc |
公式サイト | https://twitter.com/nicecream03 |
nicecreamは電波少女のボタンを押す係兼パフォーマーです。
また、YUU名義で実兄のRYOとバンド「CATS EYE」を結成して下手ギターを担当しています。
元々はギターキッズで、中学校の頃はバンドを組んでMONGOL800などのコピーをしていました。
その後、高校生の頃にヒップホップにハマり、DJとブレイクダンスを始めます。
ブレイクダンスを始めたきっかけは先輩からの誘いでしたが、映画「YOU GOT SERVED」を見て衝撃を受けて、本格的にブレイクダンスにのめり込むようになりました。
nicecream
電波少女にはバックDJを探していたハシシに「ボタン押すだけだから」と声をかけられて加入して、ブレイクダンスもハシシから「会場が広いし、せっかくだったら踊ったらいい」と言われたことがきっかけでパフォーマンスするようになりました。
電波少女のライブに欠かせないエンターテイナーとして人気です。
電波少女とは
赤目、野崎りこんが中心となりネットラップを紹介するインターネットラジオ番組をするために赤目、野崎りこん、souma、kerberos、ハシシで結成
途中でFUNKY髭HANKが加入して6人組ユニットとして活動開始
赤目、kerberos、souma、野崎りこんが脱退してnicecreamが加入
ファーストアルバム「BIOS」をリリースして累計2500枚のセールスを記録
5月にFUNKY髭HANKが脱退
9月27日にアルバム「HEALTH」でメジャーデビュー
3月31日にNIHA-Cが加入
電波少女は2009年に赤目、野崎りこんが中心となって、souma、kerberos、ハシシの5人で結成しました。
当初は「ニコニコ動画に投稿されているネットラップを紹介するラジオ」という形でスタートします。
ハシシ
ハシシは電波少女に誘われて加入しましたが、ネットラジオをするわけではなく「楽曲を作るグループ」だと思い加入しました。
そこでハシシがメンバーに「楽曲を作りたい」と提案したところ、他のメンバーは「堅苦しい」という理由で脱退していき、nicecreamとFUNKY髭HANKの3人体制で「楽曲を作るグループ」として本格的に活動を始めます。
JinmenusagiやNIHA-Cといった同じネットラップで活躍するラッパーとともにネットラップシーンを盛り上げ、2017年9月27日にアルバム「HEALTH」でメジャーデビューを果たしました。
2018年にはNIHA-Cが加入して2MC体制となって、ヒップホップをベースとしたエンターテインメント性溢れる楽曲とパフォーマンスを武器に活動中です。
ハシシとnicecreamの出会い
ハシシさん誕生日おめでと〜
この勢いで行くと高校時代に言ってた、40歳になったら青春パンクバンドやろうって戯言が実現しそうで草— nicecream (@nicecream03) July 31, 2019
ハシシとnicecreamは同じ宮崎県日南市の出身で、別々の中学校に通っていましたが、2人とも中学校時代からお互いに共通の友達から聞いていて名前は知っているだけの関係でした。
ハシシ
しかし、お互いに日南工業高等学校建築環境科に進学して、ハシシがnicecreamに声をかけたことがきっかけで仲良くなります。
高校の入学式の次の日に先輩が主催しているDJイベントに一緒に行き、3年間同じクラスになり、毎日家に泊まりに行くほど仲良くなりました。
NIHA-C加入の真相
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NIHA-Cは2018年3月31日に電波少女に加入しました。
ハシシとnicecreamとはNIHA-Cが東京に上京した2012年頃から仲良くなりましたが、ハシシとNIHA-Cはそれ以前の学生時代からの知り合いです。
ハシシ
ソロで活動してきたNIHA-Cにハシシが軽く誘ったところ、意外にも「加入したい」と即答されます。
以前にも冗談混じりで加入を打診されたこともありましたが、タイミングが悪く笑って流された経緯もあったため、ハシシにとっては驚きの回答でした。
nicecreamには事後報告で、NIHA-Cの電波少女加入が正式に決定します。
活動休止から活動再開
電波少女はハシシが大麻取締法違反で逮捕された2021年10月21日から2022年3月1日までの間、活動休止をしていました。
ハシシの逮捕により音源の出荷停止、配信停止、イベントへの出演キャンセルなどが相次ぎ、ハシシも含めた電波少女の活動については白紙の状態で、ファンの間で様々な憶測を呼びます。
ハシシ
ハシシが懲役6ヶ月執行猶予2年の判決を受けて、気持ちの整理もついたため、2022年3月1日から電波少女の活動再開を発表しました。
伝説の企画「電波少女的ヒッチハイクの旅」
電波少女はメジャーデビューをかけて、ヒッチハイクで全国を横断して47都道府県でストリートライブをする企画「電波少女的ヒッチハイクの旅」を見事に成功させました。
企画の期間は2016年11月11日に北海道の札幌時計台を出発して、2016年1月4日に宮崎県のJR宮崎駅にゴールするまでの約2ヶ月間です。
また、生活は投げ銭のみで、計96台の車に乗車して9222kmを走破するという過酷な企画でした。
ハシシ
企画の合間には滝行やバンジージャンプといった過酷なミッションもあり、ハシシは途中で入院するハプニングもありました。
あまりの過酷さにハシシ、nicecreamともに「もう絶対にヒッチハイク企画はやりたくない」と語っています。
しかし、ストリートライブでは総勢2500人を動員して、企画を生中継したLINE LIVEは人気チャンネルランキング1位、ライブランキング1位、総ハート数は5千万という反響を呼びました。
電波少女のラップスタイル
- メロディーを重視したフロウ
- メッセージ性の強いリリック
- ジャンルレスなトラック
電波少女のラップスタイルの最大の特徴は、メロディーを最大限に生かしたフロウです。
日本語ラップには珍しく、電波少女はメロディーを前面に押し出したポップな楽曲が多くあります。
しかし、そのポップさとは裏腹に、社会やシーンに対して強烈すぎるほどのメッセージ性を込めているところも、電波少女がネットラップから飛び出してもヘッズを魅力する理由です。
いい意味で「ヒップホップらしくないジャンルレスなトラック」も、全て電波少女らしいと思わせる楽曲に変えてしまうオリジナリティーも持ち合わせています。
ハシシ
捻くれたハシシの感性とヒップホップ特有のマッチョイムズを排除したネットラップという環境が、電波少女の最大の武器である突出したポップさとエンターテイメント性を生み出しました。
ネットラップ出身
楽屋で一緒だった電波少女。
ネットラップからの
お付き合いだったので、
嬉しかったです
昔のお話も出来て楽しかったー! pic.twitter.com/MjvXNwKjLc— ☆イニ☆(じん) (@JINJIN1027) July 14, 2018
元々ハシシとnicecreamは宮崎県でヒップホップクルーを結成して活動していましたが、体育会系の上下関係が煩わしくなり、辞めてしまいました。
そんな中でハシシが、煩わしい上下関係のないネットラップに出会います。
ハシシ
面倒くさい人間関係がなく、クラブなどにも行く必要もなく家から一歩も出ることなく表現できるネットラップにハマり、インターネット上にフリーで楽曲をアップし始めました。
すでに電波少女は「ネットラップ路線からは外れている」とハシシは語っていますが、ネットラップ文化がなければ電波少女は存在していません。
電波少女のおすすめの楽曲【厳選3選】
電波少女のジャンルに囚われない自由かつ中毒性の高い楽曲を厳選して3曲紹介します。
電波少女 / Re:カールマイヤー
ハシシ自体「呪いの歌」と語るほど完成度が高く、初期からファンに人気が高い楽曲です。
初期は元メンバーのFUNKY髭HANKとハシシの2MCでしたが、企画「電波少女的ヒッチハイクの旅」で初披露したリテイクバージョンはハシシのみがMCを担当しています。
中毒性のあるメロディがクセになる、最も電波少女らしさが出た名曲です。
ハシシ
電波少女 / INVADER feat.RAq
セカンドアルバム「WHO」の収録曲で、RAqを客演に迎えた楽曲です。
インターネット上で有名なコピペ「コミュニティの一生」がテーマになっていて、村社会を日本語ラップシーンに例えたリリックになっています。
ハシシ
電波少女 / MO feat.NIHA-C
電波少女に加入する以前のNIHA-Cを客演に迎えた楽曲です。
女々しい別れた彼女に対してのメッセージを詰め込んだラブソングに仕上がっています。
ハシシ
電波少女と仲の良いラッパー
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- Jinmenusagi
- DOTAMA
- ぼくのりりっくのぼうよみ
- れをる
- トップハムハット狂
- RAq
電波少女は、インターネット上を主戦場にするネットラップ界隈のラッパーと交流があります。
ハシシ
宮崎県でヒップホップクルーを組んで活動していた時から、ヒップホップの現場特有の縦社会が苦手で、必然的にネットラップ界隈で活躍するアーティストとリンクするようになりました。
しかし、DOTAMAとはライブで共演するなど交流があり、ハシシはDOTAMAについて「自分たちが人気になる前から優しく声をかけてくれた」と語っています。
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電波少女とJinmenusagi は、電波少女結成当初の2009年頃から付き合いがあります。
ハシシ
電波少女からメンバーが脱退してライブにも動員が5人程しかなかったときも、Jinmenusagiはそんな電波少女のライブに足を運ぶなど、助け合って活動してきました。
同じルーツをネットラップに持ちながら、日本語ラップシーンの異端児として活動スタイルは異なりますが、お互いにリスペクトをもっています。
楽曲でもかなり共演が多くありますがファンに人気の曲も多く、電波少女にとってJinmenusagiは盟友と呼べる存在です。