BADSAIKUSHプロフィール
埼玉県深谷市出身のBADSAIKUSH(読み方:バダサイクッシュ)は、3MCクルー舐達麻の中心にいる男だ。声を張らない。フロウで畳みかけない。なのに、ラインの一つひとつが妙に引っかかる。少年院の1年。覚醒剤と離脱。右耳の聴力。3度の逮捕。ぜんぶ抱えたまま、Spotifyの上位に居る。普通、こうはならない。本記事では本名・年齢・血液型・身長・MBTI・逮捕歴・彼女の噂まで、人物軸の全項目を整理する。36歳、身長172cm(推定)、A型(推定)。
この記事でわかること
- 本名・生年月日・出身地など、公表情報をベースにした基本プロフィール
- 「賽」からBADSAIKUSHへ至る改名の意味と、クルー名の由来
- 2009年の事故と少年院、覚醒剤の使用と離脱までの経歴
- 声を張らないラップスタイルの構造と、入門用に聴く順番
- 報道で確認できる3度の逮捕の事実関係と、その後の処分
- YZERR・Kenny-G・RYKEYとのビーフの時系列
- 彼女・結婚・子供の噂について、確認できた範囲と確認できていない範囲
よくある疑問と、短い答え
検索して真っ先に知りたいことだけを、先に1行ずつ置いておく。詳しい根拠と時系列は、それぞれ対応する章で扱う。
| 疑問 | 短い答え | 補足 |
|---|---|---|
| BADSAIKUSHは何者? | 埼玉県深谷市出身、3MCクルー舐達麻の中心MC。 | 2011年から活動 |
| 本名と年齢は? | 細谷雄太。1990年3月29日生まれの36歳。 | 2026.08時点 |
| 身長・血液型・MBTIは? | 172cm/A型/INTJ-A。いずれも推定。 | 本人公表値ではない |
| 逮捕歴は何回? | 報道で確認できるのは3回(2009・2018・2022)。 | 2022年は不起訴処分 |
| 右耳が聞こえないというのは本当? | 覚醒剤使用期の後遺症で、右耳の聴力をほぼ失っている。 | 本人が公に言及 |
| 結婚・子供は? | 子供の存在は本人が2026年6月のインタビューで公言。結婚・相手は非公表。 | 本人発言は該当章で |
| 現在は何してる? | 「第一の職業パパ」。制作は継続、スタジオには毎日いると本人が語る。 | 2026年6月の本人発言 |
| 最初に聴くべき曲は? | 「契」「LIFE STASH」から入り、次に「FLOATIN’」。 | 入門表は該当章に |
| 一番大きいビーフは? | YZERR(BAD HOP)との2019〜2024年の一連。 | 専用記事あり |
※上表は2026年8月時点で確認した内容です。身長・血液型・MBTIは本人が公表した数値ではなく、Djtube編集部が公開情報から整理した推定を含みます。
CHAPTER 01 / SECTION 01BADSAIKUSHのプロフィール|本名・年齢・身長・血液型
BADSAIKUSHは、本名・細谷雄太、1990年3月29日生まれの36歳。埼玉県深谷市出身で、3MCクルー舐達麻のMCであり、自主レーベルAPHRODITE GANG HOLDINGS(AGH)の運営側にも立つ人物だ。身長172cm、血液型A型、MBTIはINTJ-A——ただしこの3つは本人が公表した数値ではなく、Djtube編集部が公開情報から整理したものである点は先に断っておく。
まず、SNSや配信リンクを含む一次情報の入口をまとめておく。リリース情報やライブ告知は、下記のInstagramとXが最も早い。
ここからは、人物軸の項目を一覧で整理する。読み方・通称・家族構成・後遺症まで、検索されやすい項目を1つの表にまとめた。備考欄には、その値がどこまで確認できているかを併記している。
| 項目 | 内容 | 備考 |
|---|---|---|
| 本名 | 細谷雄太(ほそや ゆうた) | 読み方 |
| ステージネーム | 賽 a.k.a. BADSAIKUSH | サイ・バダサイクッシュ |
| 通称 | バダサイ | ファン間呼称 |
| 生年月日 | 1990年3月29日 | 36歳 / 2026.08時点 |
| 出身地 | 埼玉県深谷市 | 活動拠点も埼玉県北部 |
| 身長 | 172cm(推定)(推定) | 本人公表値ではない |
| 血液型 | A型(推定)(推定) | 本人公表値ではない |
| MBTI | INTJ-A(推定) | 本人公表値ではない |
| 家族構成 | 母・兄 | 母子家庭で育つ。母はAGHの経営面に関与 |
| 子供 | 公表なし | 公式発表はなく、編集部でも確認できていない |
| 逮捕歴 | 3回 | 2009年(少年院1年)・2018年(大麻)・2022年(大麻・不起訴) |
| 聴力 | 右耳ほぼ難聴 | 覚醒剤使用時期の後遺症 |
| 愛猫 | 2匹 | コラットのリュウ・ベンガルのzerry |
| 所属クルー | 舐達麻 | G-PLANTS / DELTA9KIDと3人体制 |
| レーベル | APHRODITE GANG HOLDINGS | 自主運営 (AGH) |
| 活動期間 | 2011年〜 | 舐達磨’s名義含む |
| 公式Instagram | @badbadsai | フォロワー約30万 |
| 公式X (旧Twitter) | @NAMEDARUMAAz | スタジオ・愛猫の発信中心 |
表から読み取れるのは、公表されている項目と、そうでない項目がはっきり分かれているということだ。本名・出身地・逮捕歴は報道や本人の言及で追える。一方で結婚・子供は、2026年8月時点で公式発表が存在しない。
本文に頻出する2語を、先に定義しておく。
舐達麻が自主運営するレーベル兼ブランドである。略称はAGH。作品のリリース、物販、YouTubeチャンネルの運営を自前で行う体制を指す。
CHAPTER 01 / SECTION 02BADSAIKUSHの名前の由来|「賽」からの改名と意味
BADSAIKUSHという名義は、「賽」→「BAD賽」→「BADSAIKUSH」と3段階で組み上がっている。一度に決めた名前ではなく、経歴が動くたびに書き足された名前だ。
最初は「賽」(サイ)一文字だった。サイコロのサイ、賽銭箱のサイ。自分の運命は自分で振る、という意味だ。
そこに「BAD」を足したのは、何度か警察に捕まったあとだ。悪事に手を染めてきた事実から目を逸らさない、というポーズではなく、宣言。さらに末尾に「KUSH」。インディカ系大麻のスラングで、雌の大麻と交わる雄の自分が生み出すのは結局リリックだ、という意味が込められている。
賽 → BAD賽 → BADSAIKUSH。一見、ただ盛っただけに見えて、3段階で「自分は何者か」を彫り直している。MCネームの改名って、本来こういう作業のはずだ。
ヒンドゥークシュ山脈周辺を原産とするとされるインディカ系大麻の品種群である。HIP HOPカルチャーでは、特にウエストコースト以降のラッパーが頻繁にリリックに登場させてきた。BADSAIKUSHの場合、ステージネーム末尾の「KUSH」は嗜好品としての大麻と、自身の生み出すリリックの隠喩として機能している。
BADSAIKUSHが10代で出入りしていた、地元の先輩NANCYが率いたHIPHOPクルーの名称である。後の舐達麻メンバーがほぼ全員この場に居た。
ちなみに舐達麻の他2人のMCネーム「G-PLANTS」「DELTA9KID」も、BADSAIKUSHが命名している。「DELTA9」は大麻の主成分THCの正式名称(デルタ9-テトラヒドロカンナビノール)から。クルーの名前もMCネームも、根は全部同じ場所から生えている。
CHAPTER 01 / SECTION 03BADSAIKUSHの生い立ち・経歴|深谷の不良少年が舐達麻になるまで
BADSAIKUSHのキャリアは、2009年の事故と少年院の1年を境に前後で完全に分かれる。ラップを本格的に始めたのは出所後で、デビュー作のタイトルにはその事故で亡くなった後輩の名前が入っている。
まず全体像を年表で押さえておく。誕生から現在までの転機を、年単位で並べたものだ。
この年表で目立つのは、2015年のデビューまでに25年かかっていることと、そこから4年でiTunes1位まで到達していることの落差だ。以下、転機ごとに詳しく見ていく。
幼少期|母子家庭とサッカー少年時代
深谷生まれ、母子家庭育ち。小学校では地域のサッカークラブにいた。足が速く、点を量産するタイプの少年だった。
ただ、学年が上がると、周りが体格的に追い抜いていく。相対的に上手じゃなくなった瞬間、意欲が消えた。中学に上がって3ヶ月でサッカーを辞めると、ついでに学校にも行かなくなる。
10歳前後の「自分は得意な方だ」という認識が崩れた瞬間に、その世界ごと降りてしまう。これは後の舐達麻のMCネーム命名や、ビート選定の主導権の握り方にも、ずっと残る性質だ。
中学〜高校|暴走族と犯罪三昧の日々
中学から高校にかけて、DELTA9KIDと地元の暴走族文化に飲まれていく。生活費は援助交際狩りと金庫破りで稼いだ。高校はG-PLANTSと同じ学校に母親が勧めて入れたが、ほぼ行かずに中退。
その流れで出入りするようになったのが、地元の先輩NANCYが率いるHIPHOPクルー「49」(フォーティーナイン)。後の舐達麻メンバーがほぼ全員ここに居た。G-PLANTS、D BUBBLES、DELTA9KID、そして故104。49で過ごした時間が、舐達麻という船の竜骨になっている。
2009年|事故と少年院での1年、キャリアの分岐点
2009年6月3日、深夜2時45分、深谷市榛沢のT字路。
BADSAIKUSH、DELTA9KID、後輩の故104が乗ったクルマは、金庫破りを終えた帰り道だった。無灯火で走っていたところを覆面パトカーに見つかり、140km/hのカーチェイスに突入。カーブを曲がり切れずブロック塀に左側面を激突、反動で右側に弾き飛ばされて大破した。
後部座席の故104は、車外に投げ出されて即死。
BADSAIKUSHは現行犯逮捕、当時19歳のため少年刑務所で1年。20歳だったDELTA9KIDは翌日に出頭し、4年。1stアルバム「NORTHERNBLUE 1.0.4.」のタイトルにある「1.0.4.」は、後輩の名前から取られている。
つまりバダサイのキャリアは、最初のアルバムのタイトルからすでに、亡くなった後輩の名前を背負った状態でスタートしている。リリックの大半は、結局この一行に向かって流れている。
CHAPTER 02 / SECTION 04BADSAIKUSHのラップスタイルと代表曲|契・LIFE STASH・FLOATIN’
BADSAIKUSHのラップは、声量でもフロウの手数でもなく「抑制」で聴かせるタイプだ。ビートから半歩ずれた位置で、装飾を削ぎ落とした断定だけを置いていく。だから初聴では地味に感じ、2周目から効いてくる。
BADSAIKUSHのラップで一番恐ろしいのは、声を張らないことだ。普通、ラッパーは怒りを爆発させるか、フロウで畳みかけるか、そのどっちかで殴ってくる。バダサイは、どっちもやらない。
淡々と、ビートから半歩ずれたところで、核心だけ差し出す。比喩はあるが、装飾はない。仲間の名前は出てくるが、感傷はない。抑制が、そのまま圧になるタイプのMCだ。
入門ガイド|聴く順番と最初の5曲
初めて聴く人が迷いやすいのは、代表曲の数が多く、しかもどれも尺が長いことだ。下表は、聴く目的別に順番を判断するためのものである。右端の「判断」列は、自分の目的に合わせて上書きして使ってほしい。
| 曲名 | リリース年 | 聴きどころ | こんな人向け | 判断 |
|---|---|---|---|---|
| 契 | 2015 | 9分超のマイクリレーの3番手。抑制されたバースが独立した曲のように立つ | 舐達麻の原点から辿りたい | まず聴く |
| LIFE STASH | 2018 | 声を荒らげないまま突きつける挑発。スタイルが1曲で分かる | バダサイの「圧」を最短で知りたい | まず聴く |
| FLOATIN’ | 2019 | 故104への感情が、リリックの中で最も表に出る | リリックの温度を知りたい | 次に聴く |
| 100MILLIONS | 2019 | GREEN ASSASSIN DOLLARのトラックとの噛み合い方 | ビートから入りたい | 次に聴く |
| DAYDREAM | 2020 | ANARCHYとの世代差が、そのまま曲の構造になっている | ANARCHY経由で知った | 条件付き |
※判断列を上書きしてお使いください。リリース年は各配信サービスの表記に基づき、2026年8月時点で確認したものです。
読み取れるのは、入口が2つあるということだ。舐達麻というクルーから入るなら「契」、BADSAIKUSH個人の圧から入るなら「LIFE STASH」。どちらから入っても、最終的に「FLOATIN’」に行き着く構造になっている。
向いていないケース|声を張るラップを求める人との相性
正直に書くと、BADSAIKUSHは万人向けのMCではない。エネルギーの放出量で気持ちよくなりたい人、サビで一緒に叫びたい人には、まず刺さらない。彼のバースは盛り上がりの山を作らず、平坦なテンションのまま核心だけを置いて終わるからだ。
また、リリックの多くは深谷での生活、亡くなった後輩、クルー内の関係といった固有の文脈に紐づいている。背景を知らずに歌詞カードだけ追うと、意味が半分しか届かない。逆に言えば、背景を追う気がある人ほどリターンが大きいタイプだ。
- 深夜のトラックで、言葉が刺さる瞬間を待てる人
- アンダーグラウンドの文脈ごと聴きたい人
- ANARCHY・RYKEYのリリックで救われた経験がある人
- 声を張るラップ・畳みかけるフロウを求めている人
- TikTokで完結する音楽だけでいい人
- 歌詞の背景まで追う気はない人
代表曲①「契」|BADSAIKUSHのバース
9分超のマイクリレーの3番手。バダサイのバースは、抑制と覚悟の塊として、ほぼ独立した曲のように立ち上がる。主題は明快で、現実から目を逸らさないこと、そして幼さのまま流されないこと。比喩を挟まない短い断定を重ねていく組み立てが、後の文学的なラインの起点になっていく。
代表曲②「LIFE STASH」|BADSAIKUSHのバース
大麻を巡る世間の騒ぎ方を突き放し、自分は半端者ではなくラッパーなのだと言い切る——それがこの曲の骨格だ。
正直、これを初めて聴いた時は、背筋が冷えた。挑発しているのに、声は淡々としている。憤っているのに、リズムは穏やかだ。保釈期間中に書かれたとされるこのトラックは、バダサイのスタイルを1曲で要約している。
代表曲③「FLOATIN’」|BADSAIKUSHのバース
亡くなった後輩への想いが、過去形ではなく、今も続く対話として綴られている。あの日から変わらないままの故104と、彼がいないぶん残された側が受け取ってしまう取り分——この逆説を正面から書いたバースは、バダサイのリリックの中で最も温度が高い。
結局、バダサイがやっているのは、ストリートの記録じゃない。ストリートの翻訳だ。
最新の活動状況|2025〜2026年の動き
2025年6月、配信停止となっていた2ndアルバム「GODBREATH BUDDHACESS」が「THE RE-UP EDITION」として再配信され、同月5日には約1年半ぶりの新曲「THE SEQUEL」(プロデュース:GREEN ASSASSIN DOLLAR & 7SEEDS)がシングルカットされた。2026年3月にはTimberland×WACKO MARIAのコラボムービーで新曲を公開している。確認日:2026年8月9日。
【2026年】本人が語る制作術|「俺のヒップホップって文学なんすよ」
2026年6月、BLUEPRINT™が書籍「BLUEPRINT THE RECORDS 001」のロングインタビューの一部を動画で公開し、BADSAIKUSHが自分の制作術を珍しく体系立てて語った。ここまで見てきた「抑制のラップ」「ビート第一主義」の背景が、本人の言葉で裏づけられる内容になっている。
出典:BLUEPRINT™「BADSAIKUSH|舐達麻の現在地、そして未来」(2026年6月公開)
俺のヒップホップって文学なんすよ。完全に文章の中の話であって、それの俺の表現の仕方がこのヒップホップっていう文化。俺の文章の書き方はこれだと思って。それが俺のヒップホップなんすよね。
BADSAIKUSHBLUEPRINT™インタビュー 2026年6月このインタビューで本人が明かした制作のリズムは、次のようなものだ。「ずっとペンを握ってずっとリリックを書いてても、いいリリックをかけるタイプではない。思いを貯めて、それを1ヶ月に1回とか2ヶ月に1回、曲に落とし込む」。毎日書かないのは判断であって停滞ではなく、その代わり「バーンって曲を作るために、どうでもいいことは書いてます。リハーサルみたいな、いつでも本気出せるように」と、素振りにあたる執筆は日常的に続けている。活動の実態としても「スタジオには毎日いますね」と語り、録音は「貯めて、今完成させるべき時に完成させるサイクル」だと説明した。
代表曲「契」の成り立ちについても、このインタビューで語られている。ファーストアルバムの最後の曲であるあのトラックは、「自分にめちゃくちゃマッチしてるビートに、ラップ始めて1番最初に出会った」曲であり、「勝手に言葉が出てきた。本当にビートに書かされる」という経験を初めてした瞬間だったという。「これはとんでもないことだと思いながら、1回身を任せてみようと思って、書き切るまでビートに任せて書いて、あの長さになった」。以来、数年をかけて「ビートに書かされるやつしかビートを選ばないようにした」というのが、現在まで続く選定基準だ。
ライブと音源のどちらに重心を置くかについても、迷いがない。「クオリティの高いライブするより、絶対クオリティの高い音源を出したい。それを残したい。絶対に」。ライブは「その時楽しむもの、消費されるもの」だが、音源は「死んでも残るもの。自分の寿命よりも長くいる」。そして、この自己定義に落ちる。「小説家が小説出して、みんなの前で朗読会しないじゃないですか。だから俺もライブしたくないみたいな。曲リリースして、勝手に聞いててくれみたいな」。
※引用は公開インタビュー動画の発言の書き起こしです。話し言葉のため、意味を変えない範囲で読みやすく整えています。
CHAPTER 02 / SECTION 05BADSAIKUSHの盟友コラボ|ANARCHY・RYKEY・阿修羅MIC
BADSAIKUSHが深く組んだのは、ANARCHY・RYKEY DADDY DIRTY・阿修羅MICの3人だ。ただしその後の関係はそれぞれ違う道を辿っており、盟友のまま続いた相手と、ビーフに転じた相手が分かれている。
ANARCHY、RYKEY DADDY DIRTY、阿修羅MIC。バダサイが深く組んだ3人だ。世代も拠点もバラバラだが、共通点が1つある。全員、ビートとリリックでしか口を利かないタイプの男だ。
ANARCHYとの関係
関西の象徴と、埼玉の異端。出会いはANARCHY側からのアプローチだった。世代もシーンも違うのに、初対面で「この人とはずっと遊ぶ」と確信したという。
2020年のEP「GOLD DISC」で、その直感が音になった。
RYKEY DADDY DIRTYとの関係
RYKEY DADDY DIRTYとは、2019年に共作EP「MARY JANE」を残した。ただし、この関係は後のYZERRビーフへ連鎖していく。「You Can Get Again」というRYKEYのYZERRディス曲にバダサイが客演で参加したのが、4年後の身体的衝突の伏線になっていたーーが、それは別のセクションの話だ。
阿修羅MICとの関係
同じ埼玉県北部の盟友MC。バダサイとDELTA9KIDの客演楽曲を持っているほか、仲裁役として何度も登場してきた。Kenny-Gビーフを収束させたのも、AH1乱闘の現場で動いたのも阿修羅MICだ。
ストリート目線で見ると評価は割れる。「仲介に首を突っ込みすぎ」「ラッパーよりネゴシエーター」というワック扱いの声も一定数ある。ただ舐達麻側からすれば、毎回現れて手を打ってくれる便利な男、という事実は変わらない。
つまり、ある側からは「中毒みたいに仲介する奴」、別の側からは「いてくれて助かる外交官」。同じ振る舞いが、立ち位置で180度評価が変わる。HIPHOPで一番面白いのは、こういう位置の問題だ。
その他の主要客演・コラボ
CHAPTER 03 / SECTION 06BADSAIKUSHの逮捕歴|2009・2018・2022の3度と覚醒剤離脱
報道で確認できるBADSAIKUSHの逮捕は3回。2009年(金庫破り後の事故)、2018年(大麻取締法違反)、2022年(大麻取締法違反)である。このうち2022年の件は、逮捕から10日後に不起訴処分となっている。
2009年|金庫破り後の交通事故と少年院送致
1度目。19歳。場所は深谷市榛沢、無灯火走行から覆面パトカーの追跡、コンクリートへの激突。同乗していた後輩・故104が死亡。少年刑務所で1年。これは生い立ちのセクションで詳述したので、ここでは事実だけを置く。
2018年|大麻取締法違反での逮捕
2度目。舐達麻のメンバー3人(D BUBBLES、BADSAIKUSH、DELTA9KID)がまとめて大麻取締法違反で逮捕されたと報じられた。ただし実刑判決まで届いたのはD BUBBLESだけ。バダサイは免れた。
D BUBBLESはこの服役後、舐達麻の活動から消えた。現在も舐達麻が3MC体制で動いている直接の原因は、ここにある。
2022年|静岡県警による逮捕と不起訴処分
3度目。2022年10月4日、静岡。BADSAIKUSH、G-PLANTS、そしてそれぞれの交際相手とされる女性2名。計4人が大麻取締法違反(共同所持)の現行犯で逮捕されたと報じられている。家宅捜索で乾燥大麻が発見され、使用目的の所持と判断されたとされる。
結末は早かった。10日後の10月14日、4人とも不起訴処分(出典:日テレNEWS24/オリコンニュース/SBS NEWS)。
覚醒剤の使用と離脱について
大麻だけじゃない。バダサイは、20歳から数年、覚醒剤を使っていた時期があると本人が語っている。
少年院を出た直後、先輩に勧められて始めた。3回目に駐車場で打った時、「リリックを書くペンが止まらなくなった」。バダサイがラッパーになるきっかけは、覚醒剤だった、ということだ。
代償は右耳の聴力。21歳前後で使用を断ち、その後は二度と使わないと明言している。「ラッパーになるきっかけ」と「ラッパーとしての身体を半分壊した原因」が同じ薬物だったというのは、彼のリリックの陰影をかなり深いところで規定している。なお、本記事は薬物の使用を肯定・推奨するものではない。
逮捕歴を巡る言説は、楽曲リリック、インタビュー、報道記事など複数のソースで断片的に語られているが、時系列が混在して整理されていないケースが多い。本記事では、報道で確認できる事実と、楽曲・SNSで言及された内容のみを採用し、噂レベルの未確認情報は意図的に除外している。編集部の規律として、有罪が確定していない件は必ず伝聞形で書き、不起訴・無罪の続報が出た場合は同じ章に追記する運用としている。
CHAPTER 03 / SECTION 07BADSAIKUSHの彼女・嫁・結婚・子供の噂|マアヤ説の真相
結論として、2026年8月時点で、BADSAIKUSHの交際・結婚・出産に関する公式発表は一切ない。「マアヤ説」と呼ばれる噂はファンの間で長く語られているが、Djtube編集部はこれを確定情報として扱っていない。
「マアヤ」彼女説の発端
2020年〜2021年頃から、ファンの間でマアヤと呼ばれる女性がBADSAIKUSHの交際相手ではないか、という噂が広まった。元・姉ageha専属モデルで、現在はインフルエンサーとして活動している人物とされる。
噂の根拠として挙げられてきたのは、Instagramの投稿時期や場所が近いこと、和彫りのモチーフが似ていること、BADSAIKUSH愛用ブランドの着用が重なること——といった、いずれも状況証拠にとどまるものだ。ファン側の解釈としては定着しているが、本人・所属レーベルのいずれからも言及はない。
結婚・子供の噂
2021年秋ごろ、SNS上で「BADSAIKUSHに子供がいるのではないか」という投稿が見られるようになった。ただし、その根拠として挙げられているのは第三者の投稿の解釈であり、本人・レーベルからの発表は確認できていない。
2022年逮捕時の「同居する女性」との関係
2022年10月の静岡県警による逮捕報道では、BADSAIKUSHは同居する女性と共に大麻取締法違反の容疑で逮捕されたと報じられた。ただし報道で当該女性の氏名は公表されておらず、ネット上で出回った人物特定の推測について、編集部は裏付けを確認できていない。したがって本記事では、この女性が誰であるかについて推測を記載しない。なお、この件は当該女性を含む4人全員が10日後に不起訴処分となっている。
【2026年最新】本人が「子供ができて、全部変わった」と公言
この章の前提を変える発言が、2026年6月に出た。BLUEPRINT™が公開したインタビュー動画で、BADSAIKUSH本人が子供の存在をはっきり語ったのだ。噂ではなく、本人の口から出た言葉として、ここに記録する。
出典:BLUEPRINT™「BADSAIKUSH|子供ができて、全部変わった」(2026年6月公開)。書籍「BLUEPRINT THE RECORDS 001」掲載ロングインタビューの一部先行公開。
子供ができてどう変わったかって言うと、もう全部が変わったんすよね。(中略)自分のことよりもこいつを気にかけてあげなきゃいけないとなると、「このヒップホップのために」だとかっていうところから、俺はもう一歩いなくなってると思うんですよね。
BADSAIKUSHBLUEPRINT™「子供ができて、全部変わった」2026年6月変化の大きさを示すのが、ライブについての発言だ。「大事なライブがあったら絶対に行く。そんなこと100%当たり前じゃないですか? それが100%当たり前じゃなくなるわけすよ、子供できると」と語り、こう続けている。
だって子供の方が大事だから。何かあったら、そのライブ、別に全然3万人だろうがほっときますよ、俺。余裕で。こいつらにどう思われるか全然どうでもいい。こいつにどう思われるかのが大事だし、自分がこいつにどうしたいかのが大事じゃないですか。
BADSAIKUSH同上「あと、第一の職業パパだし」という一言もこのインタビューで出た。今の制作スタイルについても「子供抱っこしながら携帯でリリック書いてるんで」と明かしている。一方で、この時間が有限であることも冷静に見ており、「パパなんて10年15年なんで」「今もうやりまくって、飽き飽きするぐらいやって、大人になった時に絶対に(小さい頃に)戻りたくないっていうぐらいの気持ちになっときたい」と語った。結論はこうだ。「今はとりあえず家族が1番かなっていう。子供がでかくなるまでは」。
ただし注意したいのは、本人が語ったのは「子供の存在」と「父親としての自分」までであり、結婚しているのか、相手が誰なのかについては、このインタビューでも一切語っていないという点だ。したがって本記事は、相手に関する推測を引き続き記載しない。
CHAPTER 03 / SECTION 08BADSAIKUSHが「会社員」と報道された理由|2022年逮捕報道の背景
「会社員」表記は、本人が音楽以外の本業を持っていたという意味ではない。報道機関が容疑者の職業を分類する際の慣習と、レーベル運営という事業実態が重なった結果と考えられる。
2022年の逮捕報道で、地上波テレビ局と新聞各社は、バダサイを「会社員の男(32)」と書いた。SNSの反応はこうだ。「大麻より、バダサイが会社員だったことに驚いた」。
でも、これは別に驚くことじゃない。
日本の報道は、容疑者の職業を書く時、「無職」を避けたがる。フリーランスの音楽家やインディペンデント・アーティストを「自称ミュージシャン」と書くのも気が引ける。だから、レーベル運営や事業実態に紐づけて「会社員」または「ミュージシャン」のどちらかで分類するーーという慣習がある。バダサイの場合、APHRODITE GANG HOLDINGSの運営に関わっているから「会社員」になったと見られる。
つまり、バダサイが特殊なんじゃない。報道のシステムが特殊なんだ。
同じ2022年逮捕報道でG-PLANTSは「ミュージシャンの男(33)」と表記されており、両者の表記の差は明確に存在する。ただし2018年の報道では3人とも「自称音楽家」という表記が使われていたため、報道社によっても基準が一定しない。インディペンデントなアーティストにとって職業表記は実態と乖離することがある、という構造的な問題がここに表れている。編集部としては、こうした表記の差を「本人の実態」ではなく「報道側の分類規則」として読むことを推奨する。
CHAPTER 03 / SECTION 09BADSAIKUSHの人物像とMBTI|INTJ-A(推定)と判断の根拠
当編集部は、BADSAIKUSHのMBTIをINTJ-A(建築家タイプ)と推定している。本人が公表した情報ではないため、以下に判断の根拠を示す。
| 観察された言動 | 対応する傾向 | 出典の性質 |
|---|---|---|
| 「俺のヒップホップって文学なんすよ」と自己定義する | 自分の活動を抽象的な体系で捉える(Ni優位) | 本人インタビュー |
| 思いを貯めて1〜2ヶ月に1回だけ曲に落とし込む | 量より設計。納得の基準を自分の内側に持つ | 本人インタビュー |
| 「ビートに書かされるやつしかビートを選ばない」と基準を決めた | 経験から法則を抽出し、以後の判断を自動化する | 本人インタビュー |
| ライブより音源を優先し「残るもの」に賭ける | 短期の反応より長期的な結果を選ぶ | 本人インタビュー |
| 「小説家が朗読会しない」と例えて自分の立場を説明する | 比喩で構造を示す | 本人インタビュー |
| 子供ができて優先順位を明確に組み替えた | 価値観の再設計を短期間で完了させる | 本人インタビュー |
表を縦に読むと、6項目のうち大半が「即座に反応する」ではなく「長い時間軸で組み立てる」側に寄っていることが分かる。判断材料は本人の発言と報道に限られ、心理検査の結果ではない点も、表の「出典の性質」列から読み取れる。
対立仮説|INFP-Tとも読める理由
INFP-T(仲介者タイプ)と読む余地もある。「文学」という自己定義、感情が乗るまで書かない姿勢、ビートに任せて言葉が出てくるという制作体験は、いずれもFi優位の内向的感情型に合致する。
判断が割れるのは、「感覚に従っている」ように見える行動が、実際には明文化された基準の運用であるためだ。本記事では、ビート選定の基準化や制作サイクルの設計といった、方法論を自分で作って運用する側面を重く見てINTJ-Aを第一の推定とした。
CHAPTER 03 / SECTION 10BADSAIKUSHのファッション・刺青・髪型・愛猫|私生活ディテール
私生活のディテールに共通しているのは「引き算」だ。ファッションも刺青も髪型も、要素を足すのではなく、選ぶものを絞り込むことで成立している。
ファッション|柄シャツとAGHのバランス
BADSAIKUSHのファッションは、アロハや柄シャツ+スラックス+スニーカーという比較的シンプルな組み合わせを基調とする。トップスではWACKO MARIAを選ぶ頻度が高く、ワコマリア公式インスタの宣伝映像にも起用されているほど深い関係性を築いている。自身のクルーブランドAPHRODITE GANGとWACKO MARIAのコラボシャツもリリースしてきた。アクセサリーには金のロレックス・デイデイトを合わせるなど、過剰に装飾的になり過ぎない引き算のバランスが特徴だ。
ブランドとの関係は着用にとどまらない。2026年3月には、TimberlandとWACKO MARIAのコラボレーションのモデルに起用され、そのムービー内で新曲を公開している(楽曲クレジットにはGREEN ASSASSIN DOLLARの名前も記載)。
出典:KAI-YOU「舐達麻のBADSAIKUSHが新曲公開 Timberland×WACKO MARIAムービーで披露」(2026年3月25日公開/2026年8月9日確認)
愛用ファッションブランド
- WACKO MARIA
- THE BLACK EYE PATCH
- THE NORTH FACE
- APHRODITE GANG(自身のクルーブランド)
- CONVERSE
髪型|スキンフェードのクロップスタイル
BADSAIKUSHの髪型は、サイドを刈り上げトップを短くまとめるスキンフェード×クロップ。バーバーはMR.BROTHERS CUT CLUBのKENSHI(@kenshi098)が担当しており、自宅で出張カットを行うこともある。
刺青|牡丹の和彫りとレタリング
両腕の和彫りは牡丹をモチーフにしており、右腕に黒、左腕に赤の対比配色が施されている。胸から腹にかけてはアメリカ拠点のレタリングアーティスト@gordolettersがデザインし、アムステルダムを拠点とする@gakkinx(GAKKIN)が彫り入れたコラボピースが入っている。最初のタトゥーは故104の名前だ。
愛読書|村上龍・志賀直哉・スティーヴン・キング
衝撃を受けた一冊として挙げているのが、村上龍「限りなく透明に近いブルー」。読み終えたあとに「最近の小説かと思ったら40年以上前の作品だった」と感想を漏らしたほど、米軍基地の街・福生で音楽・薬物・性に溺れる若者を描いた本作の質感が、自身の経験と重なっている。
もう一冊、舐達麻のミュージックビデオ「OUTLAW」のなかで一瞬だけ画面に映り込むのが、志賀直哉「暗夜行路」。日本近代文学を代表する長編で、罪と血の宿命、そこからの再生をめぐる主人公の遍歴が描かれる。
創作論として手元に置いているのが、スティーヴン・キング「書くことについて」。読書を通じてリリックの引き出しを増やしてきた本人の姿勢がうかがえる作家論・実作論の必読書だ。
愛猫|リュウとzerry
大の猫好きとしても知られ、コラット種のリュウと、ベンガル種のzerryを飼っている。Xや Instagramのストーリーには、しばしば自宅でくつろぐ2匹の姿が投稿されている。zerryは独立した公式アカウント(@zerry_official_)を持ち、こちらも一定のフォロワーを獲得している。
CHAPTER 03 / SECTION 11BADSAIKUSHのビーフ|YZERR(BAD HOP) / Kenny-G / RYKEYとの対立
BADSAIKUSHの主要なビーフは3件。最大のものはYZERR(BAD HOP)との2019〜2024年の一連で、楽曲・物理的衝突・アンサー曲まで到達している。Kenny-Gとの件は仲裁により収束し、RYKEYとの件は現在も一方通行のまま止まっている。
BADSAIKUSH × YZERR (BAD HOP)|2023年最大級のビーフ
バダサイのキャリアで一番大きい衝突は、川崎のBAD HOP、そのリーダーYZERRとの一連だ。客演楽曲が火種になり、4年越しで身体に到達し、最終的に互いのディスソング・アンサーソングへ着地した。日本語ラップ史にしっかり残る大型ビーフになった。
下の年表は、火種から着地までを日付単位で並べたものである。4年の空白が挟まっている点が、この件の特徴だ。
読み取れるのは、2019年の火種が4年間そのまま残り、フェスという物理的に同席する場で初めて表面化したという流れだ。以下、各局面を順に見ていく。
2019年|「You Can Get Again」が火種
始まりは、2019年4月の「You Can Get Again / RYKEY × BADSAIKUSH」。RYKEYがYZERRをディスする曲で、バダサイは客演で参加した。
バダサイ自身は、誰が何をしているかという抗争の当事者性そのものへの無関心を示すラインを置き、ビーフから半歩引いたスタンスを取っている。ーーただし、YZERR側の解釈は違った。「裏でRYKEYをけしかけていた」と認識した。客演で参加した側の意図と、ディスされた側の解釈にズレがあった。このズレが4年間、地下水脈のように流れる。
2023年10月22日|AH1での乱闘騒動
2023年10月22日、愛知のヒップホップフェス「AH1」。舐達麻とBAD HOPが同じステージに並ぶ日だった。
事前交渉では、阿修羅MIC側がジャパニーズマゲニーズの孫GONGとともに「THE HOPE 2023」アフターパーティーの一件を謝罪したいと連絡したが、YZERR側は拒否。BAD HOPの出番前に阿修羅MIC・舐達麻側を会場から帰らせる、という運営合意までできていたとされる。
ところが当日、ステージに向かおうとしたYZERRの目に入ったのは、酒を飲んで居座る阿修羅MICと、取材を受けている最中のBADSAIKUSHだった。YZERRは積年の怒りで掴みかかり、関係者を巻き込んだ乱闘に。BAD HOPの出演はキャンセル、観客向けには「機材トラブル」と説明されたが、SNSには動画が即座に流れた。
2日後、YZERRはインスタライブで5万人超の視聴者に経緯を説明し、観客と主催者へ謝罪した。これが、ビーフが「観衆の前」に出た最初の瞬間だ。
2023年12月|「FEEL OR BEEF BADPOP IS DEAD」リリース
乱闘から40日後、12月1日。舐達麻が突如リリースしたのが「FEEL OR BEEF BADPOP IS DEAD」(プロデュース:GREEN ASSASSIN DOLLAR & 7SEEDS)。タイトルからして全方位に容赦がない、6分49秒の長尺ディスソング。3MCが順番に言葉を投げ込んでいく。バダサイのバースには、相手側MCの名義を踏まえた美術のたとえで格の差を突きつける一節が含まれており、公開直後から最も引用された箇所になった。
MVは公開数日でYouTube急上昇1位、12月19日時点で600万再生突破。Instagramのリールでも同曲使用の投稿が大量発生し、ヒップホップシーンの外までリーチした。サンプリング元のmatryoshka「Sacred Play Secret Place」を所属レーベルVirginBabylonRecordsが「無許可」と指摘した一件も含めて、楽曲そのものが何重もの議論を巻き込んだ。
「書きたくなかった」と言いながら、その曲が一番リーチした。これがHIPHOPの皮肉だ。
2024年1月|YZERRのアンサー「guidance」
2024年1月21日、BAD HOPのラジオ番組「#リバトーク TO THE DOME」で1バースが初公開され、1月28日にミュージックビデオ完全版がリリース。タイトルは「guidance」。舐達麻+ジャパニーズマゲニーズ宛のアンサーソングで、BAD HOPのラストアルバム発売告知も同時に行われた。
BADSAIKUSH × Kenny-G
2020年10月、Kenny-G側がインスタストーリーとインスタライブでバダサイへの不満を発信したのが発端。客演で参加した「OUTLAW」の取り扱い周辺が一因とされる。バダサイ側からは公式の反応はなし。最終的に阿修羅MICの仲裁とKenny-Gの謝罪で収束し、楽曲リリースや法的展開には至らなかった。
つまり、舐達麻周辺のビーフは阿修羅MICが現れるかどうかで決着の速度が決まる、という非公式ルールがあるらしい。
RYKEY × BADSAIKUSH
2019年の共作EP「MARY JANE」では完全な盟友だった。その関係が、YZERRビーフを巡る発信、印税の扱い、Z李との関係性などをきっかけに、徐々に綻んでいく。RYKEY側からはバダサイへの不満が公に出るようになったが、バダサイ側からの反応は無い。両者の主張は平行線のままだ。
その後、対立は言葉の応酬にとどまらなくなる。2023年12月17日、舐達麻がライブを行っていた渋谷のクラブ「CLUB CAMELOT」にRYKEY側が立ち入り、ステージ上で舐達麻メンバーと言い合いになる映像が拡散された。約1年後の2024年12月4日、警視庁はこの件を巡り、RYKEY DADDY DIRTYことラッパーの男性、およびXアカウント「Z李」の運営者とみられる会社役員の男性ら計10人を、建造物侵入などの疑いで逮捕したと報じられている。報道によれば、一部の者には警備員の男性への暴行の疑いも持たれているとされる。
出典:オリコンニュース「人気ラッパー・RYKEYDADDYDIRTY&”Z李”運営の男を逮捕」(2024年12月5日公開/2026年8月9日確認)/KAI-YOU「「Z李」運営者とRYKEY DADDY DIRTYが再逮捕 建造物侵入と暴行容疑」(2026年8月9日確認)
本件は逮捕段階の報道であり、有罪が確定したものではない。盟友→ビーフ→沈黙→立件、という流れは、結局誰の側にも完全な正解は無い。本記事ではどちらの主張も確定事実としては扱わない。
CHAPTER 04 / SECTION 12BADSAIKUSHに関するよくある質問(FAQ)
BADSAIKUSHへの検索で繰り返し現れる疑問は、本名・年齢・身長といった基礎情報、3度の逮捕の経緯、そして彼女や結婚の噂の3方向に集中している。以下は、本文で扱った内容のうち単独で問われやすい項目を、その場で答えが完結する形にまとめたものである。公表されていない事項は「公表されていません」と明記している。
CHAPTER 04 / SECTION 13まとめ|BADSAIKUSHが日本語ラップに残してきたもの
BADSAIKUSHが日本語ラップに残しているのは、声を張らず畳みかけないまま成立するラップの型と、経歴を隠さずに書き切る姿勢である。そのどちらもが、以下に並べた出来事の上に立っている。
少年院の1年。覚醒剤と離脱。右耳の聴力。3度の逮捕。後輩の死。
これだけ抱えていれば、ラッパーじゃなくてもおかしくない。むしろラッパーになる方が珍しい経歴だ。バダサイは、その「ならなかった可能性」のほうが圧倒的に大きい場所から、いまSpotifyの上位に居る。
ANARCHYと組んだ。RYKEYと組んだ。阿修羅MICとも組んだ。ビート選定の主導権だけは、誰にも譲らなかった。GREEN ASSASSIN DOLLARとの関係が長く続くのも、そういうことだ。ファッション、刺青、私生活、すべての領域で「自分で選ぶ」を貫いている。
結局、バダサイがやってきたのは、ストリートの記録じゃなくて翻訳だ。深谷の冬の朝の匂い、後輩を失った夜の温度、覚醒剤で書いたペンの重さ、それを誰かが読める日本語に置き換える作業。
そして2026年、本人は先のことをこう語っている。「5年前だったら「いや、一生ラップしてますよ」って多分言ってたんすよ。ただ今はそうは思ってない。じゃあ一生何すんのって言われたら、わかんないっていう。それ、もしかしたら小説かもしれない」。「俺のヒップホップは文学」と言い続けてきた男の「小説かもしれない」は、冗談として読める言葉ではない。ただし本人に悲壮感はない。「先が見えないことを全然不安だと俺は思わない」「過去見てみたら、ちゃんと生きてきたなって思いません? だから絶対大丈夫なんですよ」。
賽 a.k.a. BADSAIKUSH。アンダーグラウンドの最深部と、ストリーミング時代のメインステージ。その両方を、引きずらずに繋いでみせた男だ。
この記事の要点
- 本名は細谷雄太、1990年3月29日生まれ、埼玉県深谷市出身
- 身長172cm・A型・INTJ-Aは、いずれも本人公表値ではなく推定
- 報道で確認できる逮捕は3回。2022年の件は10日後に不起訴処分
- 最初に聴くなら「契」または「LIFE STASH」、次に「FLOATIN’」
- 結婚・子供に関する公式発表は2026年8月時点で存在しない
- 最大のビーフはYZERR(BAD HOP)との2019〜2024年の一連
— Djtube 編集部 / 2026.08



