田我流山梨の暮らしと音楽をつなぐプロフィール
田我流(でんがりゅう)は、山梨県一宮町、現在の笛吹市を拠点に活動してきたラッパーです。本名は田村隆、1982年生まれ。幼なじみとのクルーstillichimiya、バンド「田我流とカイザーソゼ」、ソロという複数の形で、地元の暮らしや仲間、仕事、遊びをラップにしてきました。
「やべ~勢いですげー盛り上がる」の爆発力も、「ゆれる feat. 田我流」の生活に根ざした言葉も、同じ田我流の表現です。2025年には「SANTANA」を発表し、DJ CHARI & DJ TATSUKIの「Dear Friends」にも客演。2026年もライブを軸に活動しています。映画「サウダーヂ」での主演や、釣りを通じた人とのつながりまで知ると、その音楽を支える生活が見えてきます。
CHAPTER 01 / SECTION 01田我流のプロフィールと名前
田我流はどう読む? 名前の由来
読み方は「でんがりゅう」です。中学生のとき、友人が本名の田村隆を音読みするように「デンソンリュウ」と大声で呼んだことが名義のきっかけになりました。その響きから文字を変え、田我流としています。
「我」を選んだ説明には、田んぼ、自分、水の流れというイメージがあります。水が流れるようなフロウという意味も重ねられています。土地に根を張りながら流れていく名義は、山梨で暮らす本人の姿と重なります。活動初期には「チャージ」を名乗り、ビート制作では「Falcon a.k.a Never Ending One Loop」という別名義も使っています。
CHAPTER 02 / SECTION 02田我流の生い立ちとニューヨーク
1982年、山梨県一宮町に生まれました。身近に川があり、子どものころから釣りに親しむ環境でした。中学生のころにラップを聴き始め、高校時代には「さんピンCAMP」に出演したYOU THE ROCK★やBUDDHA BRANDらの表現に強い影響を受けています。
高校卒業後はニューヨークへ渡り、2年間滞在しました。現地ではヒップホップだけを聴いていたわけではなく、さまざまな音楽に触れ、サイケデリックなバンドでギターを弾いた経験もあります。
フリースタイルでは、英語で勝負してもかなわないと感じ、日本語のままラップしてみたところ現地で好意的な反応をもらったといいます。言葉が違っても音楽として届くという実感が、再びラップへ向かうきっかけになりました。帰国後は地元の仲間と本格的に制作を始めます。
CHAPTER 03 / SECTION 03田我流の家族・釣り・地元
子育てをして実感した母の大変さ
田我流は結婚し、子どもが1人いることを話してきました。自分自身は3人兄弟。一人を育てるだけでも大変だと感じるようになり、3人を育てた母親への尊敬を語っています。ラッパーとしての自由な活動だけでなく、親として生活を支える側の実感も、その人物像の一部です。
釣りは子どものころから続く遊び
釣り好きの始まりは、家の近くの川でした。本を読むようになった入口も釣りの本だったといいます。リフレッシュしたいときは早朝から川へ向かうなど、釣りは音楽と離れた余暇でありながら、曲の題材にもなる身近な時間です。
stillichimiya「ちょいとどこまでも」
Hondaの原付バイクとの企画として制作されたstillichimiyaのMVです。田我流一人のソロ曲ではなく、地元の仲間で作るクルーの映像として見ると、暮らしの中の遊びとラップが近いことが分かります。釣りへ出かける体験をラップへつなげる話とともに、移動や遊びが制作へ入ってくる感覚を知る入口です。
MARUが手がけるグッズ
グッズでは、ユーモアと和の雰囲気が同居するデザインを展開してきました。デザインを手がける仲間の一人が丸(MARU)です。楽曲や映像だけでなく、身につけるものにも身近な制作者との関係が続いています。
山梨を舞台にした映画「サウダーヂ」
2011年公開、富田克也監督の「サウダーヂ」では、山梨県甲府市を舞台にした物語で主演を務めました。作中ではヒップホップグループ「アーミービレッジ」のメンバーを演じています。地方で暮らす若者や仕事の現実に関わる物語で、山梨のラッパーとして活動してきた田我流の別の表現の場になりました。
この投稿をInstagramで見る
CHAPTER 04 / SECTION 04田我流のMBTIを編集部が考える
Djtube編集部ではENFPを候補に挙げます。本人が公表した診断結果ではなく、制作の選択や公開発言をもとにした推定です。クルー、バンド、ソロ、映画と表現の場所を変えつつ、釣りや土地の感覚を一貫して作品に持ち込む点に、関心を横へ広げながら自分の価値観を保つ傾向を読みました。
もう一つの材料は、2026年のSPICEの取材で、数字より人との縁を大切にするツアーの考え方や、観客もライブを作るメンバーだと語っていることです。人との関係から新しい場を作ろうとする姿勢を、外向性の材料として捉えています。
一方、釣り場や会場の空気に反応して動く具体的な感覚を重視すれば、ESFPという読み方もできます。自主制作を続けるための計画性もあり、自由な言動だけで一つの型へ確定することはできません。
この投稿をInstagramで見る
CHAPTER 05 / SECTION 05田我流のクルーと活動歴
この投稿をInstagramで見る
stillichimiyaは「まだ一宮」に根を張るクルー
2004年、帰国した田我流が一宮町の幼なじみと結成したのがstillichimiyaです。メンバーは田我流、MMM、Mr.麿、Big Ben、Young-Gの5人。一宮町が周辺自治体と合併して笛吹市になることへの思いが、元の地名を残すクルー名につながりました。
ラップ、作曲、MV制作まで自分たちで手がけることが特徴です。映像を担当するMMMは田我流のソロMVも制作。2020年までに3枚のアルバムを発表しており、地元の友人同士で作る仕組みが、それぞれのソロ活動も支えてきました。
この投稿をInstagramで見る
10人組の田我流とカイザーソゼ
バンドstimとの共作をきっかけに始まったプロジェクトです。KIRIHITOの竹久圏、stillichimiyaのYoung-G、今井留美子らが加わる10人編成で、2015年にアルバム「田我流とカイザーソゼ」を発表しました。名前はメンバーで飲みながら考え、なかなか決まらなかった末に落ち着いたものだといいます。
制作中には田我流が足をひどく骨折し、手術の約2週間後にライブを控える状況になりました。本人のエピソードでは、医師から止められながらも公演に立ち、骨折さえステージの話題にしています。これは当時の出来事で、けがを押して出演することを勧める話ではありません。
制作環境を作り直した「Ride On Time」
ソロでは2020年までに3枚のアルバム、4枚のシングルを重ねてきました。2019年のソロアルバム「Ride On Time」は、「B級映画のように2」から約7年を経て生まれました。それまで一緒に作っていた仲間が仕事の都合で集まれなくなり、制作環境そのものを作り直す必要があったといいます。
そこで田我流はビート制作を学び直し、期間を区切って、その間に出会う人と曲を作る方法を取りました。C.O.S.A.、VaVa、EVISBEATS、KM、KILLER-BONG、Automaticらとの制作へつながり、人生の波や、その時々の出会いを大切にするアルバムになっています。
KMとの共作から、BACK CITY BLUES設立へ
2019年11月にはKMとの6曲入りEP「More Wave」を発表しました。「Ride On Time」で広がった制作のつながりが、二人名義の作品へ進んだものです。B.I.G.JOEとの「マイペース」、自身がFalcon名義でビートを手がける「VIBE」など、ソロと共作を行き来しながら制作を続けました。
2022年には独立し、自らのレーベルBACK CITY BLUESを設立。桃源響RECORDSやMary Joy Recordingsから発表してきた経歴を持つ一方、現在は自分で制作と公演を動かす体制です。2023年10月12日の「OLD ROOKIE EP.1」、同年11月11日の日比谷野外音楽堂ワンマンへとつなげました。
ビートメーカーとしての活動では、インストアルバム「藤沢 2021」もあります。藤沢を訪れた2021年ごろに作っていた曲をまとめ、2024年9月15日に13曲入りで配信。2025年9月24日にはLPとカセットも発売されました。ラップを聴く作品に加え、街で過ごした時間を音だけで残す制作も続けています。
「センチメンタル・ジャーニー」は2018年に7インチ、2019年にデジタルで発表した曲で、2023年にMV、翌年には野音でのライブ映像が公開されました。映像が新しく出た時期と曲の発表年は同じではありません。MAHBIEのビートで、街から街へライブを続ける自身の人生を歌う作品です。
現在もライブを軸に広げる活動
2025年には「SANTANA」を発表し、ワンマンツアー「流 ~ながれ」へつなげました。同年10月15日のDJ CHARI & DJ TATSUKI「Dear Friends」には、柊人、Miyauchiとともに参加。自分の作品だけでなく、世代をまたぐ共演でも言葉を届けています。
2026年11月11日には東京・WWWで「田我流ノ日 2026」を開催予定です。2027年のワンマンツアーも発表され、2月11日が東京・Zepp DiverCity、2月13日が大阪・BIGCAT、3月13日が沖縄・桜坂セントラル。東京と大阪はバンドセット、沖縄はDJセットの予定です。
CHAPTER 06 / SECTION 06田我流のラップと代表曲
田我流は、自然や釣り、生活の細部を題材にしながら、暗い話にも笑いや冗談を混ぜてきました。肩の力が抜けたフロウは、考えていないこととは違います。暮らしの手触りを残したまま、仕事や社会への違和感も言葉にしています。
「やべ~勢いですげー盛り上がる feat. stillichimiya」
「B級映画のように2」に収録された、stillichimiyaとの代表曲です。ソロ名義の作品へ地元の仲間が合流し、一人のラッパーの自己紹介を超えた集団の勢いを作っています。
言葉そのものは難しくありません。同じ響きを繰り返すことで、気分を説明するだけでなく、その場にいる人が共有できる合図になります。生活のしんどさを背負ったまま仲間と場をひっくり返す、クルーの側面が強く出る一曲です。
EVISBEATS「ゆれる feat. 田我流」
EVISBEATSの曲に田我流がラップで参加した楽曲です。EVISBEATSのゆったりしたビートと、田我流が日々の中で心の動く瞬間を並べる言葉が結びつき、長く聴かれてきました。2012年のアルバム「ひとつになるとき」に収録されています。
ここで動くのは、まず世の中の大きな評価ではなく、自分の心です。暮らしの一瞬に反応できる感覚を起点に、音楽を続ける生き方へ進んでいきます。大きな成功だけを人生の尺度にしない、田我流の言葉の選び方が見える曲です。
「Wave feat. C.O.S.A.」
「Ride On Time」に収録されたC.O.S.A.との共演曲です。釣りを通じても親交がある二人が、波や水辺のイメージを人生のタイミングへつなげています。田我流の流れるフロウと、C.O.S.A.の重心の低いラップの組み合わせも、この曲の聴きどころです。
水辺で休む時間を、働くことや音楽と切り離していないのがこの曲の面白さです。釣りの待ち時間を含む暮らしから、転機や次の機会に向き合う言葉が出てきます。アルバム名の「Time」も、時計だけでなく、その人に巡ってくる時機として読めます。
「Cola」
VaVaがビートを制作した「Ride On Time」の収録曲です。MVにはゆるふわギャングやC.O.S.A.も出演しており、音楽を通じて集まる仲間の広がりが映像にも残っています。
説明できる目的より先に歌いたい気持ちがある、という書き出しです。音楽が仕事になると増える事情や負担と、それでも離れられない気持ちが向き合います。炭酸の抜けたコーラという曲中の比喩も、失われかけたときめきへの問いとして効いています。
「SANTANA」
2025年8月29日配信のシングルで、旅や自然、ロマンを大切にする生き方を扱っています。MVには北海道での釣りの旅が入り、MarioWorksと田我流自身が映像を手がけました。趣味を制作の外に置かず、そのまま曲と映像の形にしている作品です。
「絶景」は旅先の眺めとしても、挑戦を続けて初めて見えるものとしても読めます。立ち止まらないことを抽象的に説くのではなく、自然に出かける本人の遊びと重ねているため、田我流らしい実感が残ります。
DJ CHARI & DJ TATSUKI「Dear Friends (feat. 柊人, Miyauchi & 田我流)」
2025年10月15日配信のDJ CHARI & DJ TATSUKI名義の曲に、柊人、Miyauchi、田我流が参加しています。三人は作詞と歌唱でクレジットされ、久しく会っていない仲間との時間や、お互いの暮らしを気にかける思いを一曲に持ち寄っています。
曲全体で反復されるフックは、一人だけが高く上がる成功ではなく、仲間と一緒に進むことへ軸を置いています。出会いを競争相手が増えることとして描かず、互いに分け合えるものが生まれる契機として捉える点が、この曲の温かさです。引用は共通フックであり、田我流一人の体験を証明する言葉として採ってはいません。
CHAPTER 07 / SECTION 07田我流と仲間のつながり
この投稿をInstagramで見る
C.O.S.A.、VaVa、B.I.G.JOE
C.O.S.A.とはライブで共演を重ね、共通の趣味である釣りでも意気投合しました。田我流はラッパーとして筋の通った姿勢だけでなく、人としても最高だと評価しています。
VaVaとは「Cola」の制作でつながり、B.I.G.JOEとはプライベートの釣り仲間でもあります。鮭を釣ってみたいと田我流が頼み、網走まで一緒に出かけたという話もあります。スタジオだけで完結しない交友が、曲で使う言葉の景色にもつながっています。
ANARCHYからの注目と、別の曲の映像
この映像はR-RATED RECORDSが公開したANARCHYの「LOYALTY」で、田我流の曲ではありません。田我流がANARCHYから注目されていたという話に添えられた参考映像です。ANARCHYが今気になっているラッパーとして田我流の名を挙げたという接点があります。異なるラッパー同士の接点を知る材料と、本人の音源を聴く入口は分けて考えると、クレジットを取り違えずにたどれます。
CHAPTER 08 / SECTION 08田我流についてよくある質問
地元で暮らし、仲間と作り、釣りへ出かけ、またライブへ戻る。田我流の曲が持つ幅は、その生活と制作がつながっているところから生まれています。代表曲を追うだけでなく、同じ川や海のイメージが時期ごとにどう変わるかを聴くのも、作品をたどる楽しみ方です。
暮らしを楽しむ感覚を、次の一曲へ
Djtube 編集部

