謎に包まれているバンクシーのプロフィールはほとんどが明らかになっていません。
バンクシーの身元も不明です。これは彼の芸術活動である落書きが犯罪だからではないかとされています。
そのため、今ネットに書かれているバンクシーの個人情報はすべて憶測にすぎません。
バンクシーのプロフィール
バンクシーの作品が発見された場所や壁画出現のタイミングなどから、彼の正体について様々な憶測があります。
- ブリストル大聖堂公立学校の元生徒
- UKバンド「Massive Attack」のメンバー
しかし、実際のところバンクシーの本当のプロフィールを確定できるものはありません。
本人自身もその謎めいたキャラクターを気に入っているらしく、テレビなどメディアの仕事を全て断っているそうです。
そういった謎めいたキャラクターがバンクシーを人気にした理由の一つでもあるので、そんなに簡単には彼の個人情報にたどり着けるわけがありません。
ドリブルX
バンクシーの絵がオークション中にシュレッダーに
バンクシーが世間を騒がせた事件でまだ記憶に新しいのが、オークションで彼の絵画が落札されたと同時にシュレッダーで切り刻まれた事件です。
もちろんこれは本人の演出です。
2018年10月5日にサザビーズ・ロンドンのオークションでバンクシーの有名な絵画「風船と少女」が競売にかけられ、日本円のおよそ1億5000万円で落札さました。
その瞬間、額縁の下に仕掛けられていたシュレッダーで絵画の下半分が切られました。
そして、シュレッダーをかけられた絵画は「風船と少女」から「愛はゴミ箱の中に」という題名に改題されたのです。
そして、この事件の驚くべき事実はこの絵画は2002年に制作されたものだということです。
普段ストリートアーティストとして活動しているバンクシーが、自身の壁画の派生作品として制作したこの絵画は、キャンバスに描かれているバンクシーの希少な作品としてとても価値の高いものでした。
この絵画は2006年バンクシーの個展で展示された後、彼の友人にプレゼントされました。
しかし、この作品がいつかオークションで競売にかけられると予想していたバンクシーは、額縁の下に自動シュレッダーを設置していました。
つまり、オークションが行われる10年以上も前からバンクシーが準備していた仕掛けだったのです。
オークションを開催したサザビーズもシュレッダーの作動を予期できなかったと語っています。
またオークション後、バンクシー本人が本当は絵が完全に裁断されるよう意図していたという内容のビデオを公開しました。
美術市場関係者らは、この作品の自己破壊が今後この作品の価値をより高めると予測し、落札通りの価格で買い取られました。
サザビーズが「美術史においてライブ・オークション中に作られた初の作品だ」と語るように、美術史に残るバンクシーを代表する作品の一つになりました。
日本各地に出現するバンクシーの絵(ネズミ)は本物なのか?
あのバンクシーの作品かもしれないカワイイねずみの絵が都内にありました! 東京への贈り物かも? カバンを持っているようです。 pic.twitter.com/aPBVAq3GG3
— 小池百合子 (@ecoyuri) January 17, 2019
今まで、日本各地にもバンクシーの作品ではないかと言われる落書きがいくつも出現してきました。
その例に大阪のアメリカ村の歩道橋や、渋谷など数多くありますが、それらのどれもが偽物なのではないかと言われています。
バンクシーの落書きはもともと社会風刺的なブラックジョークのようなメッセージ性を持つものが多く、日本には今までそれほど本物だと言われる落書きはありません。
しかし、2019年に話題となった東京都港区の防潮扉に描かれた傘を持つネズミの「アンブレララット」はこれまでの日本で発見されてきた作品とは違う点が多くあります。
一つ目の理由
バンクシー公式サイトにアップされている作品の中に、とても似た画像があるということです。
「アンブレララット」の絵が一致するだけではなく、その防潮扉のまわりにあるボルトの位置など、画像を重ねてみると壁の特徴までも全てが一致するのです。
バンクシーの公式サイトにアップされている画像をみて、特徴の一致する壁に真似をして書いたとしても、ここまで一致することはまずないと思います。
二つ目の理由
ネズミの絵の上に「通行止」という文字が書かれていることです。
実は、バンクシーは海外の別の場所でも、本来通ることのできない壁を風船を持つ少女が越えようとしている絵など、行くことのできない未来に向かっていくという絵を多く描いています。
そういった絵と、この「アンブレララット」に含まれるメッセージ性が一致していることが、この絵が本物ではないかと言われる理由の一つでもあります。
これらのことを踏まえると、バンクシー本人の作品と言えるものは日本にはほとんどありませんが、東京の防潮扉に描かれた「アンブレララット」だけは、本物である可能性がとても高いと言えます。
