¥ellow Bucks
¥ellow Bucksは、岐阜県高山市に生まれ名古屋を拠点に活動するラッパーである。オーディション番組での優勝から一気に全国区になり、2度の逮捕で活動が止まりかけたが、2026年には本名を冠したアルバムを出し、キャリア14年目で初の東京ワンマンを実現させた。この記事では、本名や身長といった基礎情報から、高山でのシーンの記憶、リリックへのこだわり、逮捕とその処分、そして現在の活動までを、公表されている範囲で整理する。
この記事でわかること
- 本名・生年月日・出身地・身長といった公表済みの基礎情報
- 「¥ellow Bucks」という名前に込められた3つの意味
- 高山のヒップホップシーンから名古屋へ移るまでのキャリア
- 2度の逮捕と、それぞれの処分がどうなったか
- リリックへのこだわりと、和のサウンドを選んだ理由
- 公開情報から整理したMBTIの推定と、その根拠
よくある疑問と、短い答え
検索でよく並ぶ疑問を先に片付けておく。細かい経緯や根拠は本文の各章で扱うので、まずはここで全体像を掴んでほしい。
| 疑問 | 短い答え | 補足 |
|---|---|---|
| 本名は | 坂口 和(さかぐち わたる) | 報道で公表 |
| 年齢は | 30歳 | 1996年8月6日生まれ |
| 出身は | 岐阜県高山市 | 拠点は名古屋 |
| 身長は | 175cm | |
| 読み方は | イエローバックス | 「YELLOW BUCKS」は誤表記 |
| 逮捕はどうなったのか | 2021年の件は不起訴処分 | 2023年の件は処分が非公表 |
| 代表作は | Wataru | 2026年1月の4thアルバム |
| MBTIは | ESFP(推定) | 本人の公表なし |
MBTIは当編集部が公開情報から整理した推定であり、本人による公表でも心理的な診断でもありません。根拠は人物像の章に示しています。
CHAPTER 01 / SECTION 01¥ellow Bucksの基本プロフィール|本名・年齢・身長
¥ellow Bucksは、岐阜県高山市出身のラッパーで、本名は坂口和、1996年8月6日生まれである。名古屋を拠点に活動し、東海のヒップホップを背負う存在として名前が挙がることが多い。
MCニガリやBAD HOPのTiji Jojoと同年代にあたり、2010年代後半に頭角を現した世代の一人である。
名前に込められた3つの意味
「¥ellow Bucks」という名義には、本人が語る3つの由来がある。
- 以前のグループ「ヤングバスタ」の頭文字「YB」を引き継いだもの
- 「¥ELLOW」は黄色人種を指す
- 「BUCKS」はスラングで金銭を意味する
ヤングバスタは高校時代に組んでいたクルーの名前で、頭文字を取って「YB」と呼ばれていた。そのイニシャルを消したくないという理由から、同じ2文字で始まる現在の名義にたどり着いている。
特技は硬筆と毛筆
ラップを始める前の特技が書道である。小学校時代に硬筆で六段、毛筆で七段を取得していた。中学校の時点で八段を取得すれば小学生に教える資格が得られる水準だった。
インタビューではこのように語り、特技を活かしきれなかった後悔を口にしている。ただしこの技術は無関係に終わっていない。背中には「和」の一文字が大きく彫られており、この字は本人が書いたものを彫り師が彫っている。
ファッションの傾向
ドレッドヘアが基本のスタイルで、帽子とスタジャンの組み合わせが多い。愛用しているブランドは次の5つである。
- STARTER BLACK LABEL
- Daily Paper
- DLSM
- Mitchell & Ness
- FILA
ラップスタア誕生のファイナルステージではSTARTER BLACK LABELのスタジャンを着用していた。Instagramでは Mitchell & Ness がお気に入りだと公表しており、名義と同じ「Bucks」の入ったスタジャンを着た写真も投稿している。
この記事で扱わないこと
年収や資産の推定、交際相手の特定、家族の個人情報は扱わない。いずれも本人が公表しておらず、検索上位に並ぶ数字の多くは根拠の示されない推定である。逮捕についても、報道で確認できない処分や動機を推測で補うことはしない。
CHAPTER 02 / SECTION 02高山でのルーツ|シーンが盛り上がっていた街
¥ellow Bucksのキャリアを理解するうえで欠かせないのが、当時の高山市のヒップホップシーンである。本人はインタビューで、自分が高校生だった頃の高山は非常に盛り上がっていたと振り返っている。
もともとは野球をやっていたが、活躍できずにいた時期にヒップホップと出会い、そこで進路が定まった。中学の頃にはすでにラップを書いており、当時は携帯電話がガラケーだったため、仲間とメールでリリックを送り合っていた。時間をかけると応酬にならないので、5分以内に返すという取り決めをしていたという。
ラッパーの多い高校を選んだ
高山にはヒップホップとレゲエをセットで扱うセレクトショップがあり、中学生の頃からそこに出入りしていた。進学先を決めるとき、ラッパーとDJが多く在籍する高校があることを知り、そこを選んでいる。
当時の高山には世代ごとにクルーが存在した。2学年上に「ダーティグローバルクルー(DGC)」、1学年上に7〜8人編成のクルーがあり、¥ellow Bucksたちは同級生3人でラッパーだけのクルー「ヤングバスタ」を組んだ。
高1の夏に初ステージ、そして初レコーディング
1学年上のクルーが初めて開いたイベントに出してもらったのが、最初のステージである。当時はレコーディングをする環境がなく、YouTubeから引いてきたビートを流し、音源なしでそのまま歌ったという。
このステージが評価され、DGCのボスからリミックスに参加したいと声がかかった。そのボスがレコーディングスタジオへ連れて行ってくれたことで、高校1年の夏に初めてのレコーディングを経験している。
当時の高山では、高校生になったら自分たちでイベントを打つという風潮があった。フライヤーを作り、チケットを刷り、授業の合間に隣のクラスへ売りに行く。出演者にも封筒でチケットを渡して売ってもらう。ラップだけでなく興行の実務を高校生のうちに一通り経験したことが、後の活動の下地になっている。
名古屋を選んだ理由
ヤングバスタはメンバーが抜けて解散し、¥ellow Bucksは1人になる。19歳から20代前半にかけて単身で渡米し、現地のラッパーにDMを送って活動範囲を広げた。
帰国後、地元を出ることを決めたとき、行き先は東京と名古屋で迷ったという。最終的に名古屋を選び、2026年現在も拠点を移していない。理由として本人が挙げるのは、友人がそこにいることと、単純に居心地がよいことである。
CHAPTER 03 / SECTION 03キャリアの歩み|オーディション優勝から東京ワンマンまで
¥ellow Bucksの名前が全国に知られたのは、2019年のオーディション番組優勝がきっかけである。活動開始から2026年の東京ワンマンまでの流れを、年表で先に押さえておく。
この年表のうち、キャリアの向きを変えた局面が3つある。順に掘り下げていく。
ラップスタア誕生での優勝
2019年、ABEMAのオーディション番組「ラップスタア誕生!」シーズン3のファイナルステージに進出し、優勝を果たしている。予選から審査員の評価が高く、ANARCHYからは「全問正解感がある」というコメントでリリックを評価された。ファイナルステージでも「かましていた」「しゃべりのオチが最高」「これぞMCという感じ」といった講評が並んでいる。
優勝賞金の300万円は、ファイナルステージの出場者全員との楽曲制作に使われた。もともと出場者で曲を作る構想を持っていたといい、実際にコラボしたメンバーを集めてライブを行うこともあった。
2026年『Wataru』と初の東京ワンマン
2026年1月21日、4作目となるアルバム『Wataru』を配信リリースした。タイトルは本名の「和」を読んだものである。本人によれば、アルバムの最後に収録した曲で祖母のボイスメッセージを使っており、そこで「渡」と呼ばれていたことが決め手になったという。
参加アーティストの顔ぶれが大きく変わったのもこの作品である。USからFabolousとYG、国内からはYvng Patra、CFN Malik、LANA、Candee、eyden、Watsonらが名を連ねた。
Fabolousとの実現の経緯は偶然に近い。渋谷でFabolousがライブをすると知り、その機会に連絡を取ったところ話が進んだ。楽曲自体は2023年に完成していたが、権利関係の都合で長く発表できずにいたという。YGについても、知人がInstagramのストーリーの隅に載せていた募集に反応したことがきっかけだった。
2026年4月10日には、TOYOTA ARENA TOKYOでキャリア初となる東京でのワンマンライブ「Who I Am」を開催した。名古屋や地元の高山では何度か行っていたが、東京は初めてだった。ゲストにはCFN Malik、eyden、Watson、Candee、Yvng Patra、LANA、Benjazzy、Eric.B.Jr、Kaneee、そしてAIが名を連ねている。
若手を集めるコンピレーションの主宰
2026年5月13日には、自身が主宰するコンピレーションアルバム『¥ellow Bucks Presents: Player’s Tuesday』をリリースした。lonelow、Andre、OWG、PAPADOC、RENCH、STACK THE PINK、B.monkeyら、名古屋・東海エリアの若手15組が参加している。
全曲のプロデュースはDJ RYOWとSPACE DUST CLUBが担当した。誰にどのビートを振るかを本人が決め、テーマを設定してレコーディングにも立ち会ったという。将来的にはプロデュース業やクラブ経営にも取り組みたいと語っており、この作品はその方向の実践にあたる。
CHAPTER 04 / SECTION 04逮捕と処分の経過|報道で確認できる範囲
¥ellow Bucksは2021年と2023年の2度、大麻取締法違反の疑いで逮捕されている。ただし2件の帰結は異なる。ここでは報道で確認できた事実と処分だけを記す。
2件の経過を先に並べておく。逮捕された時期と、その後どういう処分になったのかを混同しないよう、表の形で整理する。
| 時期 | 内容 | 処分の結果 |
|---|---|---|
| 2021年11月17日 | 自宅で乾燥大麻を所持した疑いで現行犯逮捕 | 2021年12月28日に不起訴処分 |
| 2023年2月8日 | 自宅で乾燥大麻約0.888グラムを所持した疑いで逮捕 | 公表されていない |
いずれの件も勾留は20日間だったと本人が語っている。以下、それぞれの経過を順に見ていく。
2021年11月の逮捕は不起訴処分で終わっている
2021年11月17日、愛知県警は自宅で大麻を所持したとして¥ellow Bucksを含む男女5人を大麻取締法違反(所持)の疑いで現行犯逮捕した。
その約1か月後の2021年12月28日、所属するTo The Top Gangが不起訴処分になったことを公表している。関係者へ迷惑をかけたことを謝罪したうえで、変わらず活動を続けていく旨を伝えた。
2023年2月の逮捕は処分が公表されていない
2023年2月8日、愛知県警は自宅のマンションで乾燥大麻約0.888グラムを所持したとして、¥ellow Bucksを大麻取締法違反(所持)の疑いで逮捕した。
本人はこの時点で容疑を否認していた。
この逮捕を受け、ヘッドライナーを務める予定だった「POP YOURS 2023」への出演はキャンセルとなった。運営は、報道を受けて協議した結果、現時点では出演可否の判断が難しいためと説明している。
その後、2023年3月2日に本人がSNSを更新し、活動を再開したことを報告した。この件について起訴・不起訴のいずれの処分が下されたかは、2026年9月時点で公表されていない。
本人が語る2度の逮捕の受け止め
本人はインタビューで、2度の逮捕を明確に損失として振り返っている。同じ留置場に戻ったとき、部屋が2つ移動しただけで、看守から久しぶりだと声をかけられ、1度目と同じ番号を渡されたという。1年間積み上げたものが振り出しに戻った感覚だったと語っている。
活動面の制約も具体的に挙げている。会場によっては自身名義での使用を断られることがあり、客演として招かれた公演にも出られなかったことがあるという。
そのうえで、逮捕がなければ音楽を作れないという考え方自体に否定的な見解を示している。何もなくても良い作品を作り、良い状態でいられることのほうが強いのではないか、という趣旨である。「ラッパーは捕まってから」という言い回しについても、よくないとはっきり述べている。
CHAPTER 05 / SECTION 05MCバトルへの姿勢|好まない理由と、それでも立った一戦
¥ellow BucksはMCバトルを好まないと公言している。技術を否定しているわけではなく、形式そのものへの違和感である。
フリースタイルをするラッパーの技術はリスペクトしたうえで、結局は悪口の言い合いに見えてしまう点が引っかかるのだという。バトルをするくらいなら、音源を作ってライブをやり、バックグラウンドもある形のほうがかっこいいと語っている。
背景には地元の環境がある。高山はレゲエ色が強く、そこで親しんでいたのは「ラバダブ」だった。
ラッパー同士が即興のラップで技量を競う形式のこと。判定は観客の反応か審査員によって下される
サウンドセレクターが流す音に乗せて、フリースタイルや持ち曲を披露しながらマイクを回していくレゲエの遊び方
勝敗を決めるのではなく回していく形式に馴染んでいたことが、バトルへの距離感につながっている。楽曲そのものへのこだわりも、この経験と地続きにある。
凱旋アリーナでのMU-TON戦
そのバトル嫌いが例外的にマイクを握ったのが、2022年5月15日の「凱旋MCBATTLE in さいたまスーパーアリーナ」である。ベスト8のMU-TON対CHEHON戦でMU-TONがビートに入り損ね一時中断していたところへ、¥ellow Bucksがステージに現れた。
発端はベスト16のMU-TON対ベル戦で、MU-TONが¥ellow Bucksをディスしたことだった。イベント前にライブをしていた¥ellow Bucksに対し、MU-TONがステージ上で言及していた。
ベスト16の試合後には、MU-TONが¥ellow Bucksの取り巻きに詰められる場面もあったと伝えられている。
エキシビションマッチの応酬
対戦相手のCHEHONと主催の怨念JAPが快諾したことで、進行表にないエキシビションマッチが始まった。
先行を取った¥ellow Bucksが会場を掌握する一方、MU-TONは裏でのやり取りを暴露するラインで観客を沸かせた。
喧嘩ができねぇってラッパーだ だからこのステージに来たんだ 分かったか
俺はラッパー、別に「フリースタイルができねぇ」なんて言わねぇ ここに来てやるだけ
¥ellow Bucksはあくまでヒップホップ的にバトルをしに来たのだと主張し、MU-TONもディスに至った経緯をラップに乗せながらリスペクトを見せた。
エキシビションのため勝敗はつかなかったが、普段バトルをしない¥ellow Bucksのフリースタイルに会場は大きく沸いた。最後は両者が笑顔で握手を交わし、対立はその場で収束している。
この形式の背景には、ヒップホップ文化そのものの成り立ちがある。
アメリカのストリートギャング文化とも関係があるといわれ、抗争を無血に終わらせるために、銃や暴力の代わりとしてブレイクダンスやラップの優劣が争われた。ラップ、DJプレイ、ブレイクダンスには、フリースタイル・バトルと呼ばれる対決方式も存在する
CHAPTER 06 / SECTION 06リリックと音楽性|和のサウンドと届く言葉
¥ellow Bucksの評価の中心にあるのは、リリックへの徹底したこだわりである。ラップスタア誕生ではレコーディングの様子が取材されている。
ラッパーやDJが共同で活動する集団のこと。地域や世代を単位に組まれることが多い
その日のレコーディング直前のインタビューで、本人は書き上げていたリリックについてこう漏らしている。
そして直前にすべて書き換えるという判断を下した。完成度ではなく納得を優先する姿勢が、そのまま評価につながっている。
TOKONA-XとAK-69から受けた影響
東海地方のヒップホップを聴いて育っており、そのルーツは姉の影響で聴いていた名古屋のヒップホップにある。初めて聴いたヒップホップの曲はAK-69の「Ding Ding Dong」だという。
なかでもTOKONA-Xの存在は大きい。TOKONA-Xの1stアルバムのタイトルをサンプリングし、自らを「ヤングトウカイテイオー」と名乗っている。
ラップスタア誕生でのこの発言は、観客を大きく沸かせた。
和のサウンドを選ぶ理由
近年の作品では和のテイストを持つトラックが目立つ。本人はこれを、高山が京都に似た街並みを持つ土地であることと結びつけて説明している。地元の風景と結びついた音として、以前から取り組んできたものだという。
『Wataru』でこの方向性が固まったきっかけは、収録曲「Kabukimono」だった。アルバムで最初に完成した曲であり、この1曲の方向性でアルバム全体を出してみようという判断につながっている。プロデュースを手掛けたZen Masutaはテキサス出身のトラックメイカーで、愛知県刈谷市に住んでいた時期に共通の知人を介して知り合っている。
意識しているのは届くかどうか
自身の音楽で意識している点について、本人はヒップホップとしての濃さと、日本の聴き手に届くかどうかのバランスを挙げている。ゴリゴリにやりすぎず、わかりやすさとキャッチーさを保つという判断である。
海外アーティストとの共演が続いた後も、活動の軸足を日本に置く方針を明言している。日本で聴いてくれる人をどこまで楽しませられるかを中心に据え、そのうえで海外のアーティストとも組んでいくのが良いという考え方である。
CHAPTER 07 / SECTION 07代表曲|どこから聴くかの目安
¥ellow Bucksの曲は、時期によって手触りがかなり違う。入口をどこに置くかで印象が変わるため、性格の異なる3曲を挙げておく。
バトル経由で名前を知った人と、2026年のアルバムから入る人では、しっくりくる曲が変わる。以下の表を目安にしてほしい。
| 曲名 | 時期 | 向いている人 |
|---|---|---|
| ヤングトウカイテイオー | 2019年 | 全国区になった瞬間を知りたい人 |
| Trust in Bucks | 2019年 | ラッパーとしての余裕を見たい人 |
| Kabukimono | 2026年 | 現在地から入りたい人 |
いずれも配信で聴くことができる。以下では、それぞれの曲がどういう状況で作られ、どう受け取られたのかを見ていく。
デビュー曲「ヤングトウカイテイオー」
初のソロEP『To The Top』に収録された曲である。ラップスタア誕生で披露され、番組にかける思いがそのまま歌詞に落とし込まれている。SNSでも自ら「ヤングトウカイテイオー」を名乗っており、名乗るだけの説得力を伴った曲になっている。
代表曲「Trust in Bucks」
こちらもラップスタア誕生で披露された曲である。トラックはKowichiらへの提供で知られるZot on the Waveが担当した。オーディション番組という場でありながら、余裕を感じさせるパフォーマンスが印象に残る一曲になっている。
TOKONA-Xの命日に発表されたリミックス
2022年11月22日、DJ RYOWが「WHO ARE U? 2022 feat. TOKONA-X & ¥ellow Bucks」をリリースした。11月22日はTOKONA-Xの命日である。
TOKONA-Xの「WHO ARE U?」は、没後も盟友のDJ RYOWによって様々なラッパーとのリミックスが発表されてきた。トウカイテイオーの異名を持つTOKONA-Xと、「ヤングトウカイテイオー」を名乗る¥ellow Bucksの組み合わせということで、大きな話題を呼んだ。
「WHO ARE U?」のリミックス群には、「E」qualとAKIRA、AK-69、MACCHO、RYUZO、Masta Simon、ANARCHY、般若、紅桜とT-Pablowといった顔ぶれが参加してきた。この系譜に若手が加わることが、名古屋のシーンにおける継承の形になっている。
主なコラボレーション
初期から共作を重ねてきた相手は次の6組である。
- KIKUMARU
- Shurkn Pap
- Jua
- Joseph Blackwell
- Flight-A
- SANTAWORLDVIEW
Shurkn Papとのコラボは2nd EPで実現し、「MAZE」という楽曲になった。それまでの曲に比べてミステリアスな空気を持つ一曲である。またラップスタア誕生のファイナルステージ出場者で制作した「Grow Up」も、それぞれの世界観がぶつかる形で仕上がっている。
KIKUMARUとの「Up & Up」
KIKUMARUらしいグルーヴのあるビートに、¥ellow Bucksの低く渋い声が合わさっている。この曲はラップスタア誕生の決勝前日にレコーディングされたという逸話がある。
DJ RYOWとの「We Runnin」
同じ東海地方を拠点とするDJ RYOWとの共作である。DJ RYOWは「ビートモクソモネェカラキキナ」やTOKONA-Xの楽曲で知られる名古屋のDJで、この曲以外でも共作が多い。
CHAPTER 08 / SECTION 08ディスコグラフィ|アルバムを軸にした年表
¥ellow Bucksの作品は、逮捕による中断を挟みながらも一定の間隔で発表されている。アルバムを軸に整理する。
アルバム単位で見ると、2020年から2026年までにフルアルバムが4作あり、2024年以降に発表のペースが上がっていることが分かる。
- EPTo The Top / ¥ellow Bucks
- ALBUMJungle / ¥ellow Bucks
- ALBUMRide 4 Life / ¥ellow Bucks
- ALBUMJungle 2 / ¥ellow Bucks
- ALBUMFlying To The Top / ¥ellow Bucks
- SINGLEICON / ¥ellow Bucks
- SINGLE8UP feat. Yvng Patra / ¥ellow Bucks
- SINGLEWho I Am / ¥ellow Bucks
- ALBUMWataru / ¥ellow Bucks
- SINGLEMa Boyz (Remix) / ¥ellow Bucks
- SINGLESlide Up (WYFL Freestyle) / ¥ellow Bucks
上記のほか、2026年5月には主宰コンピレーション『¥ellow Bucks Presents: Player’s Tuesday』を、2026年には「Garage Cypher 3」を発表している。ライブ面では2026年12月にZepp Osaka Bayside、Zepp Nagoya、福岡を回る公演が予定されている。
CHAPTER 09 / SECTION 09人物像とMBTIの推定
¥ellow Bucksの言動には、その場で来た機会に飛び込む傾向が一貫して現れている。公開されている発言と行動から人物像を整理する。
MBTIはESFPと推定される
推定の根拠になるのは、本人のインタビュー発言と公開されている活動記録から拾える次の5点である。いずれも公開されている言動に限っている。
| 観察された言動 | 対応する傾向 | 出所の種類 |
|---|---|---|
| 着地点を決めず成り行きで進むと自認 | 計画より状況への適応を優先 | 本人のインタビュー発言 |
| 告知を見て即座に連絡しFabolous客演を実現 | 目の前の機会に反射的に動く | 本人のインタビュー発言 |
| ラップ・DJ・イベント・プロデュース・物販を並行 | 関心が具体的な活動へ広がる | 公式リリース、本人発言 |
| 拠点を名古屋から動かさず友人の存在を理由に挙げる | 人との結びつきを判断基準にする | 本人のインタビュー発言 |
| リリックを直前に全て書き換える | その場の納得を優先する | 番組内の取材映像 |
計画を立てて逆算するより、その場の判断と人の縁で動く傾向が強い点が、この推定の中心にある。
ESTPとも読める理由(対立仮説)
一方でESTPと読む見方も成り立つ。稼いだ金をすべて娯楽に使うのではなく、次にやりたいことへ投資して回していくという考え方を語っており、水の事業を引き継いだ経緯もその実践にあたる。将来的にクラブを経営し、ビルを持ちたいという展望も具体的である。
判断が割れるのは、感情や縁で決める場面と、損得を計算して動く場面がどちらも高い頻度で現れるためである。当編集部はESFPを主として置くが、断定はしない。
地元と家族への向き合い方
高山で始めた水の事業は、初めてのレコーディングに連れて行ってくれた先輩から引き継いだものである。事業がうまくいかなくなった際に、自ら引き取って継続を申し出ている。母親に車を贈っていることもインタビューで触れられている。
活動の起点にいた人や身近な相手との関係が、そのまま現在の判断に反映されている点が、この人物の一貫した特徴といえる。
CHAPTER 10 / SECTION 10交友関係|DJ RYOWを軸にした東海の輪
¥ellow Bucksの人間関係は、年代を問わず広い。その中心にいるのがDJ RYOWである。
DJ RYOWを通じた繋がりが特に多く、なかでもDJ BOWとDJ FOOTARZとは親交が深い。地元を盛り上げることをコンセプトにしたイベントの開催や、Mixの制作などを一緒に行っている。
東海地方に限らず、定期的にニューヨークへ渡ることで人脈を広げてきた。2026年のアルバムでFabolousとYGの客演が実現した背景には、こうした行動の積み重ねがある。
近年は自身が上の立場として若手と関わる機会も増えた。2026年のコンピレーションでは、名古屋の若手にビートを振り分け、テーマを決め、レコーディングにも立ち会っている。
CHAPTER 11 / SECTION 11¥ellow Bucksについてよくある質問
検索でよく見られる疑問に、公表されている範囲で答える。未公表の事項は、そのまま未公表と書いている。
CHAPTER 12 / SECTION 12まとめ|地元を動かないまま、届く範囲を広げた
¥ellow Bucksは、拠点を動かさずに活動の範囲だけを広げてきたラッパーである。その形は、キャリアの初期から一貫している。
高校生のときにフライヤーを作ってチケットを売っていた街の記憶が、2026年に若手15組を集めたコンピレーションの主宰につながっている。作り手であると同時に場を作る側でもあるという立ち位置は、高山で身につけたものだった。
2度の逮捕は、活動を止めただけでなく、会場を借りられないという形で今も制約を残している。本人はそれを損失として語り、逮捕がなければ良い音楽を作れないという考え方自体を否定している。
そして2026年、本名を冠したアルバムでUSのラッパーを迎え、キャリア14年目にして初めて東京でワンマンを立てた。祖母の声で終わるアルバムのタイトルが本名だったことは、この人物の活動の性格をよく表している。
本記事は確認日:2026年9月2日時点で確認できる公表情報に基づいています。出典はWikipedia、音楽ナタリー、ORICON NEWS、KAI-YOU、J-CAST、朝日新聞、Billboard JAPAN、Apple Music、Spincoaster、および本人出演インタビューです。
この記事の要点
- 本名は坂口和、1996年8月6日生まれ、岐阜県高山市出身で身長175cm
- 2019年にラップスタア誕生シーズン3で優勝、賞金300万円はファイナリストとの楽曲制作に使用
- 2021年11月の逮捕は同年12月28日に不起訴処分、2023年2月の逮捕は処分が公表されていない
- 2026年1月21日に4thアルバム『Wataru』を配信、FabolousとYGが参加
- 2026年4月10日にTOYOTA ARENA TOKYOでキャリア初の東京ワンマンを開催
- MBTIはESFPと推定、ただし本人の公表はなくESTPとも読める
— Djtube 編集部 / 2026.09

