Spotifyが海外で使えない時はVPNで解決出来る
Spofiryは世界各国で提供されている音楽専門のストリーミングサイトですが、海外でログインができなくなって使えないという報告があります。
こういったケースではVPNを使うことで解決することが可能ですが、まずはVPNの仕組み、VPNを海外で利用するメリットとデメリットといった基本から紹介します。
そもそもVPNとは何?
VPNとは「Virtual Private Network」の頭文字を取った略称です。日本語では「仮想専用通信網」という意味になります。
VPNは世界中を網羅しているVPNサーバーを経由し、特定の人だけが使える専用回線を仮想的に作っています。
かつては企業が高いコストをかけて専用回線を構築していましたが、現在はVPNを使うことで個人でも手軽かつ安価に、セキュリティレベルの高いインターネット環境を手に入れることができました。
主なVPNの活用例としては、自宅から職場の社内ネットワークにアクセス、東京と大阪などサーバーの設置場所が物理的に離れている拠点間をVPN専用のルーターで繋ぐといった点が挙げられます。
VPNは個人利用も活用されている
VPNの活用例は職場だけではありません。カフェや店舗など街中で提供されているフリーWifiやLINE電話などのIP通話を安全に行うことが可能です。
フリーWifiやIP電話には、通信を盗聴される、改竄されるといったリスクが存在しています。
実際にパスワードやメールアドレスといった個人情報の流出、クレジットカード不正利用、端末の乗っ取り、マルウェアによるウィルス感染が報告されています。
また、被害に気が付きにくい一例としてGPS機能を利用した情報監視され続ける可能性も秘めているようです。
こういったリスクを回避するために、VPNは有効な選択肢となります。
海外でVPNを使うメリット
海外でVPNを使うメリットはセキュリティ強化だけではありません。
- 海外でも日本のサイトを閲覧できる
- サブスクが割安で契約できる
海外から日本のサイトを閲覧できないケースがあります。サイトの運営者は、どの国やエリアからアクセスを許可するかを決定しています。
このため海外から接続しようとするとIPアドレスの国判定で日本ではないと判断され、サイトの接続をシステム的に拒否されてしまうのです。
VPNを使って接続元のIPアドレスを日本のものに変えれば閲覧できるようになります。
この仕組みは、サブスクを割安で利用するというライフハックとしても活用することが可能です。
サブスクをお得に契約できる理由
SpotifyやYouTubeといったサブスクは海外でも契約することができるのですが、その国によって料金が異なります。
例えばSpotifyのプレミアム版を契約する場合、日本では980円、インドでは約190円、アルゼンチンでは約220円、ブラジルでは約570円となっています。
同じプレミアム版でも料金が大きく異なるのは、各国の経済状況を鑑みた金額が設定されているためです。先進国は概ね料金が高く、発展途上国は低く抑えられています。
VPNを経由し、対象の国のサーバーを経由することで、渡航せずとも外国のサブスクを契約することが可能です。
海外でVPNを使うデメリット
VPN使うと良いことばかりのように見えますが、海外で使うことで以下のようなデメリットもあります。
- 通信速度が遅くなることも
- VPN利用の料金が発生するかも
VPNサーバーは複雑なデータの暗号化を施しているため、どうしても負荷が高くなりがち。国内利用であれば使っている人が遅いと体感することはそこまで多くないでしょう。
しかし、海外から別の国のサイトにアクセスしようとすると、物理的にサーバーの距離が離れているので通信が到達するまでの時間がかかってしまうからです。
デメリットになっても有料VPNがおすすめ
海外で少しでも早い通信速度を確保するために有料のVPNを選んだ方が良いでしょう。
VPNの料金がかかることはマイナスのイメージがあるかもしれませんが、無料のVPNはおすすめできません。理由は、サーバーが設置された拠点数が有料VPNと比較すると少ない傾向にあるからです。
有料VPNであれば、潤沢にVPNサーバーが設置されているので、快適な速度でインターネットを楽しむことができます。
VPNが使えない国もある
VPNは日本や欧州では基本的に合法ですが、以下の国はVPNを違法と定めているか、厳しい制限を設けているため実質使えないと考えて良いでしょう。
- 中国
- ロシア
- ベラルーシ
- トルクメニスタン
- 北朝鮮
- イラン
- イラク
- オマーン
これらの国の共通点は、独裁政権で国内の言論統制を敷いているという点です。国によって違法のレベルが異なります。
例えば、中国、ロシア、イランでは政府が認めたVPN業者のみ利用が認可されています。
北朝鮮では国民がインターネットそのものに接続できる環境がなく、観光客がVPNを利用すると拘束されるケースもあるようです。
VPNを制限付きで許容する国もある
以下の3ヶ国ではVPN自体は合法であると定義されていますが、アクセスできるサイトが国によって異なります。国によってブロックされる対象のサイトが異なります。
- エジプト
- トルコ
- UAE(アラブ首長国連邦)
国によってアクセス可能なサイトは異なりますが、政府が禁止しているサイトに接続を試みると罰金を科されてしまう可能性があることを留意しましょう。
Spotifyが海外で使えない原因はプランの違いにあった
Spotifyでは無料版とプレミアム版が提供されています。両者には様々な違いがありますが、その中の1つに海外で使えない原因に繋がるものが含まれています。
Spotifyの無料版とプレミアム版の違い、海外でVPNを利用するときの注意点、その他おすすめのプランについて紹介します。
Spotifyの無料版とSpotifyプレミアムの違い
Spotifyの無料版とプレミアム版との違いは以下の通りです。
項目 | 無料版 | プレミアム版 | 備考 |
料金 | 0円 | 980円~ | Standardプラン: 980円 Duoプラン: 1280円 Familyプラン: 1580円 Studentプラン: 480円 |
広告 | あり | なし | |
Radio機能 | なし | あり | |
シャッフル再生 | △※ | 〇 | 無料版は自動的にシャッフルリストが作られる |
バックグランド再生 | 〇 | 〇 | |
オフライン再生 | × | 〇 | |
スキップ制限 | あり | なし | 無料版は1時間に6回まで |
オンデマンド再生時間 | 数秒 | フル | |
海外利用 | あり | なし |
有料版は国外での利用制限がありません。海外滞在期間が長い場合定期的にVPNでログインを行うことが次第に煩わしくなってくるかもしれません。
プレミアム版はオフライン再生機能が可能なので、通信量や周囲のネットワーク状況を気にすることなく音楽を楽しめるという点も海外ならではのメリットになるのではないでしょうか。
おすすめはVPN+YouTubeプレミアム
VPNを使ってYouTubeプレミアムを利用することがコスパの観点でおすすめです。
YouTubeプレミアムもバックグランド再生、オフライン再生が可能となり、海外での利用も制限がありません。
両サービスのスタンダードなプランの違いを見ていきましょう。VPNを利用して契約したケースの一例としてトルコをサンプルとして比較していきます。
比較項目 | YouTube プレミアム | Spotify プレミアム |
日本料金 | 月額1,180円 | 月額980円 |
トルコの料金 | 月額約250円 | 月額約200円 |
楽曲数 | 8,000万曲+Youtube 配信動画 | 7,000万曲以上 |
広告ブロック対策 | 〇 | × |
トルコの料金で利用するやり方は下記の記事でわかりやすく解説しています。
トルコVPNでYouTubeプレミアムを月額90円で利用するやり方YouTubeではMVなどの配信動画を楽しむことができる点が、音楽好きにとって嬉しいポイントです。
広告ブロック対策とは
WEBサイトに表示される広告はコンテンツが見づらくなるだけではなく、プライバシーも懸念されます。
広告をブロックする機能を持つアプリやブラウザのアドオンが人気なのですがgoogleは最近、広告ブロックをブロックするという対策に乗り出しているようです。
YouTubeで広告を非表示にしようとしても、無料プランの場合は「YouTubeでアドブロッカーは許可されていません」というポップアップが表示されるという報告がなされています。
プレミアム会員になることで、広告のイタチごっこから解放されるというのは大きなメリットとなっていくのではないでしょうか。
SpotifyをVPN経由で利用するときの注意点
VPNを経由してSpotifyなどの音楽配信サービスを利用する際に、いくつかの注意点があります。やはり気になるのはクレジットカードの支払いではないでしょうか。
クレジットカードは利用する国で発行したものしか使えないので難易度高め
クレジットカードの種類によっては、利用する国で発行したものしか使えないという報告もされています。
海外でも使えるクレジットカードであっても、「VISA」か「Master」以外選べないケースもあるようです。事前に手持ちのカードが決済可能であることを確認しておきましょう。
支払は現地通貨決済なので為替の影響を受ける
外国のサービスを選んで決済する際の支払い額は変動していきます。現地の通貨決済になるため為替の変動の影響を受けてしまいがち。
日本円に換算した概ねの金額に「約」と掲載されているのはこのためです。どの国で決済するかを選定するだけではなく、「いつ」決済するのかというのも大事な要素となります。
規約違反になる可能性も・・
日本に在住していながら、外国のレートで安く決済することが規約違反ではないかと心配する方もいるのではないでしょうか。
SpotifyをVPN経由で接続することは、既に紹介している中国や北朝鮮など合法と捉えてない国を除いて規約違反にはあたりません。
ただし現在VPN利用の制裁措置が取られていなくても、いずれガイドラインが制定されると規約違反になってしまう可能性あるという点に注意してご利用ください。
Spotifyの登録住所について
Spotifyはプランに関わらず、アカウントを登録した時点の国または地域が設定されますが、後から登録住所を変更することが可能です。
Spotifyにログインした状態で【アカウントページ】から右側のメニュー【プロフィールを編集】をクリック。さらに【国設定】から滞在中の国へと変更します。
これで無料プランでもSpotifyを海外で楽しむことが可能です。お手軽な解決案となりますが、日本に帰国した際にこの設定を戻す必要が発生することを忘れないようにしましょう。