スピーカーケーブルは、プリメインアンプ(もしくはパワーアンプ)の出力端子からスピーカーを接続するためのオーディオ用ケーブルです。
ホット側(+極)とコールド側(-極)の2本を1組として使い、一般的なケーブルは2芯もしくは4芯の構造となっています。
- スピーカー側の端子(バナナプラグに対応しているか)
- アンプ側の端子(バナナプラグに対応しているか)
- ケーブルの長さ(2m以上余裕をもつ)
一番のおすすめはバナナプラグ加工済みのスピーカーケーブルです。
バナナケーブルは面倒な作業が一切必要ない(指すだけでOK)なので初心者の方に特におすすめです。
目次
- スピーカーケーブル選び方6つのポイント
- おすすめスピーカーケーブル9選
- 【高級感があってコスパが良い】CANARE カナレ 4S6G 無酸素銅線 バナナプラグ付 スピーカーケーブル 2本セット(4m)
- 【普通の価格帯なのに品質が良い】BELDEN スピーカーケーブル 8470 10m
- 【高級感があってコスパが良い】ZONOTONE 6NSP-Granster 2200α 1m単位
- 【普通】Monster cable(モンスターケーブル)ME-S16
- 【普通】Amazon ベーシック スピーカーケーブル
- 【高級】Zonotone(ゾノトーン)6NSP-Granster 7700α
- 【高級】ACOUSTIC REVIVE(アコースティックリバイブ) SPC-REFERENCE-tripleC
- 【高級】KRYNA(クライナ)Spca5
- 【おすすめ出来ない】HONKENT バナナプラグ加工済
スピーカーケーブル選び方6つのポイント
まずはスピーカーケーブルを選ぶ際に基本となるポイントを確認します。
- ケーブルの太さを目安にする
- 一般的な音質の傾向を参考にする
- 取り回しの良さに注意
- 導線の素材の違いについて
- 芯線構成の種類とその使い方
- 端子の種類とその特徴
ケーブルの太さ
一般的にケーブルが太い方が、ノイズが少なく音質が上がります。
ただし、ケーブル自体の太さ(外径)はあくまで目安でしかなく、シース(外皮)の厚みによっては「太いケーブルだと思ったのに中の線(芯線)は細かった!」という場合もあるので、注意が必要です。
一般的な音質の傾向
スピーカーケーブルの音質は、主に線材の構成によって変わってきます。
おおまかに見て、太い線材のケーブルは低音が得意、細い線材は高音が得意な傾向にあります。
多くのケーブルは細い線を多数より合わせたより線構造ですが、太さの異なる線を組み合わせたケーブルや、太い線1本で構成された単線のケーブルもあります。
芯線の材質によっても音の傾向が大きく変わるほか、シース(外皮)や絶縁材の材質、シールドの構造などによっても音質の傾向が異なります。
取り回しの良さ
太くて硬いケーブルの場合は思ったように配線が出来ず「大回りな配線になった結果、長さが足りなくなってしまった」というケースも多く見られます。
ケーブルの重量や硬さによっては、アンプやスピーカーがケーブルに負けて動いてしまったり、傾いてしまう場合もあります。
せっかく「太くてしっかりした高級ケーブル」を購入しても、使用しているホームシアターシステム(アンプやスピーカー)とのバランスが重要です。
特に小型のスピーカーやD級アンプを使用している人は注意が必要です。
導線の素材について
スピーカーケーブルは線材の太さや形状、本数やその束ね方など様々な要素によって音が決まります。
特にベースとなる金属の素材は、最も直接的に音に影響する部分であり、ユーザーにとってもわかりやすい特徴です。
そのため、メーカーごとに開発が進められていて、各社が最もこだわっている部分です。
ここでは、スピーカーケーブル用の素材として目にする事の多い代表的な素材について紹介します。
銅線
オーディオ用ケーブルの基本となる素材で、ほとんどのケーブルに採用されています。
音楽信号を伝達するオーディオ用ケーブルとしてよく使われるOFC(無酸素銅)は、通常のケーブルで使われるタフピッチ銅よりも純度が高く、抵抗値などの伝達特性が良いことから、多くのメーカーで使用されています。
その他にも6N(99.9999%銅)や7N(99.99999%銅)などの高純度素材、メーカー独自の素線を開発しているメーカーも数多くあります。
名のない銅線よりもOFC、さらに6N、7Nと素材のグレードが高くなるほど音が良くなりそうに考えてしまいがちですが、素材の名前だけで判断をせずに全体の音作りで評価するようにしましょう。近くのオーディオ店で比較試聴が出来ると参考になります。
PCOCC
OFC(無酸素銅)の一種で、結晶構造が単一化された高純度銅を使用したオーディオケーブル向けの素材です。
多くのケーブルメーカーが採用していた定番の素材でしたが、線材メーカーである古河電工が2013年に生産中止を発表し、現在は旧モデルや中古品がほとんどとなっています。
後継にあたる素材として、PC-Triple Cや102 SSCなどが開発されています。
102 SSCはオヤイデ電気が開発したケーブル用の新素材です。リサイクル銅を含まないバージン銅を採用したほか、不純物が集まりやすい素線の表面部分を削り取る工程を入れるなど、より理想的な信号伝達を目指しています。
PC-Triple C
PCOCCよりもさらに銅の純度を高め、銅の結晶構造をケーブルの長さ方向に引き伸ばしたPC-Triple Cは、信号伝達時のロスがさらに少なくなった次世代素材です。
惜しまれつつ生産中止となってしまったPCOCCに変わる素材として注目されています。
まだPCOCCほどの知名度はありませんが、すでに複数のケーブルメーカーで採用されている話題の線材です。
PCOCCもそうですが、PC-Triple Cなどのオーディオ専用導体を使用しているケーブルは音の特徴も似てくる傾向があります。望んでいた音になかなかならない時は、別の銅線(OFCなど)を使用したケーブルを試してみるのも効果的です。
芯線構成の種類とその使い方
芯線構成 | 音質 | 価格 |
2芯構造 | △ | ◎ |
4芯構造 | 〇 | 〇 |
バイワイヤリング | ◎ | △ |
スピーカーケーブルは、主に2芯構造と4芯構造の2種類があります。
それぞれの違いと使い方について、また革新的な接続方法のバイワイヤリングについて解説していきます。
2芯構造
スピーカーケーブルの基本構造は、ホット(+極)とコールド(-極)の2本のケーブルが1組となった2芯構造です。
2本の線材が連なった平行タイプのケーブルと、1本の太いケーブルの中にさらに2本のケーブルが入った二重被覆のタイプがあり、主に低価格帯のケーブルに採用されています。
4芯構造
4芯構造のスピーカーケーブルは、そのほとんどがスターカッドでの使用を想定した設計となっています。
4本の線材をそのまま4ヶ所に接続するのではなく、2本ずつをそれぞれ組み合わせて2組のケーブルとする事で、2芯構造と同様の使い方をする接続方法です。
2芯構造のケーブルに比べてノイズ対策に有利な構造とされ、オーディオ用スピーカーケーブルの多くがこの4芯構造になっています。
完成品のケーブルであれば心配ありませんが、切り売りタイプのケーブルで4芯構造の場合は使い方を間違えてしまう事もあるので注意してください。
バイワイヤリング
バイワイヤリングは、スピーカーケーブルの構成ではなく、その発展的な使い方の名称です。
通常であれば、アンプとスピーカーの間は1組のスピーカーケーブルで接続が可能ですが、バイワイヤリングの場合は2組のケーブルを使用し、ツイーター(高音域)とウーファー(低音域)のそれぞれに別個のケーブルを接続する事で、特に高音域の特性を向上させる事を目的としています。
バイワイヤリングの場合は同じスピーカーケーブルを2セット用意するのが基本ですが、高音域用と低音域用で異なるケーブルを組み合わせる場合もあります。
端子の種類とその特徴
端子の種類 | 対応機材 | 音質 | 価格 |
端子無し(より合わせ) | ◎ | △ | ◎ |
Y端子 | 〇 | 〇 | 〇 |
バナナプラグ | 〇 | ◎ | △ |
スピーカーケーブルの端子には、大きく分けて端子無し(より合わせ)・Y端子・バナナプラグの3パターンがあります。
端子無し(より合わせ)
切り売りタイプのスピーカーケーブルは、基本的に端子無しが標準仕様となります。
これは、絶縁材である被覆をカッターナイフなどで剥き、ばらけない様により合わせた状態です。
線材がむき出しのため酸化による劣化が進みやすく、また接触不良のトラブルも起きやすいので、出来るだけ何かしらの端子を取り付ける事をおすすめします。
ただし、セット販売のミニコンポやシアターシステムの他、古いスピーカーなどでは他の端子が使えず、端子無しでの接続のみの機種もあります。
Y端子
エントリーモデルからハイエンドモデルまで、完成品スピーカーケーブルの多くで採用されている端子です。
端末部分が二股のY字になっていて、ネジ止め式のターミナルにしっかりと接続出来ます。
端子の大まかな形状は基本的に同じですが、Y字部分の内寸と外寸にはいくつかの種類があり、ターミナルのサイズによって取り付け出来ない物があるので注意が必要です。
バナナプラグ
バナナプラグは、ターミナルに開いている穴に挿し込む様にして接続する形状の端子です。
一般的には、理科の実験で電圧計などを使う時に使用したイメージが強いかもしれません。
簡易的な端子では穴に挿し込むだけの構造で、引っ張ればすぐに抜けてしまう構造の物もありますが、オーディオ用に設計された端子の場合はネジ式でさらに強固に接続出来る物もあります。
価格は高い一方で音質に優れている事から、高級ケーブルを中心に定番の端子とされています。
おすすめスピーカーケーブル9選
入門用モデルからミドルクラスまでのおすすめスピーカーケーブルを紹介します。
端子の種類についてはアンプやスピーカーによって対応している物と対応していない物があるので、完成品スピーカーケーブルでも端子のバリエーションがある製品が多いです。
使用する機材に対応した端子のスピーカーケーブルを導入するようにして下さい。
【高級感があってコスパが良い】CANARE カナレ 4S6G 無酸素銅線 バナナプラグ付 スピーカーケーブル 2本セット(4m)
音質は間違いなく良いです。
中音域から高音域の音の伸びが変わり、とてもクリアに聞こえました。
ケーブルの質感もよく、高級感も楽しめます。
スピーカーがバナナプラグに対応していない場合
スピーカーがバナナプラグに対応していない場合は、ケーブルのみを購入してください。
非常に低価格な切り売りケーブルながら、4本構成のスピーカーケーブルです。
スターカッドタイプの使い方で、赤2本・白2本をより合わせて赤・白1組のケーブルとして使用するのがおすすめです。
付属品のケーブルからのグレードアップの第一歩としておすすめのスピーカーケーブルです。
【普通の価格帯なのに品質が良い】BELDEN スピーカーケーブル 8470 10m
予算があまりないけど、音質にこだわりたい人におすすめなのがBELDENのスピーカーケーブルです。
普通の価格帯のスピーカーケーブルの中で一番おすすめで、コスパが群を抜いてよいです。
線の束一本一本の芯が強く、品質の良さを感じることが出来ました。
音は鮮明、クリアな印象で、ヴォーカルパートで違いを強く感じました。
【高級感があってコスパが良い】ZONOTONE 6NSP-Granster 2200α 1m単位
CANAREを買うか、Zonotoneを買うか最後まで悩みました。
Zonotoneはバナナプラグ付きタイプがちょっと高いので諦めました。
導体構成は超高純度6NCu、高機能純銅線HiFC、高純度無酸素銅線PCUHD、高純度無酸素銅OFCのケーブルです。
構造は高純度4素材ハイブリッドによる2芯マルチストランド・スパイラル仕上げになっています。
【普通】Monster cable(モンスターケーブル)ME-S16
ME-S16・ME-S14・ME-S12と3種類のグレードがあり、基本的には30mリールでの販売となりますが、一般ユーザー向けに切り売り販売をしている店舗も多く、必要な長さで手軽に購入出来ます。
線材はアルミの芯線に銅を組み合わせた銅クラッドアルミニウム(CCA)を使用しています。
【普通】Amazon ベーシック スピーカーケーブル
30メートル(または15メートル)のリール単位での販売なので、自由な長さにカットして使用できます。
ホームシアターのサラウンドスピーカーなど、部屋を横断するような長い配線をしたい人に特におすすめです。
【高級】Zonotone(ゾノトーン)6NSP-Granster 7700α
超高純度6NCu(99.9999%銅)や高純度無酸素銅のOFCなど4種類の素線を組み合わせたハイブリッド多芯集合構造が特徴の4芯構造で、2本ずつをより合わせたスターカッドを基本に、それぞれの線をバラバラに使用したバイワイヤリング仕様での使用も可能です。
端子はロジウムメッキ処理のY端子およびバナナプラグの他、切り売り(端子無し)から選べます。
【高級】ACOUSTIC REVIVE(アコースティックリバイブ) SPC-REFERENCE-tripleC
オーディオ専用導体であるPC-TripleCの単線を使用しているのが特徴で、力強い低音の表現に強みがあります。
高価格帯のケーブルに使われる事の多いテフロンによる絶縁や銅箔シールドなども採用され、グレードの高い切り売りケーブルとして評価されています。
【高級】KRYNA(クライナ)Spca5
スピーカーケーブルとしての音の特徴を抑え、システムの持つ音を活かす音作りが売りで、ケーブルによる色付けを好まないピュアオーディオユーザーを中心に人気があります。
標準モデルとしてはバナナプラグが付属、その他Y端子の仕様もあります。
【おすすめ出来ない】HONKENT バナナプラグ加工済
簡易タイプながらバナナプラグが取り付け済みの完成品スピーカーケーブルなので、エントリークラスの価格帯で端子の加工を自分でする必要がないのがポイントです。
付け外しがしやすい端子ですので、スピーカーを使う時だけ接続するような使い方をにも便利なスピーカーケーブルです。
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