ディスる(Disrespect)の語源は、アメリカのヒップホップだと言われています。
ヒップホップコミニュティの間でDisrespectをディス(Diss、Dis)と略して使うようになり、そこからヒップホップ界隈で一般的なスラングになりました。
ディスる(Disrespect)という言葉自体は、1990年台から渋谷を中心としたヒップホップコミニュティで使われていました。
それまではマイナーなヒップホップスラングという認識でした。
しかし、2007年にバラエティ番組「リンカーン」に練マザファッカーが出演し、練マザファッカーのメンバーがディスる(Disrespect)を多用したことから、若者を中心に爆発的に認知されていきました。
ディスる(Disrespect)の使い方の一例は以下のとおりです。
この使い方を、日本語に置き換えると以下の通りになります。
自分対相手だけでなく、第三者同士で批判したり、罵り合ったりするシチュエーションでも使います。
ディスる(Disrespect)を「批判する(される)」「罵倒する(される)」と日本語で言うと、直接的で刺々しく聞こえてしまいます。
しかし、ディスる(Disrespect)に置き換えると、少し棘が取れたような印象になります。
ディスる(Disrespect)の例文をいくつか紹介します。
常田大希
ディスる(Disrespect)はアメリカだけでなく、日本語ラップシーンでもかなりポピュラーなスラングとして、色んな曲のリリックに登場します。
日本語ラップの曲だけでなく、日本の音楽シーンのメインストリームで活躍するKing Gnuの楽曲にも登場することからも、日本でディスる(Disrespect)が浸透していることがわかります。
ここで、ディスる(Disrespect)を日常会話で使う場合の例文をいくつか紹介します。
ディスソング(Dis Song)とは、その名の通り「誰かを批判、侮辱した楽曲」という意味です。
明確に特定の相手をディスした楽曲もありますが、日本では不特定多数、もしくは相手を名指ししないディスソング(Dis Song)が多いのが特徴です。
日本でディスる(Disrespect)は、本気で怒っているときにも使いますが、割と冗談も含めて軽い悪口、イジりという感覚でも使われます。
しかし、アメリカでは本気で怒っているときに使われることが多いので、注意が必要です。
ディスる(Disrespect)というスラングの意味や使い方、使う際の注意点などを詳しく解説していきました。
ではここで、ディスる(Disrespect)に変わる表現や逆の意味を持つ対義語について解説していきます。
「インサルト(insult)」は「侮辱する」という意味を持つ言葉です。
「馬鹿にする」「気分を害する」という意味もあるので、親しい間柄同士での会話で使われることの多い言葉です。
ですが、フォーマルなシチュエーションで「侮辱的」という意味でも使うこともあります。
「グロス(Gross)」は相手や物事に関して嫌悪感を示す言葉です。
日本語にすると「キモイ」という表現が近く、アメリカでは女性が使うことが多い印象があるスラングですが、男性も使います。
ネガティブな意味で、若者同士の日常会話などのカジュアルなシチュエーションで多く使われます。
ディスる(Disrespect)の対義語は、日本でもポピュラーな「尊敬」「敬意を示す」という意味の英語である「リスペクト(Respect)」です。
元々、リスペクト(Respect)の頭に否定を意味する接頭語のディス(Dis)となったのがディスる(Disrespect)の由来なので、リスペクト(Respect)は全く真逆の意味を持つ対義語となります。
ディスる(Disrespect)とは全く真逆の、リスペクト(Respect)から派生した日本発祥のスラングがあります。
それが「リスる」で、「リスペクト(Respect)する」を略した「尊敬する」という意味のスラングです。
ディスる(Disrespect)の英語表現は「Dis」「Diss」「Disrespect」です。
「Disrespect」はフォーマルで堅苦しいイメージがあるので、日常会話では「Dis」もしくは「Diss」と略して使うのが一般的です。
接尾語の「ful」を付けて「Disrespectful(ディスリスペクトフル)」で「失礼な」「無礼な」という意味になり、主にフォーマルなシチュエーションで「Disrespect」をより強調したいときに使います。
ディスる(Disrespect)の英語表現は「ディス(Dis)」「ディス(Diss)」「ディスリスペクト(Disrespect)」です。
「Disrespect」はフォーマルで堅苦しいイメージがあるので、日常会話では「Dis」もしくは「Diss」と略して使うのが一般的です。
接尾語の「ful」を付けて「ディスリスペクトフル(Disrespectful)」で「失礼な」「無礼な」という意味になり、主にフォーマルなシチュエーションで「Disrespect」をより強調したいときに使います。
Kendrick Lamar
EMINEM
Notorious B.I.G.
ヒップホップの黎明期1980年代から、黄金期の1990年代、そして現在に至るまで、廃れることなく使われているスラングであることがわかります。
単なる流行言葉ではなく、しっかりとカルチャーに根づいた、象徴するスラングである証拠です。
ディスる(Disrespect)の意味や正しい使い方など、ヒップホップの楽曲に登場するリリックや日常会話での例文も交えて解説していきました。
ヒップホップ界隈で歴史のあるメジャーなスラングでしたが、日本でも2000年代以降に若者言葉から一般層まで広がったポピュラーな言葉になっていきました。
ネガティブな意味合いが非常に強い言葉ですが、仲の良い間柄で使うと「悪口を言う」をオブラートに包んだような聞こえ方になるのも特徴です。
日常生活だけでなくインターネットでもよく使われるので、覚えておくと便利なスラングです。