7(なな)プロフィールと音楽
7は、和歌山県海南市出身のラッパー。「SEVEN ELEVEN (freestyle)」の独特なフロウと、海外での反応を曲へ返した「Rice Spice」で注目を集め、2023年には「ラップスタア誕生」のファイナリストになった。
チャイナドレスのイメージや強気な言葉の一方で、本人の取材からは、周囲の助言を吸収しながら音楽へ打ち込む姿も見えてくる。サッカーに熱中した少女時代、母との別れ、BLACK BOXの仲間、代表曲と近年の作品をたどる。
PROFILE7の読み方・本名・年齢・出身
「7」は数字のセブンではなく、ななと読む。本名の七星から取った名前で、BLACK BOXが公開した越冬のインタビューでは、Homunculu$との会話からこの名義になったと本人が説明している。
以前のBOyLEという呼び名は、Pornoがカラオケでの歌を聴き、スーザン・ボイルになぞらえたもの。名前は短くなっても、歌うことへの親しみは活動の入り口から続いている。
HISTORY海南での少女時代から、ラッパーになるまで
なでしこジャパンを夢見たサッカー少女
兄の影響で、小学1年生から中学3年生までサッカーに打ち込んだと紹介されている。なでしこジャパンの選手やサッカーのコーチになることを夢見ていたが、成長とともに体格の差を感じ、高校進学のころに競技から離れたという。
ABEMA HIPHOPの「ラップスタア誕生2023」HOOD STAGE映像。7が育った場所や、それまでの歩みをたどる人物紹介として見ることができる。
音楽との接点も早かった。PRKS9の2022年の取材では、幼いころのピアノや、高校時代にカラオケへ通った経験を話している。最初から歌が得意だったというより、好きで触れ続けるうちに鍛えられた、という説明だ。
就職、退職、そしてノートに書いた言葉
高校卒業後は服屋に就職したものの、約1カ月半で退職したと紹介されている。本人もBLACK BOXの取材で、正社員として働いた環境が合わず、ライブ映像をきっかけに歌詞を書き始めたと振り返った。
そのきっかけはAwichのライブ映像だったという。自分の言葉を持つなら、まず自分もステージへ立つ。その姿勢に触れ、言いたいことをノートへ書き留めるようになった。
7がラップを始めたきっかけの話に関連する映像。ライブを見て受け取った刺激と、自分で歌詞を書く行動がつながった時期の話題だ。
ただ、詞を書くだけでは録音の方法までは分からない。PRKS9の取材では、Pornoの後押しを受け、その後輩のもとで録音を始めたと説明している。2025年のRolling Stone Japanの取材では、JALを通じてHomunculu$に存在が伝わり、ビートと録音への誘いが届いた経緯も語った。
PERSONALITY強気な表現と、周囲から学ぶ姿勢
曲では強く言い切る7だが、THE MAGAZINEによる2023年のLizaとの対談では、人の意見を吸収しやすいと自己分析している。Lizaの、自分の考えをはっきり伝える姿勢を学びたいとも話していた。
強気に見せてるけど、我は強くないです。
7/THE MAGAZINE「Liza × 7 コラボインタビュー」(取材・文:サイトウマサヒロ、2023年11月6日)
ステージでの攻める姿と、普段の人との関わり方は同じとは限らない。Lizaとの関係も、初対面からすぐに親友になったわけではなく、互いの曲を聴き、一緒に作り、話す時間を重ねて深まっていった。
アジアから来たことを伝えるファッション
赤や黒のチャイナドレスなど、アジアンテイストの装いは、7の表現を印象付ける要素だ。海外の人が見てもアジアのアーティストだと伝わるようにしたい、という考えを「ラップスタア」の人物紹介で語っている。
衣装は単なる派手さではなく、どこから発信するかを示す方法でもある。「Rice Spice」でのアジア蔑視への返答と並べると、見た目と言葉を別々に考えていないことが分かる。
母との別れと、ラップスタアに賭けた思い
母は7の音楽活動を応援していた。2022年12月に行われたBLACK BOXの取材で、7は母を亡くし、お通夜の日に「ラップスタア」のAREA TRIALへの連絡を受けたことを話している。ATKも、母の介護に向き合っていた7の姿を語った。
本人にとって、母に結果を伝えられない悔しさと、新しい挑戦の機会は同時に訪れた。番組に進めたことや録音できる環境を、母から最後に受け取った贈り物と捉え、後悔を残さないよう音楽へ向かっていた。
11/16 4:20
— 7 (nana) (@7_boyle_073) November 16, 2022
家を離れ、BLACK BOXの控室で過ごした時期もあった。当時の7にとって、音楽を作れる場所は、生活を立て直す場所でもあった。
家族とのやり取りを記した当時の投稿には、タトゥーをめぐる父との会話も残されている。
お父さんにタトゥーだけは入れるなよって言われたけど 時すでに遅し🍎
— 7 (nana) (@7_boyle_073) November 4, 2022
漢 Kitchenで話した交際のエピソード
「漢 Kitchen」への出演では、DJの恋人と、カップルというより兄弟のようなノリで接していると話したことが紹介されている。デートでサウナへ行く話や、恋愛には不器用だという自己紹介も、曲とは違う距離で人柄が見えるエピソードだ。
漢 a.k.a. GAMIが迎える料理番組「漢 Kitchen」の7出演回。ここでの交際の話は出演当時のもので、現在の交際や婚姻を示す情報としては扱わない。
MBTIはISFPを候補にした編集部推定
7本人がMBTIを公表した確かな発言は確認できていない。ここでのISFPは、公開された制作や対談をもとにした編集部の推定で、本人の診断結果ではない。
自分の言葉や表現へのこだわりを持ちながら、対談では他人の意見を吸収しやすいと話す。その柔らかさと、曲ごとに声や見せ方を試す制作姿勢からISFPを候補にした。ただし、価値観や理想を言葉で掘り下げる面はINFPとも読める。限られた公開資料による低い確度の考察であり、衣装、家族の出来事、薬物を扱う歌詞から性格を決めるものではない。
CREWBLACK BOXと和歌山の仲間
BLACK BOXは、和歌山市のバー兼レコーディングスタジオであり、そこに集まる仲間のクルー名でもある。7は店で働きながら録音し、生活と音楽の両方を支えられてきた。
2022年末の取材時点の顔ぶれとして、7、MIKADO、QUWØN、Toshi、DJ JAY CORPSE、YJ EIGHT、ISAKITOKIA、e.r.o.o.、Gemmage、Lion melo、Stella Nova、炒炒が紹介されている。現在の契約者名簿という意味ではなく、当時の集まりを捉えるための名前だ。
ATKは、録音と暮らしを支えた存在
オーナーのATKはQUWØNの母。息子たちが自宅で録音していたつながりが広がり、自由に制作できる場所として店とスタジオが形になった。7がBOSSと呼ぶのも、施設の管理者というだけでなく、日々を支えてくれる存在だったからだ。
店の料理をめぐる親しさも、7の投稿から伝わる。ATKのパスタを紹介した2022年11月の投稿は、音楽だけでなく、食事や会話も共有する場所だったことを感じさせる。
ATKの痛風まっしぐらパスタ
— 7 (nana) (@7_boyle_073) November 27, 2022
Rolling Stone Japanの2025年5月の取材では、7は前年を川崎で過ごし、2025年には和歌山へ戻ってBLACK BOXで録音していると話した。全国のアーティストと共演が増えても、制作の場として地元との関係は続いている。
TOFUは高校の同級生
TOFUは「ラップスタア誕生2020」に出演し、7より先に音楽活動を始めていた高校の同級生だ。7も2025年のRolling Stone Japanの取材で、高校時代からTOFUが音楽をやっていることを知っていたと話している。卒業後いったん離れても、自分もラップを始めたことで現場で会う関係になった。
2023年11月29日には、TOFUが7のアルバムを祝福する投稿を寄せた。昔から知る相手が作品を出した驚きと、自分も続こうとする思いが並ぶ。同級生としての記憶と、アーティスト同士の刺激が重なった関係だ。
7のアルバム感動した!
こんなことなると思ってなかったよ
俺もカマすから見ててくれ👊おめでとうhttps://t.co/jwn2koOpnT pic.twitter.com/coWaOsR97d— YOUNG TOFU BOY ☯︎ (@youngtofuboy) November 29, 2023
MUSIC7のラップは、どこが耳に残るのか
言葉を崩した独特のフロウ、曲ごとに使い分ける声、ユーモアのある引用やサンプリング。7の音楽は、強い題名や話題性だけでなく、その言葉をどう聴かせるかに工夫がある。
「7-11」:初期の7曲をまとめたEP
「7-11」は2022年6月12日配信の7曲入りEP。「マリファナ」「畜生」「tapple feat. QUWØN」「Bunny Girl Senpai」「7色の小さな世界」「罰ゲーム feat. 炒炒」「SEVEN ELEVEN (freestyle)」を収録し、全曲をHomunculu$が作曲している。QUWØNや炒炒との共演も含め、初期の歌い方と和歌山のつながりをまとめて聴ける作品だ。
「SEVEN ELEVEN (freestyle)」:声の力を抜く難しさ
「SEVEN ELEVEN (freestyle)」は、2022年6月12日のEP「7-11」に収録された曲。03- Performanceの映像では、初めは聴き取りにくくても、聴くほど言葉の置き方が耳に残るような、フロウの使い分けが際立つ。
03- Performanceによる「SEVEN ELEVEN (freestyle)」の企画映像。音源の配信は2022年、パフォーマンス映像の公開は2023年2月25日と、時期を分けて見る必要がある。
BLACK BOXの取材で本人は、普段の録音のように声を前へ出すのではなく、力を抜いて録ることが難しかったと説明した。自分でサンプリングを頼んだビートだからこそ、途中で諦めず完成させたという。
海南のコンビニや日々の出費といった身近な描写の中で、活動を地元だけに閉じない意思を置く。足元の暮らしと外へ向かう野心が同居するため、単なる大言壮語ではなく、まだ途中にいる人の切迫感が残る。
「畜生」:笑いと苛立ちを同じ曲に
「畜生」はHomunculu$作曲の「7-11」収録曲。コウメ太夫のフレーズをサンプリングした曲として知られ、ユーモラスな仕掛けと、生活への苛立ちを並べている。
7本人チャンネルの「畜生」公式MV。本人はBLACK BOXの取材で、海外との共演話をきっかけに、アニメやオタクなど世界にも伝わりやすい日本語を歌詞へ入れたと話した。共演は実現せず、言葉を残したソロ曲になったという。
漫画やアニメの語彙を使いながら、現実はそのように運ばないと返す。安定した仕事を求める周囲の声や細かな説教も重なり、笑える仕掛けの下に、他人から生き方を決められたくない気持ちが見える。
RAPSTARラップスタア誕生2023で決勝へ
「ラップスタア誕生2023」には3,457人が応募した。AREA TRIAL、SELECTION CYPHER、HOOD STAGE、RAPSTAR CAMPを経て、7は5人のファイナリストに残った。HOOD STAGEでは1位通過と紹介されている。
ABEMA HIPHOPが公開した7のFINAL STAGEパフォーマンス。優勝には届かなかったが、地元で作っていた曲や言葉を、より多くの人へ届ける節目になった。
TRACKS代表曲と共演から聴く7
「Rice Spice」:呼び名を自分の曲へ取り戻す
「Rice Spice」は2023年3月6日配信。海外でも拡散した「SEVEN ELEVEN (freestyle)」への反応を受け、アジア蔑視を含む呼び名を自分の曲名へ変えたアンサーだ。作曲欄にはHomunculu$とCLOUDYBEATZが並ぶ。
配信元のチャート履歴には、2023年3月27日のSpotify Daily Viral Songs日本22位が記録されている。再生数の広がりだけでなく、からかいに対して自分の言葉で返したことが、この曲を語るうえで重要だ。
「Rice Spice」のTopic配信音源。MVではなく、楽曲そのものへの導線として掲載する。
短い一言で、差別を娯楽として受け入れない意思を示す。一方で、米とスパイスを食べ物の言葉へ引き戻す遊びもあり、怒りだけに曲を閉じない。自分への中傷に返すと同時に、ほかのアジアの人々への扱いにも目を向けている。
「マリファナ」:初期の大胆な題名と歌心
「マリファナ」は2021年12月に発表された初期曲として紹介され、2022年の「7-11」にも収録された。Homunculu$が作曲を担当し、MAGIC!の「Rude」をサンプリングした曲として知られる。
7の「マリファナ」のTopic配信音源。タイトルの大胆さと、仲間や未来を思い描く言葉の関係から聴いてみたい。
過ぎた日のことを忘れたい気持ちから、理想の姿や明るい未来の想像へ進む。題名だけでは見えにくい、今とは別の生活を求める視点がある。歌詞の描写を、そのまま本人の逮捕歴や法的な事実に置き換えることはできない。
MAGIC!「Rude」の公式映像。7本人の映像ではなく、元ネタとして紹介されてきた楽曲への比較用の導線だ。
Lizaとの「Away」:過去だけに自分を預けない
「Away」は7とLizaが2023年8月26日に配信した共作。「ラップスタア2023」で出会った二人が、ポップパンクやニューウェーブに着想を得たエモトラップ系の曲で、過酷だった環境の先へ向かう姿勢を示す。
7本人チャンネルにある「7 × Liza – Away」の公式MV。配信の作詞は両名、作曲は7、Liza、LionMelo。主名義をどちらか一人の曲として扱わず、二人の共作として聴きたい。
家庭の影響を消してしまう言葉ではなく、その説明だけで未来を止めないという意思に読める。食事や子どものころの記憶と、夢へ向かう言葉が同居する。引用は曲全体の主題を示すもので、個々の家族エピソードを二人のどちらかへ一律に割り当てない。
Candee「Unlucky feat. 7」:不運を振り返る現在地
「Unlucky feat. 7」は、Candeeのアルバム「Rockdown」に収録された客演曲。MVのYouTube公開欄は2023年8月31日を示し、アルバムは9月1日に配信された。ビートの制作にはZOT on the WAVEとHomunculu$、MV監督にはSyuta Shirakiがクレジットされている。
Candee本人チャンネルの「Unlucky feat. 7」公式MV。7のソロ曲ではなく、Candeeの作品へ7が参加した曲として紹介する。
不運だった過去を消さず、現在から振り返って意味を捉え直す反復句だ。苦しい時期を並べるだけで終わらず、今ここで歌えていることへつながる。7の参加部分で語られてきたスピード感や働きぶりも、曲全体のこの視点と合わせると、単なる金額の自慢とは違って聞こえる。
DISCOGRAPHYアルバム「7」から「7Star」へ
ZOT on the WAVEと作った「7」
アルバム「7」は2023年11月29日配信で、正式な主名義は7 & ZOT on the WAVE。声と言葉を届ける7と、制作を担うZOT on the WAVEの組み合わせを、作品名義にも示したアルバムだ。
2024年2月21日には7曲入りの「7 (Boss Bitch Edition)」も配信された。LANAとElle Teresaが参加した「Boss Bitch」のリミックスを含む版で、2023年の作品そのものが同日に初めて出たという意味ではない。
2023年の「7」と、「7 (Boss Bitch Edition)」を聴く。
「Boss Bitch」:自分を安く扱わせない宣言
「Boss Bitch」は2023年の「7」2曲目。7が作詞し、ZOT on the WAVEとHomunculu$が作曲を担う。仕事で得る報酬と、自分の扱われ方を自分で決める態度が並ぶ曲だ。
7本人チャンネルの「7 & ZOT on the WAVE – Boss Bitch」公式MV。2023年の原曲に対応する映像で、LANAとElle Teresaが加わった翌年のリミックスとは分けている。
強い物言いの中心にあるのは、誰かに価値を決めてもらうのでなく、自分が条件を決めるという姿勢だ。稼ぎや支払いの言葉を、自分を安く扱わせない宣言へつなげる。「First Class」が親密な関係での尊重を問うのに対し、こちらは仕事と報酬を通した自己評価が前に出る。
MIKADOとの「Flyday」:遠くへ行っても変わらない感覚
「Flyday」は2025年5月28日配信の7 & MIKADO共同名義曲。作曲・プロデュースはXanseiとovrcz。和歌山でつながる二人が、外の街へ動く生活と、仲間と過ごす時間を同じ曲へ持ち込む。
7本人チャンネルの「7 & MIKADO – Flyday」公式MV。どちらかの客演曲ではなく、二人の共同名義として発表された作品だ。
街やステージが変わっても、仲間との距離感まで変えるわけではない。高価な物に触れる言葉と、誰と何を食べるかという生活感が並ぶ。引用は曲全体のフックとして捉え、地元を離れることと、地元の感覚を持ち続けることの両立を読む。
「7Star」:5曲で見せる欲望と身近な関係
EP「7Star」は2026年7月7日配信の5曲入り作品。収録順は「Big6」「峰不二子 feat. Deech」「Bitcoin」「First Class」「7Star」で、VLOT、Mill1、VetteBoyらが制作に参加する。
自分の価値を高く掲げる曲、恋愛での扱われ方を問う曲、家族へ向けた曲が並ぶ。成功を求める気持ちと、それだけでは埋まらないものを、一つの作品の中で聴ける構成になっている。
「Big6」:不確実な人生と、帰る場所
「Big6」は「7Star」の1曲目。VLOTが作曲・プロデュースを担当し、海外へ移動する暮らしと、海南にいる祖母のもとへ帰る行き先が、歌詞の中で並ぶ。
ルーレットの比喩は、勝ちが決まっている自慢ではなく、先の読めない人生へ自分を投じる姿勢を表す。外へ進む視線の中に地元や家族への意識が残るため、ただ遠くへ行けばよいという成功の話にはならない。
「峰不二子」:自分の名前の価値を誰に決めさせるか
「峰不二子」のソロ版は2026年1月7日配信。Mill1が作曲・プロデュースを担当する。既知のキャラクターを題名に借りながら、他人に値踏みされる側に留まらない語り手を置いている。
7本人チャンネルの「峰不二子」公式MV。ここに掲載するのは1月のソロ版に対応する映像で、後のDeech参加版のMVではない。
宝石の値段より自分の名前を上に置くことで、ブランドや金額の話を、自分の価値を決める主導権の話へ変える。高価な物を持つことだけでなく、それを持つ人間がどう扱われるかに焦点がある。
「峰不二子 feat. Deech」は、同年7月7日の「7Star」に収録された別版。作詞欄には7とDeechが並ぶ。ソロ版の声や歌詞をそのまま二人の版へ当てはめず、EP収録のDeech参加版として聴き分けたい。
「Bitcoin」:まだ決まらない自分の相場
「Bitcoin」は「7Star」の3曲目で、VetteBoyが作曲・プロデュースを担当する。価格が動くものを、自分のキャリアや評価がまだ定まらないことに重ねている。
7本人チャンネルの「Bitcoin」公式MV。7月のEP配信後に公開された映像で、曲の配信日そのものを8月の映像公開日へ置き換えない。
大きく上がる可能性と、ヒットの後に落ちる怖さが、同じ比喩に含まれる。まだ価値が定まらないからこそ、自分の声と活動に力を注ぐ。暗号資産の運用実績を語るのではなく、評価される側の自信と不安を表す歌詞として読める。
「First Class」:お金だけでは得られない尊重
「First Class」は2026年5月13日配信で、のちに「7Star」にも収録された曲。Mill1が作曲・プロデュースを担当し、上等な座席という題名を、恋愛で自分がどう扱われるかという問いへ転じている。
7本人チャンネルの「First Class」公式MV。本人が固定コメントに歌詞を掲載しており、言葉の細部もそこからたどれる。
店員への態度や、連絡を後回しにすること、直前のキャンセルといった具体的な振る舞いが挙がる。贅沢をさせてくれるかではなく、自分を尊重する相手なのか。その判断が題名の華やかさを、日常の関係を見直す言葉へ変えている。
表題曲「7Star」:成功しても残る家族への願い
表題曲「7Star」はEPの最後を飾る、Mill1作曲・プロデュースの曲。名前の7と星、父のたばこ、願いをかなえる物語を思わせる言葉が、家族を思う語りへつながっていく。
7本人チャンネルの「7Star」公式MV。EPの配信とは別に公開された表題曲の映像で、5曲全部の内容を映像化したものとしては扱わない。
外の世界でのにぎわいと、空席の残る食卓を対比する。スターになる願いが、名声だけでなく、失いたくないつながりへの願いとしても見えてくる。母へ向かう言葉の重さは、人物史と重ねて聴けるが、家族の病名や誰かの行為を歌詞だけで断定する材料ではない。
最新客演「Remember」:増える数字と戻らない時間
「Remember feat. swetty & 7」は、krynXが2026年10月9日に配信したアルバム「Shout out to krynX」の12曲目。作詞とラップにswettyと7、作曲・プロデュースにkrynXがクレジットされている。
krynX – Topicの「Remember」正規配信音源。自動配信された音源で、MVではない。7単独の新曲ではなく、swettyとともに参加した客演として紹介する。
数字や見た目が変わっても、過ぎた時間や心の弱さまで買い戻せるわけではない。服で弱さを隠す描写と、以前の自分を思い出す言葉が並ぶことで、成功後にも消えない感情が残る。歌唱者別の断定ではなく、共演曲全体の対比として受け止めたい。
2026年10月20日時点で確認できた最新の主名義EPは「7Star」で、最新の客演はこの「Remember」。ソロ作品と参加作品を分けると、7の現在地を見失わずに追いやすい。
「7Star」と同時期には初ワンマン「7 Star」も打ち出した。2026年8月7日のWWW X公演は、会場公式ページでソールドアウトと案内された。作品を聴く人へ、単独公演という形でも音楽を届ける展開だった。
FAQ7(なな)についてよくある質問
SUMMARY和歌山の言葉を、外の世界へ届ける
7の活動は、話題になったフロウや一曲のバズだけでは捉えきれない。サッカーを離れ、歌詞を書き、録音の場へ踏み出した歩みがあり、母への思いと、地元で制作を支えた仲間がいる。
「Rice Spice」では他人の呼び名を自分の表現へ変え、「First Class」では関係の中で自分の価値を問い、「7Star」では家族への願いを残す。強い言葉の先に何を守りたいのかを追うと、7の音楽の違う面が見えてくる。
