ゲットー(Ghetto)は「隔離された地区(街)」や「貧困街」という意味です。
日本ではあいりん地区やドヤ街、貧困地区などを指します。
また、日本のラッパーで大阪・西成区出身のSHINGO☆西成や京都・向島出身のANARCHYが頻繁に使っていて、リスナーにとってはよく耳にするスラングです。
この記事ではゲットー(Ghetto)の使い方や意味、由来などについても詳しく解説していきます。
目次
ゲットー(Ghetto)の意味とは?
まず、ゲットー(Ghetto)の意味は以下の3つです。
- 少数民族、コミニティーが集まって住む場所
- 貧困地区
- 隔離地区
迫害された人たち、貧困層が集まる地区、場所を指すスラングとして使います。
一般的にはかなりネガティブな意味で、差別用語的な言葉です。
ゲットー(Ghetto)の由来はユダヤ人?
ゲットー(Ghetto)という言葉が生まれた起源は、第二次世界大戦時中まで遡ります。
当時のナチス・ドイツがユダヤ人絶滅を目的に作った強制収容施設をゲットー(Ghetto)と呼んだことが由来です。
ゲットー(Ghetto)のアメリカでの意味は?
アメリカでは以下の意味で使われます。
- スラム街
- 貧困層、労働階級の住む街
アメリカでゲットー(Ghetto)が指す場所は、大都市に存在する迫害を受けている少数コミュニティーです。
極貧層からなるスラム街も指します。
主に大都市にあり、日本でいう部落のように差別された場所です。
日本にゲットー(Ghetto)はある?
日本には明確にスラム街と定義されている場所は存在しません。
そのため、日本では「日本にはゲットー(Ghetto)は存在しない」と言われることがあります。
その一方で、ゲットー(Ghetto)出身、レペゼンし、頻繁にリリックで使っているラッパーもいて、SHINGO☆西成やANARCHYがその代表的なラッパーです。
貧困地区や治安の悪い地区を指す広い意味のスラングとして、日本のヒップホップ界隈でゲットー(Ghetto)というスラングは浸透しています。
明確な定義はなく曖昧なものの、日本にも存在すると言えます。
日本のゲットー(Ghetto)はどこ?
日本でゲットー(Ghetto)と呼ばれることがあるのは、以下の場所です。
- 大阪・西成区
- 横浜・寿町
- 東京・山谷
上記の3つの地区は日本の3大ドヤ街(簡易宿泊施設が並ぶ労働者の町)で、治安が悪く貧困層が集まる一般社会から謂わば「隔離された地区」です。
そのため、ゲットー(Ghetto)と呼ばれることもあります。
他にも日本には部落や貧困層が集まる治安の悪い地区が点在していますが、正直なところ「誰がゲットー(Ghetto)といえばそうなる」と言えます。
どこを指すのか、また日本では世間一般的に浸透していないスラングなので、見本での定義自体は曖昧です。
ゲットー(Ghetto)の使い方や例文
ゲットー(Ghetto)を実際に会話で使うと、以下のようになります。
- 俺はゲットー(Ghetto)の出身だ。
- あそこはゲットー(Ghetto)だから近寄らない方がいいよ。
日本語に置き換えると、以下のようになります。
- 俺は貧困層の出身だ。
- あそこは治安が悪い地区だから近寄らない方がいいよ。
差別的な言葉ですが、カウンターカルチャーのヒップホップにおいての「何もないところから成り上がる」という思想にピッタリなスラングです。
そのため、日本では「成り上がったラッパーの象徴」「環境に対する反骨心」といったような、ポジティブな意味も含めてリリックに使うことが多いです。
ゲットー(Ghetto)の日常会話の例文
実際に会話でどのように使うのか、いくつか例文を紹介します。
- 俺はゲットー(Ghetto)をレペゼンしている。
- 生まれた場所がゲットー(Ghetto)だったから、何もなかった。
- ゲットー(Ghetto)という環境が俺を育てた。
- やはりゲットー(Ghetto)の治安の悪さはやばい。
あまり日常会話で頻繁に使うことはないと思いますが、広く「治安の悪い場所を指す言葉」として仲間内で使うことができます。
ゲットー(Ghetto)の例文
次に、リリックでどのように使われているか紹介します。
WALKIN / 舐達麻
Yessir feat. Eric.B. Jr. / ¥ellow Bucks
Eric.B. Jr.
Fate / ANARCHY
治安の悪い地域出身のラッパーが使うことが多いです。
ゲットー(Ghetto)の言い換え表現・対義語
では次に、言い換え表現や対義語について解説していきます。
ゲットー(Ghetto)の言い換え表現
ゲットー(Ghetto)と類似した意味を持つ言葉は、貧困街を意味するスラム(Slum)です。
この2つの大きな違いは、ゲットー(Ghetto)は社会から隔離された地区を広い意味で指しますが、スラム(Slum)は貧困街のみを指します。
しかし、ゲットー(Ghetto)も広く貧困街という意味でも使われるので、ほとんど同じ意味の言葉です。
では、スラム(Slum)に言い換えた例文を紹介します。
- 俺はスラム(Slum)をレペゼンしている。
- 生まれた場所がスラム(Slum)だったから、何もなかった。
- スラム(Slum)という環境が俺を育てた。
- やはりスラム(Slum)の治安の悪さはやばい。
ゲットー(Ghetto)の対義語
ゲットー(Ghetto)の対義語は、都市や都会を意味するシティー(City)です。
その国や地区の中心部という意味もあり、真逆の意味で使います。
ここで例文も紹介します。
- シティーボーイはモテる。
- シティ育ちの人はおしゃれな人が多い。
ゲットー(Ghetto)の英語表現
ゲットー(Ghetto)の英語表現は「Ghetto」です。
読み方は「ゲットー」もしくは「ゲトー」ですが、ネイティブな発音だと「ゲロー」に近くなります。
ゲットー(Ghetto)の英語表現の例文
ここで実際にリリックに登場する英語の楽曲を紹介します。
Ghetto Symphony feat. GunPlay and ASAP Ferg / ASAP ROCKY
ASAP ROCKY
All Of The Lights feat. Rihanna, Kid Cudi / Kanye West
Kanye West
Way back / Travis Scott
Travis Scott
アメリカのラッパーのバッググラウンドから、自らの出身地を指す言葉として使われることが多いのが特徴です。
ゲットー(Ghetto)のwikiまとめ
- ゲットー(Ghetto)の意味とは?
- ゲットー(Ghetto)の使い方や例文
- ゲットー(Ghetto)の言い換え表現・対義語
- ゲットー(Ghetto)の英語表現と例文
今回はヒップホップの楽曲で頻繁に耳にするスラングのゲットー(Ghetto)を詳しく解説していきました。
一般的に使うことは少なく、限られたシチュエーションで使うスラングです。
ですが、ゲットー(Ghetto)の意味をしっかりと理解することで、よりヒップホップを理解し、楽しむことができます。