かしわプロフィール・高校生ラップ選手権・楽曲
かしわは、大阪府岸和田市出身のラッパー。本名は新田一真。第4回・第5回高校生ラップ選手権で、レゲエを取り入れたフロウと下ネタを交えた即興が注目を集めた。楽曲ではJ-POPを志向し、笑いだけでなく、仕事や恋愛の寂しさを物語として描く。
かしわは個人の活動名であり、2018年にはシンガーのマーリー、DJのトムを迎えたグループの名にもなった。バトルで知った人は「真夏のライバルはフランクフルト」、物語を聴きたい人は「最後の日」「みりん」から入ると、音源での表情が分かる。
CHAPTER 01 / SECTION 01かしわのプロフィールと名前の由来
「—」の項目は、記載できる情報が揃っていないことを示す。家族がいない、未婚、経歴がないと断定する表示ではない。
かしわという名前は、だんじり青年団の先輩が、顔を見るとかしみん焼きを食べたくなると言ったことに由来する。岸和田の食べ物と青年団でのやり取りが、そのまま活動名につながった。
ビクターエンタテインメントからの作品発表、NEXUS CLOUD MUSICや自らのかしわRecordsでの活動を、すべて同じ「事務所所属」の意味にまとめることはできない。個人としての経歴とグループでの作品も分けて見ておきたい。
CHAPTER 02 / SECTION 02かしわの生い立ちと音楽への入口
1995年9月23日、岸和田市に生まれる。中学時代は、BUMP OF CHICKEN、ASIAN KUNG-FU GENERATION、くるりなどが好きな友達とバンドを組んだが、練習が面倒になってやめたという。
高校生になると、だんじりの青年団へ入った。高校1年のころには、父親が聴いていたケツメイシから、RYOが参加するタサツへたどり着いた。YouTubeの関連動画がきっかけだった。さらにキミドリを掘り下げ、こんな音楽もあるのかと驚いたことが、友達とラップを始める入口になった。
楽器を弾かなくてもできるという気軽さも、最初の動機の一つ。高校時代はGradeUpという、下ネタを前面に出したクルーを組み、初ライブや動画投稿を経験した。高校生ラップ選手権への出場後も、高校卒業後に駐車場管理会社へ就職し、仕事と音楽を両立していた時期がある。
CHAPTER 03 / SECTION 03かしわのファッションと仲間
古着や帽子を直感で選ぶ
- Timer
- TOMMY
- Budweiser
- MUTANT
- LONELY論理
- beaver
- go slow caravan
かしわの服装は、一つのヒップホップらしさへ寄せるより、古着やバケットハット、キャップを気負わず組み合わせるもの。強いルールで服を選ぶより、直感でよいと思ったものを着るというスタンスだ。音楽と同じく、ジャンルの型に縛られない選び方が見える。
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EINSTEIN、がーどまんらとの交流
交流があるのはEINSTEIN、がーどまん、言xTHEANSWER、じょうら。がーどまんは「最後の日」のMVにも出演している。
かしわがラップを始めて組んだクルーにはEINSTEINの兄がいて、二人は互いの存在を知っていた。第4回高校生ラップ選手権のオーディションでEINSTEINから声をかけ、サイファーをする仲になった。かしわRecordsにEINSTEINが所属するなど、私生活での交友だけでなく音楽活動でも関係を深めていった。
CHAPTER 04 / SECTION 04かしわのMBTIを編集部が考える
Djtube編集部では、かしわをENFPと推定する。本人が公表した診断結果ではなく、公開された制作や活動上の選択をもとにした人物像の仮説だ。
根拠は、フランクフルトを恋のライバルにしたり、台所のみりんから別れた恋人の不在を描いたりする発想の広げ方。そして、個人名をそのままグループへ開き、レゲエ、バンド、J-POPの要素を行き来する制作姿勢だ。既存の分類より、自分が面白いと思った着眼点を曲にする点から、この型を候補にした。
ただし、奇抜な題材や舞台上の振る舞いだけで、普段の社交性まで分かるわけではない。物語を丁寧に練る作り手としてINFPとも読め、性格の確定や行動予測に使える判定ではない。
CHAPTER 05 / SECTION 05かしわの活動歴と3人体制
ソロの名前がグループの名前へ
2018年にシンガーのマーリー、DJのトムが加わり、ラッパーのかしわを含めた3人体制になった。マーリーは所属グループが解散したタイミングで、かしわから声をかけた。レゲエへ寄せたい思いもあり、ラバダブなどを聴いていたマーリーが合うと考えたという。マーリーのセレクターをしていたトムにも誘いがつながった。
名前を変えなかった理由には、ジョン・ボン・ジョヴィの名前を使うバンド、ボン・ジョヴィの存在もあった。個人名がグループ名でも構わないと考え、かしわを引き継いだ。
2014年のシングルデビューと、2019年の「3人でかしわ」によるメジャーデビューは別の節目。2014年12月には「フットワーク」、2017年には「大人になったかも」、2018年には「さよなら myself」も発表している。
2024年の「シン」は「最後の日」から続く物語として発表された。2025年の「着ぐるみ」へと作品が続いており、高校生ラップ選手権でのキャラクターだけでは捉えきれない、物語を作る活動が続いている。
CHAPTER 06 / SECTION 06かしわの楽曲と制作スタイル
ギターとメロディーから曲を組み立てる
かしわは自分の音楽をJ-POPと捉えている。父親の影響で親しんだケツメイシやレゲエの響きがあり、楽曲ではキャッチーなメロディーとコード進行を重視する。MPCなどのパッドを中心に据えるより、ギターを使ってトラックを作る。バンド経験でギターを弾けることも、制作の支えになっている。2019年のインタビュー時点では、制作にギターを使う一方、ライブでは弾かないと説明していた。マーリーとトムが周りにいる編成で、ラッパーとして立ちたいという考えもあった。
「みりん」の歌詞制作を語るこの映像も、題材の奇抜さだけで曲を作っているわけではないことを知る手がかりだ。ヒップホップでは見かけにくい題材を使いながら、一曲ごとに構成とストーリーを練っている。
真夏のライバルはフランクフルト
2014年5月21日のデビューシングルで、iTunesヒップホップ/ラップチャート1位を記録した。主人公、女性、フランクフルトという三角関係を、覚えやすいメロディーへ載せる。恋敵に食べ物を置く発想が、かしわのキャラクターをよく表している。
最後の日
高校を出て働く経験とも重なる、日々の生活と人生を考えさせる曲。等身大の言葉を重ねた先にある展開も含め、物語として聴きたい一曲だ。MVにはがーどまんが出演している。歌詞の主人公と、かしわ本人の実際の人生をそのまま同一視しないことも必要になる。
繰り返しのフックにある、ありふれた日々を指す短句。特別な一日を望むだけでなく、その日常を失いたくないという気持ちへ向き直るところに、題名との対比がある。曲の主人公の迷いとして聴くと、最後という言葉が、今日をどう過ごすかという問いにも聞こえてくる。
みりん
かしわが気分の沈んだときに書いた歌詞をもとにした曲。調味料のみりんを恋人との生活へ重ね、フォークのような弾き語りを中心とした音作りで聴かせる。菅田将暉がラジオで紹介したことでも話題になった。
料理の調味料という小さな手がかりから、二人暮らしの記憶がほどけていく。大きな別れの言葉より、使い切れない物が残っている描写で不在を感じさせるところに、この曲の切なさがある。
着ぐるみ
2025年4月23日発表の曲。「着ぐるみ」を人前でつくる自分の姿へ重ね、好かれようとして本音を隠す気持ちを描く。10周年を経た作品として、笑いの奥にある孤独にも触れている。
着ぐるみは見た目を変える道具である一方、内側の人を守るものでもある。相手に合わせる振る舞いを単純に偽物と責めず、そうせざるを得なかった気持ちへ問いかける表現として読める。
CHAPTER 07 / SECTION 07かしわの高校生ラップ選手権
この映像はバトル本編ではなく、高校生ラップ選手権の裏話を語るインタビューだ。第4回・第5回の対戦では、下ネタとレゲエフローを武器にしたキャラクターが強く印象に残った。
第4回・りぼん戦
勢いよく攻めるりぼんに、かしわが下ネタを返した。りぼんも引かず、かしわの見た目へ切り返す。途中で音が止まるトラブルもあり、勝負は延長へ。最終的にはかしわが勝った。
りぼんは、かしわに彼女ができたという話題を持ち出しながら、自分の方が強いと主張。かしわRecordsにも矛先を向け、週3回のサイファーと、男との交流がないことを対比して攻めた。
かしわは、性経験やムダ毛を持ち出す下ネタで返す。相手のラップの内容へ正面から答えるより、露骨な言葉とレゲエフローで場の空気を変えようとする応酬だった。
りぼんは、かしわにピッチを合わせて返すと応じ、かしわの顔を小学3年生のようだとからかった。下ネタを言う本人の幼く見える顔へ、狙いを切り替えた。
かしわは、近くで見ると化粧が濃いと返し、共立美容外科の名前を持ち出す。髪の話も再び下ネタへつなぎ、相手に流れを渡さないやり取りを続けた。
第5回・YZERR戦
YZERRの固い押韻に、かしわはレゲエフローで向き合った。YZERRの兄ともう一度戦いたいという言葉も飛び出し、兄弟対決への期待とは違う結末を狙う応酬になった。延長の末、僅差でYZERRが勝利。両者の返し合いを追える一戦だ。
YZERRは、まず見た目がダサいことを認めろとかしわを攻める。自分は1回戦で負けていない、マイクを持って見返しているのだと、勝ち上がる意思も言葉にした。
かしわは、2回戦に来て緊張が取れたと返答。顔では負けていると受けながらも、YZERRの兄ともう一度戦いたいと、次の対戦まで視野に入れた。
YZERRは、観客が自分に興味を持っていないからこそ見返しに来たと主張。川崎を代表する立場を示し、かしわは次へ上がれないと挑発した。
かしわは、鉈を返すという言葉から反撃し、YZERRと兄が対決するドラマのような展開を覆したいと応じた。最後は自分を変態の王とする下ネタのキャラクターへ戻し、締めくくった。
CHAPTER 08 / SECTION 08かしわのよくある質問
かしわは、バトルで見せた笑いと、生活の細部を掘る音源の両方を持つ。題材の奇抜さに驚いたあと、その歌の主人公が何を失い、何に気づくのかまで追うと、作品をもう一段深く楽しめる。
Djtube 編集部

