舐達麻熊谷の仲間と、生活から生まれた言葉
舐達麻(なめだるま)は、埼玉県熊谷市を拠点に、BADSAIKUSH、G PLANTS、DELTA9KIDの3人を中心として作品を発表してきたヒップホップクルーだ。仲間と過ごした時間、拘束や別れの経験、日々の暮らしをラップへ変え、自主レーベルのAPHRODITE GANG HOLDINGSから届けてきた。
2026年は、G PLANTSがグループを離れた経緯を語り、ソロ曲を発表した年でもある。「いまも3人で活動しているのか」という疑問には、過去の編成だけでは答えられない。6月のBADSAIKUSHの発言と、8〜10月のG PLANTSの取材を分けて、名前の由来、各人の歩み、曲作りと現在をたどる。情報の基準日は2026年10月22日。
CHAPTER 01舐達麻の現在|2026年の本人発言とソロ活動
BADSAIKUSHが2026年6月に語った現在地
BLUEPRINT™が6月18日に公開した本人インタビューでは、BADSAIKUSHが日々スタジオへ通う制作のサイクルを話している。毎日録音するのではなく、言葉や案をため、仕上げる時期に集中して録る。渡航前に1〜2週間続けて録音することもあるという。
一方、手元にある約20曲をそのまま発表するかは未定とした。3人の気持ちを合わせることが難しい段階にあり、個々の生き方の違いにも関わるという。曲を出す意思は示しているが、アルバムの発売日や収録曲が決まったという発表ではない。ビーフへのアンサーを書き続けながら、結局出していないことも語った。
父親になって変わった優先順位
同じBLUEPRINT™の「子供ができて、全部変わった」では、BADSAIKUSHが父親になった後の価値観を話している。家族を第一に考えるようになり、以前のように一生ラップを続けると言い切る気持ちにも変化があったという。本人の将来観の話であり、そのまま引退宣言やグループの活動が止まった原因にはできない。
G PLANTSはグループを離れ、ソロへ
G PLANTSは8月14日公開のRolling Stone Japanの本人取材で、当時はほかのメンバーと一緒に活動していないことを説明した。グループの看板を優先してきた自分から、一人で表現を磨く段階へ移ったという話だ。現在の距離を、BAD HOPとのビーフだけで説明する見方にも同意していない。
9月28日の音楽ナタリー取材では、自身のレーベルRolledman sacksと活動を再び動かした経緯を紹介。10月16日の集英社オンライン取材では、この先もソロを続けるかはまだ決まっていないと話した。一人で自由に決める制作を楽しみ、曲を作り、練習を重ねていくという。これらの言葉から、舐達麻全体の解散日や新しい固定編成までは決められない。
Ryuchijo|ソロの第一声として残す留置の日々
2026年8月14日発表のソロデビュー曲。G PLANTSが留置所にいた時期に書いたリリックをもとに制作し、fujitsuが作曲を担う。グループの新曲として数える作品ではなく、一人の語りを最後まで組み立てた出発点だ。
同じ場所が、生活を支える仕事場から事件の現場へ変わる。その落差を一息に置くことで、場所を失う感覚と報道される側の視点がつながる。捜査や留置の過程を自分の言葉で語る曲であり、歌詞を裁判の事実認定や第三者への告発の証明に置き換えるものではない。
Downer’s Inner Circle|旅の景色が別世界へ変わる
9月18日発表の第2弾ソロ曲。T33-Kが作曲し、G PLANTSと共同でプロデュースした。旅先の記憶や感覚をTRIPという表現へ組み替え、9月28日に公開されたMVでは、警官や医者などの役もG PLANTS自身が演じている。
窮屈な場所から抜けたいという願いを、星へ向かう大きな方向感覚に変えた一節だ。歌詞では上昇や解放のイメージだけでなく、疲れや繰り返しも現れる。自由になったと単純に祝うより、その願いが循環してしまうところまで含めて読むと、曲名のCircleが持つ響きも変わってくる。
CHAPTER 02舐達麻の結成と名前の由来

舐達麻は、2022年のGQ JAPANの本人取材プロフィールで2009年結成と紹介されている。ただし、3人だけが一斉に集まった一点の出来事ではない。先にNANCYが率いる地元のポッセ49(フォーティーナイン)があり、そこから前身の舐達磨’sへ、さらに舐達麻へと活動の形が変わっていった。
G PLANTSが49に加わり、BADSAIKUSHとDELTA9KIDも合流した。2009年以降、二人が不在だった時期にも、G PLANTSやDbubblesが活動を続けている。NANCYの活動頻度が家庭の事情で落ち、49の中から別のまとまりができたという経緯も伝えられてきた。前身を動かした時期、名義を変えた時期、初アルバムを出した時期を同じデビュー日にまとめると、この積み重ねが見えなくなる。
G PLANTSが雑誌で見つけた「なめだるま親方」
グループ名を考えたのはG PLANTS。イベント主催者から急に名前を聞かれ、手元の雑誌「実話ナックルズ」に載っていた風俗ライターの筆名「なめだるま親方」をもとに答えたという命名談がある。最初から大きな理念を込めた名前というより、仲間内の呼び名が活動名になった形だ。
以前の表記は舐達磨’sで、2013年に舐達麻へ変わった。「磨」から「麻」への一字は、彼らの作品で繰り返し扱う大麻を意識している。言葉の成り立ちを知ることと、現在の各人の行為を推定することは分けて考えたい。
Pot Head|名前の一字をラップへ刻む
初アルバム「NORTHERNBLUE 1.0.4.」に収録された曲で、公開音源ではグループ名の末尾を説明する言葉が残る。この音源はNAMEDARUMAAZの公式配信Topicによるもの。名前の由来を知った後に、本人たちが曲の中でどう名乗るかをたどれる。
名前を単に読み上げるのでなく、一字の意味を言い直して自分たちの表現へ結びつけるフレーズだ。雑誌の筆名をきっかけにした呼び名が、曲ではクルー自身の言葉になる。薬物についての一般的な知識や、現在の使用状況を示す資料として読む箇所ではない。
名前の由来
やはり「なめだるま親方」から取ったんですね
掲載当時の投稿ポンチ(@chinpo826)
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3人が話すMCネームの由来
HIP HOP DNAの前編インタビューは、BADSAIKUSH、G PLANTS、DELTA9KIDの呼び名を知る資料だ。名義は本名の代用品にとどまらず、仲間がどう呼び合い、自分をどう表現してきたかにもつながる。後編の制作の話と続けて読むと、呼び名と曲の世界が地続きに見える。
2023年の「M_IND」出演をめぐる解説
フジテレビの公式ページには、2023年7月11日深夜放送の「M_IND」出演者として舐達麻が載っている。この映像は、G PLANTSが出演しなかったことを話題にしたDJ SHIGE CHANNELの解説で、番組本編や欠席理由についての公式声明ではない。インディペンデントな音楽家を紹介する番組への出演と、家族間のやり取りをもとにした理由の推測は区別する。
CHAPTER 033人のプロフィールと、それぞれの役割
グループ作品を担ってきた3人はいずれもMCだ。以下の「未確認」は、不存在や本人による非公開宣言を意味しない。身長や血液型を外見から推測せず、MBTIだけを編集部の人物像の仮説として分けている。各人の現在の契約や私生活を、昔の作品クレジットから補うこともしない。
BADSAIKUSH|ビートと最初のヴァースを選ぶ
BADSAIKUSH(バダサイクッシュ)は、ビートを選び、最初のヴァースを書く起点を担ってきた。2024年のGQ JAPAN取材では、初アルバムの「契」で、音に引き出されるように長い言葉が出てきた体験を振り返っている。自分の話を後から音に乗せるだけではなく、どの音なら言葉が生まれるかを重視するMCだ。
「賽」からBADSAIKUSHという名前へ
最初の名義は賽。サイコロや賽銭箱を連想させ、運を自分でつかむという意味を込めた呼び名として紹介されてきた。そこへBADと、大麻の品種名を示すKUSHを組み合わせてBADSAIKUSHとなった。KUSHと自分自身を男女になぞらえ、言葉が生まれることに重ねる命名談もある。G PLANTSとDELTA9KIDの名義も、BADSAIKUSHが考えたと伝えられている。
サッカー、学校、DELTA9KIDとの付き合い
学生時代には、小学1年からサッカーを始め、中学入学後およそ3カ月でやめたというエピソードがある。DELTA9KIDとは中学時代からの友人で、学校を離れがちになった後も一緒に過ごしていた。
母親から修学旅行の楽しさを勧められて高校へ進み、G PLANTSのいた学校に通ったが、早くに中退したという。受験にDELTA9KIDを誘ったものの最初はDELTA9KIDだけが合格し、その後二人で同じ高校へ進んだという話も残る。学校時代からの付き合いが、その後のクルーにもつながっている。

2009年以降の不在について、2019年のKAI-YOU本人取材の公開導入は、BADSAIKUSHが少年院に1年、DELTA9KIDが刑務所に4年いたと紹介する。二人の施設や期間を同じにしたり、年齢だけから処分の違いを説明したりはできない。
タトゥーと服装、ケンドリックという音の基準
タトゥーは両腕を信州まなぶ、脚をGAKKINが手がけたという紹介がある。服装ではBlackEyePatch、THE NORTH FACE、WACKO MARIA、FERRAGAMO、自分たちのAGHが挙げられてきた。特定の着用例と、現在の専属契約や愛用の継続は別の話だ。
信州まなぶとGAKKINは、それぞれの活動を発信している。彫師の仕事からたどると、ラッパーの身体に残る表現を別の角度から見られる。
ビートを高く評価するときにケンドリック・ラマーの名を引き合いに出したという話もある。誰を一番好きかという固定した順位にするより、世界水準のラップを乗せる音として何を求めたのかに注目すると、曲選びの厳しさが見えてくる。
村上龍の小説と、リュウ・zerry
読書では村上龍「限りなく透明に近いブルー」が制作のルーツとして紹介されている。服役中の愛読書、一番好きだった本として語られてきた一冊でもあり、ラップを言葉の作品として考える姿につながる。
愛猫の紹介には、コラットのリュウとベンガルのzerryが登場する。2020年7月28日の本人のXにも二つの名前が並ぶ。コラットはタイ原産で、シ・サワットという呼び名でも知られる猫だ。小説の主人公にもリュウという名が出てくるが、名前が重なることだけで命名の理由までは決められない。
zerryとリュウ
本人の掲載当時の投稿BADSAIKUSH(@NAMEDARUMAAz)
DELTA9KID|自分へ向けた言葉を、曲の芯にする
DELTA9KID(デルタナインキッド)は、BADSAIKUSHと同学年の友人としてラップを続けてきた。取材での口数の少なさだけでは、曲で果たす役割は分からない。「THE SEQUEL」ではフックも歌い、一曲の中で繰り返し戻る言葉を担っている。
廣という名義から、DJを経てMCへ
初期の名義は本名の廣井から取った廣(ひろ)。現在の名には、大麻の成分THCに関わるDelta-9と、小さくていけているやつというニュアンスのKIDが組み合わされている。かつてレゲエを聴いていたところからG PLANTSを通じてヒップホップへ関心を広げ、DJとして活動した後、49への参加を機にラップを始めたという歩みが紹介されてきた。
高校では入学式にしか行かなかったという話もある。BADSAIKUSHと行動を共にしてきた関係は、学校生活の逸話にも、音楽へ向かった時期にも続いている。ただし、全ての時期に一緒だったと受け取る必要はない。2009年以降に刑務所で過ごした4年間は、相方とは異なる時間だった。

THE NORTH FACE、WACKO MARIA、白山眼鏡
服装ではTHE NORTH FACE、WACKO MARIA、AGH、そして白山眼鏡が紹介されてきた。眼鏡は彼の印象を作る小物の一つで、服と同じように個人のスタイルを見分ける手がかりになる。過去に中古市場で高値が付いたという話と、現在の相場や在庫は区別したい。

G PLANTS|フックを書く最年長のMC
G PLANTS(ジープランツ)は1988年生まれ、熊谷市出身。表記はG-PLANTS、GPLANTSともなり、仲間からは本ちゃんと呼ばれる。3人の中では最年長で、歌うだけでなく、メンバーが歌うフックも書いてきた。
2026年の本人取材では、「BUDS MONTAGE」でも複数のフックを書いて聴き比べ、最終的に歌う人に合わせてフロウを直していたと説明する。自分が歌唱参加していない曲にも書いたという。誰が歌ったかと、誰が言葉を作ったかは、必ずしも同じではない。
籠原で音楽を聴き込み、19歳でラップへ
熊谷市の籠原で育ち、バイト先のラーメン店の先輩からヒップホップを教わったという。18歳ごろは印刷工場で働きながらCDを買い集め、19歳ごろにラップを始めた。聴き手だった時間の長さは、2026年に自分をまずヘッズと捉えているという説明にもつながる。
最初の名義はG-BOKKだったが気に入らず、後にBADSAIKUSHが考えたG PLANTSという呼び名になった。GはGANGSTA、PLANTSは草を示す言葉として紹介されている。植物や煙の語彙が、クルー名にも各人の呼び名にも入っている。
G PLANTSのフリースタイルを残した映像
666CONNECTIONが公開した埼玉の新年会のフリースタイル映像。完成した楽曲のフックとは別に、その場で言葉を回すG PLANTSを知るための記録だ。対戦の身ぶりがあることだけでバトルの戦績や誰かをからかう意図まで判断することはできない。
祖父母への気遣いと、COOGIやAGHの服
祖父母を悲しませたくないため、見える場所への刺青を避けていたというエピソードが紹介されてきた。目立つ外見だけで人物像を決めにくい一面だ。かっぱ寿司が好きという話もあり、こうした日常の好みが、曲で見せる強い言葉とは違う距離を作る。
ファッションではCOOGI、WACKO MARIA、AGHが挙げられてきた。2026年のソロ活動では、自分の表現に関わる音楽、アパレル、デザインなどの仲間と新しい制作を進めている。昔の着用ブランドを、現在の契約一覧として扱うわけではない。
CHAPTER 04Dbubbles・1.0.4・NANCYと初期の歴史
Dbubbles|初期のアルバムに名が残るMC
Dbubbles(ディーバブルス)は、初期の中心MCの一人。2015年の公式アルバム紹介にも、2018年公開の公式映像にも名が残る。TIPとの「UNBALANCE」という作品でも接点が確認できる。
Dbubbles / 舐達麻|公式チャンネルに残る初期の声
APHRODITE GANGの公式チャンネルに2018年に公開されたDbubbles名義の映像だ。後年よく知られる3人だけではなく、別の声も初期の舐達麻を形作っていたことを知る資料になる。映像が残っていることから、現在の在籍や活動を確定することはできない。
BARKSの2023年本人取材では、かつて4人で活動し、BADSAIKUSH、DELTA9KID、もう一人が不在になって、約1年間G PLANTS一人だった時期が語られている。メンバーが会いたいと話してきたことと、公的に行方不明者と確認されたことは別だ。現在の所在や継続的な活動は、この紹介からは分からない。
1.0.4(とし)|作品名に刻まれた仲間
1.0.4は、BADSAIKUSHとDELTA9KIDの後輩で、仲間からラップがうまいと評価され、メンバーの中で一番とまで紹介されていたMCだ。2009年6月3日に亡くなり、初アルバム「NORTHERNBLUE 1.0.4.」は、その名を残している。作品の題名は、人数の変化だけでは説明できない関係の深さを伝える。
104 0001|1.0.4を知るための旧映像
koutarou1120名義の投稿として残る「104 0001」。1.0.4の紹介に使われてきたアーカイブで、現在の舐達麻の公式新曲ではない。投稿者の立場や映像の全経緯を補って物語を作るのでなく、当時を知る映像資料として区別しておきたい。
DELTA9KIDが語る「あの日の出来事」
ニートtokyoの本人インタビューで、DELTA9KIDが過去の出来事を振り返る映像。2019年のKAI-YOU取材の公開目次にも6月3日と1.0.4の死が掲げられている。事故の速度や運転者、責任の所在を、短い見出しや断片から確定することはできない。
毎月3日の月命日に仲間で墓参りをしてきたという話も伝わる。日付や題名に名前を残すことは、亡くなった仲間が過去の人数に還元されないことを示している。ただし、現在も必ず同じ日程で全員が集まっているという意味には広げない。
NANCY|49を率いた本庄のラッパー
NANCY(ナンシー)は、本庄で生まれ育ち、49を率いたラッパー。本人側の配信プロフィールには、D、賽、G-BOKK、DJ DRUNKERという前身ユニットと舐達麻へのつながりが記されている。3MCと同列の現メンバーとして数えるより、初期に活動の場を作った人物として捉えると関係が分かる。
49「公衆便所」|前身の活動をたどる
ukiyokouji名義で公開された49の「公衆便所」。NANCYの紹介に残ってきた映像で、49という集団から舐達麻が枝分かれした時期を知る入口になる。現在の舐達麻の全員が出演する公式MVと同じ扱いにはしない。
配信ページには2011年10月10日のストリート作品「The NANCY from.49 part.1」の歩みがあり、2025年6月30日の「HI’JACK BAD LIFE (Remix)」も掲載されている。初期の活動頻度が落ちたという話を、現在まで音楽をやめているという結論にすることはできない。
CHAPTER 05APHRODITE GANGとは|屋号と仲間、公式グッズ
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APHRODITE GANG(アフロディーテ・ギャング、AGH)は、音源のレーベル、衣服のブランド、地元の仲間の集まりが重なる屋号だ。舐達麻の3MCと、AGHに関わる全員は同じ名簿ではない。TIPのようなラッパーに加え、音楽以外の役割を持つ仲間もいる。
BADSAIKUSHが話すAPHRODITE GANG
ニートtokyoの「APHRODITE GANGとは」という本人インタビュー。屋号の意味や、誰が仲間なのかという感覚を知る映像だ。かつて紹介された約30人、ラッパーやDJが15人ほど、活発に動くのは10人ほどという数字は、当時の概数であり、現在の在籍数を保証するものではない。
自分がAGHの仲間だと思えばそうだ、という本人の考えも伝えられてきた。固定した職業集団より、地元の友人関係から仕事や創作が生まれる感覚に近い。2023年のKAI-YOU本人取材にも、仲間が業務を分担して自主運営する姿が出てくる。
屋号には大麻の品種にまつわる命名談がある。ただし、一般語のAPHRODITEが大麻そのものを意味するわけではない。彼らがその名前を選んだ由来の話だ。
100MILLIONS (REMIX)|切れない関係と、進む時間
GREEN ASSASSIN DOLLAR制作の公式MV。配信では「100MILLION (REMIX)」という表記もあるが、ここでは元のMV表題を示している。屋号についてのインタビューとは別の映像で、仲間の関係を曲の言葉からたどる位置に置く。
切るという動作を、切れない関係の強さへ反転させた言い方だ。数を上げていくフックや待ってくれない時間のイメージの中に、人との結びつきが入ることで、金額だけの曲名には収まらなくなる。旧MVと2025年RE-UP版の参加名義や版表記は同一視しない。
公式オンラインショップとグッズ
衣服や音源などのアイテムはAGHの公式オンラインショップで案内されている。ロゴや作品の世界観を服へ移す活動も、この屋号の一部だ。2019年の紹介画面や着用写真は当時の記録であり、写っている商品が現在も販売中であることまでは示さない。

CHAPTER 06曲作りのこだわり|ビートから言葉が生まれるまで
歌詞の書き方とビート選びを話す後編
HIP HOP DNAの後編は、BADSAIKUSHがビートを選び、先に16小節を書き、それを聞いてG PLANTSがフックや自分のヴァースを考える制作の流れを知る映像。曲ができる順番だけでなく、書けない時間や、何を良い音と感じるかも話題になっている。
BADSAIKUSHは、そこそこ良いと感じる程度のビートでは書かず、強く反応する音を求めてきた。基本はスランプで、何かを作るのは簡単ではないという考えもある。DELTA9KIDがすぐには書けないと話すことや、良いビートが言葉の出方を変えることは、一直線の成功談では捉えにくい部分だ。
良いビートとウィードが揃うと制作が進むという説明もしてきた。これは本人の創作時の感覚についての語りで、誰にでも同じ作用が生じるという話ではない。
2024年のGQ取材では、「契」で得た感覚からGREEN ASSASSIN DOLLARの音へ出会い、「FLOATIN’」の制作につながったと振り返る。発表した曲の間にも多くのボツ曲があり、世に出る数だけでは制作量は分からない。完成した後も細部を直すという2023年の取材と合わせると、音と言葉の両方で基準を上げてきたことが分かる。
曲ごとに違うビートメイカーとの接点
| 制作者 | 作品との接点 |
|---|---|
| GREEN ASSASSIN DOLLAR | FLOATIN’、BUDS MONTAGEなど。owlsでも活動 |
| 7SEEDS | LIFE STASHを制作。THE SEQUELはGADと共同 |
| SAC | FUTUREや初期作品を制作。SCARSでも活動 |
| NaiChopLaw | B.I.G. hAppAを制作。初期紹介にはDJとしても名が残る |
| INGENIOUS DJ MAKINO | 2022年のBLUE IN BEATSを制作 |
初期にはTYPEWRITERがディレクションに関わったという紹介もある。BADSAIKUSHがGREEN ASSASSIN DOLLARを日本一、あるいはNujabesを超えたと高く評価したという話は、本人の音の好みを示すものだ。客観的な順位でも、舐達麻の全曲を一人が作ったという意味でもない。
FUTURE|SACと3MCの組み合わせを聴く
2019年4月13日配信の「FUTURE」は、SACが作曲した3MCの作品。GREEN ASSASSIN DOLLARとの曲が広く知られる時期にも、別の制作者との音を並行して発表していたことが分かる。公式MVの表題にもprod.SACと記されている。
同時期の作品を制作者別にたどると、舐達麻の音楽を一つのビートの型でまとめずに聴ける。「LIFE STASH」の7SEEDS、「BUDS MONTAGE」のGADと、このSACの曲を並べることが、制作の入口を比べる方法になる。
B.I.G. hAppA|声の組み合わせから初期を知る
公式MVはG plants & BADSAIKUSHとNaiChopLawの制作名を掲げる。2019年配信のクレジットでも二人の名義が併記されており、3人全員が同じ比率で参加する曲として扱うものではない。
不適と快適を重ね、外からの評価と自分の感覚が食い違うことを短く示している。肩書や社会の尺度への反応を、語尾の近い言葉へ圧縮した箇所だ。歌詞の自己像を、そのまま現在の住所や職業の証明にしてはいけない。
生活を材料にしても、全てが事件の記録になるわけではない
本人たちは、生活や自分たちの24時間から言葉を作ると話してきた。2022年のGQ取材でDELTA9KIDは、実体験と自分が確かに感じたことから歌詞ができると説明し、「GOOD DAY」の言葉も過去の自分へ向けたものだと話す。誰かを励ますように聞こえる言葉が、自分への語りかけでもある。
大麻、拘束、犯罪に関する強い語が出てくる一方、歌詞には比喩、時間の圧縮、感情の言い換えもある。作品の語りと、誰がいつ何をしたかを立証する記録は同じではない。穏やかな音と厳しい題材の落差も、作品を読む手がかりになる。
代表曲では、声を張り上げて山場を作るより、ループするビートをたどりながら3人の声が入れ替わる。フロウの手数や勢いを求めると地味に感じる部分も、言葉を追っていくと違って聞こえる。煙たいトラックと生々しい語りを、どちらか一方だけにせず聴く作風だ。

昔の将来像と、作り続けることの意味
かつては、10年後も世界のチャートで1位を狙える曲を作り、20年後には大麻の栽培をしたいという将来像も紹介されていた。昔の回答を、2026年に実行する計画と受け取ることはできない。
2023年のBARKS取材では、好きな音楽を作り、腕を上げ、その仕事で暮らせること自体が夢のようだと話している。BADSAIKUSHは「LIFE STASH」「FLOATIN’」の広がりの後、入金が続いて音楽で食べられるかもしれないと感じた当時も回想した。現在の収入額や、全員が今も同じ方法だけで生計を立てているという話ではない。
CHAPTER 07代表曲と、3人の言葉が残る曲
LIFE STASH|外からの呼び名に、自分の声で答える
7SEEDS制作の「LIFE STASH」。BADSAIKUSHは2024年のGQ取材で、2017年の逮捕後、服役を控えた保釈中に、家族や仲間へ残すために書いたと回想している。DJ BUN(7SEEDS)から、力を抜いて歌う助言も受けたという。音源の配信とMVの公開時期は分けて捉えたい。
自分をひとくくりにする呼び名を拒み、ラッパーとして声を残す意思へ切り替わる言葉だ。曲には孤独や仲間に会えない時間も入り、強い言い方だけでは終わらない。何者と呼ばれるかを、自分が何を作品として残すかへ引き寄せるところに、この曲の切実さがある。
BUDS MONTAGE|相手との関係が、自分を形作る
2020年7月30日配信、GREEN ASSASSIN DOLLAR制作の曲。音源の発売日と同年9月7日付のMV配信データは別だ。G PLANTSは2026年の取材で、複数のフックを作り、歌うメンバー向けにフロウを直した過程も説明している。
自分は一人で完成するのではなく、相手との関係でできている。そう読める一節だ。仲間の名前や制作の日々が重なる曲の中で、俺という一人称が複数の時間を受け取る。タイトルのモンタージュを、ばらばらの記憶が一つの像を作る言葉として読むこともできる。
THE SEQUEL|繰り返すフックが、続きを願う
2025年6月の「THE SEQUEL」は、GREEN ASSASSIN DOLLARと7SEEDSが共同で制作した曲。この公式配信音源はシングル版で、同年のRE-UP版にも収録された。3MCがラップし、DELTA9KIDがフックも担う。配信の登録日は6月1日、シングルカットを紹介した記事は6月5日付だ。
続編という題名を、まだ終わらせたくない夢の言葉が受け止める。各人のヴァースが別の経験を運んでも、フックへ戻るたびに曲は同じ願いへ集まる。2025年の3人の音源が存在することと、2026年も同じ形で活動していることは別だが、作品の中には三つの声がつながる時間が残っている。
CHAPTER 08アルバムと配信作品の歩み
| 時期 | 作品 | 位置づけ |
|---|---|---|
| 2013年8月1日 | R17 JOINT LIKE A BULL SHIT | 公式紹介に記されたALL VINYL MIX CD |
| 2015年12月3日 | NORTHERNBLUE 1.0.4. | 初アルバム、全12曲。1.0.4の名を残す |
| 2019年8月31日 | GODBREATH BUDDHACESS | 2ndアルバム、全10曲。アートワークはGAKKIN |
| 2019年10月16日 | NORTHERNBLUE 1.0.4.のCD再発 | 2015年の初版と区別 |
| 2020年7月30日 | BUDS MONTAGE | GAD制作のシングル |
| 2022年12月3日 | BLUE IN BEATS | INGENIOUS DJ MAKINO制作 |
| 2023年1月16日 | ALLDAY | GAD制作。時間をかけて仕上げた曲 |
| 2023年12月1日 | FEEL OR BEEF BADPOP IS DEAD | 3MCの楽曲。GADと7SEEDSが制作 |
| 2025年6月1日 | GODBREATH BUDDHACESS (THE RE-UP EDITION) | 2019年作に変更を加えた再配信版 |
| 2025年6月 | THE SEQUEL | RE-UP版にも入るシングル |
| 2026年8月14日・9月18日 | G PLANTSのソロ2曲 | 舐達麻名義の新作とは区別 |
2019年のオリジナル版と2025年のRE-UP版は、全く同じ曲目ではない。「SPACE BALL」に代わり「THE SEQUEL」が入り、8曲目の「100MILLION」にも参加名義・版表記の違いがある。再配信版を、全曲新作の3rdアルバムとして数えることはできない。
2ndアルバムには、当時iTunesで1位になったという紹介もある。ただし部門や集計時点が分からないまま、年間総合1位へ言い換えることはしない。作品としては、最初のアルバムからGADや7SEEDSとの曲へ広がった時期を聴ける一枚だ。
BADSAIKUSH個人では、2026年3月にTimberlandとWACKO MARIAの映像で新しい音源が公開された動きもある。映像のための個人表現と、舐達麻の新アルバム発売は別に数える必要がある。
CHAPTER 09逮捕報道・本人の回想・不起訴の続報
舐達麻の経歴には、本人が取材で話す経験と、報道機関が伝えた容疑・逮捕・処分がある。逮捕されたという報道を有罪判決へ、釈放を無罪判決へ置き換えず、確認できる時点と続報を分けて読む必要がある。
2009年と2017年|本人取材で語られた経験
2019年のKAI-YOU取材の公開導入は、2009年以降、BADSAIKUSHが少年院で1年、DELTA9KIDが刑務所で4年を過ごしたと記す。1.0.4の死も同じ歴史の中で語られるが、事故の機序や速度、誰にどの責任があったかを、この導入だけから補うことはできない。
2024年のGQ取材でBADSAIKUSHが話した2017年の逮捕と、その後の服役前に「LIFE STASH」を書いた経緯は本人の回想だ。2009年の収容経験、2017年の説明、後の2021年・2022年の報道は、それぞれ別の時期の話として扱う。
2021年|G PLANTSとDELTA9KIDの逮捕報道
音楽ナタリーとORICON NEWSは2021年4月16日、警視庁の発表として、G PLANTSとDELTA9KIDを含む男女9人が大麻所持の疑いで逮捕されたと報じた。本名の表記も、この報道で確認できる。記事が伝えるのは当時の容疑と逮捕であり、各人の最終処分まで同じ内容から確定することはできない。
2022年|不起訴の続報は10月14日と11月8日
2022年10月の報道では、BADSAIKUSHとG PLANTSを含む4人が、10月4日に大麻の共同所持の疑いで逮捕された。静岡朝日テレビLOOKは、32歳のリーダーら2人が10月14日付で不起訴になったと、10月17日に報道した。この時点では残る2人の捜査は続いていた。
続いてLOOKは11月12日、33歳のメンバーら2人も11月8日付で不起訴になったと報じている。報道された年齢・立場の対応では、前者がBADSAIKUSH側、後者がG PLANTS側だ。4人全員が逮捕の10日後に同じ処分を受けたという整理にはならない。不起訴の理由は明らかにされておらず、無罪判決や違法捜査の公的認定と同じ意味でもない。
GQの2022年取材やG PLANTSの2026年取材には、本人たちの捜査への見解も載る。当事者が経験をどう捉えたかを知る言葉であり、その主張を裁判所や検察の判断として扱うものではない。
CHAPTER 10共演者と作品でたどるつながり
共演相手を知るには、今も私的に親しいかを決めるより、作品に残る接点を追うと分かりやすい。RYKEYとBADSAIKUSHは2019年に6曲入り共同EP「MARY JANE」を発表。ANARCHYとは2020年に「GOLD DISC」を制作し、「ANGELA」には舐達麻の名義も入る。漢 a.k.a. GAMIは、MC漢名義で「MARY JANE」の「Grow Up Mind」に参加している。
阿修羅MICは神戸のMCで、同じ埼玉県北部の出身者ではない。「365DAYS」にはBADSAIKUSHとDELTA9KIDが参加する。孫GONGやTAKABOとのつながりも紹介されてきたが、過去の交友を現在の全員の私的関係まで保証する名簿にしてはいけない。
TAKABOについて、BADSAIKUSHは2024年のGQ取材で、千葉雄喜と改めて知り合うきっかけになった人物として名を挙げた。「チーム友達」のネックレスを交換した話も、本人は一緒に遊び、撮影が重なった経緯として説明している。アクセサリーが写ったことだけから新しい共同曲の発表を推測する必要はない。
BAD HOPとの応酬と、作品・各人の説明
2023年のBAD HOPとの応酬では、YZERRが語った説明、舐達麻の「FEEL OR BEEF BADPOP IS DEAD」、その後の本人発言がある。相手側が主張した出来事を、双方が認めた事実として一本化することはできない。ビーフという音楽・発言の応酬と、刑事事件も別の話だ。
2026年6月にBADSAIKUSHが語った未発表のアンサーと、8月にG PLANTSが話したグループとの距離も、同じ立場からの説明ではない。G PLANTSは現在一緒に活動していないことを、ビーフだけのせいにはしていない。作品の順番は追えても、それだけで仲間の全ての関係を説明できるわけではない。
CHAPTER 11メンバーのMBTI|編集部の推定と根拠
以下はDjtube編集部による暫定的な人物像の整理で、本人公表のMBTIや正式な診断結果ではない。従来の候補であるBADSAIKUSHのINTJ、G PLANTSのESFJ、DELTA9KIDのINFPを、公開された本人の説明から点検した。A/Tを付け分ける根拠や測定した確率はない。犯罪、薬物、病気を型の理由にはしていない。
BADSAIKUSHはINTJ候補|内側の基準と、作品全体への視点
I/Eでは、2024年のGQ取材で外の評判と自分の生活・制作を切り分け、自分が納得する言葉へ集中する説明をI寄りの弱い材料とした。N/Sでは、ヒップホップを特定の国の模倣ではなく各地の人が表現する方法として考える2022年の語りや、作品の意味を抽象化して考える姿勢をN寄りに読む。
T/Fは、誰が評価したかより基準そのものを問い直す2023年BARKSでのやり取りからT寄り、J/Pは完成後も全体の水準を詰める制作からJ寄りとした。ただし、家族への思いはFにも、ビートから直感的に言葉を引き出す作り方はPにも読める。INTPという別解もあり、創作の態度だけで生活全般の型が分かるわけではない。
G PLANTSはESFJ候補|相手を支えるフックと制作の調整
E/Iでは、2026年の本人取材でラッパーや作り手を組み合わせ、間に入って音楽を形にしたいと話す対人的な関心をE寄りの材料とした。S/Nは、聴いてきた曲や具体的な現場の経験を制作へ戻す説明からS寄り。F/Tは、裏方への感謝や自分を支えた人へ仕事で返したいという判断の重心をF寄りに読む。
J/Pでは、メンバーごとにフックやフロウを調整して完成形へまとめる働き方をJ寄りに取った。ただし、これは制作の役割でもある。映画と音楽を家で楽しむ時期や、自分をインドアと捉える話はIにも読め、ISFJという別解も残る。ソロで数多く試しながら曲を作る姿はPにも近く、ESFJの確度は低い。
DELTA9KIDはINFP候補|自分への言葉を、他人にも開く
I/Eは、2022年のGQ取材で基本的に自分へ歌詞を書くと話す内省の向きをI寄りに読む。N/Sでは「GOOD DAY」を過去の自分へ向けるという説明に、目の前の出来事を越えて希望や時間をつなぐ見方を読みN寄りとした。F/Tは、人に幸せを与えられる人間でありたいという本人の願いをF寄りの材料にする。
P/Jは最も材料が薄い。実体験で確かに感じたことから言葉を立ち上げるという制作の説明をP寄りの弱い材料としたが、完成まで言葉を研ぐ姿勢はJにも読める。経験の手触りを重く見るならISFPも候補になる。寡黙さだけでIを決めたり、歌詞の主人公をそのまま本人の全人格にしたりはしない。
Dbubbles・1.0.4・NANCYの推定範囲
初期の3人は、作品への参加や前身クルーの紹介に比べ、性格の4軸を比べられる本人の説明が限られる。Dbubblesは初期映像、故人の1.0.4は回想とアーカイブ、NANCYは公式配信プロフィールを中心に記録している。現3人と同じ精度の候補型を並べる材料はなく、ここは推定を保留する。
CHAPTER 12舐達麻のよくある質問
CHAPTER 13舐達麻を知るために聴きたい作品
49での出会い、不在の間に続いた活動、1.0.4の名を残した初アルバム。その先に「LIFE STASH」「BUDS MONTAGE」「THE SEQUEL」を並べると、舐達麻が一人ひとりの生活を、複数の声が入る曲へ変えてきたことが見えてくる。
2026年のG PLANTSのソロは、その声が一人でどう曲を組み立てるかを知る入口になる。グループの過去を知ることと、各人の現在を追うことをつなぎ、気になった曲から作り手や仲間の名前へ進んでみたい。
暮らしを刻んだ声は、別々の道でも消えない
Djtube 編集部 / 2026.10






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