HIP HOPの歴史に一石を投じた今でも語り継がれるレジェンドの1人DMXの成功までの経緯やファッション、女性関係、話題を呼んだ事件についてまとめました。
DMXは1990年代から2000年代前半を中心に活躍し、一時期引退宣言したこともありましたが、現在でも活躍しているHIP HOPアーティストです。
1998年のデビューアルバム「It’s Dark and Hell Is Hot」で一気にトップへと駆け上がり、アメリカを中心として絶大な人気を誇りました。
デビューアルバムを含めこれまで8つのアルバムを制作し、その中でベストヒット曲「X Gon’ Give It to Ya」や「Ruff Ryders’ Anthem」など、数多くの名曲を世に残しました。
DMXのプロフィール
この投稿をInstagramで見る
出生名 | アール・シモンズ(Earl Simmons) |
アーティスト名 | DMX(ディーエムエックス) |
年齢 | 1970年12月18日(現在52歳) |
身長 | 180cm |
血液型 | |
出身地 | アメリカ合衆国 ニューヨーク州 マウントバーノン |
事務所 | |
レーベル | デフ・ジャムレコード(Def Jam) ラフ・ライダーズレコード(Ruff Ryders) コロンビアレコード(Columbia) ブラッドラインレコード(Bloodline) ハイプノティックレコード(Hypnotic) クレオパトラレコード(Cleopatra) |
公式サイト |
母親からの虐待とHIP HOPへの愛
1970年12月18日にアメリカ ニューヨーク州 マウントバーノンでDMXは19歳の母親と18歳の父親の間で生まれました。
両親との関係性は悪く、父親からは縁を切られ、母親の手で育てられることになります。
しかし、母親からも虐待を受けるという毎日を過ごすことになります。
その結果、小学5年生にして学校からも見放されるほどの問題児になり、虐待から逃れるために家には帰らず、それを母親は良しとしなかったため、子供養護施設に送還されることになりました。
しかし、この逆境がDMXをHIP HOPへと駆り立てることになります。
施設から戻った後も歌詞を書いたり、ラップの練習をしながら、ミックステープを作って路上販売をしたりと、精力的に活動を続けていきました。
最初は地道でローカルな規模にとどまっていましたが、地元で活動していたラッパーのレディ・ロンに出会いチャンスを掴みます。
その後、HIP HOPメディアThe Sourceに掲載されたこと契機に、更に知名度を上げていきます。
1992年にはコロンビアレコードとの契約の話が持ち上がり、デビューシングル「Born Loser」をリリースしました。
DMXの彼女歴と15人の子供
この投稿をInstagramで見る
DMXはこれまで様々な女性と関係を持っていく中で、15人の子供の父親になりました。
1999年にタシェラ・サイモンズ(Tashera Simmons)と婚約してから11年間夫婦の関係性にありましたが、逮捕されるなどDMXの素行の悪さが影響し離婚してしまいました。
また、その婚約生活中に他の女性2人と関係を持っていたことが明らかになり、それぞれ子供も授かっていたことも明らかにされています。
2016年にはデジリー・リンドストーム(Desiree Lindstrom)との間に子供を授かり、2019年にプロポーズし、再婚を果たしました。
DMXのファッション
この投稿をInstagramで見る
DMXのファッションはバギースタイルで、ダボっとしたストリート的な服装が特徴的です。
よく着ているブランドとしてはG-Star Rawやチャンピオン、ノースフェイスなどが印象的です。
この投稿をInstagramで見る
中でもTimberlandのブーツを履いていることが多いです。
誕生日にはDMXを象徴する犬の横にTimberlandのブーツを模したケーキがプレゼントされたこともあり、DMXを象徴とするファッションアイテムの1つとなっています。
この投稿をInstagramで見る
DMXのカーコレクション
この投稿をInstagramで見る
DMXのカーコレクションは以前までHIP HOPドリームを彷彿とさせるものでした。
260万円以上する1964年製Chevrolet Impalaや1,000万円を超えるMercedes Benz CL 500など、クラシックなビンテージ車を中心に様々な高級車を所有していました。
しかし、度重なる事件や子供の養育費問題など、様々な側面で出費がかさみ、現在では高級車に乗っている様子はあまり見られません。
DMXのデビューから成功まで
この投稿をInstagramで見る
歴史上初の5アルバム連続でビルボード首位に
1998年に入ると「It’s Dark and Hell Is Hot」と「Flesh of My Flesh, Blood of My Blood」をリリースし、ビルボードチャートで1位を記録する大ヒットとなりました。
翌年にはサードアルバム「And Then There Was X」でキャリアハイをたたき出し、売り上げ510万枚のメガセールスとなりました。
続いて4枚目、5枚目のアルバムでもビルボードチャート1位を記録し、5つのアルバム連続でビルボードチャートで1位を記録した歴史上初のアーティストになりました。
その勢いに乗り「Year of the Dog… Again」を公開しましたが、初めてトップから退くことになり、記録はストップしました。
7枚目のアルバム「Undisputed」は6年越しのリリースとなったにも関わらず、ビルボードチャートで19位をマークし、アメリカでの根強い人気を見せつけました。
2015年にリリースされた「Redemption of the Beast」はリリース元のレコードが不正にリリースしたことが明らかになり、一時話題を呼びました。
DMXの病気と生死をさまよう体験
この投稿をInstagramで見る
DMXは幼少の頃から気管支喘息という病気を患っていました。
気管支喘息は発作が酷いと呼吸困難に陥ってしまい、そのまま亡くなってしまう人もいる病気です。
DMXの症状は重く、幼少の頃に発作で病院に緊急搬送されたこともありました。
大人になってもその症状は回復しません。
2016年にはホテルのパーキングエリアで倒れ、病院に運ばれました。
DMXの破産の理由
この投稿をInstagramで見る
DMXは2013年に自己破産を申請したことで一時ニュースになったことがありました。
自己破産申請は端的に言うと借金を全てなかったことにする手続きで、支払い能力などを加味したうえで執行されます。
当時のDMXの資産は500万円未満と少なく、逆に借金が1億円~10億円にまで膨れ上がっていました。
破産手続きをした背景は経済的な困窮はもちろんですが、パスポートを取得できる環境を作り、海外へのパフォーマンスをするなどの海外展開を望んでいたのが第1の理由とDMXの広報担当者が述べています。
DMXが逮捕された理由
この投稿をInstagramで見る
これまでDMXは多くの容疑で逮捕されてきました。
アーティストデビュー前の1986年にジャンクヤードにいた犬を盗んだことで2年間刑務所に送られたことを始めとして
- 薬物所持や飲酒
- 無免許運転
- 武器の不法所持
- 動物虐待など
数多くの罪状で刑務所を出たり入ったりしています。
その中で幾度も更生プログラムや薬物治療のプログラムを受けてきましたが、いまだに大きな結果を得られていません。
DMXの音楽の特徴とおすすめの曲
この投稿をInstagramで見る
DMXの楽曲はアグレッシブで高圧的な雰囲気を持っていて、銃撃や強盗について曲にしたりなど、ギャングスタ・ラップの特徴が色濃く出ています。
特にDMXの過去は過酷なものであったことも影響し、そのスタイルに厚みを感じさせつつも、どこか悲しげな感情にもさせられます。
また、それらをサポートしているのが彼の声質・発声法で、ザラついた迫力ある声によって、ギャングスタ・ラップの好戦的な雰囲気を強く引き立てられているのも特徴の1つです。
そういった好戦的な雰囲気が上手く作用し、格闘技の入場音楽やアメリカンフットボールのトライ後の音楽などスポーツの試合の場面で耳にすることも多いです。
DMXのデビュー曲は「Born Loser」
DMXのデビュー曲は「Born Loser」です。
「Born Loser」は差別や貧困といった社会問題をテーマに、曲中に登場する”生まれながら負け犬”の主人公がどのような生活を送り、その中でどのように感じたのかが描かれています。
ギャングスタ・ラップで有名なDMXですが、デビュー曲ではまだ自身のスタイルが定まっておらず、特徴的な声を使ったライミングも見られていない貴重な曲の1つとなっています。
DMXの人気曲は「X Gon’ Give It To Ya」
DMXの楽曲の中で特に人気なのは「X Gon’ Give It To Ya」です。
タイトル「X Gon’ Give It To Ya」は「X(DMX)がお前をボコボコにする」という意味合いで、DMXの力強さやパワーを誇示し、誰も近寄らせないという情景をテーマにしています。
過去にはRIAAからPlatinum認定されたこともあり、映画「デッドプール」のサウンドトラックとして使われたこともありました。
DMXのおすすめの曲は「Slippin‘」
DMXの楽曲の中でおすすめしたい楽曲は「Slippin’」です。
「Slippin’」はDMXのこれまでの経験をベースに、どうすれば自分自身や自分の人生を良い方向に持って行けるのかという壮大なテーマが描かれています。
1999年にはアメリカのビルボード・ホット・HIP HOP/R&Bチャートで60位を、イギリスのシングルチャートで30位を記録し、RIAAからGold認定を受けるほどのヒットとなりました。
DMXがフィーチャリングしているおすすめの曲は「The LOX – Money, Power, Respect feat. Lil Kim & DMX」
DMXがフィーチャリングしている曲の中でおすすめしたいのは「The LOX – Money, Power, Respect feat. Lil Kim & DMX」です。
楽曲内ではタイトルにもある「金・力・敬意」の3つをテーマに、その3つが生活している中で起こる問題を全て解決してくれるといった内容になっています。
1998年にリリースされた「The LOX – Money, Power, Respect feat. Lil Kim & DMX」は、たちまち話題を呼び、ビルボードチャートで17位を記録し、RIAAからGold認定を受けるほどのヒットになりました。
DMXと仲のいいアーティスト
この投稿をInstagramで見る
DMXはこれまでのキャリアの中で、LL・クールJ(LL Cool J)やナズ(Nas)、エミネム(Eminem)、今は亡き2パック(2 Pac)など、そうそうたるメンバーと交友関係を築いてきました。
その中でも特に印象的なのはジェイ- Z(Jay- Z)との関係性です。
ジェイ- Zとは活動初期からの付き合いで、マイク・ジェロニモ(Mic Geronimo)の「Time To Build」という楽曲で初めてコラボを果たし、後にDMXがデフ・ジャムレコードと契約を交わしたことも影響し、より強固な関係性になりました。
DMXの名言
The art of rap…can’t stop won’t stop. pic.twitter.com/s0wbabFliD
— DMX (@DMX) July 2, 2017
DMX
DMXはこれまでのキャリアの中で様々な名言を世に残してきました。
トピックは様々ですが、ラップやHIP HOPといった自分の音楽の枠組みに対しての名言もあれば、中には自分自身についての名言もあります。
また、DMXはキリスト教徒でもあるため、宗教的な名言も残しています。
I DON’T AlWAYS KNOW WHAT IT IS … BUT I KNOW WHAT IT AINT #X
— DMX (@DMX) April 17, 2014
DMX
God is the only one who can have a bad situation become a beautiful situation without ever changing the situation
— DMX (@DMX) June 7, 2015
DMX
テレビや映画でも活躍
アーティストとして活動する反面、DMXの人柄や演技力が買われ、俳優としてテレビや映画に数多く出演しています。
俳優業を始めたのは1998年のことで、映画「Belly」やアニメ「サウス・パーク」にキャスティングされ、17作品の映画と18作品のテレビ番組に出演を果たしました。
テレビではDMX自身として出演することが多かったものの、映画作品ではしっかり役柄を与えられていて、2018年には「ピンプ(Pimp)」のミッドナイト・ジョン役で出演を果たしました。