Tohjiプロフィール
ロンドン生まれのTohji(トージ)は、地元を持たないまま日本語ラップの前提を組み替えたラッパーだ。麻布高校を中退し、1年の引きこもりを経てSoundCloudで曲を上げ始め、「ラップスタア誕生!」でシーンに名前を刻んだ。ショッピングモールをフッドに見立てたクルーMall Boyz、ロンドンでのライブ、アリーナ公演、そして自身の映画。そのすべてを、2026年8月9日のラストライブで一度閉じた。本記事では年齢・学歴・身長・引退までを、確認できた範囲で整理する。
この記事でわかること
- 生年・出身・学歴といった、本人が公表している範囲の基本プロフィール
- 麻布高校の中退から高卒認定を経て武蔵野美術大学へ進むまでの経緯
- 「ヤサ」と呼ばれる共同生活と、そこから生まれたラップクルーMall Boyz
- 「Higher」「GOKU VIBES」「プロペラ」など代表曲の位置づけ
- 2025年10月の引退発表と、2026年8月9日のラストライブまでの流れ
- 引退後について本人が語った内容と、確認できていない範囲
よくある疑問と、短い答え
検索して真っ先に確認したい項目だけを、1行ずつ先に置いておく。根拠と詳細は、それぞれ対応する章で扱う。
| 疑問 | 短い答え | 補足 |
|---|---|---|
| Tohjiは引退したの? | 2026年をもって音楽活動を引退。2026年8月9日のラストライブが最後のライブになった。 | 2025年10月に本人が発表 |
| 読み方・年齢は? | 「トージ」。1996年生まれ。 | 誕生日は非公表 |
| 出身はどこ? | イギリス・ロンドン生まれ。3歳まで現地で過ごし、その後は東京・横浜で育った。 | 地元を持たないことが表現の軸 |
| 学歴は? | 麻布高校を3年で中退し、高卒認定を取得して2015年に武蔵野美術大学へ入学。 | 該当章で詳述 |
| 身長は? | 173cm(推定)。 | 本人公表値は確認できていない |
| MBTIは? | ENFP-A(推定)。本人による公表はない。 | 根拠は該当章の表 |
| 代表曲は? | 本人が代表曲と公言しているのは「Higher」。ほかに「GOKU VIBES」「プロペラ」など。 | 該当章で詳述 |
| Mall Boyzって何? | Tohjiとgummyboyを中心とするクルー。2026年6月に初のアルバム「Mall Tape 3」を出した。 | 該当章で詳述 |
| 引退後はどうなる? | 本人は引退MCで、今後も人生が交差する可能性を示唆している。具体的な予定は公表されていない。 | 該当章で詳述 |
※上表は2026年8月時点で確認した内容です。「推定」とある値は本人公表ではなく、当編集部が公開情報から整理したものです。
CHAPTER 01 / SECTION 01Tohjiのプロフィール|読み方・年齢・出身・学歴
Tohji(トージ)は1996年生まれ、イギリス・ロンドン出身のラッパーである。3歳まで現地で過ごし、その後は東京や横浜で育った。本名は公表されていない。
※身長は本人・所属からの公表を確認できていないため推定です。誕生日が公表されていないため、本記事では年齢を数値で断定していません。
この記事で使う用語|フッド・トラップ・ヤサ・SoundCloud
Tohjiを語るとき、既存のヒップホップ用語がそのまま当てはまらない場面が出てくる。先に4語を整理しておく。
フッドとは、ヒップホップにおいて自分の地元や育った地域を指す言葉である。多くのラッパーが出自を示す拠り所にするが、ロンドン生まれで各地を移って育ったTohjiには、この意味でのフッドが存在しない。
トラップとは、細かく刻んだハイハットと重い低音を特徴とする2010年代以降のヒップホップの様式である。Tohjiが活動を始めた当時、日本ではまだ浸透しておらず、クラブやライブハウスで受け入れられにくかった一因になった。
ヤサとは、Tohjiが大学時代に仲間と借りた一軒家に付けた呼び名である。数人が住み、それ以外の仲間も常時出入りする場所で、Mall Boyzの楽曲やイベントはここから生まれた。
SoundCloudとは、誰でも音源を投稿できる音楽配信プラットフォームである。レーベルやクラブを経由せずに作品を発表できるため、Tohjiのように既存の流通の外側から出てくるアーティストの入口になった。
4語のうち3語は「場所」に関わる言葉である。フッドを持たない人物が、ヤサとインターネットという別の場所を代わりに用意した、というのがこのラッパーの出発点になっている。
CHAPTER 01 / SECTION 02Tohjiの引退|2026年での音楽活動終了とラストライブ
Tohjiは2025年10月18日、大阪城ホールで開催された「POP YOURS OSAKA」のステージで、2026年をもって音楽活動を引退すると発表した。そして2026年8月9日、千葉・LaLa arena TOKYO-BAYでのラストライブ「Volcanic Summer 頂上 Dimension」をもって、その活動を終えた。
| 時期 | 内容 |
|---|---|
| 2025.10.18 | 「POP YOURS OSAKA」(大阪城ホール)のステージで引退を発表。MC全文が公開された |
| 2026.04.04 | 「POP YOURS 2026」出演時に、本人のMCでラストライブの開催を発表 |
| 2026.06.16 / 06.18 / 06.23 | ラストツアー(Zepp Osaka Bayside/Zepp Nagoya/Zepp Haneda) |
| 2026.08.09 | ラストライブ「Volcanic Summer 頂上 Dimension」(千葉・LaLa arena TOKYO-BAY) |
| 同日 | チケットが即完売したため、YouTubeでの全編無料生配信が実施された |
表のとおり、引退の発表からラストライブまでには10か月近い時間が置かれている。その間もツアーと作品のリリースが続いており、活動を先細りさせるのではなく、予告したうえで走り切る形が選ばれた。
引退のMC|「晴れ晴れとした雲ひとつないような気持ち」
引退を告げたMCでは、これまでの道のりが振り返られている。東京のクラブで自分の曲をUSBに入れて配って回っても相手にされなかった時期から8年、仲間とアリーナ公演を成功させたこと。子供の頃に母親と行ってはぐれたショッピングモールで、20年後に自分の映画が上映されたこと。世界中を回ってみたら、各地に仲間が待っていたこと。
今までやれることは全てやってきたし、まあすごい晴々とした雲一つないような気持ちでオレはいます。
TohjiPOP YOURS OSAKA でのMC(音楽ナタリー・NiEWほかが全文公開)ただし本人は、引退を「終わり」としては語っていない。同じMCで、自分という船を降りることは今もこれからもないこと、これから先も自分の人生と聴き手の人生が交差する可能性があることに触れている。
これから先もきっとまたオレの人生とみんなの人生が交差することはあると思います。
TohjiPOP YOURS OSAKA でのMC(KAI-YOUが公開)引退後について確認できていないこと
2026年8月時点で、引退後の具体的な活動予定は公表されていない。音楽以外の領域での活動を示唆する発言はあるが、内容・時期ともに確認できる情報はない。本記事では、憶測での補完を行わない。
※引退の発表・ラストライブの日程・生配信は、音楽ナタリー(2025年10月18日、2026年4月8日)、Spincoaster(2026年4月・8月)、KAI-YOU、NiEW、チケットぴあ公演情報で確認しました。確認日:2026年8月10日。
引退を扱う記事で最も起きやすい失敗は、「引退=もう聴けない」と書いてしまうことである。音楽活動の引退と、既発曲の配信停止は別の話であり、混ぜて書くと読者に誤った印象を与える。本記事では、引退した事実と、配信状況の事実を別の章に分けている。もう一点、引退後の活動については本人が明言していない以上、「〜するとみられる」という書き方をしない。
CHAPTER 02 / SECTION 03Tohjiの学歴|麻布高校中退から武蔵野美術大学へ
Tohjiは都内有数の名門校である麻布中学校・高等学校に進学したが、高校3年で退学している。その後、高等学校卒業程度認定試験を取得し、2015年に武蔵野美術大学へ入学した。
麻布高校での中退|本人が語った理由
中学1年のとき、高校の先輩が妄走族やキングギドラの曲を流していたことがヒップホップとの出会いになった。一方で校内では素行の面で問題を重ね、高校3年で退学に至っている。退学の経緯について、本人はこう語っている。
退学後は1年ほど家に引きこもっていた。この時期に音楽で自己表現することに目覚め、SoundCloudを中心にラッパーとしての活動を始めている。キャリアの起点が「学校を出た後の空白」にあることは、この人物を理解するうえで外せない。
武蔵野美術大学へ|高卒認定を取得して2015年入学
アートへの関心があった本人は、高等学校卒業程度認定試験を取得したうえで、2015年に武蔵野美術大学へ入学した。中退から直接進学したのではなく、資格を取り直して入り直している。自分と波長の合う仲間がいるのではないかという期待も、美大を選んだ理由として語られている。
入学後は友人たちと一軒家を借りて共同生活を始め、その家を「ヤサ」と呼んだ。住人は3人ほどだが、仲間が常に出入りし、7〜8人が集まっていることも多かったという。ここで楽曲制作やイベント企画が行われ、後のMall Boyzにつながっていく。
CHAPTER 02 / SECTION 04Tohjiの生い立ち|ロンドン生まれ、地元を持たない少年期
Tohjiは1996年にイギリス・ロンドンで生まれ、3歳頃まで現地で過ごした。その後日本に帰国し、東京や神奈川県横浜市で育っている。
地元を持たないという条件が、そのまま表現の前提になっている。日本語ラップでは出自と地域を名乗ることが定型だが、Tohjiにはその定型に乗る材料がなかった。この不在をどう埋めたかが、次の章のスタイルの話につながる。
CHAPTER 03 / SECTION 05Tohjiのラップスタイル|フッドを持たない表現
Tohjiのスタイルは、フッド(地元)を持たないことを弱点ではなく前提として組み立てられている。従来の日本語ラップが依拠してきた「どこの誰か」という自己紹介の型を、最初から使っていない。
作品の発表もクラブやレーベルではなく、YouTubeとSoundCloudから始まった。ラップを始めた当初はヘッズにも受けず、日本にトラップが浸透していなかったこともあって、クラブやライブハウスでも受け入れられない時期が続いた。その状況が変わったのが2017年の「ラップスタア誕生!」だった。
ラップスタア誕生|無名の美大生がファイナルへ
2017年、ラップスタア誕生!のSeason1に出場。即興のバトルではなく音源作品によるオーディションだったため、音源で力を出せるタイプに焦点が当たる形式だった。ANARCHYやSEEDAが審査員を務め、優勝賞金は300万円というビッグタイトルである。応募の動機について、本人はこう語っている。
出演者のなかで最も無名でありながら、ファイナルステージまで進出した。この結果が、以降の評価の起点になっている。
フリースタイル|RASENでの反響
2019年、Red Bull Musicが主催する「RASEN」に参加。釈迦坊主、dodo、Daichi Yamamotoという同時代の個性派が集まった回で、Tohjiのバースは何を言っているのかをめぐってコメント欄が沸いた。同席した釈迦坊主からも、後に定型句になる一言が出ている。
この「ちょっとまってTohji」は、聴き手が処理を追いつかせられないという感想がそのまま形になった言葉として定着した。kZmも2020年のアルバム「DISTORTION」収録の「TEENAGE VIBE」で、Tohjiに向けて呼びかけている。
CHAPTER 03 / SECTION 06Tohjiの代表曲|Higher・GOKU VIBES・プロペラ
本人が代表曲と公言しているのは2019年の「Higher」である。ほかにTikTok経由で広がった「GOKU VIBES」、初期の質感を残す「HI-CHEW」「プロペラ」「Oreo」がある。
Higher|「成し遂げて死ぬ」という宣言
2019年公開。「成し遂げて死ぬ」というリリックが、この曲の中心にある。金を稼いで勝ち組になることを主題に置いてきた従来のヒップホップの型に対し、名声と達成のために死を厭わないという別の基準を提示した曲として受け止められた。ダンスステップを含めたパフォーマンスも、この曲の評価を押し上げている。
GOKU VIBES|TikTokから広がった1曲
2020年10月にMVが公開された「GOKU VIBES(feat. Tohji, Elle Teresa, UNEDUCATED KID & Futuristic Swaver)」。DJ CHARI & DJ TATSUKIが手がけ、韓国のUNEDUCATED KIDとFuturistic Swaverを迎えた曲である。Tohji自身がハッシュタグ「#gokuvibeschallenge」でサビのダンスを投稿したことをきっかけに、TikTokで大きく広がった。
HI-CHEW|ミックステープ「Angel」収録
2019年のファーストミックステープ「Angel」収録。初期のTohjiの質感がよく出ている1曲である。
高いもの汚くしたくなる気持ち
見飽きた街並み どこかに行きたい
空に投げる砂利 漕ぎ続けるチャリ
プロペラ|Danny Diedプロデュース
2020年8月公開。初期からタッグを組んできたDanny Diedのプロデュース曲である。
びびびびび a lot of コトリがhit
ひゅるりるりふりまわすオレのdick
i feel ima propella “she” she wanna hit
Oreo|トラックも本人が制作
2020年9月発表。トラックもTohji自身が手がけている。
i just 浜辺でやる oreo, oreo
のむチェリオ いよいよ やるoreo
then we fuckin likea
Oreo
入門ガイド|どの曲から聴くかの判断表
代表曲を、発表時期・性格・聴きどころ・向く聴き方の軸で並べたのが次の表である。入口によって受ける印象が大きく変わるため、目的別に整理した。
| 曲名 | 発表 | 性格 | 聴きどころ | こんな人におすすめ |
|---|---|---|---|---|
| Higher | 2019年 | 代表曲 | 「成し遂げて死ぬ」という基準の提示。ダンスを含むパフォーマンス | まず本人が代表曲と呼ぶ1曲から入りたい人 |
| GOKU VIBES | 2020年10月 | 客演入りのヒット曲 | TikTok経由で最も広く届いた。韓国のラッパーとの共演 | 知名度のある曲から入りたい人 |
| HI-CHEW | 2019年 | 初期作 | ミックステープ「Angel」収録。初期の質感が濃い | 出発点から追いたい人 |
| プロペラ | 2020年8月 | 実験的 | Danny Diedのトラック。言葉を音として並べる書き方 | 言葉の扱い方を聴きたい人 |
| Oreo | 2020年9月 | セルフプロデュース | トラックも本人。軽快で夏の質感 | 音作りの側面から入りたい人 |
この表から読み取れるのは、2019年から2020年にかけての1年あまりで、宣言・ヒット・実験・自作トラックという性格の違う曲が並行して出ているという点である。順を追って変化したというより、複数の方向を同時に試している。
向いていないケース|意味の通る物語を求める人
リリックの意味内容を筋道立てて追いたい人には、Tohjiの楽曲は掴みどころがないと感じられる可能性がある。言葉を意味よりも音の連なりとして扱う場面が多く、フリースタイルでは何を言っているのかをめぐって議論が起きたほどである。
また、地元や出自を軸にした自己紹介型のラップを期待している場合も、この人物は入口として向かない。そもそもフッドを持たないことが前提になっているためだ。その場合は「Higher」のように主題がはっきりした曲から入るほうが接点を作りやすい。
一部楽曲の配信停止について
ミックステープ「Angel」を含む一部の楽曲は、現在配信されていない。2021年8月の報道で、Tohjiに楽曲提供していた人物が逮捕されていたことが明らかになり、Tohjiがその人物の関与した楽曲の配信を停止したためである。
CHAPTER 04 / SECTION 07Mall Boyzとは|ショッピングモールをフッドに変えたクルー
Mall Boyz(モールボーイズ)は、Tohjiとgummyboyを中心に結成されたクルーである。プロデューサーのstei、アートディレクターのSahashiを含む4人で活動してきた。
| 名前 | 役割 | Tohjiとの出会い |
|---|---|---|
| Tohji | MC | — |
| gummyboy | MC | 大学の共通の友人が家に連れてきたのが最初。好きな音楽について6時間話し込んだ |
| stei | プロデューサー | SoundCloud経由。Tohjiのアカペラと声質に惹かれて連絡を取った |
| Sahashi | アートディレクター | Tohjiの昔からの友人。gummyboyのジャケットも手がけている |
表のとおり、4人の出身地はばらばらである。共通していたのは、小さい頃にショッピングモールで過ごした記憶だった。これが彼らにとって「フッド」の代わりになっている。クルー名の由来もここにある。
gummyboyにラップを勧めたのはTohjiだった。初対面のgummyboyはTohjiを「怖かった」と振り返っているが、その後意気投合している。
作品|Mall Tapeから2026年のMall Tape 3まで
Mall Boyzとしての作品を、発表年・タイトル・位置づけの3軸で並べたのが次の表である。2019年の1作目から、Tohjiの引退が決まった2026年の集中的なリリースまでを通して見られるように整理した。
| 年 | 作品 | 備考 |
|---|---|---|
| 2019 | Mall Tape | フッドを持たないクルーというコンセプトで話題に |
| 2026.04.08 | MとBを | Tohjiのラストライブ発表と同日に配信 |
| 2026.06.03 | MUTANT NINJA TURTLES feat. ralph, JUMADIBA | 客演を迎えた1曲 |
| 2026.06.10 | Mall Tape 3 | Mall Boyzとして初のアルバム。6月13日にYouTubeでリスニングパーティを実施 |
この表から読み取れるのは、Tohjiの引退が決まった2026年に、Mall Boyzとしての活動がむしろ密度を上げているという点である。2019年の「Mall Tape」から7年を経て、初のアルバム「Mall Tape 3」がラストライブの2か月前に届いた。
※Mall Boyzの2026年の作品情報は、JOYSOUND音楽ニュース(音楽ナタリー配信・2026年4月8日、6月10日、6月13日)で確認しました。確認日:2026年8月10日。
CHAPTER 04 / SECTION 08Tohjiのライブと映画|ロンドン公演からぴあアリーナまで
Tohjiの活動は音源だけで完結していない。海外公演、アリーナ規模のライブ、そして自身が監督を務めた映像作品まで領域を広げてきた。
ロンドン公演|2020年3月
2020年3月、ロンドンでライブを行っている。ほとんど日本語でのパフォーマンスだったが現地の観客の反応は良く、海外での活動に手応えを得た公演になった。この後、現地のヒップホップカルチャーへの姿勢をめぐって、TohjiがSNS上で苦言を呈す場面もあった。
ライブのまとめ映像|売れる前の記録
2018年4月から2019年3月までのライブ映像。知名度がつく前の現場の様子が残っている記録であり、ビジュアルもラップも現在の形に変わっていく過程が見える。
劇場版 Tohji Pia Arena|アリーナ公演と自身が監督した短編
2025年2月、神奈川・ぴあアリーナMMで過去最大規模のソロ公演を開催。この映像を軸に、素顔に迫ったドキュメンタリーと、Tohji自身が監督を務めたショートフィルムで構成された映画「劇場版 Tohji Pia Arena」が2025年6月に全国のイオンシネマで公開された。同年10月24日からはU-NEXT、Hulu、Prime Video、FODなどで配信されている。
引退MCで語られた「子供の頃に母親と行ってはぐれたショッピングモールで、20年経って自分の映画が上映された」という一節は、この作品を指している。同年8月には4都市を回る「zero-tour」も開催した。
CHAPTER 05 / SECTION 09Tohjiの私生活|ファッション・タトゥー
Tohjiの私生活で公表されているのは、前衛的なブランドを選ぶファッションと、複数のタトゥーである。本名や家族構成は公表されていない。
ニート東京での「終わりなきイキり」
「ラップスタア誕生!」をきっかけにSEEDAと交流するようになったTohjiは、YouTubeの人気コンテンツ「ニート東京」にたびたび出演している。この回で語られたのは、友人と自動車免許の合宿に行った際のエピソードだった。本人の話し方も相まって、聞き手が処理しきれない密度で進む。
この一言は、当時のTohjiと周囲の空気をそのまま示す言葉として受け止められた。作品の外側で語られる断片も、この人物の輪郭を作っている。
ファッション|近未来的なブランドを選ぶ
公開されている写真やインタビューから、着用が確認できているブランドを傾向とあわせて並べたのが次の表である。国内外・年代を問わず選ばれている点が見て取れる。
| ブランド | 傾向 |
|---|---|
| GmbH | 近未来的・前衛的なコンセプト |
| FOX RACING | モータースポーツ由来 |
| 032c | ベルリンのファッションマガジン発 |
| 24karats | 国内ブランド |
| KARL KANI | 1990年代のヒップホップの定番 |
| Y / Project | フランスのブランド |
| REVOLVER | 国内ブランド |
| Eytys | スウェーデンのブランド |
表に並ぶブランドは、産地も年代もばらばらである。一見シンプルな組み合わせでも、サイジングと合わせ方で成立させるところに特徴がある。特定のスタイルに属さない選び方は、フッドを持たないという出発点とも重なる。
タトゥー|背中の羽と腕の「FRISK」
公開されている写真から位置とデザインが確認できているタトゥーを、部位別に並べたのが次の表である。意味が公表されていないものは、その旨を備考に記している。
| 部位 | デザイン | 備考 |
|---|---|---|
| 背中 | 天使の羽 | 最も知られているもの |
| 腕 | 「FRISK」の文字 | 意味は公表されていない |
| 胸 | 動物のイラスト | 詳細は確認できていない |
人前で露出することは少ないが、背中の天使の羽が知られている。腕の「FRISK」については意味が明かされていない。楽曲に「HI-CHEW」があることから同種の連想を指摘する見方もあるが、本人の説明は確認できていない。一部は東京・千駄ヶ谷のタトゥースタジオJoytown Tattooの彫り師Kajiが手がけている。
CHAPTER 05 / SECTION 10Tohjiの人物像とMBTI|ENFP-A(推定)と判断の根拠
当編集部はTohjiのMBTIをENFP-A(運動家型)と推定している。本人による公表はなく、以下は公開されている言動から整理した推定である。
| 観察された言動 | 対応する傾向 | 出典の性質 |
|---|---|---|
| 「誰も考え付かなかったこと、やらなかったことだからこそやりたい」と語る | 前例がないことに動機を見出す(Ne優位) | 本人発言 |
| フッドという既存の枠を使わず、ショッピングモールを代わりに置いた | 与えられた型に乗らず、概念を作り替える | 本人インタビュー・作品 |
| クラブで相手にされない時期もSoundCloudで発表を続けた | 外部の評価より自分の基準で進める | 本人MC |
| 楽曲・映像・イベントと領域を横断し、映画では監督も務めた | 一つの形式に留まらない | 報道・公式発表 |
| 引退を「船を降りることではない」と表現した | 区切りを終わりではなく移行として意味づける | 本人MC |
| 「今までやれることは全てやってきた」と晴れやかに語った | 自分の中で完結したときに次へ移る(-A傾向) | 本人MC |
表を縦に読むと、6項目のうち大半が「既存の型を使わない」方向に寄っていることが分かる。判断材料は本人の発言と公表された活動に限られ、心理検査の結果ではない点も、表の「出典の性質」列から読み取れる。
対立仮説|INFP-Tとも読める理由
INFP-T(仲介者型)とも読める。1年の引きこもりを経て表現に向かった経緯や、内側の感覚を言葉より先に置く作風には、内向的で慎重な面が見える。本記事では、領域を横断し続けた行動量と、引退を晴れやかに語った点を重く見てENFP-Aを第一の推定とした。ただし初期の作品だけを見るなら、INFP的な読みのほうが自然に映る場面もある。
CHAPTER 06 / SECTION 11Tohjiと仲の良いラッパー
「ヤサ」という拠点を持っていたこともあり、Tohjiの交友関係は広い。クルーの内外を問わず、同世代のアーティストとの関係が作品にも現れている。
| 名前 | 関係 | 備考 |
|---|---|---|
| gummyboy | Mall Boyzの相方 | Tohjiがラップを勧めた |
| ELLE TERESA | 共演 | 「GOKU VIBES」で共演 |
| fuji taito | 同世代 | 共演多数 |
| 釈迦坊主 | 同世代 | 「RASEN」で共演 |
| Kamui | 同世代 | 互いの芸術性をリスペクトし、ヤサにも出入りしていた |
| SEEDA | 「ラップスタア誕生!」から | 審査員として才能を見出した側 |
| kZm | 同世代 | 「TEENAGE VIBE」でTohjiに呼びかけた |
表を見ると、先輩にあたるSEEDAを除けば、ほぼ同世代で構成されていることが分かる。先輩後輩の縦の系譜より、同じ時期に別々の場所から出てきた者同士の横のつながりが中心にある。これもフッドを持たないという条件と地続きの関係の作り方である。
CHAPTER 06 / SECTION 12Tohjiに関するよくある質問(FAQ)
Tohjiへの検索で繰り返し現れる疑問は、引退に関する事実関係、麻布高校と武蔵野美術大学という学歴、そしてMall Boyzの3方向に集中している。以下は、本文で扱った内容のうち単独で問われやすい項目を、その場で答えが完結する形にまとめたものである。公表されていない事項は「公表されていません」と明記している。
CHAPTER 06 / SECTION 13まとめ|船を降りないと言った男
Tohjiが日本語ラップに残したのは、フッドがなくてもラッパーは成立するという実例である。地元を名乗れないという条件から出発して、ショッピングモールとヤサとインターネットを代わりに置いた。
麻布高校を中退し、1年引きこもり、そこから曲を上げ始めた。クラブでは相手にされず、USBを配って回った。ラップスタア誕生でファイナルまで行き、ロンドンでライブをやり、アリーナを埋め、自分の映画を撮った。
そして2025年10月、大阪城ホールのステージで引退を告げた。理由は行き詰まりではない。「今までやれることは全てやってきた」という、完了の宣言だった。
2026年8月9日、LaLa arena TOKYO-BAY。チケットは即完売し、入れなかった人のためにYouTubeで無料配信された。8年前にUSBを配って回っていた人物の最後のライブを、国内外から誰でも見られる形にしたのは、この人らしい締め方だったと言っていい。
この記事の要点
- Tohjiは1996年イギリス・ロンドン生まれ。3歳頃まで現地で過ごし、東京・横浜で育った
- 麻布高校を3年で退学し、高卒認定を取得して2015年に武蔵野美術大学へ入学
- 大学時代の共同生活「ヤサ」からラップクルーMall Boyzが生まれた
- 2017年「ラップスタア誕生!」Season1でファイナルステージまで進出
- MBTIはENFP-A(推定)。本人公表ではなく公開情報からの整理
- 本人が代表曲と公言するのは2019年の「Higher」
- 2025年10月18日に引退を発表し、2026年8月9日のラストライブで活動を終えた
- 引退後の具体的な予定は公表されていない
— Djtube 編集部 / 2026.08
※本記事の発言引用は、本人が公に語った内容として確認したものです。引退に関する事項は音楽ナタリー・Spincoaster・KAI-YOU・NiEW・チケットぴあ公演情報で、Mall Boyzの作品情報はJOYSOUND音楽ニュースで確認しました。確認日:2026年8月10日。
