BAD HOPメンバープロフィール
神奈川県川崎市発の8人組ヒップホップクルー、BAD HOP。幼馴染だけで組み、レコード会社にも事務所にも属さないまま、2018年に日本武道館、2024年に東京ドームへ到達した。そして、その東京ドーム公演を最後に解散している。約10年で始まり、頂点で終わった。本記事では8人それぞれのプロフィールと役割、脱退した2名、結成から解散までの歩み、そして解散後それぞれがどこにいるのかまでを整理する。
この記事でわかること
- BAD HOPの8人それぞれの本名・年齢・出身・役割
- グループ名の由来と、結成に至るまでの経緯
- 脱退した2名(AKDOW・DJ KENTA)について確認できている範囲
- 2023年の解散発表から2024年の東京ドーム公演までの流れ
- 音楽的な特徴と、代表作の位置づけ
- 解散後、各メンバーが2026年時点で何をしているか
よくある疑問と、短い答え
検索して真っ先に確認したい項目だけを、1行ずつ先に置いておく。根拠と詳細はそれぞれの章で扱う。
※上表は2026年8月時点で確認した内容です。各メンバーの本名は本記事では原典照合ができておらず、個別記事側の記載に準じています。
CHAPTER 01 / SECTION 01BAD HOPとは|川崎発8人組クルーの概要とグループ名の由来
BAD HOPは、神奈川県川崎市出身のMC8人によるヒップホップクルーである。全員が幼馴染で、レコード会社にも事務所にも所属せず、制作から運営までを自分たちで行ってきた。2014年に活動を開始し、2024年2月19日の東京ドーム公演をもって解散している。
本記事に繰り返し出てくる語を、先に定義しておく。
神奈川県川崎市を拠点に2014年から2024年まで活動した8人組のヒップホップクルーである。T-PablowとYZERRの双子を中心に、幼少期からの友人関係を母体として結成された。
グループ名の由来|イベント名と野球用語
「BADなHIP HOP」の略と誤解されやすいが、由来は別のところにある。
幼少期からの友人関係が母体だったため、当初は名前がなかった。池袋でのイベントの際に話し合って決まったものだ。
また「bad hop」は野球で、打球が不規則に跳ねることを指す語でもある。予測できない跳ね方をするように、自分たちも先の読めないムーブメントを起こす——という意味も込められている。
育った環境|京浜工業地帯という背景
メンバーが生まれ育った川崎市の京浜工業地帯周辺は、母子家庭や困窮世帯が多い地域として、本人たちが繰り返し語ってきた。BAD HOPのメンバーの多くもその環境にあたる。
YZERRの公式プロフィールでも、活動拠点である川崎南部について「日本有数のGHETTOとも称される工業地帯」という表現が用いられている。窃盗や喧嘩が身近にある10代を過ごした経験が、そのまま楽曲の主題になっている。
出典:TuneCore Japan アーティストプロフィール(2026年8月9日確認)https://www.tunecore.co.jp/artists/YZERR
CHAPTER 02 / SECTION 02BAD HOPのメンバー一覧|8人のプロフィールと役割
BAD HOPは8人全員がMCで、DJや専任のトラックメイカーを置かない編成だった。役割はマイクの上での立ち位置で分かれており、明文化された肩書きはない。
各メンバーの基本データは、見出しの直下にまとめている。本名の表記は本記事では原典照合ができておらず、個別記事側の記載に準じている点に注意してほしい。
まず8人の違いを1つの表で押さえておく。誰から追いかければいいか迷ったとき用に、右端に判断列を置いた。
※判断列を上書きしてお使いください。MBTIは8人とも本人による公表がなく、Djtube編集部が公開情報から整理した推定です。診断結果ではありません。根拠は下記の表に記載しています。
MBTIタイプ|編集部による推定と、その根拠
MBTIについて、8人とも本人からの公表はない。以下はDjtube編集部が、公開されているインタビューやSNSでの言動から整理した推定であり、診断でも公式情報でもない。
表から読み取れるのは、外向的なメンバーが制作と対外の中心に立ち、内向的なメンバーが個々の資質で役割を分け合っているという構造だ。ただしこれらはいずれも公開情報からの推定であり、別の型と読むことも可能である。特にBenjazzy・G-K.I.Dは公開されている発言量が少なく、推定の確度は他のメンバーより低い。
T-Pablow(ティーパブロ)|クルーのエース
T-PablowはBAD HOPのエース的存在で、YZERRの双子の兄にあたる。高校生RAP選手権で2度優勝し、「フリースタイルダンジョン」初代モンスターとしてMCバトルの一般認知を押し上げた。
BAD HOPとしての活動を軸にしながら、ソロやYZERRとの2WINでも作品を発表してきた。同世代のMCのなかでも突出したカリスマ性を持つ。
中学時代には「13criminal」というチームのリーダーを務め、構成員は100人を超えていたと本人が語っている。
YZERR(ワイザー)|クルーの頭脳
YZERRはT-Pablowの双子の弟で、BAD HOPの「頭脳」と呼ばれる実質的な中心人物である。楽曲制作からMVの撮影、全体のプロデュースまでを担ってきた。幼い頃はメンバー屈指の問題児だったと語られている。
10代の頃、少年院内での事情から関東医療少年院へ移されたことを本人が語っている。この経験はラジオ番組でも語られ、広く知られるエピソードになった。BAD HOPで少年院を経験したのはYZERR、Tiji Jojo、G-K.I.Dの3人だという。
ソロでも成果を出しており、2019年のミックステープ「Rich or Die」はオリコン4位、Billboard Japanのダウンロード・アルバムチャートで1位を記録した。
Benjazzy(ベンジャジー)|クルー随一の技巧派
Benjazzyは他のメンバーより1つ年上で、クルー内で最もラップスキルが高いとされるMCである。T-PablowとYZERRの兄MASAを通じて知り合った。
父親は英語教師で、メンバーのBARKの担任を務めていたという。他のメンバーとの接点が複数ある人物だ。
Kendrick Lamarのファンであることを公言しており、国内だけでなく海外のHIP HOPへの関心が強い。テクニカルなスタイルは、この蓄積から来ている。
Tiji Jojo(ティージージョジョ)|唯一無二の声質
Tiji JojoはT-PablowとYZERRの同級生で、小さい頃からの幼馴染である。メンバーで唯一、日本と韓国のルーツを持つ。少年院を経験したメンバーの1人でもある。
その経歴とは対照的に、クールで爽やかな声質を持ち、BAD HOPで最高の声という評価もあった。2019年にEP「Player 1」でソロデビューし、以降は二足のわらじで活動している。
柴田理恵に似ているという定番のいじり
眼鏡とお団子ヘアが特徴的で、俳優の柴田理恵に似ているという声がしばしば上がる。これは本人の定番のいじりネタとして定着しており、メンバー間でもファンのあいだでも扱われてきた。
MCとしてだけでなく、人柄の部分でも愛されているのがTiji Jojoの特徴だ。
Vingo(ビンゴ)|唯一の外部出身
Vingoは結成時からのメンバーではなく、途中から加入した唯一の外部出身者である。出身は東京都大田区で、川崎の幼馴染で構成されたクルーのなかでは異例の経歴にあたる。
もともと東京で別のグループに所属しており、脱退後にBAD HOPへ加入した。橋渡しになったのはYZERRで、東京のイベントでVingoが声をかけたことがきっかけだったという。自由な雰囲気から、クルー内では飛び道具的な存在として扱われてきた。
17歳で背負った300万円
17歳の頃、地元の友人と仕事をするなかで稼いだ300万円を、その友人が持ち逃げしたと本人が語っている。自身に非はなかったにもかかわらず、最終的にその金額を自分で返済したという。
17歳で300万円という金額を、成功前の状況で返し切ったことになる。本人の来歴を語るうえで繰り返し引かれるエピソードだ。
BARK(バーク)|天然キャラと色気のギャップ
BARKはクルー随一の天然キャラとして知られる一方、楽曲では色気のあるクールな佇まいを見せるMCである。このギャップが持ち味になっている。
HIP HOPで生活できていなかったら保育士になろうとしていた、という一面も語られている。体格が良く、メンバーのなかでも特に女性のファンが多い。
Yellow Pato(イエローパトー)|ハスキーな渋さ
Yellow Patoは、ハスキーで渋い声を活かした深みのあるライミングが特徴のMCである。クルーのなかではクールな立ち位置にあたる。
学生時代はサッカーに打ち込んでおり、川崎フロンターレのユースチームに所属していた経験を持つ。BAD HOPはサッカー経験者が多いクルーだが、そのなかでも実力は突出していた。
G-K.I.D(ジーキッド)|最も情報の少ない存在
G-K.I.Dは、迫力のある声と安定したフロウを持ちながら、プライベートに関する情報が最も少ないMCである。少年院を経験したメンバーの1人でもある。
他のメンバーの多くが困窮世帯で育ったなか、家庭が裕福だった時期があることを本人がリリックで語っている。当時は仲間にとって憧れの存在でもあったという。その後、家庭の状況が変わっていった経緯も、本人の言葉として作品に残っている。
メンバーの家庭環境については、本人がリリックやインタビューで自ら語っている範囲に限って記載している。家族は自ら説明する立場にないためだ。同じ理由で、本記事では家族の職業や具体的な事情を断定する書き方をしていない。読み物としての厚みより、書かない判断を優先した箇所にあたる。
CHAPTER 02 / SECTION 03BAD HOPの脱退メンバー|AKDOWとDJ KENTA
BAD HOPには過去、現在の8人に加えてAKDOWとDJ KENTAの2名が在籍していた。2016年頃にAKDOWが、続いて2017年にDJ KENTAが脱退している。
AKDOW(アクドウ)
他のメンバーより1つ年上でBenjazzyと同い年。初期からBAD HOPに所属し、メンバーとの交友関係も結成前からあった。
指にはBAD HOPの文字のタトゥーが入っており、アルバムのジャケット写真にも使われている。2016年頃、活動開始から約2年で脱退した。
DJ KENTA
メンバーとは小学校からの友人関係にあり、BAD HOP結成時にDJがいなかったことから、その役割を担うことになった。
2017年を機にグループから脱退している。
CHAPTER 03 / SECTION 04BAD HOPの解散|2023年の発表から東京ドームまで
BAD HOPは2023年5月27日のPOP YOURSで解散を発表し、2024年2月19日の東京ドーム公演「BAD HOP THE FINAL at TOKYO DOME」をもって解散した。日本のヒップホップアーティストとして初のドーム単独公演であり、チケットは完売している。
解散の理由|本人たちの説明
発表当時、不仲説や方向性の違いといった憶測が流れた。それに対してメンバーはYouTubeで解散について語る動画を公開し、自分たちの言葉で説明している。
不仲でも方向性の違いでもなく、メンバー一人ひとりが最善の活動をするために必要な判断だった、という説明だ。クルーとグループを区別している点が、この発言の要になっている。
解散までの道のり|ラストツアーと東京ドーム
2023年6月からはラストツアー「THE LAST SUMMER」を実施。そして2024年2月19日、東京ドームで「BAD HOP THE FINAL at TOKYO DOME」を開催した。約5万人を動員し、日本のヒップホップの歴史でドーム規模の単独公演を実現した初の事例となった。
チケット完売時、YZERRはInstagramで決意を述べている。
出典:オリコンニュース「BAD HOP、解散ライブとなる東京ドーム公演完売」(2024年1月31日公開/2026年8月9日確認)https://www.oricon.co.jp/news/2312382/full/
解散を扱う記事は、往々にして「終わり」を悲劇として書く。だがBAD HOPの場合、発表から実際の解散まで約9か月をかけ、ラストツアーと東京ドームを設計してから終わっている。失速による解散ではなく、到達点を用意した完結だ。この違いを潰さないことが、このクルーを書くうえで一番重要な点だと考えている。
CHAPTER 03 / SECTION 05BAD HOPの音楽の特徴|生い立ちとトレンドの両立
BAD HOPの楽曲の特徴は、生い立ちに根ざした主題と、海外のトレンドを取り込んだサウンドが同居している点にある。どちらか一方に寄っていない。
- 川崎での経験に根ざした、実体験由来の主題
- オートチューンや最新のビートを取り込んだサウンド設計
- 8人それぞれの声質と個性を配置する構成力
主題は、ギャング、少年院、困窮といった具体的な経験にある。作られた設定ではないぶん、言葉が軽くならない。
一方で、背景を知らなくても音として面白い。オートチューンの使い方や、同時代の海外HIP HOPに近いビート選びによるもので、ここがリスナー層を広げた要因になっている。
そして8人という人数を、YZERRの構成のもとで役割分担させている点。声質の異なるMCを並べることで、長尺の曲でも聴き分けができる。人数が多いクルーにありがちな散漫さがないのは、この設計による。
向いていないリスナー|クリーンな内容を求める人との相性
正直に書くと、BAD HOPは誰にでも勧められるクルーではない。リリックには犯罪や非行の記憶が具体的に出てくる。内容面でクリーンな作品を求める人には合わない。
また、川崎という土地の固有名詞や人間関係が前提になっている曲も多く、背景を知らないと固有名詞の羅列に聞こえる可能性がある。逆に、その背景ごと追う気がある人にとっては、10年分の物語がまとめて手に入る。
- 同時代の海外HIP HOPと並べて聴きたい人
- クルー単位の物語ごと追いたい人
- 声質の違いを聴き分けるのが好きな人
- 内容面でクリーンな作品を求める人
- 非行や犯罪を主題にした曲が苦手な人
- 背景や文脈を追わずに聴きたい人
クレイジージャーニー出演|番組の事実上の最終回
クレイジージャーニーBAD HOP回かなり見応えあったんだけど、地元 川崎をロケしていたらBAD HOPの曲「BLACK BANDANA」でお馴染みの“タクヤ”が通りかかったシーンと、それにまつわる四方山話が個人的にはめちゃめちゃ面白かったです。笑 pic.twitter.com/R0nZGrWtaU
— Keyakasu_Keyakasu (@KeyakasuO) August 28, 2019
音楽面だけでなく、その生い立ちにも注目が集まり、TBS系「クレイジージャーニー」に出演した。2019年8月28日と9月4日の2回にわたって放送されている。
なお、番組はその後の事情により放送を終えており、BAD HOPの回が事実上の最終回となった。
ルーツを知りたい場合は、本人たちが川崎について語っている上記の動画が最も直接的な資料になる。
CHAPTER 04 / SECTION 06BAD HOPの歩み|結成から解散までの10年
BAD HOPは2014年の活動開始から2024年の解散まで、ちょうど10年で完結している。その間、事務所にもレコード会社にも所属していない。
主要な出来事を年表で並べておく。武道館から東京ドームまでが約5年という速度が分かる。
年表から読み取れるのは、2016年の無料配信という判断が転機になっていることだ。作品を無料で配ることで聴かれる回数を増やし、翌年の全国流通につなげている。レーベルに属していれば取りづらい選択だった。
「Lift Off」の制作にはApple Musicのプロジェクトとして、Drake、Migos、Kendrick Lamarらの楽曲を手がけたプロデューサー陣が参加した。日本のラッパーによる海外制作の先例になっている。
CHAPTER 04 / SECTION 07解散後の現在|各メンバーの2026年時点の活動
解散後、メンバーはそれぞれのペースでソロ活動を続けている。BAD HOP名義での通常のライブ活動は、2026年8月時点で行われていない。
出典:音楽ナタリー「T-Pablowが年明けに武道館で無料ライブ」(2026年8月9日確認)/KAI-YOU「ラッパーT-Pablow、1stアルバムのリリースを延期」(2026年8月9日確認)https://kai-you.net/article/95824 /各公演の会場公式サイト(2026年8月9日確認)
CHAPTER 05 / SECTION 08BAD HOPに関するよくある質問(FAQ)
CHAPTER 05 / SECTION 09まとめ|BAD HOPが川崎から示したもの
幼馴染8人が、事務所にもレコード会社にも入らないまま、10年で東京ドームに立って解散した。前例がない。
効いていたのは、作品の強さだけではなかったと思う。2016年に作品を無料で配った判断、海外の制作陣と組んだ判断、そして解散を発表してから9か月かけて終わり方を設計した判断。どれも、外部の判断を仰がずに自分たちで決めている。
川崎の環境を主題にしながら、その環境の外に出る方法まで自分たちで組み立てた。10年で完結させたことが、このクルーの一番の達成だったのかもしれない。
いま8人はそれぞれの場所にいる。武道館に立つ者、ツアーを回る者、準備中の者。BAD HOPという船を降りたあとに何を出すのかが、次に確かめる話になる。
この記事の要点
- 神奈川県川崎市発の8人組クルー。全員が幼馴染で2014年に始動
- T-Pablowがエース、YZERRが制作の中心という役割分担
- 少年院を経験したのはYZERR・Tiji Jojo・G-K.I.Dの3人
- 脱退したのはAKDOW(2016年頃)とDJ KENTA(2017年)
- 2023年5月に解散を発表し、2024年2月19日の東京ドーム公演で解散
- 解散後は各自ソロで活動。BAD HOP名義の活動は行われていない
— Djtube 編集部 / 2026.08

