舐達麻サンプリング元ネタ
舐達麻のトラックは、元ネタを知ると聴こえ方が変わる。ジャズの巨人、韓国のバラード、長渕剛。年代も国もジャンルもばらばらな素材が、GREEN ASSASSIN DOLLARの手で一本の音像に組み替えられている。本記事では19曲分の元ネタを、対応表と個別解説の両方で整理する。元ネタの元ネタまで辿れる曲は、その階層も併せて示す。
この記事でわかること
- 舐達麻とその周辺の楽曲19曲について、サンプリング元がどの曲か
- 公式クレジットで確認できるものと、聴き比べで指摘されているものの区別
- 元ネタの元ネタまで遡れる楽曲の階層構造
- トラックを手がけたプロデューサーの内訳
- 原曲から聴くか、舐達麻版から聴くかの判断
よくある疑問と、短い答え
検索して真っ先に確認したい項目だけを、1行ずつ先に置いておく。根拠と詳細はそれぞれの章で扱う。
| 疑問 | 短い答え | 補足 |
|---|---|---|
| 舐達麻のトラックは誰が作っている? | 多くはGREEN ASSASSIN DOLLAR(GAD)。曲によってINGENIOUS DJ MAKINO、7SEEDSなども。 | 各曲の表に記載 |
| BLUE IN BEATSの元ネタは? | マイルス・デイヴィス「BLUE IN GREEN」。 | 該当章で詳述 |
| BUDS MONTAGEの元ネタは? | GADの「DICE」。その元ネタはElisa「Eppure Sentire」。 | 2段階の孫ネタ |
| Dbubblesの元ネタは? | 長渕剛「激愛」。 | 1989年2月8日リリース |
| 100MILLIONSの元ネタは? | Charlene Soraia「Wherever You Will Go」。 | REMIX版で使用 |
| 元ネタが2つ以上ある曲は? | FLOATIN’、ENDLESS ROLL、OUTLAWなど。 | 該当章で詳述 |
| サンプリングは無断なの? | 許諾状況は公表されていないため、本記事では断定しない。 | 記載方針は冒頭に記載 |
※上表は2026年8月時点で確認した内容です。元ネタの特定は公式クレジットによるものと、聴き比べによって広く指摘されているものが混在します。区別は次章の対応表に記載しています。
CHAPTER 01 / SECTION 01舐達麻のサンプリング元ネタ一覧|19曲の対応表
舐達麻とその周辺の楽曲19曲について、サンプリング元を一覧にした。確認状況の列は、公式クレジットや本人の言及で裏が取れているものと、聴き比べによって広く指摘されているものを区別するためのものである。
| 楽曲 | サンプリング元 | 元ネタのアーティスト | プロデューサー | 確認状況 |
|---|---|---|---|---|
| FEEL OR BEEF BADPOP IS DEAD | Sacred Play Secret Place | — | GREEN ASSASSIN DOLLAR & 7SEEDS | 聴き比べ |
| BLUE IN BEATS | BLUE IN GREEN | Miles Davis | INGENIOUS DJ MAKINO | 聴き比べ |
| 100MILLIONS (REMIX) | Wherever You Will Go | Charlene Soraia | GREEN ASSASSIN DOLLAR | 聴き比べ |
| BUDS MONTAGE | DICE | GREEN ASSASSIN DOLLAR | GREEN ASSASSIN DOLLAR | 聴き比べ |
| FLOATIN’ | Clouds / Five Dee | Gigi Masin / Nujabes | GREEN ASSASSIN DOLLAR | 聴き比べ(2つ) |
| LifeStash | Better Safe Than Sorry | Eleanor | — | 聴き比べ(逆回転) |
| SPACE BALL | Mosquito | Stella Donnelly | — | 聴き比べ |
| ENDLESS ROLL | More to Love / Free Green | T.S. Monk / G.K. Maryan | — | 聴き比べ(2つ) |
| MOOD APHRODITEGANG | Keep It Real | Milkbone | — | 聴き比べ |
| Baikokudo | The Message | Dr. Dre | — | 聴き比べ |
| B.I.G. hAppA | Between The Sheets | Isley Brothers | — | 聴き比べ |
| Pot Head | Blue Stone | Janko Nilovic | — | 聴き比べ |
| 契 | Pavane For A Dead Princess | Deodato | — | 聴き比べ |
| Dbubbles | 激愛 | 長渕剛 | — | 聴き比べ |
| TIMELESS | Summer Breeze | The Isley Brothers | — | 聴き比べ |
| ROCK THA BOAT | Shenandoah(Keith Jarrett編) | — | — | 聴き比べ |
| OUTLAW(BADSAIKUSH feat. KENNY-G) | STARSCAR ほか | SCARS ほか | Yuto.com | 聴き比べ(3段階) |
| ANGELA(ANARCHY & BADSAIKUSH) | Easier Said Than Done | Angie Stone | — | 聴き比べ |
| DAYDREAM(ANARCHY & BADSAIKUSH) | Easy | DaniLeigh | GREEN ASSASSIN DOLLAR | 聴き比べ |
| You Can Get Again(RYKEY × BADSAIKUSH) | Angel | Anita Baker | — | 聴き比べ |
この表から読み取れるのは、元ネタの出どころが極端に散らばっているという点である。1950年代のジャズ、1970年代のソウル、1980年代の日本のロック、2010年代のR&Bまでが同じ一覧に並んでいる。年代やジャンルで素材を選んでいないことが、この一覧から分かる。
もう一点、確認状況の列がすべて「聴き比べ」であることも重要である。サンプリングのクレジットを公表する慣習は日本のヒップホップに定着しておらず、本記事の対応関係も音の一致に基づく指摘を整理したものである。公式に発表されたものではない。
CHAPTER 01 / SECTION 02サンプリングを理解する4つの言葉
元ネタを辿るときに必要な語彙は4つで足りる。サンプリング・元ネタ・孫ネタ・逆回転である。
元ネタの話を追うには、いくつかの言葉を先に押さえておくと早い。4語だけ整理する。
サンプリングとは、既存の楽曲の音源から一部を切り出し、新しいトラックの素材として再構成する制作手法である。ヒップホップの制作の中心にある技法で、どこを切り取り、どう加工するかがプロデューサーの個性になる。
元ネタとは、サンプリングの素材として使われた原曲を指す言葉である。公式にクレジットされる場合もあるが、日本のヒップホップでは公表されないことが多く、聴き手による特定に委ねられている。
逆回転とは、サンプリングした音源を逆再生して使う加工方法である。原曲の輪郭を残しながら別の質感を作れるため、元ネタが特定しにくくなる。「LifeStash」で使われている。
4語のうち2語が「元ネタ」に関する言葉である。サンプリングという技法そのものより、元ネタを辿る行為のほうに語彙が発達しているところに、この文化の聴かれ方が表れている。
CHAPTER 01 / SECTION 03GREEN ASSASSIN DOLLARとは|舐達麻の音を作る人物
舐達麻のトラックの多くを手がけているのが、GREEN ASSASSIN DOLLAR(グリーン・アサシン・ダラー)である。通称はGAD。神奈川県相模原出身のDJ兼ビートメイカーで、BADSAIKUSHが全幅の信頼を置く人物として知られる。
| プロデューサー | 担当した楽曲(本記事の範囲) | 備考 |
|---|---|---|
| GREEN ASSASSIN DOLLAR | 100MILLIONS、BUDS MONTAGE、FLOATIN’、DAYDREAM ほか | 通称GAD。神奈川県相模原出身 |
| GREEN ASSASSIN DOLLAR & 7SEEDS | FEEL OR BEEF BADPOP IS DEAD | 共同プロデュース |
| INGENIOUS DJ MAKINO | BLUE IN BEATS | 福岡県小倉を拠点とするDJプロデューサー |
| Yuto.com | OUTLAWの元ネタ「STARSCAR」 | SCARSの楽曲を手がけた |
表のとおり、本記事で扱う19曲のうち判明している範囲では、GADの関与が突出している。元ネタの選び方がジャンルも年代も横断しているにもかかわらず、出来上がる音に一貫性があるのは、この一点に理由がある。
元ネタ記事で最も危ないのは、サンプリングの許諾状況について断定を書くことである。日本のヒップホップではクレジットが公表されないことが多く、無断か許諾済みかは外部から判断できない。本記事が「聴き比べ」という確認状況の列を設けているのは、事実として言えるのは「音が一致している」ところまでだからだ。もう一点、元ネタの特定はファンの耳に支えられている領域であり、断定形で書くほど誤りが訂正されにくくなる。
CHAPTER 02 / SECTION 04元ネタが1つの楽曲|10曲の解説
ここでは、サンプリング元が1曲に特定されている楽曲を扱う。各曲について、舐達麻版と元ネタの両方を並べる。
BLUE IN BEATS|マイルス・デイヴィス「BLUE IN GREEN」
2022年12月2日に公開された、約2年半ぶりの新曲。Beats By DreとWACKO MARIAのコラボレーション商品のキャンペーン動画に起用され、メンバーがイメージモデルとしても出演した。大元の素材は、ジャズの巨人マイルス・デイヴィスの「BLUE IN GREEN」である。プロデュースはINGENIOUS DJ MAKINOが手がけた。
元ネタ
キャンペーン動画では、メンバーがイメージモデルとして出演している。
INGENIOUS DJ MAKINOは福岡県小倉を拠点とするDJプロデューサーで、EGOやILL-BOSSTINOなど多くのラッパーと共演してきた北九州のベテランである。
100MILLIONS (REMIX)|Charlene Soraia「Wherever You Will Go」
元ネタはCharlene Soraiaの「Wherever You Will Go」。トラックはGREEN ASSASSIN DOLLARが手がけている。
元ネタ
このトラックヤバすぎる
LifeStash|Eleanor「Better Safe Than Sorry」
元ネタはEleanorの「Better Safe Than Sorry」で、原曲を逆回転させて使用している。逆回転は原曲の輪郭を残しながら質感を変えられるため、元ネタの特定が難しくなる加工でもある。
元ネタ
SPACE BALL|Stella Donnelly「Mosquito」
元ネタはStella Donnellyの「Mosquito」。
元ネタ
Baikokudo|Dr. Dre「The Message」
元ネタはDr. Dreの「The Message」。
元ネタ
B.I.G. hAppA|Isley Brothers「Between The Sheets」
元ネタはIsley Brothersの「Between The Sheets」。ヒップホップで繰り返し使われてきた定番の素材である。
元ネタ
Pot Head|Janko Nilovic「Blue Stone」
元ネタはJanko Nilovicの「Blue Stone」。
元ネタ
契|Deodato「Pavane For A Dead Princess」
元ネタはDeodatoの「Pavane For A Dead Princess」。ラヴェルの「亡き王女のためのパヴァーヌ」をDeodatoが演奏したバージョンにあたる。
元ネタ
Dbubbles|長渕剛「激愛」
元ネタは長渕剛の「激愛」。本記事で扱う19曲のなかで、唯一の日本の楽曲を素材にした例である。
元ネタ
原曲の基本情報は次のとおりである。1989年のリリースで、本記事で扱う元ネタのなかでは日本の楽曲としては唯一の例にあたる。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| アーティスト名 | 長渕剛 |
| リリース日 | 1989年2月8日 |
| 公式サイト | nagabuchi.or.jp |
表のとおり、原曲は1989年のリリースである。ジャズやソウルの海外曲が並ぶ一覧のなかで、この1曲だけが日本のロックから採られている。
TIMELESS|The Isley Brothers「Summer Breeze」
2017年にリリースされた曲で、ライブでも歌われる1曲。元ネタはThe Isley Brothersの「Summer Breeze」。B.I.G. hAppAと同じくIsley Brothersの楽曲が素材になっている。
元ネタ
ROCK THA BOAT|Keith Jarrett編「Shenandoah」
元ネタはKeith Jarrettがピアノソロで編曲した「Shenandoah」。アメリカ民謡を素材にしたピアノ演奏である。
元ネタ
MOOD APHRODITEGANG|Milkbone「Keep It Real」
元ネタはMilkboneの「Keep It Real」。ただしこの曲自体も別の曲をサンプリングしており、階層は次章で扱う。
元ネタ
FEEL OR BEEF BADPOP IS DEAD|「Sacred Play Secret Place」
元ネタは「Sacred Play Secret Place」。プロデュースはGREEN ASSASSIN DOLLARと7SEEDSの共同である。
元ネタ
CHAPTER 02 / SECTION 05元ネタが複数ある楽曲|孫ネタまで辿れる5曲
元ネタが1曲に収まらない楽曲がある。複数の素材を重ねているものと、元ネタ自体がさらに別の曲をサンプリングしている「孫ネタ」の2種類だ。ここでは階層が分かる形で整理する。
| 楽曲 | 階層 | 素材 |
|---|---|---|
| BUDS MONTAGE | 2段階 | 舐達麻 → GAD「DICE」 → Elisa「Eppure Sentire」 |
| OUTLAW | 3段階 | BADSAIKUSH → SCARS「STARSCAR」→ 프리스타일「Y」→ Sting「Shape of My Heart」 |
| FLOATIN’ | 2素材 | Gigi Masin「Clouds」+ Nujabes「Five Dee」 |
| ENDLESS ROLL | 2素材 | T.S. Monk「More to Love」+ G.K. Maryan「Free Green」 |
| MOOD APHRODITEGANG | 2段階 | 舐達麻 → Milkbone「Keep It Real」→ Marian McPartland「Melancholy Mood」 |
表を縦に見ると、1曲のトラックの背後に3世代の音源が積み重なっているケースまであることが分かる。サンプリングされた曲がさらにサンプリングされる連鎖は、ヒップホップの制作史そのものを写している。
BUDS MONTAGE|GADの「DICE」を経てElisaへ
元ネタはGREEN ASSASSIN DOLLARのアルバム「TRUE NORTH BEAT TAPE」に収録されている「DICE」である。ただしこのビートは非売品で、アルバムからもこの1曲だけが抜けている。DICE(サイコロ)という曲名から、BADSAIKUSHのために作られたビートではないかという見方もある。
DICEの元ネタ|Elisa「Eppure Sentire」
OUTLAW|3段階を遡るとStingに行き着く
この曲は、元ネタを遡ると3段階の階層になる。新しい順に並べると次のとおりである。
- SCARS(SEEDA, BES, A-THUG, BAY4K, STICKY)「STARSCAR」(トラック:Yuto.com)
- 프리스타일(フリースタイル)「Y (Please Tell Me Why)」
- Sting「Shape of My Heart」
この「Shape of My Heart」は、ヒップホップで繰り返し使われてきた素材でもある。原曲そのものが広く知られた楽曲であり、繰り返し引用されてきた。
Juice WRLDの「Lucid Dreams」でも同系統の素材が使われ、権利をめぐってSting側とのやり取りが報じられたことがある。
FLOATIN’|Gigi MasinとNujabesの2素材
リリックには亡くなった1.0.4.のことが綴られている。元ネタは2つで、Gigi Masinの「Clouds」とNujabesの「Five Dee」である。
Clouds|Gigi Masin
Nujabes|Latitude Remix
Nujabes|Blessing It Remix
ENDLESS ROLL|T.S. MonkとG.K. Maryanの2素材
元ネタは2つで、T.S. Monkの「More to Love」とG.K. Maryanの「Free Green」である。
T.S. Monk|More to Love
G.K. Maryan|Free Green
MOOD APHRODITEGANG|Milkboneを経てMarian McPartlandへ
前章で扱った「MOOD APHRODITEGANG」も、元ネタのMilkbone「Keep It Real」自体がさらに別の曲を素材にしている。
Keep It Realの元ネタ|Marian McPartland「Melancholy Mood」
CHAPTER 03 / SECTION 06舐達麻周辺の客演曲|ANARCHY・RYKEYとの楽曲
BADSAIKUSHが他のラッパーと組んだ楽曲にも、同じ系統の元ネタ選びが見える。ここでは3曲を扱う。
ANGELA|ANARCHY & BADSAIKUSH feat. 舐達麻
元ネタはAngie Stoneの「Easier Said Than Done」。
DAYDREAM|ANARCHY & BADSAIKUSH
ビートはGREEN ASSASSIN DOLLAR。元ネタはDaniLeighの「Easy」である。2018年の楽曲で、本記事で扱う元ネタのなかでは最も新しい部類にあたる。
You Can Get Again|RYKEY × BADSAIKUSH
元ネタはAnita Bakerの「Angel」。
CHAPTER 03 / SECTION 07元ネタから見える選曲の傾向|年代とジャンルの分布
19曲の元ネタを年代とジャンルで数えると、選び方に偏りがないことがはっきりする。対応表を横に読むのではなく、縦に集計した結果がこの章である。
| 年代 | 該当する元ネタ | 曲数 |
|---|---|---|
| 1950〜60年代 | Miles Davis「BLUE IN GREEN」、Marian McPartland「Melancholy Mood」ほか | 2 |
| 1970年代 | The Isley Brothers「Summer Breeze」「Between The Sheets」、T.S. Monk、Deodato、Janko Nilovic | 5 |
| 1980年代 | Sting「Shape of My Heart」(1993年だが系譜として)、長渕剛「激愛」、Anita Baker「Angel」 | 3 |
| 1990年代 | Milkbone「Keep It Real」、Dr. Dre「The Message」、프리스타일「Y」 | 3 |
| 2000年代以降 | Gigi Masin、Nujabes、Elisa、Charlene Soraia、Stella Donnelly、DaniLeigh、Angie Stone | 6 |
表のとおり、特定の年代に集中していない。1950年代のジャズから2010年代のR&Bまで、ほぼ均等に散らばっている。ヒップホップのサンプリングは1970年代のソウル・ファンクに集中する傾向があるが、この一覧はその型に当てはまらない。
ジャンルの分布|ジャズとR&Bが軸、そこに例外が混じる
年代に続いて、ジャンルで分けたのが次の表である。元ネタが属するジャンルと、それぞれに該当する楽曲を並べた。区分に厳密な定義はないため、便宜的な整理として見てほしい。
| ジャンル | 該当する元ネタ | 備考 |
|---|---|---|
| ジャズ | Miles Davis、T.S. Monk、Deodato、Keith Jarrett、Marian McPartland、Janko Nilovic | 最も多い。ピアノを含む編成が目立つ |
| ソウル・R&B | The Isley Brothers(2曲)、Anita Baker、Angie Stone、DaniLeigh | 王道の素材 |
| ヒップホップ | Milkbone、Dr. Dre、SCARS、GREEN ASSASSIN DOLLAR | 同じジャンルからの引用も辞さない |
| アンビエント | Gigi Masin「Clouds」 | 音数の少ない素材 |
| J-POP・ロック | 長渕剛「激愛」 | 唯一の日本の楽曲 |
| K-POP | 프리스타일「Y」 | 孫ネタとして登場 |
| インディーポップ | Stella Donnelly、Elisa、Charlene Soraia | 2000年代以降の女性シンガーが多い |
この表から読み取れるのは、軸はジャズとソウル・R&Bにありながら、そこから外れた素材が必ず混じっているという点である。アンビエントの「Clouds」、日本のロックの「激愛」、韓国のバラードの「Y」。いずれもヒップホップのサンプリングでは定番から外れる位置にある。
もう一点、2000年代以降の女性シンガーからの引用が目立つ。Elisa、Charlene Soraia、Stella Donnelly、DaniLeigh、Angie Stone。声の質感が近い素材を、年代を問わず選んでいることが分かる。古い音源を掘るだけの選び方ではない。
※本章の分類は、対応表に挙げた元ネタを当編集部が年代・ジャンルで整理したものです。ジャンルの区分に厳密な定義はなく、便宜的なものです。確認日:2026年8月10日。
CHAPTER 04 / SECTION 08どこから聴くか|原曲と舐達麻版の判断
元ネタを知ってから聴くか、舐達麻版を先に聴くかで、受ける印象が変わる。目的別に整理したのが次の表である。
| 入口 | 対象 | 聴きどころ | 得られるもの | こんな人におすすめ |
|---|---|---|---|---|
| BLUE IN BEATS → BLUE IN GREEN | 1曲ずつ | ジャズの原曲がどう解体されたか | 加工の幅がいちばん分かる | まず1組で仕組みを掴みたい人 |
| BUDS MONTAGE → DICE → Eppure Sentire | 孫ネタ | 2段階を遡る過程 | 素材が受け継がれる連鎖 | 制作の系譜を追いたい人 |
| OUTLAW → STARSCAR → Y → Shape of My Heart | 孫ネタ | 3段階と国をまたぐ移動 | ヒップホップ全体の素材の流れ | いちばん深く潜りたい人 |
| Dbubbles → 激愛 | 日本の楽曲 | 唯一の邦楽素材 | 海外曲との聴こえ方の違い | 日本の音楽からの接続を知りたい人 |
| 対応表を上から順に | 19曲まとめて | 年代とジャンルの散らばり | 選曲の基準がないという基準 | 全体像を先に掴みたい人 |
この表から読み取れるのは、階層が深い曲ほど「舐達麻を聴く」という行為から離れていくという点である。OUTLAWを3段階遡ると、最後に出てくるのはStingであり、そこにはもう日本語ラップの要素がない。元ネタを辿る面白さは、その距離にある。
向いていないケース|曲そのものを楽しみたい人
楽曲を楽曲として聴きたい人には、元ネタの知識はむしろ邪魔になる可能性がある。一度元ネタを知ると、その部分が耳につくようになり、トラック全体を一つの音として聴きにくくなるためだ。
また本記事の対応関係は聴き比べに基づくものが大半であり、公式に発表された情報だけを求める人にとっては、確度が足りないと感じられる可能性がある。その場合は、確認状況の列が「聴き比べ」となっている項目を参考情報として扱ってほしい。
CHAPTER 05 / SECTION 09サンプリング元ネタに関するよくある質問(FAQ)
元ネタに関する検索で繰り返し現れるのは、特定の曲の元ネタ、トラックの制作者、そして権利関係の3方向である。以下は、本文で扱った内容のうち単独で問われやすい項目を、その場で答えが完結する形にまとめたものである。
CHAPTER 05 / SECTION 10まとめ|元ネタを知ると何が変わるか
19曲の元ネタを並べて分かるのは、素材の選び方に基準がないという基準である。1959年のマイルス・デイヴィスと、1989年の長渕剛と、2018年のDaniLeighが、同じ一覧に並んでいる。
年代で選んでいない。ジャンルでも国でも選んでいない。それでも出来上がった音には一貫性がある。その一貫性を作っているのが、GREEN ASSASSIN DOLLARという一人のビートメイカーの耳だ。
階層を遡ると、もっと遠くまで行ける。OUTLAWを3段階戻るとStingにたどり着き、そこにはもう日本語ラップの要素がない。BUDS MONTAGEを2段階戻るとイタリアの女性シンガーが出てくる。元ネタを辿る作業は、舐達麻から離れていく作業でもある。
最後に一点だけ。本記事の対応関係は、その大半が聴き比べによる指摘の整理である。公式に発表されたものではない。それでも成立しているのは、この文化が聴き手の耳に支えられてきたからだ。
— Djtube 編集部 / 2026.08
※本記事の対応関係は、公式クレジットが公表されていないものについて、音の一致から広く指摘されている内容を整理したものです。確認日:2026年8月10日。誤りのご指摘は歓迎します。

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貴重な情報をありがとうございます!
舐達麻大好きです
僕が思ったのですが
舐達麻の1stアルバムの”pot head”っていう曲のサンプリング元はBlue stoneっていう曲だと思
うんですが、どう思いますか??!
↓これ
https://youtu.be/4jWxrQj1D6E
よく見つけましたねー
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