MaRIプロフィール
MaRI(マリ)は、1998年10月29日生まれ、ブラジルのサント・アナスタシオ出身、岐阜県美濃加茂市育ちのラッパー。日本語とポルトガル語を交えた「BUM BUM」で知られ、¥ellow BucksやAK-69との共演、「Bad Bitch 美学」への参加で活動を広げてきた。子供を育てるシングルマザーでもあり、2025年の「Dear Mama」やEP「Trophy Bitch」では、亡き母親への思いや生活から生まれる感情も表現している。
2026年には、Zeebra主宰の女性ラッパー発掘プロジェクト「GOLDEN MIC」にProject Crewとして参加。クラブで磨いた強気なラップと、家族について率直に語る姿の両方がMaRIの人物像につながっている。
MaRIのプロフィール|年齢・本名・出身
MaRIは1998年10月29日生まれ。2026年10月19日時点では27歳だ。生まれたのはブラジルのサント・アナスタシオで、1歳半のときに日本へ移り、岐阜県美濃加茂市で育った。
日本・ブラジル・イタリアにルーツを持つクォーターとして紹介されている。母親に一人で育てられ、自身も母親になってからシングルマザーとして音楽を続けている。
本名・身長・血液型・学歴・兄弟姉妹は、公表情報を確認できていない。子供を育てていることと現在の婚姻状況は別であり、「シングルマザー」として語った過去の発言だけから、今の結婚・交際状況を決めつけることはできない。
| 項目 | 内容 | 補足 |
|---|---|---|
| ルーツ | 日本・ブラジル・イタリア | クォーターとして紹介されてきた |
| 使用言語 | 日本語・ポルトガル語 | 歌詞にも両言語を用いる |
| ラップ開始 | 2016年、17歳頃 | 初期のプロフィールでの紹介 |
| 代表曲 | 「BUM BUM」 | 2021年7月1日配信 |
| 主なEP | 「PENTHOUSE」「Trophy Bitch」 | 2023年と2025年の作品 |
| 2026年の活動 | 「GOLDEN MIC」Project Crew | 応募者とは異なる立場で参加 |
「PENTHOUSE」には8ENTERTAINMENT、2025年の「Trophy Bitch」にはRHYMERICH / MaRI / BUZZ FACTORYという配信クレジットがある。初期にはEIGHT ENTERTAINMENT所属として紹介されていたが、作品の発売元・権利表記と現在の専属契約先は同じ情報ではない。
MaRIの生い立ち|ブラジルから美濃加茂へ
ブラジルで生まれたMaRIは、1歳半で日本へ移り、美濃加茂で母親に育てられた。初期のプロフィールではブラジル国籍と紹介されている。国籍と、ブラジル・日本・イタリアという家族のルーツは区別して捉えたい。
ポルトガル語を交えるラップのルーツ
MaRIのフロウにある独特の跳ね方は、日本語だけで完結しない。歌詞の途中でポルトガル語へ切り替わり、意味だけでなく発音のリズムも変化する。ブラジルにルーツを持つ本人にとって、二つの言葉はラップの道具になっている。
生まれはブラジルだが、育ったのは岐阜。幼いころから流暢にポルトガル語を話していたわけではなく、母親に教わりながら身につけたというエピソードも伝えられている。ルーツを持つことと、その言葉を使いこなすことは別だ。MaRIは両方を楽曲の中で結びつけている。
女性ラッパーを指す言葉。日本語ラップでは女性アーティストを特に区別して紹介するときに用いられる。
その特徴が端的に分かるのが「BUM BUM」だ。日本語の挑発的なフレーズにポルトガル語を挟み込み、クラブのフロアで踊れる曲に仕立てている。
17歳頃からラップを始め、2020年には「LIL DICK」「Ima Bad Bitch」を発表した。美濃加茂は、プロフィールに書く地名であるだけでなく、友達と過ごした時間やクラブでの出会いが重なる場所でもある。
2025年の「ONE PARK RIVERFES」出演に際しては、生まれ育った地元・美濃加茂で初めてライブを行う喜びを本人が主催者に寄せている。会場は市内のリバーポートパーク美濃加茂。全国での活動を経て、育った街へ歌を届ける機会になった。
MaRIの家族|子育てと両親への思い
シングルマザーとしてラップを続ける理由
MaRIは子供を育てながら活動している。出産後には、ラッパーとしての夢を諦めなければいけないのではないかと悩み、産後の精神的な落ち込みについても過去に語っている。
シングルマザーでも夢は叶えられると、シングルマザーの子たちに見せたい。
MaRI過去の発言・初出資料未特定母親であることも音楽も、自分の人生として続けるという選択だ。同じ境遇の人へ自分の姿を示したいという思いが、ラップを続ける理由になっている。
2025年の「Trophy Bitch」発売時には、リリックが浮かばない日は無理に書き続けず、子供と公園へ出かけたり、クラブへ行ったりすると話している。暮らしを止めて制作だけに向かうのではなく、日常で気持ちを切り替えながら曲に戻ってくる。
MaRIの曲では、男に媚びない強さと、母親として抱える気持ちが同時に出てくる。「子供がいるのに過激なラップをする」という見方より、生活で経験したことをラップへ持ち込む人として聴いたほうが、近年の作品までつながる。
父親との短い記憶と感謝
MaRIは母親に育てられ、父親と過ごした記憶はほとんどないという。本人が以前語ったエピソードでは、幼いころに父親が会いに来たのは2回ほどで、それ以降は会わなかったとされる。
父親は2016年に亡くなったと本人の来歴で伝えられている。MaRIは父親への思いをこう語っていた。
お父さんが居なければ今の自分はこの世にいない。感謝している。
MaRI過去の発言・初出資料未特定会えなかった時間を、そのまま不仲の証拠にはできない。記憶の少なさと、父親がいたから自分が生まれたという感謝は、MaRIの中で両立している。
母親との約束と、楽曲に託す思い
MaRIを女手一つで育てた母親は、2020年8月20日に亡くなったとされる。1998年10月29日生まれのMaRIは、このとき21歳だった。
本人が語った別れの場面では、母親は家族全員に見守られ、MaRIの手を握って息を引き取ったという。母に大きなステージで歌う姿を見せることは叶わなかった。
未だに信じられないし、ママに会いたい。夢を諦めないとママと約束したから、絶対に約束は守ると決めた。
MaRI過去の発言・初出資料未特定会いたい気持ちを抱えたまま、交わした約束を音楽へつなぐ。この言葉には、悲しみが消えてからではなく、悲しみとともに活動を続ける決意が表れている。
両親に向けて曲を書くたびに泣いてしまうとも語っている。家族のことを一曲ですべて表すのは難しくても、少しずつ作品へ残していく。その歩みの中に「Dear Mama」や「Alright」がある。
「Dear Mama」|AK-69と母親へ届けた歌
「Dear Mama feat. MaRI, Daiki Blunt」は、AK-69の作品にMaRIとDaiki Bluntが客演した曲。「My G’s -Deluxe Edition-」に収録されている。MaRIのソロ曲ではなく、母親への思いを共演者と持ち寄った一曲だ。
AK-69の「Dear Mama」のMVには、MaRIとDaiki Bluntが参加している。MaRIは2025年10月のインタビューで、AK-69と横浜アリーナで披露した経験を振り返り、岐阜の近所のアピタで友達と過ごしていたころの自分から、大きなステージに立つまでの距離を語った。
大きな会場で母親へ歌を届けるという経験は、家族との約束と音楽活動が重なる場面だ。初期の挑発的な曲だけでは見えにくかった、誰に向けて歌うのかというMaRIのもう一つの軸が、この共演には表れている。
MaRIの人物像|恋愛観・服装・タトゥー
MaRIの恋愛観|自由と距離の取り方
男に遠慮せず言い返すMaRIのキャラクターは、恋愛についての発言にも表れている。過去に紹介された考え方は、束縛されることを嫌い、自分も相手も自由でいたいというものだった。
- 束縛は人生の無駄だと考える
- 嫉妬はしない
- 別れた相手と友達に戻ることはある
- 「ありがとう」「ごめんなさい」が言えない人は苦手
- 男女の友情は成り立つと考える
1回別れたのに復縁するのは無理。けど、復縁を迫ってきたら上手く使うかも。
MaRI過去の発言・初出資料未特定復縁をしないという考えと、友達には戻れるという考えは別だ。浮気などひどい別れ方でなければ、友人として接する余地はあるという。相手に求められても自分の判断で距離を決めるという、率直な恋愛観が見える。
束縛を避けながら、お互いの自由を尊重したいという考えが通っている。ただし、これは過去に語られた恋愛観であり、特定の相手や現在の交際状況を示す情報ではない。
ガーリーなストリート服とハイブランドの小物
服装はガーリーなアイテムとストリートウェアを合わせるスタイル。愛用ブランドとしてCOMP®︎EX、W NYC、Supreme、NIKEが挙げられてきた。東海のストリートブランドを軸に、バッグなどの小物にはハイブランドも合わせる。
私服では黒を選ぶことが多い一方、赤が似合う女性への憧れも口にしている。地元のストリートブランド「World wide Famous」では、代名詞の「BAD BITCH」をプリントしたコラボパーカーを発表したこともある。
体形を維持するため、家事や育児の合間に、昼はジム、夜は筋トレに取り組む日々を語っていた。ほぼ毎日続けるという当時の習慣は、衣装やビジュアルを自分で作り上げる姿勢とつながっている。
MaRIのタトゥー|家族と仕事を刻んだ図柄
首の「BAD BITCH」だけでなく、腕の図柄にもMaRIが話してきた意味がある。子供の誕生や音楽で稼ぐ決意など、身近な出来事と目標を、ファッションの一部として身につけている。
| 部位 | 図柄 | 本人が語った意味 |
|---|---|---|
| 首 | BAD BITCH | アーティストとしての代名詞 |
| 左腕 | 薔薇と時計 | 子供が生まれた時間 |
| 左腕 | マイクとお金 | Mの頭文字と、マイクで稼ぐという決意 |
| 左腕 | 女性の顔 | 詳しい意味の公表情報は確認できず |
本人は、Harley tattooの彫師を次のように紹介していた。
彫ってもらっている彫師さんは外国人で洋彫りだらけでイケメンです。地元で一番上手くて、中々予約が取れない。
MaRI過去の発言・初出資料未特定「地元で一番」はMaRI自身の評価であり、現在の予約状況まで示す言葉ではない。タトゥーを入れる際は母親に許可を取っていたという。現在も同じスタジオに通っているかは分からない。
MaRIのMBTI|ESTPという見解と限界
MaRIは自分の言葉で意思を示し、曲とライブでそれを形にしてきた。恋愛について率直に語る一方、音楽制作ではJAZEE MINORと何度も会話しながらアイデアを出し合うなど、周囲とのやり取りも大事にしている。
MBTIはESTP(推定)|本人の公表ではない
編集部がESTP(推定)と考えるのは、本人の発言に、状況を見て行動を変える柔軟さや、思ったことを率直に言葉にする場面があるためだ。
| 公開された言動 | 編集部の読み取り | 根拠 |
|---|---|---|
| 曲が書けないときは子供と遊び、別の日に制作する | 状況に合わせて行動を切り替える | 2025年の本人インタビュー |
| JAZEE MINORと会話を重ねて曲のテーマを決める | 対話しながら具体化する | 2025年の本人インタビュー |
| 大胆な言葉とビジュアルを一貫して打ち出す | 自分の意思を外へ表現する | 公表作品と本人インタビュー |
| クラブツアーや客演を重ねてきた | 活動を実践に移している | 主催者・配信資料 |
ただし、ステージ上のキャラクターや作品の表現が、そのまま普段の性格を表すわけではない。四つのアルファベットを実際の性格として断定することはできない。
ESFPとも読める理由
もう一つの見方がESFPだ。母への思いを曲にするまでに時間がかかったと話す姿や、「Dear Mama」「Alright」で自分の感情を素直に伝えようとする面は、個人的な価値観を重視する人とも読める。
生活の中で動きながら考える姿にはESTPらしさ、家族への思いや個人的な価値観を表現する姿にはESFPらしさを読むことができる。ただし、制作上の判断や舞台上のキャラクターだけでは、二つの型を判別する材料は足りない。ESTPは人物像を整理する仮説であって、確定した性格ではない。
MaRIの活動歴|EP・ツアー・GOLDEN MIC
「BUM BUM」で知られるようになったMaRIは、客演だけでなく、自分名義のEPやクラブツアーにも活動を広げた。2025年には「Dear Mama」と「Trophy Bitch」で、初期の挑発的なラップとは違う一面を見せている。
「PENTHOUSE」と「Bad Bitch 美学」で広がった共演
2023年4月22日発売の1st EP「PENTHOUSE」には、eydenを迎えた「Pussy Wet」、YENTOWNのMonyHorseとの「吸って」など全5曲が収録されている。挑発的で覚えやすい言葉を貫きながら、客演アーティストの個性も取り込んだ作品だ。
2022〜2023年にはAK-69、¥ellow Bucks、DJ RYOWらとの共演を重ね、配信プロフィールでも客演の多さが紹介され、「フューチャリングクイーン」と呼ばれてきた。2023年5月にはAwich、NENE、LANAと「Bad Bitch 美学」で共演。翌年は「チーム友達(東海 Remix)」に参加し、MIYACHIとAKLOを迎えた「不良外国人」を発表した。
ALIの「BEYOND feat. MaRI」では、テレビアニメ「ザ・ファブル」第2クールのエンディングテーマにも参加。クラブで聴かれる自作曲に加えて、共同作品やアニメ主題歌にも声を届けている。

「Trophy Bitch」|二つ目のEPで広がった感情
2025年10月15日発売の「Trophy Bitch」は全5曲。LANAが「Not Your Mama」、IIInanaが「Alright」に参加した。強気なラップだけでなく、アフロビートやR&Bの感触を取り入れたEPだ。
| 曲順 | 曲名 | 参加アーティスト |
|---|---|---|
| 1 | お察し | MaRI |
| 2 | MAGURO | MaRI |
| 3 | Safada (skit) | MaRI |
| 4 | Not Your Mama | MaRI feat. LANA |
| 5 | Alright | MaRI feat. IIInana |
特に「Not Your Mama」は、MaRI自身がLANAの歌声を乗せたいと思った曲だと話している。「Alright」では家族や過去に触れ、自分の弱さも楽曲へ出せるようになったという。初期の曲で振りかざしてきた「BAD BITCH」は、このEPでは強がるための言葉だけではなくなっている。
「Trophy Bitch」の配信リンクから各サービスの作品ページへ進める。

全国ツアーと地元・美濃加茂への帰還
2024年8月からは、全国20都市を超えるクラブツアーを回った。続く「MaRI CLUB TOUR 2025-2026」は、2025年11月から2026年3月にかけて全国13公演として告知。大阪、札幌、浜松、福岡、東京、仙台、沖縄などが会場に並び、北海道から沖縄までを結ぶ日程が組まれた。
2025年10月の「ONE PARK RIVERFES」は、子供時代を過ごした美濃加茂での初ライブとなった。全国を回った先で地元のステージに立つことは、音楽活動と育った土地が再び重なる節目でもある。
2026年は「GOLDEN MIC」のProject Crewに
2026年、Zeebra主宰の女性ラッパー発掘プロジェクト「GOLDEN MIC」に、MaRIとCharluらがProject Crewとして参加した。日本テレビでの放送やHuluなどでの配信が展開されている企画だ。
MaRIはオーディションの応募者ではなく、すでに活動するアーティストとして関わっている。クラブでのライブや多様な客演を経た経験が、次の才能を見つけるプロジェクトへ接続した。
MaRIとつながりのあるラッパー
MaRIの周囲には、同じ岐阜・東海圏のラッパーと、全国の女性ラッパーがいる。作品のクレジットで関係が確かめられる相手と、昔から交流してきたと本人が話している相手は分けて見ると分かりやすい。
- ¥ellow Bucks|「Shut Up feat. MaRI」で共演
- DJ RYOW|「Shut Up」のプロデュースや東海シーンでの接点
- AK-69|「Dear Mama」で共演
- Awich・NENE・LANA|「Bad Bitch 美学」で共演
- Henny K|活動前から交流があったと語る女性ラッパー
- Playsson・君島かれん・麻凛亜女|過去に交流相手として名前が挙がったアーティスト
ほかのアーティストの楽曲にゲストとして参加すること。共演のクレジットと、私生活での親しさは別に捉えたい。
AK-69と会ったとき、MaRIは次のように語っていた。
AK-69さんに会うことができた。貴重な時間で、また目標ができた。
MaRI過去の発言・初出資料未特定その後、「Dear Mama」の制作と横浜アリーナでの披露につながっている。出会いの段階で抱いた目標と、後年に実現した共演は、時間を隔ててつながっている。
Playsson、君島かれん、麻凛亜女も、以前から交流相手として名前が挙がってきた。女性として初めて「ラップスタア誕生」のファイナルに進んだ麻凛亜女については、一緒に曲を作りたいとSNSで発信したこともある。

Henny K|ラッパーになる前にクラブで出会った仲
Henny Kは、MaRIがラップ活動を本格的に始める前から知る盟友。二人の接点は仕事としての客演より前、クラブでの出会いにある。
初めてクラブで会ったときの印象を、MaRIは短い言葉で振り返っていた。
「こいつはヤバい」と思った。
MaRI過去の発言より抜粋・初出資料未特定当時SNSを交換し、数か月後の近い時期に二人ともラッパーとして活動を始めた。仕事のために知り合ったのではなく、活動前の出会いが後の交流につながっている。
MaRIはHenny Kの大胆なキャラクターとラップスキルを尊敬してきた。親しい仲間でありながら、互いを刺激するライバルでもある。これはMaRIが語った当時の出会いの話で、現在の私生活についての推測ではない。
「Shut Up」|¥ellow Bucksと岐阜からつながった共演
「Shut Up feat. MaRI」は、¥ellow Bucksの2022年7月7日発売のアルバム「Ride 4 Life」に収録された共演曲。プロデュースはDJ RYOWとSPACE DUST CLUBが担当している。MaRIにとっては、同じ岐阜県にゆかりのある先輩との接点を作品にした一曲だ。
¥ellow Bucksは「ラップスタア誕生」シーズン3の優勝者で、「ヤングトウカイテイオー」の異名でも知られる。「Shut Up」での初共演以降、ライブで同じステージに立ち、SNSでもやり取りする関係が続いてきた。楽曲はMaRI単独の作品ではなく、¥ellow Bucksのアルバムの流れの中に位置づけられる。


MaRIのラップスタイルと制作姿勢
MaRIの初期の武器は、クラブで踊れるビートと、相手を挑発するストレートな言葉だ。性的な表現や「BAD BITCH」を隠さず、女性が欲しいものを自分で取りにいく姿勢をリリックにしてきた。
初期のMaRIの曲では、踊れるトラック、日本語とポルトガル語の切り替え、挑発的な言葉とMVのビジュアルが一体になっていた。
クラブでかかったときにフロアを盛り上げる楽曲。強いビートや反復するフックが特徴になる。
一曲の中で繰り返される、耳に残る中心のフレーズ。
日本語とポルトガル語の切り替え、同じ言葉を反復するフック、視覚的にも挑発的なMV。この三つが初期のMaRIをつかむ入口になる。ただし、現在の作風を「セクシーなクラブチューン」だけで説明するのは難しい。
2025年の「Trophy Bitch」では、JAZEE MINORと日常の話をしながら曲のテーマを決めた。「Not Your Mama」でアフロビートに挑み、「Alright」では弱さや家族への思いを歌うなど、クラブバンガーを軸にしてきた作風の幅を広げている。
男に支配されない強い女性
これは「Trophy Bitch」のジャケットについて語った言葉だ。男性を惹きつけることと、男性に自分の価値を決めさせないことは矛盾しない。MaRIが選ぶ大胆な衣装や語彙には、その両方を自分で決める姿勢がある。
MaRIの代表曲と近年の楽曲
最初の3曲は、初期のMaRIを知るための入口。「LIL DICK」の拒絶、「BUM BUM」の身体性、「Ima Bad Bitch」の自己紹介から入り、「Not Your Mama」「Alright」へ進むと、強気なキャラクターの中で表せる感情が増えてきたことが見えてくる。
| 楽曲 | リリース | 聴きどころ |
|---|---|---|
| LIL DICK | 2020年3月20日 | 男性に向けた挑発的なリリック |
| BUM BUM | 2021年 | ポルトガル語を織り交ぜたクラブチューン |
| Ima Bad Bitch | 2020年 | 自分の姿勢を示す「BAD BITCH」の宣言 |
「LIL DICK」|相手との関係に線を引く
2020年3月20日配信の「LIL DICK」は、男性や過去の関係への苛立ちを露骨な言葉に変えた初期曲。タイトルからして遠慮がなく、相手に選ばれるのを待つより、自分が関係を終える側の視点がはっきりしている。
ここでの短い命令形は、相手を説得するのではなく、もう関わらないでほしいと境界を示す言葉だ。続くくだりでも、性的な関係すら終わった相手からの電話を拒み、すでに別の関係へ進んだ語り手が描かれる。特定の元恋人の実話と決めつけず、曲の中で主導権を握る語り方として読むことができる。
「BUM BUM」|二つの言葉で身体を動かす
2021年7月1日に配信された「BUM BUM」は、MaRIの代表曲だ。タイトルはポルトガル語圏でも使われるお尻を表す言葉と結びついており、曲もその身体的なイメージを前面に押し出す。トラックの上で日本語とポルトガル語が切り替わる構成は、ほかの日本語ラップと違うフックになった。
トラップのフロウを押し出しながら、お尻の動きへ焦点を合わせたクラブアンセム。MVではダンサーの存在も曲の身体的なイメージを強めている。
配信クレジットでは、作詞・作曲ともにMaRIの名前が記されている。
「上から下」という方向をそのまま言葉にすることで、聴き手に動きを伝える。ポルトガル語のくだりも、尻を上下に動かしたり振ったりするイメージへ続き、反復する「Bum」がフックになる。視線を向ける相手を挑発する言葉も交え、言語を切り替えながらフロアに働きかける構成だ。
「Ima Bad Bitch」|自分で名乗るキャラクター
2020年7月31日配信の「Ima Bad Bitch」は、タイトルどおりMaRIが自分をどう見せたいかを示した曲。攻撃的な単語を繰り返すフックが中心で、映像にも金や銃を思わせるHIPHOP的なモチーフが登場する。こうした小道具はMVの演出であり、本人の実生活を示すものではない。
トラップやドリルのスタイルを取り入れ、金、銃、挑発的な女性像というMVのモチーフを自己紹介のラップに重ねた曲でもある。
まず自分が何者かを名乗る短句を置き、同じ言葉を繰り返すことでキャラクターを定着させる。仲間の豊かさを示す表現や、相手を嫌い、話を聞きたくないという拒絶も、その強気な自己紹介の一部だ。「BAD BITCH」を他人からの評価ではなく、自ら引き受ける呼び名へ変えている。
「Not Your Mama」|LANAと歌う、自分の価値
「Not Your Mama」はLANAを迎えた曲で、2025年9月17日に先行配信され、10月15日のEP「Trophy Bitch」に収録された。制作時にMaRIがLANAの歌声を乗せたいと考えた曲で、Larrymadeが音楽を、JAZEE MINORがエグゼクティブ・プロデュースを担当している。
この言葉は、男性の社会的な価値を飾るために選ばれる女性を指す。MaRIはインタビューで、自分のバースでその立場を拒む表現を取り上げ、EPタイトルと結びつけている。「BAD BITCH」という呼び名を、誰かの所有物にならず自分の価値を決める側へと押し広げた曲として読める。
「Alright」|弱さも歌にできるようになったMaRI
「Alright」は、IIInanaを迎えた「Trophy Bitch」のラスト曲。JAZEE MINORの紹介をきっかけに客演が決まり、MaRIは、その包み込むような歌声が曲に合うと考えたと話している。
本人が語った狙いは、一人でいるときのつらさに寄り添い、まだ頑張れると思える曲にすることだった。男性を挑発する初期曲と違い、ここでは家族や自分の弱さを受け止める方向へ向かう。母親への思いを少しずつ歌にしていくという話ともつながる、EPのもう一つの結論だ。
MaRIについてよくある質問
MaRIのまとめ|クラブの外にも届く言葉
MaRIは、ブラジルで生まれ岐阜県美濃加茂市で育ったラッパーだ。日本語とポルトガル語を混ぜた「BUM BUM」でクラブを沸かせ、東海のラッパーとの共演からAwichやLANA、AK-69らとの作品へと進んできた。
「BAD BITCH」は首に刻んだ文字でもあり、男に遠慮しないMaRIの表現を象徴する言葉だ。だが、2025年の「Dear Mama」と「Trophy Bitch」までたどると、シングルマザーとしての生活や母親への思いも、同じラッパーから出てきたものだと分かる。
2026年には「GOLDEN MIC」のプロジェクトメンバーにもなった。初めてMaRIを知ったなら、まずは「BUM BUM」を聴き、そのあと「Dear Mama」、そして「Alright」へ進んでみてほしい。曲が違えば、そこにいるMaRIの表情も違う。
この記事の要点
- 1998年10月29日生まれ、ブラジル生まれ・岐阜県美濃加茂市育ち
- 日本語とポルトガル語を交えたリリックが特徴
- シングルマザーとして活動し、母への思いを「Dear Mama」などで表現
- 2023年に「PENTHOUSE」、2025年に「Trophy Bitch」をリリース
- 2026年には女性ラッパー発掘企画「GOLDEN MIC」に関わる
クラブを踊らせる言葉も、亡き母へ届ける言葉も。
Djtube 編集部
