ゆうま笑いと練習を、ラップの力にする
ゆうまは、神奈川県川崎市出身のラッパー。「ラッパーエンターテイナー」を掲げ、下ネタや駄洒落を、自分の弱さを笑う言葉にも、仲間への励ましにも変えてきた。MCバトルでの強いキャラクターと、哲学を学んだ大学院生活。その両方を知ると、曲で繰り返し歌われる「続けること」が違った輪郭を持つ。
高校3年で飛び込んだUMBでは初戦敗退。長く優勝に届かなかった時期を経て、2016年には練習会「ゆうまーるBP」を始めた。2026年は活動20周年を掲げ、MCU、GASHIMAらとの共演作を発表。ここでは本名・年齢・学歴から、練習仲間との関係、代表曲と最新配信までをたどる。
PROFILEゆうまの本名・年齢・身長。名前はひらがなで「ゆうま」
本人が2016年の自己紹介に記した誕生日は1988年7月12日。本名は勝亦佑磨、出身地は川崎市、身長は157cmと紹介されてきた。コムドットの「悠馬」や、同じローマ字名の別の音楽家と混同しないよう、本人Xと公式サイトの表記を合わせて確認したい。
結婚・子供・血液型などは、確認できた資料から値を補っていない。「公表情報未確認」は、未婚、子供がいない、本人が非公開を宣言した、という意味ではない。配信情報の発信元と専属事務所・専属レーベルも分けている。
HISTORY役者を目指した学生が、ラップを続けるまで
ヨーヨーと演劇。人前に出たい気持ち
地元の祭りでヨーヨーを披露し、ハイパーヨーヨーやカードゲームに熱中した子供時代。従来の紹介には、黒いTシャツを集める趣味も出てくる。高校では演劇部に入り、役者の事務所にも所属した。高校から大学にかけてタレントや舞台の仕事を経験し、一時期は演劇とラップを組み合わせる表現も試していた。
人前に出たかった一方で、本人は2016年の文章で、普段の場では引っ込み思案になったり、大学院のゼミでうまく発言できなかったりする自分も振り返っている。派手な芸風だけで、いつでも社交的だった人物とは決められない。もともと志した役者から、次第にラップを活動の中心へ移していった経緯がある。
テレビ出演映像:2017年の「オトせ!」
こちらはテレビ番組「オトせ!」の出演映像として保存稿で紹介されてきた第三者投稿。本人公式プロフィールにも2017年8月の同番組出演歴がある。高校時代の演劇の映像ではなく、後年のテレビでの活動を示す資料として位置づける。
2006年11月24日、未経験でUMB東京予選へ
KICK THE CAN CREWを聴き、ラップをしてみたいと思っていた高校3年生。2006年10月頃、同級生から借りたUMB2005のDVDが、バトルに応募するきっかけになった。2021年の本人の回想によると、初めてステージでマイクを握ったのは2006年11月24日のUMB東京予選で、相手はCUTE。サイファーの経験もほとんどないまま挑み、初戦で敗れた。
ゆうま(@yuma_k_0712)本人X投稿
その場で学校の同級生に会い、後日ラッパーを気取っているとからかわれた、と本人は記している。ただし、それが毎日続いたという記述ではない。次に出場した予選は、同じ回想では2007年3月の静岡。かつての紹介にあった「2007年横浜」という記述とは区別している。
話には続きもある。大学入学後の2007年6月、クラブでその同級生と再会し、一緒にサイファーをする中で今度はラップを褒められたという。本人はその後の7月1日を初ライブの日として振り返る。最初の敗北や気まずさだけで終わる経歴ではなく、練習したラップが人との距離を変えていった経験でもある。2021年の投稿で紹介した「15周年 feat. MC正社員」は、この開始歴に結びつく曲だ。
法政に通いながら、早稲田の音楽サークルGALAXYへ
本人が2019年に18歳の自分を紹介した投稿には、大学デビューという言葉が添えられている。従来の紹介では、明るい大学生活に憧れて飲み会中心のサークルへ入ったものの、思い描いたようには振る舞えなかったとされる。その頃に活動を本格化させ、「全国の大学生を代表するラッパー」を自称した。
ラップの人脈が広がった場の一つが、早稲田大学の音楽サークルGALAXY。通っていた大学は法政で、サークルの所在地とは別だ。KEN THE 390への憧れがあり、童子-Tが好きで7色のエクステを付けた友人から紹介された、という具体的なきっかけも伝えられている。2016年の本人投稿では、練習会に出たArubinoをGALAXYの後輩と紹介していた。
本人の大学院生活の回想には、2011年1月23日にアルバム『自称、全国の大学生を代表するRAP』を発表し、渋谷familyでワンマンを行った経緯も記されている。その後、大学生ラップ選手権REPRESENTの主催にも取り組んだ。公式プロフィールではREPRESENTは2016年8月開始。自分が演じるだけでなく、他のラッパーが集まる機会も作ってきた。
EDUCATION法政大学・東京大学大学院で何を学んだのか
学歴の軸になるのは、本人が2016年に書いた大学院生活の回想。法政大学附属の中高から法政大学へ進み、学部卒業後は法政大学大学院、続いて東京大学大学院で哲学を学んだ。東京大学の学部へ入学したという経歴ではない。
進学を考えるきっかけには、周囲が一斉に就職活動へ向かう光景への疑問があったという。ただ就職を避けた、という一言では収まらない。本人の文章では、自由や選択、行為への問いから哲学に向かい、心の哲学へ関心を深めたこと、研究テーマを続けるために指導環境を変えたことも説明されている。研究に時間を使うほどラップとの両立が難しくなる、という悩みも率直に綴っていた。以前のプロフィールでは、悩みやすかった本人にとって、哲学との出会いがラップや人間関係にもよい影響を与えたと紹介されている。
修士課程の修了と博士課程への進学は、博士号の取得とは違う。研究者登録の学歴欄には2016年4月から2019年3月までの博士課程が記載されているが、この記載だけで学位取得を確定することはできない。また、以前に本人の卒論題目として広まった表現は、本人ブログでは別のゼミ卒業生の研究例として出てくるもの。本人の正式な卒論題目としては採らない。
同じ高校・大学のゼミの先輩として、本人が2018年にDef TechのMicroを紹介している。ZORNに大学の卒論のためのインタビューをしたという別の逸話は後述するが、それも論文の正式な題目が確認できた、という意味ではない。
「都立大」という検索候補に関わる経歴もある。2025年3月25日更新の研究者登録には、2022年4月から東京都立大学非常勤講師という経歴が掲載され、J-GLOBALでも同じ登録内容を確認できる。これは登録の更新時点を持つ情報であり、2026年10月の大学側の現職名簿まで確認したという意味ではない。ラッパーとしての所属事務所とも別の経歴だ。
PERSONALITY音楽の外にある熱中。MTGと蒙古タンメン中本
小5で手にしたマジック・ザ・ギャザリング
本人の2023年の回想投稿では、初めてMTGに触れたのは1999年、小学5年生の頃。塾の友達とは遊戯王で遊んでいたが、大人っぽさや英語版の格好よさに惹かれたという。2016年の自己紹介にも大会で優勝した経験を記しており、子供の頃だけの思い出にはとどまらなかった。
これまでのプロフィールでは、希少なカードを複数集めていたことも紹介されている。ただし、現在の所持品や資産額を確認した情報ではない。ゲームの面白さだけでなく、カードの言葉や見た目に感じた憧れが、本人の語る入口になっている。
蒙古タンメン中本ラップ
「蒙古タンメン中本ラップ」は、好きな店そのものを題材にした本人チャンネルの楽曲。従来の紹介では、東池袋店が開いた2013年から通い、週1〜4回行く時期もあったとされる。好物は北極ラーメンで、蒙古タンメンを主食と呼ぶほどの愛着や、関連商品のYouTube紹介も話題になった。通っていた当時の頻度と、現在の食生活は分けて見たい。
MBTIMBTIはENFPを暫定候補に。本人の文章から4軸を考える
ここでのENFPは本人が公表した診断結果ではなく、Djtube編集部の低確度の推定である。材料は本人の自己紹介、大学院生活の回想、練習会の報告と、その後の作品。下ネタを言う、大学院で研究した、司会や主催をする、といった属性だけで型を決めたものではない。
E/I:Eを仮置きするが、最も揺れる軸。自分が勝つために始めた練習を人の集まる場へ広げ、仲間とのやり取りを継続してきた点は、他者と動く中で活動を作るE寄りに読める。一方、2016年の本人の自己評価には、ゼミで発言しにくい自分も出てくる。舞台上の社交性と普段の充電方法は一致せず、Iという解釈も十分残る。
N/S:Nを暫定的に選ぶ。就職や進路を当然のものとして受け取らず、自由・選択・心という問いへつなげた本人の説明は、目の前の出来事から別の意味や可能性を考える読みを支える。哲学専攻そのものをNの証拠にしているわけではない。練習の反復や具体的な場を重んじる側面からは、S寄りにも読める。
F/T:F寄りに読む根拠は、後輩の成長への本人の反応。2016年の練習会報告では、当初は自分の優勝のためだったのに、上達したぴのこを見て感極まり、優勝を応援する自分に気づいたと書いている。人の変化や関係への価値づけはFを考える具体例。ただし、感情を書いた一篇から、普段の意思決定までFと断定することはできない。
P/J:Pを候補にする。2016年の自己紹介で研究・ラップ・演劇・動画など関心の複数性を語り、進路も問い直してきた点を、可能性を閉じず試していくP寄りの材料とする。一方で、長期の研究や練習会運営には継続と準備が必要だった。複数の活動をすることが、そのまま計画性の弱さを意味するわけではない。
4軸を合わせた暫定候補がENFPで、E/Iの読みを変えるならINFPも有力な別解になる。本人のブログは2016年当時の自己表現であり、今の全場面を代表しない。後述する「18年目」の仲間への語りも、作品上の表現として推定の補助にとどめる。私生活、健康、犯罪歴や血液型の推論には用いない。
STYLE下ネタを、笑いと励ましへつなげるスタイル
ゆうまが掲げるのは「Love & Penisと性教育」。耳に残る言葉遊び、ファンや仲間を指す「ペニフレ」のような独自の呼び名、落ち込んだ気分を笑いに変えたいという志向が特徴だ。従来の曲紹介では、身近な男性の生活をポップに扱う表現や、ふと現れる真面目な言葉との落差も評価されてきた。
本人が目指すのは相手を傷つけないピースな表現であり、誰も不快に感じないと保証できるものではない。下ネタの内容に立ち入るだけでなく、誰にどう返し、笑いを何へつなげようとしているかが、作風を見る手がかりになる。
それでいい:肯定する言葉へ向かう曲
「それでいい」は、従来の紹介で真面目な側面の例として置かれてきた本人チャンネルの曲。強いキャラクターを入口に知った人が、肯定や励ましへ向かう表現にも触れられる。笑いを前に出した曲と並べて触れると、表現の幅をたどる入口にもなる。
24時間サイファーと、2016年に変わった練習
下ネタを自分の武器として意識したきっかけに、24時間耐久サイファーの体験がある。本人の話として紹介されてきたのは、17時間ほど続けて疲れ切った頃、下ネタで韻を踏む自分の周りに笑いが起きていたという場面。その反応から、自分の笑わせ方を見つけた。こちらは、その経緯を知る資料となる晋平太のインタビュー映像で、楽曲MVではない。
優勝できなかった9年間を経て、2016年には練習への向き合い方が変わったという。公式プロフィールには同年5月、池袋knotの大粒fightでの優勝歴が記されている。ラップを聴いて励まされ、泣いた時期があったという回想も、本人が表現に求めるものの背景だ。精神状態の診断や、笑いだけで悩みが解消したという説明には置き換えない。
自分の世界観と、相手へのアンサー
戦極MCBATTLEが公開する、2022年9月18日のBelly Black MCBATTLE2での呂布カルマ戦。従来の紹介では、相手に飲み込まれず自分の言葉遊びへ引き込みながら、対戦相手への敬意も保とうとするスタイルが注目されてきた。自分の持ち味を保つことと、相手の言葉へ返すことの両立が、この芸風を見るポイントになる。
また、本人の紹介には本番前に吐くほど緊張することもあるという話が残る。人前で強く振る舞えることと、緊張しないことは同じではない。相手とのやり取りをその場で成立させるバトルには、舞台上の人物像だけでは見えない負荷もある。
AILI a.k.a 立仙愛理戦:言葉遊びに切り返す応酬
2022年5月3日のDis4U part3では、元AKB48のAILI a.k.a 立仙愛理と対戦。ゆうまは相手の挑戦を認める言葉を自身の芸風に重ね、AILIは裁判所になぞらえた切り返しで返した、と保存稿は紹介している。勝利はゆうま。本人が戦極のチャンネルで試合を解説したことも紹介されてきた。
ここでの挑発は、バトルの場の応酬だ。実際の交友関係で相手を嫌っていた、裁判になった、といった認定にはつながらない。相手が即座に返す余地も含めて成立するやり取りとして捉えたい。
FRIENDS憧れのMCUと、練習を重ねてきた仲間
これまでの紹介に登場する仲間には、GASHIMA、ZORN、SKRYU、FRANKEN、晋平太、ミステリオがいる。曲の共演だけでなく、練習会やサイファー、バトルを通じた関係の蓄積だ。以下は、過去に紹介された交流と作品でのつながりを示す。全員との現在の交友状況を一律に確認した一覧ではない。





ミステリオとは食事やカラオケに出かける仲として紹介されている。面白すぎて全部持っていかれるから共演NGにしたい、という話もあるが、相手を認める冗談の文脈だ。実際に共演禁止になったという情報ではない。
MCUと作った「Uとゆうま」。憧れが制作につながる
「Uとゆうま」は、MCUの「百獣チャンネル」で生まれた制作企画の曲。互いに3つずつワードを出し、30分でリリックを書いて録音する内容で、公式プロフィールには2021年5月の出演として載っている。かつての紹介には、強く緊張しながらも、憧れの人と一緒にラップできることに感激した本人の様子が残る。2026年の正式配信曲「タチアガル」とは別の共演だ。
MCUへの憧れは2000年代初めにさかのぼる。KICK THE CAN CREW関連のライブに100回以上通ったこと、MCUの誕生日会や忘年会に参加するようになったことも紹介されてきた。2020年8月1日の本人投稿でも、長年変わらない敬意を言葉にしている。
ゆうま(@yuma_k_0712)本人X投稿
ゆうまーるBP。勝ちたかった自分から、仲間の成長へ
MCバトル練習会「ゆうまーるBP」は2016年1月開始。本人は、9年間優勝できなかった自分が勝つために作った場だったと振り返る。2023年の忘年会の投稿には、練習を共にする中で多くの仲間と出会ったという実感が表れている。
ゆうま(@yuma_k_0712)本人X投稿
始まって間もない2016年5月の本人の報告では、当初は4小節も十分にラップできなかった参加者が決勝に進む姿に、自分の勝敗以上に心を動かされていた。練習会は、主催者の上達のための場所から、人の成長を喜べる場所へも変わっていった。この記録があるから、後年の仲間を歌う曲も、単に名前を並べた歌とは違って聞こえてくる。
GASHIMAとのスタジオ練習が、場を広げた
WHITE JAMのGASHIMAとは活動初期から一緒にラップを練習し、そのスタジオでの時間がBPを始める流れにもつながった。2016年の練習会報告でも、本人はGASHIMAを開始のきっかけとなった人物として挙げている。「褒めラップバトル」や24時間耐久サイファーでの共演、焼肉に出かけた話も、従来の紹介に残る。
GASHIMAがゆうまを人生を変えたラッパーの一人と語ったことも紹介されてきた。ゆうま自身は2023年5月14日、GASHIMAの初ソロワンマンを訪れ、満員の会場とパフォーマンスを祝福している。嘘のない愛を感じるステージだったという感想にも、相手への敬意が表れる。投稿の「15年目」はGASHIMAの歩みに関する記述で、ゆうま自身の活動周年を指すものではない。
ゆうま(@yuma_k_0712)本人X投稿
ZORNとは同い年。2007年のサイファーからの関係
本人チャンネルにある、ZORNとの関係を振り返るトーク映像。出会いは2007年、Fizzが主催する坩堝サイファーだったという。Fizzは、ゆうまと「飛ぶ教室」を組んだ相手でもある。ここでのZORNとの共通点は同い年ということ。同じ学校やクラスだった、という意味ではない。
ブランド物を着こなし、ラップも上手かったZORNに、最初は怖さを感じたという。それが同い年と分かり、気兼ねなく話してよいと声をかけられて距離が縮まった。大学の卒論に向けてインタビューした話や、日本武道館公演に自費でチケットを買って行った話も伝えられている。上の映像はその関係を知る資料で、ZORNのMVや二人の共演曲ではない。
NOW2026年の活動20周年と、最新配信「ダブルマイク」
2026年10月22日に確認したApple Musicの本人カタログでは、最新欄に10月13日配信の「ダブルマイク」が掲載されている。同年7月のMCU、8月のGASHIMA、9月のTi-law a.k.a. 向理来との共演曲も含め、活動20周年を掲げる年の作品が続く。TuneCoreのアーティスト一覧とAppleの最新欄では表示範囲が異なるため、一つの一覧だけから新作の有無を判断しない。
同じ年にはソロ曲「たっちゃった」、複数アーティスト名義の「マラからの力」、Hakuの曲「Virgin Quest」への客演も配信されている。共同作品や客演を、本人のソロアルバム発売に数え替えない。ここでは、本人の経歴とつながる共演曲や代表曲を中心に聴く入口を選んだ。
ULTRA-VYBEの2026年6月の紹介には、2019年のCD『ペニフレ』をライブ会場で手売りして1,000枚完売したこと、2019年から池袋knotでワンマンを重ねてきたことが記されている。地元・川崎のかなまら祭への出演も紹介されてきた活動の一つ。同資料には7月11日の20周年ワンマンの告知もあるが、告知の取得と当日の実施確認は別である。今後の出演予定は本人の発信で確認したい。
MUSIC代表曲で知る、ゆうまの言葉遊びと自己表現
まずは原曲とリミックス、共演者、作品の単位を分けて聴いてみたい。従来から紹介されてきた3曲に加え、まとまった作品と近年の曲をたどると、独特な呼び名や笑いの奥にある、仕事や仲間への思いが見えてくる。
イロモノ feat. FRANKEN:呼ばれ方を仕事に変える
「イロモノ (feat. FRANKEN)」は2020年2月25日配信。フリースタイルダンジョンでも強いキャラクターを印象づけたFRANKENとの原曲だ。保存されてきた紹介では、色物扱いされる悔しさと、バトルで勝てなかったゆうまの思いが、表現を続ける意志と結びつけられている。
この短句では、他人から変わった存在と見られる立場が、継続の先に仕事になるという見方へ動く。相手の評価を消そうとするより、その呼ばれ方ごと自分の表現として引き受ける。バトルでの勝敗だけに、ラッパーを続ける価値を預けない言葉として読める。
イロモノ remix:MRJ優勝を経た四人の版
「イロモノ (remix)」は2020年9月3日配信。FRANKENにAmateras、ハハノシキュウが加わり、MRJ復活編での優勝を記念した版として紹介されてきた。上の本人チャンネルのMVもこの四人の版。原曲の引用を四人全員の言葉に広げず、異なるキャラクターが同じ題名の下に集まる別作品として扱う。
センチメンタルペニー feat. SKRYU:上へ進む言葉のずらし方
「センチメンタルペニー (feat. SKRYU)」は2020年7月20日配信。SKRYUと共演する本人チャンネルのMVがある。従来の紹介では、二人の奔放なキャラクターと口ずさみやすいフックが特徴とされてきた。肩書を比べるより、言葉の遊び方が出会う曲として触れたい。
「シモ」を下ネタと川の下流に重ね、そこから川上へ進む動きに言い換えている。今の位置を自嘲だけで終わらせず、上を目指す話へ切り替えるところが肝だ。真面目な決意も、笑える言葉の形なら自分らしく届けられる、という読みができる。
チャイルド・ペニー:回想を作品にする
「チャイルド・ペニー」は2023年7月12日配信で、本人チャンネルに公式MVがある。保存稿では、過去を言葉遊びとともに振り返る曲として紹介されてきた。来歴を格好のよい成功談だけに整えず、気恥ずかしさも作品にする自己表現の例として置き、具体的な体験を伝記事実へ追加認定することはしない。
「ペニフレ」と「PENI」。まとまった作品を聴く
ペニフレ:2019年の8曲作品
『ペニフレ』は2019年3月6日配信の8曲作品。表題曲に加え、「アマペニス」シリーズ、「包茎ラッパー」「つけよう」などを収める。仲間への呼び名を作品名にも使い、単発の駄洒落を続けてきた表現世界としてまとめている。CDの手売りの話と、現在の配信版の曲数は分けて捉えたい。『ペニフレ』の公式配信。
PENI:制作陣の異なる5曲のEP
『PENI』は2021年7月10日配信の5曲EP。曲順は「P」「Peni」「Penipa」「Juvenile」「アマペニス Part. 4」で、作曲にはKOMY、DJ Pianist、アブロニカ、Platinum Sellers Beatsが名を連ねる。短い題名の連なりや複数の制作陣を持つ、まとまった単位の作品だ。『PENI』の公式配信から各曲を確認できる。
RECENT WORKS「18年目」から活動20周年へ。続けた時間を曲にする
18年目:一人の年表を、仲間の歴史へ
「18年目」は2024年11月24日配信。初めてステージに立った2006年11月24日からの年月を、曲の日付にも重ねている。作曲はアブロニカ、録音とミックスは彩-xi-。上は正規配信のTopic音源で、実写MVと同じ形式の動画ではない。
主語を「俺」から「俺たち」へ変えることで、活動年数の意味が個人の実績から、共に過ごした時間へ広がる。曲の前後には、クラブで会う顔ぶれやサイファー、また会える日常への思いが置かれる。BPで仲間の成長を喜んだ記録とも響き合うが、歌詞の全場面をそのまま本人の実体験と認定するわけではない。
成長:叙情とユーモアを組み合わせる
「成長」は2025年5月13日配信で、作曲・プロデュースはヒラテマリノ。配信元は詩的な語りとユーモアを組み合わせた作品として紹介している。上は本人チャンネルのMVだ。題名を真面目な成長物語とだけ受け取らず、言葉の受け止め方がずれる面白さも含む曲として紹介されている。
タチアガル feat. MCU:20周年に届いた憧れとの曲
「タチアガル feat. MCU」は2026年7月1日配信。レーベルの紹介では活動20周年に届ける、失敗しても立ち上がることを主題にした共演作だ。YouTubeの即興的な制作企画「Uとゆうま」を経て、長く憧れた相手との関係が改めて正式な配信曲になった。上はTopicの正規配信音源。
共演曲のフックに出る短句は、失敗を忘れるのではなく、まだ返すものがあるという感覚へ置き換える。「借り」と名づけると、過去は足を止める理由だけではなく、もう一度動く理由にもなる。歌唱者が明示されない共有フックとして扱い、MCUの経験をゆうま一人の告白に変えない。
プラクティス feat. GASHIMA:舞台を支える練習の時間
「プラクティス feat. GASHIMA」は2026年8月4日配信、プロデュースはnogebeats!!。レーベルの紹介は、短いステージを支える日々の準備と、二人が重ねた練習を主題としている。24時間サイファーの記憶も登場する共演曲で、上はTopicの公式音源だ。
この短句を担当するのはGASHIMA。積み上げた年数を守るだけでなく、次の16小節で更新しようとする言葉として読める。ゆうまの主名義曲に置かれているからといって、引用の話者までゆうまへ変えない。かつて一緒に練習した二人が、継続そのものを作品の中心へ持ってきた曲だ。
チロリアン feat. Ti-law a.k.a. 向理来:遅れを別の強さへ
「チロリアン feat. Ti-law a.k.a. 向理来」は2026年9月16日配信。すぐに結果を出した人の物語よりも、時間をかけた歩みを肯定する共演作として紹介されてきた。保存されたリリース資料では、トラックはnoge beats!!、アートワークはあひる。上はTopicから公開された正規音源である。
共有フックの短句は、遅れを単に取り戻す対象にせず、これから光るための違いへ読み替えている。早く成果が出なかった時間を、失敗の量だけで測らないところに励ましがある。二人の人生を同じ事情だったとまとめず、歌唱者未指定のフックが示す主題として読む。
ダブルマイク:媒体の名前で呼び起こす時間
「ダブルマイク」は2026年10月13日配信。10月22日のApple Musicの本人カタログでも最新欄に掲載され、正規歌詞ページとTopic音源を確認した。長い時間の移り変わりを、音楽や映像を扱う道具の名前にも託している。
短い媒体名の並びは、何年と説明しなくても、生活の中で使うものが変わった感覚を呼び出す。続く機器や通信の言葉も合わせて、個人の回想と時代の変化を重ねる書き方だ。曲中の家族や出来事をすべてプロフィールへ移すのではなく、時間を表現する詞として受け取る。
FAQゆうまの年齢・大学・BP・曲についてよくある質問
SUMMARY笑わせる言葉の先に、練習してきた日々がある
高校生での初戦敗退、大学での出会い、研究と表現の両立、なかなか届かなかった優勝。ゆうまの経歴には、最初から得意なことだけを選べたわけではない場面が重なる。自分の笑わせ方を見つけた後も、練習する場を作り、憧れや仲間との関係を曲へつなげてきた。
「イロモノ」で呼ばれ方を引き受け、「18年目」で主語を仲間へ広げる。活動20周年の共演曲にも、その過程が響いている。強いキャラクターから入っても、作品をたどれば、笑いと準備の時間が並んでいるラッパーだと分かる。
笑いになった一言の後ろに、練習を重ねた日々と、一緒に続けた人たちがいる。
Djtube 編集部

