梵頭プロフィール
梵頭(ぼんず)は、1985年生まれ、岐阜県岐阜市出身のラッパー。柳ヶ瀬を拠点とするHIKIGANE SOUNDの代表であり、MCバトル「口喧嘩祭」の主催者でもある。別名義は鷲、旧名義はBIG BONZ。UMB本戦への出場やKING OF KINGSベスト4の戦績に加え、仲間との作品制作、梵チャンネル、スパイス「山賊薬味」の企画まで活動を広げてきた。
CHAPTER 01梵頭のプロフィール|読み方・年齢・出身
梵頭(ぼんず)は1985年生まれ、岐阜県岐阜市出身のラッパーである。岐阜・柳ヶ瀬エリア発祥のクルーHIKIGANE SOUNDの代表を務め、別名義として「鷲」でも活動している。
別名義は鷲、旧名義はBIG BONZで、2011年頃まで使っていた。母親と妹がいる2人兄妹の長男。HIKIGANE SOUNDでは代表を務め、MCバトル「口喧嘩祭」を主催している。クルーの活動はHIKIGANE SOUND公式サイトでも案内されている。
本名・身長・血液型について、本人の公表情報は確認できていない。学歴では岐阜市立長森南小学校と岐阜市立伊奈波中学校が挙げられるが、高校・大学以降の経歴は確認できていない。結婚については、過去の取材で結婚するつもりはないと語っていた。その発言だけで現在も未婚とは断定できない。
名前の由来|バリーボンズと呂布カルマ
野球好きだったことから、20歳頃に友人からバリーボンズに似ていると言われたのがきっかけで「BIG BONZ」として活動を始めた。漢字表記になったのは、呂布カルマのイベントに出演した際、タイムテーブルに「梵頭」と書かれていたためである。その日を境にこの表記で活動するようになった。

CHAPTER 02梵頭の生い立ち|転校、仕事、音楽との出会い
梵頭は岐阜県岐阜市で育ち、中学に上がる頃に受けたいじめをきっかけに転校している。2人兄妹の長男。転校の際に父方と母方どちらの名字を名乗るかを自分で選ぶよう言われ、迷わず母親の名字を選んだと本人はインタビューで語っている。
いじめの理由について本人は、家庭環境も多少あったもののそれだけではなく、当時の自分が目立ちたがり屋で人から嫌われるところがあったことも原因だったと振り返っている。転校を機に、少しずつ不良の道へ入っていった。
暴走族と少年施設|16歳から19歳頃まで
16歳頃から暴走族に入り、少年施設への入所も経験したと本人は語っている。先輩から代を受け継ぎ、2代目として率いた時期もあった。その後、共同危険行為への取り締まりが厳しくなったことを機に、19歳頃、仲間とともに警察署で脱退の手続きをして引退したという。
引退後は足場の仕事に就き、10代後半から稼ぎを得て独立。6人ほどの若手を使って仕事をしていた時期もあったと語る。一方で喧嘩や揉め事は続き、車で人をはねてしまう事件を起こしたことも本人は明かしている。若い頃に複数回、少年施設に入った背景には、こうしたトラブルがある。
22歳での音楽開始|変われなかった20代
音楽を始めたのは22歳頃だと本人は語っている。そこから1年半のフリースタイル武者修行を経て、2009年にHIKIGANE SOUNDを結成した。ただし本人が20代には何度も逮捕されたと振り返るとおり、音楽を始めてすぐに生活が変わったわけではない。その後の転機には、服役中の経験と、出所を待っていた仲間の存在があった。
この少年期と20代は、後年のリリックに繰り返し出てくる主題になっている。2018年のアルバム「2007」収録の「昼ドラ 〜ノンフィクション〜」は、生い立ちを正面から扱った曲である。
梵頭の父親と家庭|本人が語ったこと
梵頭は本人出演のインタビューで、父親が暴力団関係者であり、物心ついた頃には殺人事件で服役していたと語っている。父親の氏名や所属団体を挙げるものではなく、事件の詳細についても本人が「周りから聞いた話」と繰り返し断っている。父親の事件についての説明は、梵頭自身の記憶と周囲から聞いた話を分けて読む必要がある。
本人の語りによれば、母親がヤクザだった父親と駆け落ちし、父親が23歳、母親が19歳くらいのときの子どもとして生まれた。物心がついた頃には、父親はすでに殺人事件で服役していたという。事件には金が絡み、大阪方面の人物からの依頼だったという話も周囲から聞いたという。ただし、直接確かめた話ではないと明確に区別している。
当時の岐阜については、複数の組が入り混じり、抗争や事務所への発砲も身近にある土地柄だったと振り返っている。そうした環境で育ちながら、本人は暴力団の世界には入らないと決めたと語る。父親と同じだと周囲から笑われたら母親がかわいそうだから、というのがその理由である。
父親の生き方は、自分にとって反面教師だったと梵頭は振り返っている。
一度、母親と一緒に父親のもとを訪ねた際のエピソードも語っている。父親を「お父さん」と呼べずに普通に話していたところ、口の利き方が悪いとして、その場にいた人間に殴られたという。母親の前で殴られたこの経験でその世界への拒否感がいっそう強まったと本人は振り返る。取材時には、父親とはほとんど会っていないと話していた。
一方で本人は、ヤクザだからといって全員を嫌っているわけではなく、昔からのつながりや友人関係まで否定はしていないとも語っている。否定しているのは「父親として」の姿であり、家にお金を入れず、母親に苦労をかけ続けた点である。
梵頭の刑務所生活と再出発
梵頭は二度目の服役は人生が変わるほど大きな経験だったと振り返っている。長期受刑者との共同生活に加え、出所後に喜んでくれた友人たちが、音楽に本気で取り組む契機になったという。
| 項目 | 本人が語った内容 |
|---|---|
| 一度目の服役 | 入所時の世話係がたまたま岐阜の同級生で、所内でラップを指導、先に出所した後は手紙に線を引いての韻の指導 |
| 二度目の服役 | 懲罰などを経て岐阜刑務所の中でも厳しい区画へ、残り半年ほどの刑期で長期受刑者・無期懲役囚と生活 |
| 一番きつかったこと | 人間関係、言葉一つや布団の畳み方にまで気を使う逃げ場のない環境 |
| 救いだったもの | 音楽、ラップ好きの刑務官との会話やフリースタイルの機会 |
| 出所前 | 受刑者仲間によるグラウンドの真ん中での内緒の送別会と、1人が歌ってくれた歌 |
| 転機になった言葉 | 出所後、音楽仲間から音楽で人生を変えるよう勧められた |
二度目の服役について、梵頭は逃げ場のない共同生活の厳しさを語っている。40年以上服役している受刑者と一緒に生活し、大麻で服役している自分と、周囲の長期受刑者との間には感覚の違いがあると強く感じたという。本人はこの経験を非常に大きな社会勉強と捉え、出所後に人としての価値観が変わったと語っている。
出所後の再出発|柳ヶ瀬のバーと泣いてくれた友達
出所後は、世話になっていた人物から生活を立て直すための金を渡され、1年以内に岐阜・柳ヶ瀬でバーを始めたと語っている。そこへ昔の友達が遊びに来て、涙を流して喜んでくれた。金を払って一緒に酒を飲んでくれるその姿が、本人にとって決定的な出来事になった。
ここまで支えてくれる人がいるのなら自分が変わらなくてはいけない、と感じたという。
音楽で人生を変えるよう促した仲間の言葉にも背中を押され、この時期から音楽に本気で取り組むようになったと本人は語っている。
家族との関係|疎遠から修復までの経緯
度重なる逮捕で、家族とは一時期ほとんど疎遠になったと本人は語っている。その後、妹に子どもが生まれたことをきっかけに母親から会いに行くよう促され、妹のもとを訪ねたことで距離が縮まった。取材では、家族も音楽活動を応援してくれる関係になったと明かしている。結婚については、取材時点ではするつもりはないものの、幸せに暮らしていると語っていた。
CHAPTER 03梵頭の私生活|好きな食べ物・趣味・緊急入院
ラーメン、鰻、焼肉を好み、野球やサッカーの観戦も楽しむ梵頭。食への関心は、自ら監修するスパイスの企画にも表れている。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 好きな食べ物 | ラーメン/鰻/焼肉、鰻は体力回復のための定番 |
| 親しんだ店 | 岐阜の焼肉店「ちょん助食堂」 |
| 趣味 | スポーツ観戦、特に野球とサッカー、高校野球も対象 |
| 物販 | 自ら監修したスパイス「山賊薬味」、姉妹品に海賊薬味 |
山賊薬味はイベント会場の物販でも扱われ、公式プロフィールでは年間3000個以上の販売実績が紹介されている。食の好みを話すだけでなく、自分の商品を作るところまで踏み込んだ活動だ。
2023年7月の緊急入院
2023年7月、梵頭が緊急入院していたことが明らかになった。腸の血管が裂け、一時は集中治療室で治療を受ける状況だった。血管が破裂していれば命に関わる状態だったとされる。その後は無事に退院し、活動を再開している。
CHAPTER 04梵頭の人物像とMBTI|ESTPという見解と限界
編集部は、梵頭の公開活動からESTPに近い傾向を読む。本人が公表したMBTIではなく、外から見える仕事上の行動に基づく推定である。
| 活動で見える具体例 | 編集部の読み方 |
|---|---|
| 対戦相手を直前の抽選で決める口喧嘩祭 | 現場でどう応じるかという即興性を重く見る |
| 出場者と主催者の両方の立場でMCバトルに関わる | 自分も場に入りながら運営を動かす |
| スパイスの監修、動画、ユニット活動を並行 | 音楽の周囲へ実践の場を広げる |
抽選で対戦が決まる場を作り、自身も出場する行動を、編集部はESTPらしい実践性と即応性の仮説につなげている。ただし、これらは職業上の選択であり、本人の内面や私生活全体を示すものではない。
ESTPは本人の診断結果ではなく、主催・即興・物販という活動からの推定。犯罪歴、病気、試合中のトラブルの原因説明には使わない。
ENTJとも読める主催者としての一面
大会を継続し、他団体と連携して全国へ広げてきた面を重く見れば、長期的に組織を動かすENTJという読み方もできる。即興性を重く見るか、継続的な運営を重く見るかで解釈は変わる。本人の回答や心理検査を確認した結果ではないため、タイプの確定には使えない。
CHAPTER 05梵頭の仲間と活動歴|HIKIGANE SOUND・東海喰種
HIKIGANE SOUNDは、梵頭が率いる岐阜市柳ヶ瀬エリア発祥のクルーである。2009年に結成され、音源制作だけでなくMCバトルやサイファーの主催も行っている。








ここに挙げたのは、HIKIGANE SOUNDのメンバーとして紹介されてきた人物。全員の現在の在籍状況を示す名簿ではない。裂固(現・泰斗)は「フリースタイルダンジョン」の2代目モンスターとして出演した。地方のクルーでありながら、全国区の実力者を複数抱えている点がこのクルーの特徴である。

東海喰種|1985年生まれの3人
東海喰種は、梵頭・BASE・CROWN-Dによるユニットである。全員が1985年生まれで、MCバトルでも活躍している。ライブ活動も積極的に行い、アンダーグラウンドな質感で知られる。
梵頭にはこのほか、人義との「人義と鷲」名義でのユニット活動もある。
梵頭と仲の良いラッパー
梵頭の仲間をたどると、地元のクルー、同い年のユニット、地域を越えた客演という三つのつながりが見えてくる。
| 名前 | 関係 | 備考 |
|---|---|---|
| HIKIGANE SOUNDのメンバー | 同じクルー | 人義、飛兎、泰斗(旧・裂固)ほか |
| BASE | 東海喰種のメンバー | 特に親しい間柄で、バトルでも何度も対戦 |
| CROWN-D | 東海喰種のメンバー | 1985年生まれの3人組 |
| MU-TON | コラボ相手 | 「TO THE NEXT」で共演 |
| 孫GONG | 交友 | バースデイバッシュにも出演 |
その関係がよく表れるのがBASEとの交流だ。なかでもBASEとは、食事をともにする間柄でありながらバトルでは決勝で当たるという、公私の両方でつながった関係が続いている。

梵頭の口喧嘩祭|主催するMCバトル
梵頭は、各地の実力者を招くMCバトル「口喧嘩祭」の主催者である。拠点である岐阜市柳ヶ瀬で始まり、現在は全国各地で開催されている。所属クルーの公式プロフィールでも、活動の筆頭に挙げられている。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 発祥 | 岐阜市柳ヶ瀬、現在は全国各地で開催 |
| 形式 | 対戦カードとトーナメント表を事前に決めず、くじ引きで直前に決定 |
| 特徴 | 事前の仕込みが難しい、即興性とフリースタイル力が問われる設計 |
| 位置づけ | 優勝者に「KING OF KINGS」出場権が与えられる大会も存在 |
| 他団体との連携 | 2024年の戦極MC BATTLEとのコラボ大会、KOK・THE罵倒との「祭 -MATSURI-」 |
| 2025年 | 十六周年記念「口喧嘩祭 Special 2025」の渋谷HARLEM開催 |
| 2026年5月5日 | 渋谷HARLEMで「MC BATTLE MATSURI – KOK vs 口喧嘩祭 vs THE 罵倒」を開催 |
口喧嘩祭では誰と当たるかを直前のくじで決める。相手を想定したネタを準備しにくく、その場で相手の言葉を聞いて返す力が問われる。梵頭自身も出場して優勝経験を持つ。
地方発のイベントが他団体とのコラボや全国開催にまで広がり、日本一を決める大会への出場権を持つに至った。「岐阜のラッパー」という括りでは収まらない影響力が、この主催業の側にある。
梵頭の戦績を追うだけでは、口喧嘩祭で他のラッパーが戦う場を作ってきた仕事は見えにくい。自身がマイクを握ることと、地元で大会を続けること。その両方を合わせて見ると、柳ヶ瀬を拠点にする意味が伝わる。
CHAPTER 06梵頭の現在|音楽での生活・バトル戦績・山賊薬味
梵頭の活動は、音源制作、MCバトルへの出場、口喧嘩祭の主催が柱になっている。2026年にはCHOUJI、PERSIAとの「KAMAS」と、HIKIGANESOUNDの「火種 (feat. CHOUJI)」が配信された。梵チャンネルや山賊薬味も、ラップ以外から梵頭を知る入口だ。
| 分野 | 内容 |
|---|---|
| MCバトル戦績 | UMB本戦出場(2018年岐阜代表・2019年愛知代表)、KING OF KINGS 2019年・2021年ベスト4 |
| 主催 | 口喧嘩祭(全国各地)、柳ヶ瀬フリースタイル、HIGH RHYMES |
| YouTube | 「梵チャンネル」を開設 |
| 物販 | 自ら監修したスパイス「山賊薬味」、紹介プロフィールでは年間3000個以上の販売実績 |
| 格闘技 | BreakingDown6に出場し、ファイト オブ ザ・ナイトを獲得 |
| 音源 | HIKIGANE SOUND、東海喰種、人義と鷲でも活動。2026年9月11日には「KAMAS」、9月19日にはHIKIGANESOUND「火種 feat. CHOUJI」を配信 |
バトルで名前を知った人が口喧嘩祭に足を運び、会場では音源や山賊薬味に触れる。梵頭は出場者としてだけでなく、イベントと物販を通して地元へ人を呼ぶ側にも立っている。
生活面について本人は、インタビューで音楽のギャラで暮らせるようになったと語り、再び捕まることのないよう生活しているとも明かしていた。暴力団関係者ではないか、違法な物を売っているのではないかと疑われることもあるとしたうえで、音楽で生活が変わったと述べている。
過去の取材で語った目標|地元に音楽を続ける基盤を
過去のインタビューでは、40歳くらいまでに自分の生活と、岐阜で音楽を続ける基盤を作りたいと語っていた。岐阜の夜の街が停滞するなかでイベントを続ける理由には街へ人を呼びたいという思いがあり、若い世代が音楽をやれる環境を地元に根付かせたいとしている。バンドと組んで音の強弱をその場でつけるライブ形式にも意欲を見せている。
CHAPTER 07梵頭のラップスタイル|大麻ネタと威圧感
梵頭のラップは、歯に衣着せぬ直接的な言葉と、渋い声・強面の外見から来る威圧感で成立している。そこに大麻ネタをユーモアとして織り込むのが持ち味である。配信各社に掲載されている公式のアーティストプロフィールも、この特徴を同じ言葉で説明している。
歯に衣着せぬストレートな歌詞と煙たいビートチョイスで愛好者達から評判を得る。
梵頭 アーティストプロフィール/TuneCore Japan
太い声だけで押すのではなく、言い回しのずらしや共演者との違いにも注目すると、音源とバトルの両方を楽しみやすい。
| 要素 | 内容 |
|---|---|
| 声 | 渋く太い、それ自体が圧になる声質 |
| 言葉 | 歯に衣着せぬストレートな表現 |
| ネタ | コンプライアンスに触れる題材のユーモアとしての処理 |
| バイブス | 技術の精度より熱量で押す場面の多さ |
| ビート | 煙たいトラックを好むビートチョイス |
圧と熱量は梵頭の分かりやすい持ち味だが、それだけがラップの評価軸ではない。一方で、ストリートでの体験を詩的に書く曲もあり、バトルでの印象だけでは掴みきれない幅がある。
この記事で使う用語|サイファー・オープンマイク・バース・バイブス
梵頭の活動を追うと、バトルとイベントの用語が繰り返し出てくる。先に4語を整理しておく。
サイファーとは、複数のラッパーが輪になって順番に即興でラップを回す形式である。梵頭が拠点とする柳ヶ瀬でも定期的に開かれており、地元のシーンを育てる場として機能してきた。
オープンマイクとは、飛び入りの参加者にマイクを開放するイベント形式である。HIKIGANE SOUNDは「柳ヶ瀬フリースタイル」など、この形式のイベントを主催してきた。
バースとは、ラップにおける歌詞のひとまとまりを指す単位である。MCバトルでは1バースごとに攻守が入れ替わり、相手の内容にどう返すかが勝敗を分ける。
サイファーやオープンマイクは、出演者が固定されたライブとは違い、新しくラップを始める人にも参加の余地がある。梵頭の主催活動は、そうした地元の接点を作る仕事でもある。
CHAPTER 08梵頭の楽曲|生い立ちを歌う曲から2026年の共演まで
梵頭の音源は、バトルでの印象より幅が広い。個人史を扱う曲、ユニット曲、客演、HIKIGANE SOUNDの新作を並べると、岐阜から続く活動の幅が見える。
東海喰種 / 「東海喰種」
東海喰種名義で2019年にリリースされたシングル。アンダーグラウンドな質感のトラックとリリックで、ユニットの立ち位置がそのまま出ている1曲である。
梵頭 / 「昼ドラ 〜ノンフィクション〜」
「昼ドラ 〜ノンフィクション〜」は2018年のアルバム「2007」に収録された、生い立ちを正面から歌う曲。バトルでのキャラクターとは別に、子供だった自分の立場から家族との距離を見つめる。上の動画は「2007」収録音源で、2025年12月26日には同名の単曲配信もある。
2025年配信版の掲載歌詞では、出発点を選べない子供の立場が次のように歌われる。
「選べない」という語が置くのは、自分の意思では変えられなかった出発点だ。編集部はこの短い一節を、強さを示すバトルの言葉とは違う、自分が置かれた環境を見つめ直す言葉として読む。生い立ちを語る本人の作品として読める一方、この短句だけで父親の事件や家族の行動の細部まで確定することはできない。
梵頭 / 「TO THE NEXT」
「TO THE NEXT」は2020年4月8日配信のMU-TONを迎えたシングル。2022年のアルバム「感゛謝゛」にも収録されている。梵頭の太い声とMU-TONの独特なフロウが噛み合っている。
CHOUJI、梵頭、PERSIA / 「KAMAS」
CHOUJI、梵頭、PERSIAによる2026年9月11日配信の共同曲。CHOUJIが作曲・プロデュース・録音からミックス、マスタリングまでを担い、梵頭はラップに加えてグラフィックデザインも手がけた。三人の役割が並ぶ制作クレジットから、単独作ではない仕事の組み方が見える。
「俺」から「俺ら」へ言葉が切り替わることで、個人の宣言は仲間と共有する名乗りへ広がる。三人が役割を分けて作った共同曲だからこそ、この短句は一人の人物像ではなく連帯の言葉として響く。
「火種 (feat. CHOUJI)」
HIKIGANESOUND feat. CHOUJI「火種 (feat. CHOUJI)」は、2026年9月19日配信の楽曲。BEAT奉行が作曲・プロデュースを担い、梵頭、MC SNOW、CHOUJI、人義が作詞、HIKIGANESOUNDとCHOUJIがラップとしてクレジットされている。梵頭の単独新曲ではなく、所属クルーの現在を伝える作品である。
「だけ」は成果へ届く条件を続けることに絞り、「花咲く」はその成果を成長の比喩に置き換える。逃げたくなる心から踏ん張る姿勢へ進む梵頭の節で、粘り強さを描く言葉になっている。
ソロ、クルー、客演でたどる作品
- ALBUM「2007」 / 梵頭
- SINGLE「東海喰種」 / 東海喰種
- SINGLE「TO THE NEXT (feat. MU-TON)」 / 梵頭
- ALBUM「感゛謝゛」 / 梵頭
- ALBUM「Life goes on」 / 梵頭
- SINGLE「昼ドラ〜ノンフィクション〜」 / 梵頭
2026年2月14日の「Rhyme Juice」はHIKIGANESOUNDの9曲入りアルバム。韻踏合組合、CUT MASTAA KATO、VAAK、句潤、Mac-T、DUSTY-I、ICE BAHNらが参加し、「柳ヶ瀬ブルース」で締めくくられる。個人名義の作品だけでなく、クルーで地元の言葉を残す活動も続いている。
客演では、3月11日発売のDOGMA「我が、超限戦」の「DEAD MOUSE」に参加。3月18日の「神奈備」は遊戯、玉露、句潤との共同曲で、梵頭は作詞とラップにクレジットされている。作品の配信レーベルはHammer Head Recordsで、HIKIGANESOUND名義の配信作品とは異なる。こうした客演・共同名義の作品と、9月の「KAMAS」「火種」を分けて追うと、2026年の動きがつかみやすい。
入門ガイド|どこから聴くかの判断表
音源・バトル・イベントのどこから入るかで、受ける印象が大きく変わる。入口ごとに整理したのが次の表である。
| 入口 | 形式 | 性格 | わかること | こんな人におすすめ |
|---|---|---|---|---|
| 昼ドラ 〜ノンフィクション〜 | 音源 | 自伝的 | いじめと転校を経た生い立ち | 人物の背景から入りたい人 |
| 東海喰種 | 音源 | ユニット | アンダーグラウンドな質感とクルーの空気 | 音の手触りから入りたい人 |
| TO THE NEXT | 音源 | コラボ | MU-TONとの掛け合い | 客演の相性から入りたい人 |
| BASE戦(戦極東海獏丸祭) | バトル映像 | 決勝戦 | 気心の知れた相手との楽しげな試合 | バトルから入りたい人 |
| 口喧嘩祭 | イベント | 主催 | 作る側としての梵頭 | シーンの動かし方に関心がある人 |
生い立ちに関心があるなら「昼ドラ」、仲間との関係を知りたいなら東海喰種やBASE戦が入口になる。威圧感の強いバトルの印象だけで判断すると、自伝的な曲や主催者としての側面を取りこぼす。
作品やバトルには薬物を題材にした表現もあるため、その題材を避けたい人には注意が必要だ。細かな押韻の密度より声の圧や熱量にまず目が向く人もいるだろう。言葉の内容から聴きたいなら、生い立ちを歌う「昼ドラ」が入口になる。ただ、薬物の題材だけで人物像を括ると、家族史を扱う「昼ドラ」や、仲間との共演、地元の大会を続ける主催者としての側面が見えにくくなる。
CHAPTER 09梵頭のベストバウト|がーどまん・Novel Core・BASE
梵頭のバトルは、年上としての圧や大麻を題材にした言葉遊びが目立つ。がーどまん、Novel Core、BASEとの対戦に加え、ミステリオ戦でのマイク投げとその後の謝罪も分けて見ておきたい。
梵頭 vs がーどまん & S-kainê|戦極BATTLE TOWERⅡ
戦極MCBATTLEの「戦極BATTLE TOWERⅡ 2nd STAGE #15」は、梵頭にがーどまんとS-kainêが向き合う映像。梵頭が先攻で、年上の余裕を見せながら得意の題材を絡めて攻める展開になった。
「お年玉」は年上から年下へ渡すもの。梵頭は年齢差を金銭の比喩に置き換え、相手を子供扱いする形で主導権を取りにいく。大麻を題材にした言葉遊びとともに、余裕を見せる攻め方だ。
「いらない」と受け取りを拒むことで、がーどまんは年上が上に立つ構図を崩す。続くバースでは楽曲の166万再生を自ら持ち出し、関西勢としての意地を示した。再生回数は当時のバース内の主張であり、現在の実測値ではない。
がーどまんが的確に返し、この試合は梵頭の敗退となった。

梵頭 vs Novel Core|凱旋MC battle 東西選抜夏ノ陣
先攻後攻を決めるじゃんけんをせず、Novel Coreが自ら先攻を選んで会場を沸かせた試合である。
「威圧しなきゃ」という問いは、梵頭の強みである圧を、ラップへの自信のなさへと裏返す攻め方だ。Novel Coreはさらに臆病さをチキンに例え、外見ではなく技量で勝負しようと挑む。
相手の「チキン」を食べ物の二択へずらし、対立を意味する「ビーフ」へ結びつける返し。梵頭は鳥肌の連想も加え、Novel Coreの名前に「のぼる」「超える」を重ねて応酬した。
互いにディスをぶつけ合う接戦の末、この試合は梵頭の勝利となった。
激しい言葉を交わしたあとに梵頭が会釈する場面には、勝敗とは別の印象が残る。バトル中の圧と、終わったあとに相手へ示す態度を分けて見ると、この試合の後味が変わる。

BASE vs 梵頭|戦極東海獏丸祭 決勝戦
東海喰種で同じユニットに立つBASEとの決勝戦。互いを知り尽くした相手同士による、終始楽しげな空気のバトルになった。
編集部は、Novel Core戦から続けて見ると空気の違いが大きいと評している。同じ人物でも、対戦相手との関係によって表情が変わる。

マイク投げの一件|梵頭 vs ミステリオ
ミステリオとのバトルは、開始前から張り詰めた空気で始まった。威圧的な態度に対してミステリオが的確にアンサーを返し、ミステリオの勝利となる。その結果に反応した梵頭が、マイクをスタンドに戻さず床に投げつけて戻っていった。
床に落ちたマイクは、ミステリオが拾ってスタンドへ戻している。この件について、梵頭は後に反省し謝罪している。

CHAPTER 10梵頭のBreakingDown出場|瓜田純士との一戦
この映像はBreakingDown公式による梵頭の試合後インタビュー。対戦そのものではなく、試合を終えた本人の受け止めを聞ける。
梵頭は、1分間で最強を決める格闘技イベント「BreakingDown6」に出場した。対戦相手は瓜田純士。格闘技未経験ながらノーガードで撃ち合い、延長にもつれる展開となった。
判定では敗れたが、この一戦は大会の「ファイト オブ ザ・ナイト」に選ばれた。主催者の開催報告によれば、延長戦は5対0の判定で瓜田純士が勝利。試合後には互いをたたえ合った。
試合後には相手の前蹴りが効いたと振り返り、その時点では格闘技を続けない意向を示していた。
じゃあ僕の50万円でご飯でも行きましょう
これは、賞金は妻の財布になるという瓜田の発言に梵頭が返した言葉。試合前の挑発から一転し、食事に誘うやり取りで相手との距離を縮めている。
CHAPTER 11梵頭とZeebraのやり取り|金銭感覚をめぐって
梵頭は、金銭感覚をめぐってZeebraとSNS上でやり取りをしたことがある。Zeebraの投稿に梵頭がリプライを送る形で始まり、双方の考えが噛み合わないまま終わった。
俺は寧ろ財布出されるの苦手。男女問わず。
発端は、奢った相手に財布を出されるより、食事への感謝を受け取るほうがうれしいというZeebraの投稿だった。男女は問わないという考えである。
梵頭は、身内に資産がある人の感覚ではないかと疑問を投げ、その考えを他人にも求めることに反発した。
そーゆー教育は自分の子供だけにしといた方がいいよ。
梵頭/2018年5月6日の投稿
Zeebraは家族の金に頼っているという見方を否定。足りない月には事務所から前借りすることもあり、親の金に依存する生き方を格好いいとは思わないと説明した。
それに対し梵頭は、借りてまで人に奢ることも格好いいとは思わないと返した。
Zeebraは、ヒップホップでは周囲の多くが後輩なので自分が払うのは自然だと説明。ただし、奢るために借金しているわけではないと訂正した。
梵頭は、一方が当然に払い続ける関係には同意できず、相手への敬意があるからこそ後輩も財布を出すのが礼儀だと主張。最後には自分が焼肉を奢ると申し出た。
争点は「奢る側の立場」をどう捉えるかだった。Zeebraは先輩が出すのは当然という前提から、梵頭は関係性に基づく礼儀という前提から語っており、噛み合わないまま終わっている。最後は梵頭が焼肉を奢ると返す形で収まった。

CHAPTER 12梵頭の逮捕・服役|本人の説明と回数の違い
梵頭は大麻に関する事案で二度服役したことを、自ら公の場で語っている。本人出演のインタビューでは20代の繰り返しの逮捕を認めているが、個別の事件を積み上げた正確な総回数は確定できていない。逮捕の件数と、実刑で服役した回数は同じ数字ではない。
| 項目 | 確認できる範囲 | 出典の性質 |
|---|---|---|
| 服役の回数 | 二度 | 本人が公に語った内容 |
| 収監先 | 岐阜刑務所 | 本人が語った内容 |
| 服役の理由 | 大麻に関する事案 | 本人が語った内容、自家栽培の告白も含む |
| 逮捕の回数 | 正確な回数は確認不能 | 本人の説明と動画題名の数値を、個別事案の記録と区別 |
| 少年時代 | 少年施設への入所(本人の発言) | 個別の回数・時期の詳細は未確認 |
| 直近の状況 | 服役後も活動を継続 | 公表されている活動実績が根拠 |
大麻にのめり込んだ経緯|本人の語り
本人はインタビューで、20代の頃に大麻へのめり込んでいった経緯を具体的に語っている。種類・香り・味・鮮度の違いに興味を持ち、最終的には自分で育てるようになり、その結果として何度も捕まった。成人してからの逮捕は、ほとんどが大麻に関するものだったと振り返っている。
当時はラッパーが大麻を吸うことを格好いいと捉えていたという。取材では、その価値観はつまらないものだったと振り返り、当時は音楽にも十分取り組めていなかったと否定的に捉えている。その価値観が変わる経緯は、刑務所生活と転機の章で扱った。
本人が語った服役中と、その後
刑務所では炊場を担当していたこと、食事で美味しかったのはカレーとハワイアンチキンだったことを本人が語っている。また、家族との面会で大麻をやめる気はないのかと問われ、やめる気はないと答えた結果、出所後に家族と縁を切られたことも明かしている。家族との関係はその後、修復に向かっている(刑務所生活と転機の章で詳述)。
留置場では馳星周の作品を好んで読んでいたという。
大麻をめぐる表現|バトルと楽曲での扱い
街録chのインタビューでは、梵頭が家庭や刑務所で過ごした経験を振り返る。バトルの言葉とは別に、生い立ちと生活の変化を本人の語りから知る映像である。
梵頭は大麻を好むことを公にしており、バトルでもそれをユーモアとして織り込むバースが特徴になっている。
たとえばバトルでは、謝る言葉と吸うという動詞の響きをつなげ、間に合わないという言い方にも大麻を連想させる音を重ねる。意味と音をずらすことで笑いに変えている。
「CHAIN SMOKERZ」|STONEDZとの共演
「CHAIN SMOKERZ」はSTONEDZと組んだ「2007」収録曲で、NexToneから提供された公式配信音源。喫煙を題名に置いた楽曲も、梵頭の過去の作品表現の一つである。
これらは本人が公の場で発した言葉として記録するものであり、行為を肯定する趣旨で掲載しているものではない。
CHAPTER 13梵頭に関するよくある質問(FAQ)
名前の読み方、家族、作品、バトルの実績について、要点をまとめた。
CHAPTER 14梵頭のまとめ|岐阜から動かした人
梵頭が日本語ラップに残しているのは、地方にいながら全国を動かせるという実例である。東京に出ることを選ばず、岐阜・柳ヶ瀬に大会を作った。
本人の語りでは、暴力団関係者だった父親を反面教師にし、いじめによる転校と暴走族の時代を経て、22歳頃にマイクを握った。1年半の武者修行を経て2009年にクルーを立ち上げ、UMB本戦に出て、KING OF KINGSでベスト4に2度入った。
本人は、その間に大麻に関する事案で二度服役したと説明している。無期懲役囚と生活した二度目の刑務所と、出所後の「音楽やって人生変えてみなよ」という仲間の言葉が転機になり、取材では、再び捕まることのないよう暮らし、音楽で生計を立てられるようになったと語っていた。
それと並行して、口喧嘩祭を作った。対戦相手を直前まで伏せる、準備の効かない大会である。2025年には「口喧嘩祭 十六周年」と題した記念公演を開き、他団体とコラボし、日本一を決める大会への出場権を持つまでになった。
2023年には腸の血管が裂けて集中治療室に入り、そこからも戻ってきた。格闘技のリングでは未経験のままノーガードで撃ち合い、負けたがその日の最高の試合に選ばれている。やり方は一貫している。場がないなら作る。決まっていないなら飛び込む。
梵頭を知るポイント
- 1985年生まれ・岐阜県岐阜市出身、別名義は鷲、旧名義はBIG BONZ
- 父親はヤクザで殺人事件で服役していたと本人がインタビューで語っている(氏名・事件の詳細は未確認)
- 中学に上がる頃のいじめをきっかけに転校、16歳頃から暴走族に入り19歳頃に引退
- 22歳頃にラップを始め、1年半のフリースタイル武者修行を経て2009年にHIKIGANE SOUNDを結成
- 本人が公に語っているのは大麻に関する二度の服役、逮捕の正確な回数を裏付ける一次情報・報道は未確認
- UMB本戦出場(2018年岐阜代表・2019年愛知代表)、KING OF KINGS 2019年・2021年ベスト4
- 自ら主催する「口喧嘩祭」は、対戦カードをくじ引きで直前に決める形式で全国開催に広がった
- BreakingDown6に出場し、瓜田純士と対戦してファイト オブ ザ・ナイトを獲得
- MBTIはESTP(編集部推定)、本人公表の結果ではない
「岐阜に場を作り、仲間と続けた歩みを声にする」
Djtube 編集部 / 2026.10
