HIP HOPの歴史上の中でもトップレベルの実力を兼ね備えているラッパーのケンドリック・ラマー(Kendrick Lamar )の生い立ちやファッション、おすすめの曲などについてまとめました。
ケンドリック・ラマーのプロフィール
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出生名 | ケンドリック・ラマー・ダックワーズ (Kendrick Lamar Duckworth) |
アーティスト名 | ケンドリック・ラマー(Kendrick Lamar) |
年齢 | 1987年6月17日(現在35歳) |
身長 | 168cm |
血液型 | |
出身地 | アメリカ合衆国カリフォルニア州コンプトン |
事務所 | |
レーベル | トップ・ドーグ・エンターテインメント アフターマス・エンターテインメント インタースコープ・レコード |
公式サイト | http://kendricklamar.com |
ケンドリック・ラマーはアーティストとしてのキャリアを築いてから早15年が経ち、HIP HOPのトップアーティスト認知されていますが、未だにその勢いは衰えず、現在も時代を牽引しています。
2015年にリリースされ自身最大のヒット作となった「HUMBLE.」を代表作として、これまでに数々のヒット作を世界に届けてきました。
その凄さを裏付けるのがこれまでの受賞・ノミネート数です。
- 13個のグラミー賞を含めた173もの受賞経験
- ノミネート数に関しては390
驚異的な数の受賞・ノミネート数を誇っています。
生い立ちからデビューまで
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大人しい性格の優等生とギャングカルチャーのプレッシャー
1987年6月17日アメリカ合衆国カリフォルニア州コンプトンでケンドリック・ラマーは生まれました。
父親はストリートギャングのメンバーの1人でしたが、幼い頃は無口で引っ込み思案で、高校でも成績優秀でした。
一方でコンプトンはギャングカルチャーが根付いていることでも有名で、そういったプレッシャーの下で育ったのも特徴的です。
その傍ら熱中していたのが文章を書いたり、歌詞を書いたりすることで、それらがラップへと変わっていきます。
2003年には自身初のミックステープ「Youngest Head Nigga in Charge」をリリースし、活動を進めていく中で徐々に有名になり、ブラック・ヒッピー(Black Hippy)のメンバーと出会い政治活動に目覚めていきました。
そして2010年に入ると「Ignorance Is Bliss」をドクター・ドレー(Dr.Dre)が気に入り、メジャーレーベルのアフターマス・エンターテインメントと契約を結ぶまで発展し、翌年の2011年には自身初のシングルである「HiiiPoWeR」をリリースしました。
ケンドリック・ラマーとブラック・ヒッピー
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- 左 ジェイ・ロック(Jay Rock)
- 左から二番目 スクールボーイ・Q(Schoolboy Q)
- 左から三番目 ケンドリック・ラマー
- 一番右 アブ・ソウル(Ab-Soul)
ブラック・ヒッピーとはカリフォルニア州南ロサンゼルスから端を発するHIP HOPグループで4人で活動しています。
この4人のメンバーはトップ・ドーグ・エンターテインメントに所属していた共通点があり、2009年にグループとして確立しました。
ブラック・ヒッピーはグループとは言っても、アルバムやシングルを定期的に出すような普通のグループではありません。
1人1人でも十分にやっていけるほどの実力を持っていることが影響して、各々のメンバーの活動に互いが協力し合う関係性が強く、これまでにグループのアルバム(ミックステープ)としてリリースされたのは「Black Hippy」のみとなっています。
しかし、協力関係は非常に強固かつ良好で、最近もアルバム等のリリースは無いものの、解散等の話は全く出てきていません。
デビュー後から成功まで
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ケンドリック・ラマーのファッション
ケンドリック・ラマーは比較的スタイリッシュな服装が多く、Nikeやパートナーシップを結んでるReebok、ChampionといったスポーツブランドからOff-WhiteやSaint Laurant、Second/Layer、Christopher Kaneといったハイエンドなブランドまで着こなしています。
中でもNike Cortezシリーズのスニーカーが特に気に入っていると述べていて、カジュアルな場面を中心に様々な場面で着用しています。
また、自身が所属するトップ・ドーグ・エンターテインメントの服を身に着けることも多いです。
ケンドリック・ラマーの車は「レンジローバー」と「ベンツ」
ケンドリック・ラマーの場合、ハイエンドなスポーツカータイプではなく、高級車SUVを好んでいます。
- Range Rover Sport
- Mercedes Benz G-Class
1,000万円以上するRange Rover Sportや1,200万円以上するMercedes Benz G-Classといった車を所有していて、デザイン的な面と利便性をしっかり兼ね備えた車を所有しています。
セレブとなるとスポーツカーやその他高級車を取り揃えている傾向が強い中で、機能性と利便性を好んでいるようです。
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ケンドリックラマーのボディーガードがありえないぐらい巨人
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ファッション、車と見てきましたが、ケンドリック・ラマーのボディーガードが凄いと話題になったことがありました。
有名人にはボディーガードが何人かいるのは当たり前ですが、ケンドリック・ラマーのボディーガードは特に体格が良く、身辺警護には特に気を使っていることが分かります。
これほどの大男となると誰も近寄ってこないとは思いますが、ケンドリック・ラマー自身の背が大体168cmと小柄で、熱烈なファンも多いため、他よりも警護に気を使っているのも納得できます。
ケンドリック・ラマーと政治
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ケンドリック・ラマーは社会問題や政治的なニュアンスをこめた楽曲制作が特徴です。
そんなケンドリック・ラマーは2012年のアメリカ大統領選挙に対して
ケンドリック・ラマー
と述べ、さらに
ケンドリック・ラマー
と批判的な意見を提唱していたことがありました。
結局その年の選挙は候補者の1人が信用に値しないということでバラク・オバマに投票していましたが、後にバラク・オバマとはホワイトハウスに招かれて話したりなど、関係性が伺える場面がしばしばあります。
ケンドリック・ラマーはキリスト教徒という噂
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政治的な側面にも見どころがあるケンドリック・ラマーですが、実はキリスト教徒なのではないかということでも話題になったことがありました。
「How Much Dollar Cost」など、ケンドリック・ラマーの楽曲の中には宗教的なリリックが組み込まれている楽曲もあり、さらにキリスト教徒の思想と似ているものもあったたためこういった話題が出てきましたが、実際のところどうなのかは判明していません。
これまでケンドリック・ラマー本人がキリスト教徒であると公言したことも無く、現在は単純にケンドリック・ラマーの考え方や思想がキリスト教の考えに似ているだけである可能性が高いという説が多数を占めています。
成功に次ぐ成功で誰しもが認める存在に
2011年に入ると初のアルバム「Section.80」がリリースされ、ビルボード200チャートにランクインを果たし、RIAAからもGold認定されました。
2012年になると「good kid, m.A.A.d city」がリリースされることになります。
制作にはドクター・ドレーやファレル・ウィリアムス(Pharrell Williams)などをプロデューサーに置き、グラミー賞を受賞するほどの大ヒットとなりました。
2015年には「To Pimp a Butterfly」やテイラー・スウィフト(Taylo Swift)とのフィーチャリング曲「Bad Blood」もリリースされ、いずれもビルボードチャートで1位を記録し、グラミー賞も受賞しました。
2017年にリリースされたアルバム「Damn」はこれまでを凌駕するほどのヒットとなり、ランキングやチャートを総なめかつ名誉ある賞を数多く受賞しました。
翌年2018年には映画ブラックパンサーのサウンドトラックの制作に携わり存在感を発揮しました。
ケンドリック・ラマーのHIP HOPスタイル
ケンドリック・ラマーの音楽の特徴は大きく分けて2つあります。
- 1つのジャンルに囚われていない
- 1つ1つの曲に深い意味合いが込められている
1つ目が1つのジャンルに囚われていないという点で、HIP HOPが大きな地盤とはなっているものの、ポップスやJAZZ、FUNK、ダンスミュージックなど、ハイブリットになっている曲も多くあります。
特にアルバム「To Pimp a Butterfly」はそういった要素が多く入り混じっていて、特徴的なアルバムとなっています。
2つ目の特徴は、1つ1つの曲に深い意味合いが込められているという点で、社会問題を啓発したり、そういう問題点をストーリー・テリングと言われる手法を用いて楽曲制作することもあります。
後者の特徴は特に顕著で、アルバム「good kid m.A.A.d city」ではアルバム全体を通して、自身の生い立ちや育った環境、それをベースに経験したこと、感じたことをテーマにしていて、後者の特徴が反映された代表的な作品と言っても過言ではありません。
デビューシングル「HiiiPoWeR」
これまでの話でも出てきていましたが、ケンドリック・ラマーのデビューシングルを飾ったのは「HiiiPoWeR」です。
元々ミックステープの制作はしていたものの、シングルとして出すまでにかなりスパンが空いていた中で満を持してリリースされました。
「HiiiPoWeR」では人種差別がメインのテーマとされていて、黒人の人権擁護運動をしていた活動家や政府が身の回りの様々な事件を裏で操作している陰謀説などについて触れつつ、人種差別という社会的な問題を啓発するような内容となっています。
代表曲「HUMBLE.」
ケンドリック・ラマーの代表作は数多くありますが、やはり「HUMBLE.」は外せない曲の1つです。
タイトルだけ見ると「Humble(=謙虚)」なので「自分のおごりやこれまでの過ちを改めていこう」というメッセージが込められてそうですが、中身は自分が一番という考えが強く感じられるリリックの数々が特徴的で、逆に「お前ら謙虚にしてろ」と言いたげな雰囲気を醸し出しています。
これは他のHIP HOPアーティストに対するディスにも取れますし、逆に「お前らには負けない」という強い意志や奨励にも捉えることができます。
他にもケンドリック・ラマーに寄ってたかる欲望に満ちた人々を振り払おうとしているようにも捉えることができ、ケンドリック・ラマーの中で様々な思いや葛藤があった末にこの曲にたどり着いたことが分かります。
おすすめの曲「The Art of Peer Pressure」
ケンドリック・ラマーの曲の中でおすすめしたいのは「The Art of Peer Pressure」です。
「The Art of Peer Pressure」はセカンドアルバム「good kid m.A.A.d city」に収録された曲の1つで、サスペクト(Suspekt)というグループの「Helt Alene」という楽曲をサンプリングしています。
「The Art of Peer Pressure」は「good kid m.A.A.d city」全体のストーリーの転換点の役割を果たしていて、コンプトンに住む若者に共通してある悪行への同調圧力をテーマに、それに対する考えや感情を描いています。
楽曲内ではケンドリック・ラマーの育った環境やそれによる影響が強く感じられ、このような同調圧力は大枠で見ればコンプトン以外でも感じられる普遍的なトピックで、自身の生活に当てはめてみると、また違った雰囲気を感じ取ることができます。
フィーチャリング曲「Control feat. 」
ケンドリック・ラマーがフィーチャリングした曲は多肢に渡りますが、中でも印象的なのはビッグ・シーン(Big Sean)とのフィーチャリング曲「Control feat.
」です。「Control feat. パンチラインを入れたりなど、アグレッシブなバースとなっています。
」のケンドリック・ラマーのバースは以前世界中で話題を呼んだことでも有名で、自身がニューヨークキングだと言ったり、エイサップ・ロッキー(A$AP Rocky)やドレイク、ビッグ・クリット(Big KRIT)などに対してディスとも捉えられ得るリリース後、曲中で出てきたアーティスト達やそのファンから非難轟轟の嵐となりました。
「ただ非難するためだけにアグレッシブなバースにするはずがない」
「裏にライバルとしての尊敬や自分に対する自信の表現に違いない」
という意見も多かったです。
ケンドリック・ラマーの名言
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政治や宗教といった点でも話題になるようなケンドリック・ラマーはこれまでのキャリアの中で様々な名言を誕生させてきました。
しかし、そういった名言が誕生する以前に、有名になると自由が奪われてしまい発言自体しにくくなってしまいます。
もちろんケンドリック・ラマーも自由が失われてしまうほどの名声を得ていますが、そんな中でそういった自由に対する苦悩や葛藤を逆手に取って名言もあります。
名言と言うと夢のある発言だったりポジティブなイメージを彷彿とさせますが、以下の明言は有名人の素の思いが反映されていて、他にも増して重みのある名言となっています。
When the cameras stop rolling, it doesn’t mean real life will follow.
— Kendrick Lamar (@kendricklamar) September 4, 2013
ケンドリック・ラマー
i came up from nothin, you ain’t even know it…..
— Kendrick Lamar (@kendricklamar) March 23, 2013
ケンドリック・ラマー
ケンドリック・ラマー来日と黒塗り広告
【#ケンドリック来日】ケンドリック・ラマー、 本日より東京都内で黒塗り文書の広告が出現!👥#DAMN #ダム #KendrickLamar pic.twitter.com/DWLXIWE1P7
— Universal Music Japan (@UNIVERSAL_INTER) July 13, 2018
世界的に人気なケンドリック・ラマーですが、もちろん日本でも人気アーティストの1人で、過去にはフジロックフェスティバル’18に出演しに来日したこともあります。
その出演が決定したことをプロモートするために広告が駅等で張り出されましたが、その広告デザインが鮮烈だということで一時期話題になったこともありました。
その広告は俗に言う黒塗り文書をモチーフとしていて、森友学園問題などの文書を黒塗りにして隠し、その上にベストアルバムのタイトルである「Damn」の文字が加えられたデザインとなっています。
こういった広告デザインは日本では全く見られませんし、トップアーティストの広告となると世間的にもインパクトが強く、話題を呼びました。
ケンドリック・ラマーと仲のいいアーティスト
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これまでの話にも出てきたドクター・ドレーやジェイ・Z(Jay-Z)など、様々なアーティストとの関係性がありますが、中でもよくケンドリック・ラマーの交友関係として挙がるのがジェイ・コール(J. Cole)です。
活躍時期が同じこともあってか良い関係性にあるようで、ケンドリック・ラマーはSNSをあまりやらないのですが、自身のインスタグラムで2ショットをあげていて、そこからも仲の良さが伺えます。
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しかし、長い付き合いとなるとブラック・ヒッピーのメンバーが一番で、楽曲制作はもちろんのこと、互いのニューリリースの情報を拡散し合ったりなど、様々な面で協力し合っているところから深い絆があるように感じます。
ドリブルX
