SEEDAビーフの経緯
SEEDA(シーダ)は2009年、VERBALらのTERIYAKI BOYZとGUINNESSという2件のビーフに立て続けに関わった。いずれもきっかけは他者からの言及であり、SEEDAは短期間で楽曲によるアンサーを返している。TERIYAKI BOYZとの一件は、約16年を経た2025年3月、VERBALとの初共演曲によって和解として明示的に決着した。本記事では、確認できた事実だけを時系列で整理する。
この記事でわかること
- TERIYAKI BOYZとのビーフが、どの楽曲のどの部分から始まったのか
- SEEDAとOKIが発表した「TERIYAKI BEEF」の内容と、その後の展開
- 楽曲でのアンサーが返らず、ポッドキャストでの対話になった経緯
- 共作者のOKIが、その決着に納得せず再びディス曲を出した事実
- GUINNESSとのビーフで、約1週間のあいだに何が起きたのか
- 2025年にVERBALとの和解が公表されるまでの経緯
よくある疑問と、短い答え
検索して真っ先に確認したい項目だけを、1行ずつ先に置いておく。根拠と詳細は、それぞれ対応する章で扱う。
| 疑問 | 短い答え | 補足 |
|---|---|---|
| いつのビーフ? | いずれも2009年 | TERIYAKI BOYZ戦が3月、GUINNESS戦が6月 |
| TERIYAKI BEEFの相手は? | VERBALらのTERIYAKI BOYZ | SEEDAはOKI(GEEK)との連名で発表 |
| 発端は? | SERIOUS JAPANESEのアウトロ部分の解釈 | 該当章で詳述 |
| VERBALは曲で返した? | 返していない、ポッドキャストでの対話を選んだ | 該当章で詳述 |
| OKIは納得した? | していない、後に「Shall We Beef」を発表 | 該当章で詳述 |
| GUINNESS戦の発端は? | SEEDA IS FAKEの公開 | 雑誌の表紙の依頼を断った件への批判 |
| GUINNESS戦の応酬は? | 約1週間で双方2曲ずつ | 該当章で詳述 |
| 今はどうなっている? | 2025年3月にVERBALとの初共演曲で和解を公表 | 該当章で詳述 |
※上表は2026年8月時点で確認した内容です。どちらの主張が正しかったか、どちらが優勢だったかについて、当編集部は判断を示しません。
CHAPTER 01 / SECTION 01SEEDAのビーフとは|2009年に起きた2件の要約
SEEDAが関わったビーフとして知られているのは、2009年のTERIYAKI BOYZ戦とGUINNESS戦の2件である。どちらも数日から数週間という短い期間で応酬が完結している点が共通している。まず全体像を先に置く。
| 項目 | TERIYAKI BOYZ戦 | GUINNESS戦 |
|---|---|---|
| 時期 | 2009年3月 | 2009年6月 |
| 発端 | SERIOUS JAPANESEのアウトロの解釈 | SEEDA IS FAKEの公開 |
| SEEDA側の名義 | SEEDA & OKI(GEEK) | SEEDA単独 |
| 応酬の形 | 楽曲1曲、以降は対話 | 双方が2曲ずつ発表 |
| 期間 | 約2週間 | 約1週間 |
| 決着 | ポッドキャストでの対話、SEEDAが終了を表明 | SEEDAが2曲目で打ち切りを表明 |
| その後 | 2025年3月にVERBALとの共演で和解を公表 | 新たな展開は確認できていない |
表のとおり、2件とも発表から決着までが極端に速い。SEEDAとSCARSが応酬の速さで語られてきた理由が、この2件に集約されている。
この記事で使う用語|ビーフ・ディス・アンサー・アウトロ
本文で繰り返し出てくる4語を先に定義しておく。いずれもヒップホップの文脈で意味が変わる語である。
アンサーとは、相手のディスに対して楽曲で応じることを指す。本件では、楽曲で返すか対話で返すかという選択そのものが争点になった。
アウトロとは、楽曲の末尾に置かれる終わりの部分を指す。本件の発端になったのは、このアウトロに収められた不明瞭な音声の解釈だった。
4語のうち「アンサー」が、この一件の核心にあたる。ディスに対して曲で返すべきか、話し合いで解くべきかという価値観の違いが、そのまま対立の内容になった。
CHAPTER 02 / SECTION 02発端|SERIOUS JAPANESEのアウトロをめぐる解釈
発端は、TERIYAKI BOYZが2009年に発表した2ndアルバム収録曲「SERIOUS JAPANESE」である。この曲のなかに、SEEDAとOKIが自分たちへの言及だと受け取った箇所があった。
| 項目 | 確認できている内容 |
|---|---|
| 対象作品 | TERIYAKI BOYZの2ndアルバム収録曲「SERIOUS JAPANESE」 |
| SEEDA側が問題視した箇所 | SEEDAとOKIが2006年に発表した楽曲のフックを想起させる歌詞と、その後の不明瞭なアウトロ |
| SEEDA側の受け止め | 自分たちを揶揄する内容だと解釈 |
| VERBAL側の説明 | ディスではないと明確に否定 |
| 争点 | 解釈の当否と、返し方をめぐる考え方の違い |
SEEDA自身は、VERBALのラップを目当てにこのアルバムを購入したと後に語っている。つまり出発点にあったのは敵意ではなく、期待だったことになる。その落差が、次章で扱う楽曲の温度につながっている。
この記事を書き直すにあたって最初に外したのが、旧版にあった編集部による勝敗の断定だった。読み手として気持ちのいい書き方ではあるが、E1記事で編集部が勝敗を断定するのは加担そのものだ。しかもこの件は、当事者の一方が16年後に和解を公表している。当時の優劣の評価を記事に残したままだと、和解を伝える章と矛盾する。ビーフ記事で編集部が書けるのは、誰が何を出し、どう終わったかまでである。優劣は読者が音源を聴いて決めればいい。もう一点、この件は共作者のOKIが決着に納得していなかった。当事者を2人と数えるか3人と数えるかで、話の形が変わる。
CHAPTER 02 / SECTION 03TERIYAKI BEEF|SEEDAとOKIによるアンサー曲
SEEDAとOKI(GEEK)は、アルバムを聴いた直後に「TERIYAKI BEEF」を録音し、公式サイトで無料公開した。楽曲のなかでTERIYAKI BOYZの音楽性やスタンスを批判し、曲で返すよう求める内容だった。
当時の報道によれば、映像にはアルバムのCDを投げ捨てる場面や、テリヤキバーガーを潰す演出が含まれていた。2人はこの曲について、無料で好きに聴いてほしいという趣旨のコメントを出したと報じられている。
この一節が、この一件の性格を決めている。求められていたのは謝罪でも撤回でもなく、同じ形式での返答だった。次章で扱うとおり、実際に返ってきたのは別の形だった。
CHAPTER 03 / SECTION 04ポッドキャストでの対話|曲ではなく対話という選択
VERBALは楽曲でのアンサーを返さず、自身のポッドキャストにSEEDAを招く形を選んだ。その意向は、まず第三者を通じて伝えられている。
その後、VERBALはブログで自身のポッドキャストで話したいと表明し、SEEDAを招待した。2人はポッドキャストで対面し、そこで双方の考え方の違いがはっきりした。
この2つの発言が、この一件の中心にある。VERBAL側はディスの意図そのものを否定し、日本でビーフを行うことに否定的な見解を示した。一方のSEEDA側は、ラッパーであれば楽曲で返すべきだという立場を取った。
フリースタイルセッション|対話の後に行われた即興
対談の後、2人はフリースタイルのセッションに移った。この場でもVERBALはディスの意図を否定し、SEEDAのリリックから刺激を受けていたと述べている。
この一件について、SEEDAは後に自身のブログで終了を表明したと報じられている。VERBAL以外のTERIYAKI BOYZのメンバーからの返答はなかった。VERBAL側も、ヒップホップについて議論ができてよかったという趣旨の見解を示している。
CHAPTER 03 / SECTION 05OKIのShall We Beef|決着に納得しなかった共作者
「TERIYAKI BEEF」はSEEDAとOKIの連名だったが、決着の場に立ったのはSEEDAだけだった。この点にOKIは納得せず、後に単独でディス曲「Shall We Beef」を発表している。
| 項目 | 確認できている内容 |
|---|---|
| OKIの立場 | 「TERIYAKI BEEF」の共作者、GEEKのメンバー |
| 問題視した点 | 返答が楽曲ではなくポッドキャストでの対話だったこと |
| もう一つの点 | その対話が自身抜きで行われたこと |
| 取った行動 | ディス曲「Shall We Beef」を発表 |
| 相手側の反応 | 返答は確認できていない |
| その後の展開 | 以降、長く動きは確認できていない |
この経緯は、当事者が2人ではなく3人だったことを示している。SEEDA側では終わった話が、共作者にとっては終わっていなかった。そのため本記事では、この一件の決着を「SEEDAとVERBALのあいだで終息した」という限定つきで扱う。
CHAPTER 04 / SECTION 06GUINNESSとのビーフ|約1週間の応酬
TERIYAKI BOYZ戦から約3か月後の2009年6月、SEEDAはGUINNESSとのビーフに関わっている。こちらは双方が楽曲で応酬し、約1週間で完結した。
GUINNESS側が批判の理由として挙げたのは、SEEDAがヒップホップ専門誌の表紙の依頼を断ったとされる件だったと報じられている。SEEDAはアンサー曲のなかで、その雑誌を子どもの頃から見て誇りに思っていたため、そこでテリヤキバーガーを食べることはできないという趣旨を返している。
この一件で注目されたのは、応酬の速さと、SEEDA側が引退を表明した直後だった点である。2曲目の発表とあわせて、SEEDAはこの件では対話ではなく曲でのやり取りに限る意向と、これ以上曲を出さない意向を示したと報じられている。
タイトルそのものが応酬になった一曲
SEEDAの1曲目は、批判の内容をそのまま並べた極端に長い正式タイトルで発表された。タイトル自体がディスとして機能する形式で、当時大きな話題になっている。
この形式は、後年まで日本語ラップのビーフを語る際に繰り返し引き合いに出されている。ただし、どちらの楽曲が優れていたかについて当編集部は判断を示さない。実際の音源を聴いたうえで各自で判断してほしい。
CHAPTER 05 / SECTION 072025年の和解|L.P.D.N. ft. VERBAL
2009年のTERIYAKI BOYZ戦から約16年後の2025年3月21日、SEEDAとVERBALの初のコラボ曲が発表された。SEEDAのアルバム「親子星」に収録された「L.P.D.N. ft. VERBAL」である。
| 項目 | 確認できている内容 |
|---|---|
| 楽曲 | L.P.D.N. ft. VERBAL |
| 収録作 | SEEDAのアルバム「親子星」、2025年3月21日リリース |
| 位置づけ | 約13年ぶりのアルバム、通算11作目 |
| 意味 | 2009年のビーフの当事者同士による初のコラボレーション |
| 仲介 | m-floの☆Taku Takahashiが両者のあいだを取り持ったとSEEDAが説明 |
| 公表 | 2025年3月26日、SEEDAが自ら経緯を動画で語った |
SEEDAはこの共演について、海外のラッパー同士が長年の対立を経て握手した場面を見たことがきっかけだったと語っている。あわせて、自分自身が過去のものとして水に流せても、ビーフに巻き込んだ周囲の人間まで納得させるには時間がかかったとも明かしている。
この共演によって、2009年の一件は当事者自身の手で和解として明示的に決着した。旧来「日本語ラップ史に残るビーフ」として語られてきたこの件は、現在では和解までを含めた事例として扱われている。
CHAPTER 05 / SECTION 082件のビーフの比較|発端・応酬・決着の違い
2009年の2件は、応酬の形も決着の形も対照的である。どちらから追うかを決めるために、論点ごとの違いを整理した。
| 論点 | TERIYAKI BOYZ戦 | GUINNESS戦 | 裏付けの状況 | 向いている人 |
|---|---|---|---|---|
| 発端 | 楽曲のアウトロの解釈 | 雑誌の表紙をめぐる批判 | 双方とも報道で確認できる | きっかけの違いを知りたい人 |
| SEEDA側の体制 | OKIとの連名 | 単独 | 楽曲のクレジットで確認できる | 共作者の立場を追いたい人 |
| 相手の応じ方 | 楽曲ではなく対話 | 楽曲で2度応じた | 双方とも記録が残っている | 返し方の考え方を比べたい人 |
| 期間 | 約2週間 | 約1週間 | 時系列で確認できる | 展開の速さを見たい人 |
| 決着 | SEEDAが終了を表明、OKIは再度ディス | SEEDAが打ち切りを表明 | 当事者の発表として確認できる | 終わり方の型を知りたい人 |
| その後 | 2025年に和解を公表 | 新たな展開は確認できていない | 報道で確認できる | 現在までを追いたい人 |
比較して見えるのは、返し方の考え方が違う相手とぶつかったときのほうが、話が長く尾を引いたという点である。楽曲で応じたGUINNESS戦は1週間で完結し、対話で応じたTERIYAKI BOYZ戦は共作者の再ディスを含めて長く語られ、和解までに16年を要した。
ビーフではない対戦|SEEDA vs 晋平太のフリースタイル
混同されやすいが、SEEDAと晋平太のフリースタイルバトルはビーフではない。対立から生まれたものではなく、企画として行われた即興のやり取りである。
本記事が扱う2件のビーフとは性格が異なるため、時系列には含めていない。SEEDAの即興でのやり取りを見たい場合の参考として置いておく。
CHAPTER 06 / SECTION 09本記事で扱わないこと
この件については、当事者の評価や優劣をめぐる論評がネット上に多く流通している。当編集部が意図的に扱わないものを、理由とともに明示する。
| 扱わない事項 | 理由 |
|---|---|
| どちらのアンサー曲が優れていたかの評価 | 一方への加担になるため、編集部は勝敗を判定しない |
| 問題視された箇所が本当にディスだったかの断定 | VERBAL側が否定しており、外部から検証する手段がないため |
| 歌詞の逐語引用と、特定人物への言及の断定 | 著作権および名誉毀損の観点から、要約にとどめる |
| 当事者の私生活や交友関係に関する憶測 | 本件の理解に必要がなく、裏付けも確認できないため |
| 匿名アカウントやまとめサイトによる論評 | 出典として扱わないため |
| OKI側の心情に関する推測 | 本人の発表以上の内容を確認できないため |
表の6項目に共通するのは、いずれも関心を持たれやすい一方で、確認できる一次情報が存在しないという点である。とくに優劣の評価は、和解が公表された現在では当事者の意思とも食い違う。
この記事が向いていないケース|勝ち負けを確認したい人
どちらが勝ったのかという結論を求めている人には、この記事は向かない。当編集部はその判定を行わず、確認できた事実の記録に徹しているためである。
また、この一件を現在進行形の対立として追いたい人にも成果がない。TERIYAKI BOYZ戦は2025年に和解が公表されており、対立としては終わっている。その場合は、応酬が継続している他のビーフを追うほうが目的に合う。
CHAPTER 06 / SECTION 10SEEDAのビーフに関するよくある質問(FAQ)
この件への検索で繰り返し現れる疑問は、TERIYAKI BEEFの発端、VERBALが曲で返さなかった理由、そして現在の関係の3方向に集中している。確認できている範囲で回答する。
CHAPTER 06 / SECTION 11まとめ|16年かけて曲に戻ったビーフ
2009年、TERIYAKI BOYZのアルバム収録曲のアウトロを自分たちへの言及と受け取ったSEEDAとOKIは、アンサー曲「TERIYAKI BEEF」を発表し、曲で返すよう求めた。
VERBALは楽曲ではなくポッドキャストでの対話を選び、そこで両者の考え方の違いがはっきりした。SEEDAはその後ブログで終了を表明したが、共作者のOKIは決着の形に納得せず、後にディス曲を発表している。同年6月にはGUINNESSとのあいだで、約1週間に双方2曲ずつという速い応酬もあった。
そして2025年3月21日、約16年を経てSEEDAのアルバム「親子星」にVERBALが客演し、初のコラボ曲「L.P.D.N.」が発表された。仲介したのはm-floの☆Taku Takahashiだった。曲で返してほしいと求めたビーフは、最終的に一緒に作った曲で終わっている。
この記事の要点
- 発端は2009年、TERIYAKI BOYZの2ndアルバム収録曲「SERIOUS JAPANESE」のアウトロの解釈
- SEEDAはOKI(GEEK)との連名でアンサー曲「TERIYAKI BEEF」を無料公開し、曲で返すよう求めた
- VERBALは楽曲ではなく自身のポッドキャストでの対話を選び、ディスの意図を否定した
- 共作者のOKIは決着の形に納得せず、後にディス曲「Shall We Beef」を発表した
- GUINNESS戦は2009年6月9日から16日までの約1週間で、双方が2曲ずつ発表して終結した
- 2025年3月21日、アルバム「親子星」の「L.P.D.N. ft. VERBAL」で初のコラボが実現し和解を公表
- 仲介はm-floの☆Taku Takahashi、SEEDAは同月26日の動画で経緯を語っている
— Djtube 編集部 / 2026.08
※本記事は、当時の音楽メディアの報道および当事者が公の場で発信した内容で確認できた事実のみを記載しています。どちらの主張が正しかったか、どちらが優勢だったかについて、当編集部は判断を示しません。歌詞の逐語引用は行っていません。確認日:2026年8月13日。

