JESSE戸越から、バンドとラップで人をつなぐ
JESSEは、RIZEとThe BONEZのフロントマンであり、Jesse McFaddin名義でも曲を発表するラッパー、ギタリスト。東京都品川区の戸越銀座で育ち、ロックとヒップホップを横断する音楽と、地元の人が集まる場所づくりを続けてきた。
父はギタリストのChar。父への反発からラップを始めた少年は、バンドで日本武道館に立ち、ソロでは「Welcome」「I talk」のように人と人のつながりを歌うようになった。2026年にもThe BONEZの「IMAGINATION」や、Novel Core「ビリビリ」のリミックスへの参加がある。家族、戸越、仲間、そして作品の関係から、その活動をたどる。
CHAPTER 01 / SECTION 01JESSEのプロフィール
日本語の通名として竹中空人(たけなか・そらと)も紹介されてきた。米国籍で、学校はインターナショナルスクールで学んだ。日本と米国の文化の間で育った経験は、日本語と英語を交える歌い方だけでなく、地元との距離を考える姿勢にも表れる。
RIZEとThe BONEZは別のバンドで、Jesse McFaddinのソロも、そのどちらかの別名ではない。E.D.O.ではDef TechのShenらと、GICODEではSPHERE of INFLUENCEと活動してきた。名義と共演相手を分けると、ロック側からもラップ側からも作品を探しやすい。
CHAPTER 02 / SECTION 02JESSEの生い立ちと父Char
音楽一家に生まれ、学校ではつまずきも経験
1980年8月11日、JESSEはCharと、作詞家で元モデルのKanna S. McFaddinのもとに生まれた。Charは中学生のころからスタジオで演奏し、後にギター・マガジンの「ニッポンの偉大なギタリスト100」で1位に選ばれたギタリストだ。
音楽が身近にある環境でも、学校生活は順調なことばかりではなかった。最初のインターナショナルスクールでは英語の授業についていけず、小学2年生で留年し、学校を移った。後にはセント・メリーズ・インターナショナル・スクールから、アメリカンスクール・イン・ジャパンへ転校している。セント・メリーズを退学になったとも紹介されているが、その理由を不良漫画への憧れと結び付けた説明は、本人の確認できる発言からは裏付けられていない。
当時は「今日から俺は!!」「ビー・バップ・ハイスクール」のような不良漫画に憧れ、指定のブレザーではなく学ランで登校していた。将来の夢は忍者。国際的な環境にいながら、日本の漫画や文化にも強く惹かれていた。
高校時代には、Charのツアースタッフを手伝いながら学校へ通い、卒業した。地元の同学年とは別の学校で育ち、「戸越の外人」と呼ばれていたことも、後に地元で居場所を作ろうとする背景になっている。
父に反発して始めたラップと、後から手にしたギター
ギタリストの息子だからギターを弾く、という見られ方への反発があった。最初はギターをしないつもりで、同級生の影響からラップへ向かった。Wu-Tang Clanの「Enter the Wu-Tang (36 Chambers)」も、影響を受けたアルバムの一つだ。
その後、バンドブームの中で中学2年生ごろからギターも始める。父から直接教わったわけではない。2014年に紹介されたファンの投稿には、ギタリストの息子なのに弾けないのかとからかわれ、悔しくて始めた話を見聞きしたという反応もあった。第三者が伝えた当時の小話として、父への反発だけで終わらないギターとの出会いが語られていた。DJを練習したもののBPMを合わせられず、ブレイクダンスやグラフィティにも触れた。いくつかの表現を試しながら、ラップとギターが中心になっていった。
父への反発があっても、Charへの敬意がなくなったわけではない。JESSEは父を最も尊敬する男性として語り、ライブや配信でも共演してきた。幼いころ、山でコンパスだけを渡され、東へ向かえと言われたという父の小話も、2017年の対談で笑いながら振り返っている。
RIZEの金子ノブアキ、KenKenの父はドラマーのジョニー吉長。Charがジョニー吉長らとJOHNNY, LOUIS & CHARを組んでいたように、親の世代からのつながりもある。ただし、RIZEで音を出してきたのは、息子たち自身の関係と選択だ。
CHAPTER 03 / SECTION 03戸越の日とショップの活動
地元で人が集まる場所を作る
JESSEの家族は曾祖母の代から四代にわたって戸越に暮らしてきた。祖母は地元で医師として知られ、そのつながりを受け継ぎながら、JESSE自身も地域の人と関係を築いた。
下北沢のように音楽で活気のある街にしたいという思いから、2010年に5月4日を「戸越の日」として、戸越公園で無料のイベントを始めた。きっかけには、同年1月12日のハイチ地震がある。公式の紹介では、最初のステージは公園のベンチで、プロとアマチュアの区別なく、歌や絵、スピーチで希望を発信する場だったと説明している。
その後の開催も地域の協力を得て続き、2019年には10回目を迎えた。毎年必ず同じ形で開かれていると決め付けず、活動を重ねてきた地域イベントとして知っておきたい。
Jesse’s Shop & Factoryの出発点はLAのビーチ
ショップとTシャツ工房の原点は、2003年のロサンゼルスにある。自分で文字の型を作り、Tシャツへスプレーし、ヴェニスビーチで売った。その経験から、2004年にはSLIP&Coを立ち上げ、2015年にはJesse’s Shop & Factoryを開いた。
地元の若者へ安心して働ける場所を作るという思いもあった。店は服を買う場所であると同時に、近くを通れば仲間がいて、困ったことを相談できる場所でもある。音楽で人を集めることと、日常の居場所を作ることが、戸越でつながっている。
CHAPTER 04 / SECTION 04結婚・家族と2019年の判決
2008年の結婚と、武道館での再婚報告
JESSEは2008年にダンサーのMOMOと結婚し、長女のリリカを授かった。その後離婚し、2017年12月20日のRIZE日本武道館公演で、再婚と男の子を授かったことを報告した。
最初から発表する予定だったわけではなく、ラブソング「missing you」を演奏する中で自然に言葉が出たという。家族についての公表も、ライブで歌う言葉と近いところにあった。
2019年の逮捕と、執行猶予付き判決
2019年7月19日、JESSEは大麻所持の容疑で逮捕された。同日にはRIZEのKenKenの逮捕も報じられた。その後、JESSEは大麻とコカインを所持した罪に問われ、10月29日の東京地裁の公判で、懲役2年、執行猶予3年の判決を言い渡された。
当時は所持を認め、反省とステージへ戻る意向を示したと伝えられている。判決と、その後に作品を発表した活動歴は、それぞれの時点で押さえたい。2020年12月11日には、ソロアルバム「Crescent」を発表した。
RIZEについても、辞めるつもりはないと話していた。その後は2024年と2025年にツアーを行っており、2019年の時点からずっと活動が止まったままだという説明には当てはまらない。2025年12月にはライブ活動休止が公式に告知されたが、その後、2026年9月の公式発表で10月31日の女川町の音楽祭「オナガワ・コテリズン」への出演が告知された。休止の発表と、その後の出演予定は別の時点の情報だ。
CHAPTER 05 / SECTION 05JESSEのファッションとタトゥー
BUGLE BOYから、ストリートのブランドへ
服に興味を持ったのは小学生のころで、入口はアメリカのBUGLE BOYだった。その後はヒップホップやスケートボードの影響を受け、SLIP&Co、fuct、HUF、COCOLO BLANDなど、ストリートのブランドを着てきた。自身のブランドは、現在の公式プロフィールではS&Co.としても案内されている。
音楽、スケート、服を別々の趣味として区切るより、同じカルチャーの中で選んできた感覚がある。Tシャツを作る仕事も、身に着けるものと自分の表現の延長にある。
体へ刻む、忘れたくない気持ち
JESSEは唇、首、腕、胸、背中、脚などにタトゥーを入れている。McFaddin R.I.P.、MCMLXXXX、LOVE、33、DGAF(Don’t give a fuck)、桜、スパイダーウェブ、王冠、トライバル、「天」の逆さ文字など、文字と図柄が混在する。2013年には、そのタトゥーの多さに驚くファンの投稿も紹介されていた。
色は黒とグレーを中心にしており、さまざまな図柄の中にも統一感がある。忘れたくない気持ちを体へ残すという考えで、見せ方も含めて表現としてきた。一方、自分への憧れだけでファンに彫ってほしいとは考えていないとも話している。
脚には、Pay money To my PainのKへ向け、自分で彫ったというタトゥーもある。Kが亡くなったのは2012年12月30日で、訃報が公になった2013年1月の時点とは分ける必要がある。仲間への思いを忘れないための行為として紹介されてきた。2018年のファンの投稿には、JESSE自身が彫った脚のタトゥーを見てみたいという反応もあった。いずれも当時の少数の反応で、現在の評判全体を示すものではない。
Zeebraの息子でDJのREN(Ren Yokoi)は、2017年の対談で、父から、JESSEのタトゥーは家族などを背負う証だという趣旨の言葉を掛けられたと話した。
CHAPTER 06 / SECTION 06JESSEのMBTIを編集部が考察
Djtube編集部は、公開された制作や地域活動から、ENFJを一つの候補と考える。本人公表の検査結果ではなく、公の発言と選択に基づく推定だ。
手掛かりは、「戸越の日」を来場者も発信できる場にしたことと、ショップを若い人が集まり、相談できる場所へ育てたことにある。「Welcome」「I talk」でも、違う背景の人を迎え、音を通じて関係を作ろうとする言葉を選ぶ。自分だけを示すより、人の間に立ち、共有できる方向を作る姿勢を重く見た。
一方、音楽から服づくり、店へと発想を広げる点を重く見ればENFPとも読める。作品に表れる価値観が日常の行動すべてと同じとは限らず、型を使って私生活や過去の事件を説明するものではない。
CHAPTER 07 / SECTION 07RIZEとThe BONEZの歩み
RIZE――幼馴染と叶えた日本武道館
RIZEは1997年、JESSE、幼馴染の金子ノブアキ、TOKIEで結成した。2000年8月23日に「カミナリ」でメジャーデビューし、11月1日には「Why I’m Me」を発表した。同曲はオリコン最高10位を記録した曲として紹介されてきた。ロックにヒップホップやレゲエを取り込む音楽で、Dragon Ash、山嵐らとともにミクスチャーの現場を広げてきた。
2006年にはKenKenが加わり、2008年に中尾宣弘が脱退。その後、JESSE、金子ノブアキ、KenKenの三人で活動してきた。JESSEと金子ノブアキは、長い年月を共にする相棒と呼び合う関係だ。RIZEという名前は、もともとCharの会社名としてJESSEが考えたものだった。
結成のころからあった、日本武道館に立つという夢は、2017年12月20日の「RIZE TOUR 2017 “RIZE IS BACK”」で実現した。結成から約20年の道のりだった。本人も、強く印象に残るライブとしてこの公演を挙げている。
2018年4月1日には、戸越で「RIZE GALLERY」が開かれ、武道館公演ゆかりの品が展示された。「ALL TIME BEST」と武道館公演作品の同時発売もあり、地元とライブの記憶を結び付ける企画になった。
The BONEZ――ソロプロジェクトから別のバンドへ
The BONEZの起点は、2011年のJESSEのStand Up! Projectにある。翌2012年11月11日、JESSE、T$UYO$HI、ZAX、ZUZUによるJESSE and The BONEZとして始動。2013年9月にThe BONEZへ改名し、ZUZUの脱退後、同年10月にNAKAが加入した。2014年1月22日にはアルバム「Astronaut」を発表した。
2019年にNAKAが脱退し、2022年4月には、サポートを務めていたKOKIがギタリストとして正式加入した。現在の公式プロフィールが示すメンバーは、JESSE、KOKI、T$UYO$HI、ZAXの四人。RIZEとJESSEのソロ活動から区別される、もう一つのバンドだ。
ハードコアやパンク、エレクトロなどを取り込み、英語の歌詞も多く歌ってきた。RIZEと共通するJESSEの声があっても、別の仲間と作るサウンドがある。2025年末のライブ活動休止告知を経て、2026年には復活を告知し、11月3日の単独公演「SUNTOWN – THE SECOND –」を発表している。
CHAPTER 08 / SECTION 08JESSEのラップと楽曲
日本語と英語を混ぜ、ラップとメロディーを行き来するのがJESSEの表現だ。ソロ曲もギターから作ることが多く、言葉を刻むだけでなく、歌として聞き手へ残るメロディーがある。ロックのフロントマンとして培った声の幅が、ラップにも持ち込まれている。
RIZE「Why I’m Me」――仲間と作る自分
2000年11月1日発表のセカンドシングル。荒削りなスピード感と、親や仲間への思いを直接歌う言葉が重なった、初期RIZEの代表曲だ。勢いで押し切るだけでなく、繰り返して歌えるサビが、会場とバンドをつなぐ。
自分が自分である理由を、一人の才能だけに置かず、また会いたい仲間との関係へ戻している。親や地元の友達への感謝も含み、自己紹介がそのまま周囲の人の紹介になる。ギターとマイクの両方を手にするJESSEの出発点が伝わる曲だ。
The BONEZ「Thread & Needle」――問いを抱えた歌声
「Astronaut」に収録されたThe BONEZの曲。従来の紹介でも、静かな場面と強く感情を押し出す場面を持つ曲として取り上げられてきた。RIZEの日本語ラップとは異なる、英語で問いを投げ掛ける歌詞も特徴だ。
何を探しているのかという問いから始まり、糸と針のイメージへ向かう。答えを最初から持つ人の宣言ではなく、まだ分からないまま他者と結び付こうとする言葉として読める。題名の二つの道具も、片方だけでは縫えない関係として響いてくる。
RIZE「YUZURIHA」――子供へ向ける言葉
「YUZURIHA」は、2010年6月23日発売作品の収録曲。JESSEが長女リリカの20年後を思い、書いた曲として紹介されてきた。遊ぶことから恋愛、悩むことまで、成長して経験するさまざまな場面を並べている。
子供を思いどおりに育てるという言葉ではなく、どんな年齢になっても気に掛ける立場でいたいという願いに読める。道を外れたり迷ったりする未来も含め、相手の存在を引き受けようとする歌だ。親への反発を語ったJESSEが、親として何を残すかを考える一曲でもある。
Jesse McFaddin「Welcome」――違いを迎える
2020年の「Crescent」に収録されたソロ曲。アコースティックギターを中心に、人種や文化、信仰の異なる人を迎えようとする言葉を重ねる。公式の作品説明でも、流れる血の色は同じで、違いを受け入れることが大切だというテーマが示されている。
違いを消して一つになるのではなく、色が違うまま迎えるという表現だ。生まれた環境によって人の価値を分けず、まず相手を受け入れる。戸越で育ちながら周囲との違いも感じたJESSEの話と併せて聴くと、この言葉が抽象的な理想だけではないことが分かる。
Jesse McFaddin「I talk」――外へ出て人と会う
「Crescent」に先行して2020年に発表された曲。エレキギターのカッティングを用いた曲として紹介されてきた。歌詞では、外へ出て物を見て、人と会い、歌詞や音を聞くことが、関係を作る行動として並ぶ。
つながるという結果の前に、歩く、会う、聞くという具体的な行動がある。誰かと分かり合えるのを待つより、自分から外へ出ることで関係が生まれる読みができる。店や地元で人と接してきた姿勢とも重なるが、歌詞のすべてを一対一の実生活の記録と決め付けるものではない。
Jesse McFaddin「Dali」――ラップとして残す自分
「Crescent」の最後に収められた曲で、作曲にはROQが関わる。ヒップホップの色が濃い曲として紹介されてきた一方、人間として夢を見る自分を置く言葉もある。音楽をアートとして扱いながら、どこか人間臭い視点を残す曲だ。
MVにはCharも出演している。父への反発から始まったラップのソロ作品に、父が共に映る。ギタリストの息子という肩書きだけでは説明できない、長い時間を経た関係がある。
JESSE「Never Mind feat. Kj」――父から子へ
2024年12月25日に配信された、Dragon AshのKjとの共同曲。JESSEのソロ名義にKjが加わり、バンド同士の曲とは別に、父から子への思いや願いを歌う。DOC-DEEが制作を担当し、三年間の構想を経て完成したと公式配信で説明されている。
違いを認める短い言葉に続き、やがて支え合って生きるという方向へ進む。自分らしさを守ることと、人を必要とすることを両立させている。これは二人の共同作詞曲にある言葉で、確認できた歌詞表示だけからJESSEの担当箇所を断定してはいない。
The BONEZとDragon Ashの「Straight Up」ツアー会場で販売されたCDにも収録され、ツアー最終公演では二人で披露した。バンド同士の作品と、この完全ソロ名義の共作を分けると、父から子へという題材へ向かった二人の選択が見える。
The BONEZ「IMAGINATION」――次の扉を探す
2026年のThe BONEZの曲。公式MVは8月に公開され、正規配信上の発売日は9月14日と記されている。作詞とボーカルはJESSE、作曲はT$UYO$HI。KOKI、T$UYO$HI、ZAXの演奏もクレジットされ、四人の現在の制作単位が分かる曲だ。
国を指す語と想像力を指す語を重ね、現実の境界とは違う場所を言葉で作る。歌詞は若い人へ呼び掛け、まだ見たことも触れたこともない扉を探している。過去のバンドの再現ではなく、今の四人が何を次へ渡すかを考える読みができる。
CHAPTER 09 / SECTION 09ラッパーとの交流と近年の作品
Def Tech、Shen、Microとのつながり
JESSEはロックの現場だけでなく、SIMON JAP、YOU THE ROCK★、ANARCHY、Def Techらとも交流してきた。Def Techは、MicroとShenを紹介したのも、ユニット名を付けたのもJESSEだという関係にある。MicroはJESSEを音楽の師として敬い、ShenとはE.D.O.でも活動した。
2025年には、Def Techのアルバム「4ELEMENTS」で「ANOHI feat. JESSE」をプロデュースし、客演もした。昔の出会いの話だけでなく、年月を重ねてからも一緒に曲を作る関係が続いている。
2024年にはTHE SPELLBOUNDのアルバム「Voyager」に収録された「2Colors feat. JESSE」にも参加した。ドラマ「ハッピー・オブ・ジ・エンド」の主題歌となった共演で、バンドのフロントマンとしての活動とは別に、他者の作品へ声を持ち込む仕事も続いている。
SIMON JAP「ART OF PAIN REMIX」
SIMON JAPとは、「フリースタイルダンジョン」の特番「有名人が監督プロラッパーチームを作ろう!悶絶のガチバトルSP」で共演し、意気投合した。SIMON JAPは十代のころからクラブでJESSEを見ていたといい、番組は互いの存在を知る関係から、深く話す関係へ進むきっかけになった。従来の紹介では、JESSEが周囲にもSIMON JAPへ敬意を払ってほしいと伝えていたことが取り上げられている。若いころから自分を見てきた相手への、本人なりの敬意だった。
2021年の「ART OF PAIN REMIX」では、SEEDAとJesse McFaddinが客演した。JESSEの工房でSIMON JAPのグッズも作るなど、曲と仕事の両方で関わっている。音楽家同士の交流が、ステージの一度きりで終わらない例だ。
YOU THE ROCK★に教わった、地元を背負うこと
YOU THE ROCK★の故郷・長野へ行ったときは、二日間にわたり家族や家族の店、地元の場所を案内してもらった。タクシー会社を営む父が、十数台の車を連れて迎えに来たという話もある。
JESSEが感じたのは、地元を代表するという言葉を、日々の人間関係で示す姿だった。戸越で店やイベントを作る姿を知った上でこの話を聞くと、地元への愛が抽象的な肩書きだけではないと分かる。
Novel Core「ビリビリ -Remix- feat. JESSE, JUBEE」
2025年12月15日のNovel CoreとJESSEによる原曲を、JUBEEが加わって再構成した2026年6月24日配信の曲。原版とリミックスでは参加者が異なる。さらに後のライブ音源もあるため、同じ題名だけで版を一つにまとめないで聴きたい。
二人の衝突へもう一人が入ることで、歌詞も三者が作る場を示す。これは共同曲全体の短句で、JESSE一人のパートとして確定した引用ではない。バンドとラップを行き来してきた先輩が、別世代の二人と並ぶ近年の仕事として知っておきたい。
父との距離、戸越で作った居場所、バンドの仲間、家族へ向ける歌。JESSEの曲は、自分と誰かの関係へ何度も戻っていく。RIZEから知った人も、The BONEZの公演で出会った人も、ソロの「Welcome」「I talk」へ進むと、同じ声が違う形で人へ近づいていることに気付くはずだ。
自分の声が届く場所に、人の居場所も作る
Djtube 編集部
