「拍子」とは、1小節の中にどれぐらいの長さの音符がいくつまで入るか、つまり小節自体の長さを定めたルールのことです。
拍子は数える基準となる音符の種類と、それが入る最大の個数を組み合わせて「●分の◇拍子」といった形式で表され、楽曲それぞれについて設定されています。
「8分の4拍子」は、「1小節の長さ=8分音符4つ分の長さ」というルールを表しています。すなわち、8分音符4つ(4拍)分の長さであれば1小節、8分音符8つ(8拍)分の長さであれば2小節です。
このように、小節数を知りたい楽曲・フレーズについては、基準の音符いくつ分の長さになるかを調べれば小節数がわかるのです。
楽譜では1小節ごとに縦線を引いて区切るルールになっていますので、目で見れば簡単に数えられます。
「8小節」は、主に楽曲やフレーズの長さを表す用語であることをお伝えしました。
続いて、実際にどういった場面で使用されているかについて、例文を交えて紹介します。
「8小節」は、下記のような使い方をされることが多いです。
上記をより詳しく説明すると、以下のような意味です。
「8小節」は楽曲・フレーズの長さを表す用語なので、ラップバトルやフレーズなどの音楽的な長さを伝えるために使われます。
長さそのもの以外では、③のように楽譜上でどの位置にあたるかを示すといった使い方も可能です。
音楽用語である「8小節」は、楽曲の歌詞としてもよく使われています。歌詞から集めた例文を下記にまとめましたので、使い方の参考にしてみてください。
歌詞中では、使い方の説明で紹介したように時間的な長さの意味で使われます。
「あと8小節」や「迎え撃つ8小節前」など、どちらかというと「長い」より「短い」という意味で使われることが多いようです。
MCラップバトルの各ターンは多くの場合「8小節」またはその倍の「16小節」であるため、ラップやラップバトルを連想させる目的で用いられることもあります。
「8小節」全体ではありませんが、「小節」の部分の類語としては「バー」が挙げられます。「バー」は後ほど紹介しますが、「小節」を表す英語表現の1つです。
また、「8小節」は楽曲やフレーズの長さを表す用語ですので、同じ長さを意味する言葉で代用できます。
たとえば、4拍子であれば基準の音符4つ分(4拍)、3拍子であれば3つ分(3拍)が1小節と同じ長さです。
そのため、前者は8小節×4拍で32拍、後者は8小節×3拍で24拍と言い換えられます。
MCラップバトルでは「8小節」または「16小節」ごとにターンが入れ替わる形式が多いため、「8小節」制のバトルなら「1ターン」も近い意味として使えるでしょう。
雰囲気が似ている言葉に「8ビート」があります。こちらは楽曲・フレーズの長さではなくリズムパターンに関する音楽用語であるため、意味が異なる「8小節」の代わりとしては使用できません。
ここまでは日本語表現の「8小節」について解説してきました。
「8小節」は英語圏と共通の考え方ですので、当然ながら英語表現もあります。
音楽用語の「小節」には、「bar」または、「neasure」の2通りの英語表現があります。そのため、「8小節」の英語表現としては以下の2つが挙げられます。
「小節」には英語表現が2つあるため、「8小節」は例文のように「eight bars」または「eight measures」の2通りで表現できます。
Kendrick Lamar
Kanye West
Justin Bieber
「bar」は可算名詞の単数形のため、「8小節」のように小節が複数ある場合は複数形の「bars」に変化します。同様の理由で、単数形の「measure」が「measures」と複数形に変わっています。
「measure」は、「小節」以外の意味でも音楽用語として使われる単語です。
可算名詞として使われるときは主に「小節」を表しますが、不可算名詞として使用されるときは本記事でも紹介した「拍子」という意味を持ちます。
前後の文をよく読み、「拍子」の方の意味で使われていないか注意しなければなりません。
「8小節」について、下記を中心に解説しました。
「8小節」は楽曲・フレーズの長さを表す用語で、作詞作曲やMCラップバトルなどにおいてよく使われています。
とくにMCラップバトルではターンが「8小節」制であることも多く、歌詞を含めてファンやアーティストの間に広く普及しています。
本記事では、「小節」そのものの考え方および数え方について紹介しました。
興味のある人は好きな曲で「8小節」を数え、ラッパーの世界を体験してみてください。