堂村璃羽誰かの夜を歌い、自分の物語へ歩く
堂村璃羽(どうむらりう)は、淡路島出身のシンガー。カバー動画を投稿する歌い手から、自分で言葉とメロディを作る音楽家へ進んだ。失恋や孤独を、誰かの立場へ入り込むように歌う一方、近年は下積み時代の自分の暮らしも曲へ残している。ソロ作品と、たかやんとのSTUPID GUYS、それぞれで音楽を届け、2026年10月24日には4曲入りEP「君がいないなら」を発表した。
CHAPTER 01 / SECTION 01堂村璃羽のプロフィール
公式ファンクラブのプロフィールでは、本名も堂村璃羽と紹介されている。身長は169cm。歌い手時代からの「少年D」という名義も使ってきた。その名前は2026年のアルバム「Re:boot」の曲名にもなっている。
以前はRERAISEに所属していたが、本人側の現プロフィールは、2023年2月のBLUEMOONMUSIC設立と、その後のインディペンデントな活動を紹介している。ソロでのワーナーミュージックとの仕事と、STUPID GUYSのユニバーサル ミュージックからの発表は、名義も時期も異なる。
CHAPTER 02 / SECTION 02吹奏楽から、歌い手と上京へ
小学4年生から、9年間の吹奏楽
音楽の始まりは、小学4年生で出会ったブラスバンド。担当はトランペットで、中学、高校でも吹奏楽を続けた。高校の文化祭ではバンドでBUMP OF CHICKENなどを歌い、普段話さない先輩や後輩から声を掛けられた。歌で人とつながれる感覚が残ったという。
高校卒業後は、推薦で関西の私立大学へ進んだと初期の記事にある。大学に入って買ったパソコンで、ツイキャスのカラオケ配信や、YouTubeへのカバー投稿を始めた。ニコニコ生放送でも歌い手として活動し、大学の防音性の高い部屋で録音をしたことも対談で振り返っている。
大学を離れ、2018年3月に東京へ
大学2年で中退し、2018年3月に上京した。好きな音楽で、どこまで自分のコミュニティを広げられるのか試したかったという。就職までの道をそのまま進むより、自分の表現を届ける道へ移った。
日常的に日本語ラップを聴いていたこともあり、歌い手として既存曲を歌うだけでなく、オリジナル制作へ進む。カバーではマッシュアップや、女性の視点を男性の言葉へ置き換える工夫もした。再生回数が伸びたことだけでなく、自分の見せ方や投稿の方法を考え、失敗と修正を重ねた経験が、その後のセルフプロデュースへつながった。
CHAPTER 03 / SECTION 03ゲーム、家族、服とグッズ
APEXを楽しみ、音楽にもする
ゲームも、暮らしと制作の近くにある。2021年には、音楽をしていない時はAPEX、APEXをしていない時は音楽、という自宅での過ごし方を投稿した。楽しさを繰り返しつぶやくほどで、ついにはゲームを題材にした曲も作っている。ゲーム時間についての冗談めいた投稿から、現在の健康状態や生活全体を決めつけることはしない。
「Apex Legendsというゲームにハマりすぎて曲にしました」
本人がTwitterで話題になったAPEXの歌をフルで制作した、と説明した動画。Bezimeni musicのビートと、ペストマスクによる映像を使い、ゲームの用語やプレイの場面を曲へ取り込んでいる。配信では「APEXにハマりすぎて歌にしました」として、2024年の「APEX PLAYERS」にも入った。
相手に背中を任せるという、チームで遊ぶ時の信頼を歌う。武器やキャラクターの名前だけで終わらず、負けや失敗を一緒に越えてきた仲間へ気持ちが向かうため、ゲームの知識と友人との記憶が一曲につながる。
父を支えるために始めた飲食店
2020年のコロナ禍には、仕事を失った父を支えたいという思いで、下北沢チーズ工房へ出資したと当時紹介されていた。チーズを使う料理やスイーツの店で、音楽の収入を身近な人の仕事へつなげた話だ。店のオーナーとして紹介されていた時点の出来事であり、現在も営業しているという案内ではない。
当時の紹介に使われた店舗関連動画の元URLは残っている。2023年3月の地元店舗情報では、同じ場所に別の店が入ったと報じられているため、訪問先として現在の営業を勧めるものではない。親への思いから事業を始めた経緯は、その後の店舗の状況とは分けて残したい。
ストリートの服と、曲を持ち歩くグッズ
初期の着用ではGUCCI、Dolce&Gabbana、PRADA、BLACK BRAIN、Carhartt、Maison Margielaなどが紹介され、BLACK BRAINや9090のモデルとしても活動した。ゆったりしたシルエットを軸に、鮮やかな色も、落ち着いた色も取り入れる。ハイブランドを日常のカジュアルな服へ合わせる着方も見られた。
オリジナルグッズはTシャツ、パーカー、ネックレス、ステッカーなどへ展開。アルバムのジャケットや、本人をイラストにした図柄など、音楽の世界を持ち歩ける形になっている。2020年にはステッカーをどこへ貼ろうか迷う声、2021年には天使パーカーを初めてのグッズとして喜ぶ声や、服のセンスを好む反応もあった。販売時期や在庫は変わるため、過去の売り切れ状況を現在の販売条件にはしない。
CHAPTER 04 / SECTION 04堂村璃羽のMBTIを編集部が推定
Djtube編集部はINFPを候補に挙げる。本人が公表した診断結果ではなく、公開の曲作りの説明からの推定だ。2023年の「byebye」では、半分以上がフィクションで、当事者の気持ちを想像して書いたと説明した。他者の立場から言葉を組み立てながら、曲の中ではその人の感情として歌う、という作り方が手がかりになる。
2025年の「幸せな日々」では、他者の人生を代弁する方法から、自分が音楽で生活できなかったころの体験へ題材を移した。どちらでも感情を丁寧に言葉へする姿勢がある。一方、曲ごとの聞かれ方や投稿の仕方を考え、仲間へ自ら働き掛ける面からはENFPという読み方もできる。孤独や依存を扱う歌詞、過去のつらい心境を述べた投稿を、本人の病気や性格の証明にしない。
CHAPTER 05 / SECTION 05たかやん、韻マン、PAREDとの関係
たかやんが広げた、自分で作る選択肢
たかやんとはTwitterを通じて出会い、カラオケや食事、ラップを共にする関係になった。堂村は、たかやんの活動を見て、動画制作やミックスまで自分でやろうと思ったという。楽曲だけでなく、届けるまでの作業を自分で担う意識へ影響した相手だ。
ユニット結成も、たかやんの家で一緒に作った曲が予想以上によかったため、二人組にしようとなったのがきっかけ。当時、年間100曲以上を作ると紹介されていたたかやんと、制作の速度が合うことも、共作が続く背景になっていた。ただ速いだけでなく、思いついた感情を熱が残るうちに形へする二人だった。
韻マンとの共演は、その後の作品へも
韻マンは、2021年の「SHARP SHIP」に参加した。音楽性が同じ相手だけを選ぶのではなく、バトルで知られたラッパーの声と一曲を作る試みだった。撮影で一緒に過ごす様子も話題になり、2026年の「Re:boot」では「ページ」に韻マンを迎えている。映像での仲のよさだけで私生活の親密さを測るより、共に曲を作り続ける関係として聴きたい。
PAREDとは、ゲームから音楽の仲間へ
PAREDと知り合ったのはゲームで、親しくなったきっかけはカラオケだった。堂村はハスキーな声の強さときれいに響く部分を聴き、音楽活動を勧めた。月に15本ほど投稿してはどうかと助言し、実写での見せ方、服装、録音にも関わっている。自宅でレコーディングする近い関係から、曲を提供する制作へ広がった。
PAREDのアルバム「Room Night」では「テレフォン・ラブ」の作詞を担当。本人の努力があったから形になったのであり、自分の助言だけの成果ではないと堂村は対談で話した。自分がセルフプロデュースで試してきたことを、違う声を持つ仲間にも渡している。
CHAPTER 06 / SECTION 06ソロとユニット、それぞれの活動
STUPID GUYSの結成と、メジャー作品
STUPID GUYSは2019年6月8日結成。2019年のアルバム「偽愛」はユニット初期の作品で、ユニバーサル ミュージックからのメジャー第一弾は2021年の「汚れた愛」だ。インディーズで広がった曲と、メジャーから届けた作品の両方がある。
「Level1」:二人で踏み出す最初の一歩
たかやんのチャンネルで公開されたSTUPID GUYSの曲。glasearがプロデュースし、二人でここから始める意気込みを込めた第一歩ソング、と動画で紹介されている。ユニットの出発点をたどる動画で、恋愛曲だけではない二人の顔が見える。
その後は2021年の「忘れ愛」、2023年1月18日の「Shooting Star」も発表。ソロの近年のリリースとは別のカタログとして、たかやんとの作品もたどれる。
一時間半で作った「素顔」と、歌詞への入り方
「素顔」を一時間半で制作したことも、作業の速さを表す一例だ。本人の動画説明にも、Twitterのリプライをタイトルにして作った曲だとある。思いつきをそのまま残しながら、聞く相手の状況へ寄り添える言葉を探してきた。
初期の楽曲には不安、孤独、依存などが多く描かれた。当時紹介されていた2021年3月の投稿には、生きることがしんどいという思いを曲にできたのでリリースを待ってほしい、という趣旨の言葉もあった。2019年にも、つらい時にどう生きるかを問いかける投稿が紹介されていた。しかし、曲の主人公は実体験だけで作られてはいない。本人は、経験していない状況でも、その人に入り込んで書くことがあると説明する。歌詞の暗さを、私生活の診断へ置き換えることはできない。
自分の経験へ向き合う近年の制作
2021年にはアルバムやユニット、未発表の取り組みを進めたいという展望を投稿していた。2021年6月にYouTube登録者が27万人、曲が400万回再生と紹介されていたのも当時の数字だ。EXITのりんたろー。やGASHIMAがメディアで紹介したことも、当時の広がりとして伝えられていた。以後はアルバム「夜景」「不定期日記」「Cosmos」「Re:boot」などへ進み、2021年時点の予定だけで活動を止めて語ることはできない。
「幸せな日々」では、あれくんのギターを軸に一コーラスを作り、反響を受けてnoteRealとフルへ広げた。電車の場面には電車の音を入れ、何でもない暮らしを幸せだと言い聞かせるような、切なさも残したという。「CHILD RECORD」では子供の声を使うビートから発想し、イントロの音色とメロディをボイスメモで指定して、懐かしさを加えた。どちらも、自分の経験を入口にしている。
2026年1月12日の「Re:boot」は13曲入りで、あれくん、シラフ、韻マンを迎えた。10月24日の「君がいないなら」は、表題曲、「LOVE DOLL」「Cry」「I Miss U」の4曲。全曲でKay Clackerと作曲、共同プロデュースを担い、声は堂村自身が歌っている。歌詞の視点だけでなく、誰と音を作るかという選択にも変化がある。
1株式会社との共同企画では、新曲を収めたSDカードをロケットに載せ、帰還後にファンへ届ける計画も案内した。企画ページの日程には延期や予定の表示があり、通常の配信リリースとは異なる取り組みだ。音楽を手元へ届ける方法も、曲作りと並んで広げようとしている。
CHAPTER 07 / SECTION 07堂村璃羽の曲を聴く
「さよならミッドナイト」:歌い手時代のカバー
大柴広己(もじゃ)の楽曲を堂村が歌ったカバー。原曲を自分の作曲として紹介するものではない。歌唱に加え、動画と写真は堂村、ミックスはChartieが担当したと説明されている。オリジナル曲を知る前に、好きな歌を自分の声で届けていた時期も聴ける。
「素顔」:見た目の奥にいる相手を思う
Twitterのリプライを題名にし、一時間半で歌を作ったと本人が説明した曲。Nodenがプロデュースを担当する。見た目と心の化粧を落とした相手も愛している、という制作意図があり、普段のやり取りを曲の主題へ変えている。制作時間の短さは、この一曲で本人が明かした話であり、全作品の工程が同じとは限らない。
相手が自分で嫌だと思っている部分まで、歌の語り手は愛おしく感じる。飾りを落としても続く関係という題材が、何かを足して理想へ近づく話ではなく、すでにそこにいる相手を受け止める話になる。
「FAKE LOVE」:近くにいても愛が重ならない
2019年5月4日のEP「Escape」に収録された曲。堂村が作詞し、Sorabeatsと作曲、動画のミックスはたかやんが担当した。求めている愛と、相手が求めるものが重ならない関係を、女性の語り手で描く。本人は、当時あまり歌われていなかった生々しい関係をラブソングへ入れたことが、届くきっかけになったと振り返っている。
大切にされたいのに、相手の都合で扱われていると感じる語り手の比喩だ。関係を終わらせようと自分へ言い聞かせても、電話が来ると取ってしまう。分かっていることと動けることのずれが、短い言葉の奥にある。歌の女性の視点を、作者本人の体験や行動と同一にはしない。
「偽愛」:一つの夜を、二人の視点で
2019年7月7日のアルバム「偽愛」に収録されたSTUPID GUYSの曲。作詞は堂村璃羽とたかやん、作曲にはKUVIZMも加わる。映像はユニット公式チャンネルから公開された実写MVで、Manami UsamaruとYaona Suiが出演する。堂村のソロ曲「FAKE LOVE」と、別名義の別作品として聴き分けたい。
相手を求める気持ちと、都合よく扱ってしまう自覚が、一曲で交差する。よくないと気づきながら再び口づけを交わす場面も、その矛盾を表す部分だ。二人が歌う楽曲の語り手の話であり、本人たちの恋愛や性格の記録と考えるものではない。
「SHARP SHIP」:韻マンと、音楽へ進む
2021年5月26日の、韻マンを迎えたシングル。二人が作詞し、GRPと共同作曲、MVはTaiga Minamiが監督した。閉じた部屋にいたところから、声とビートを手がかりに外へ進もうとする曲だ。初期の恋愛曲とは違う、前向きな題材を二人で乗せている。
夜をただ眺めて過ごすより、人生を音楽へ賭けようとする場面がある。韻マンを迎えた軽やかな曲として聴くとともに、出身地を離れて自分の歌を届けてきた堂村の活動とも重ねられる。ただし、曲の語り手の全てを、本人の伝記として決めることはしない。
「君がいないなら」:気持ちだけが残る夜
2026年10月24日の同名EPの表題曲。堂村が作詞し、Kay Clackerと作曲・共同プロデュースを行った。Kayは録音、ミックス、マスタリング、鍵盤なども担当する。ここに掲載したYouTube音源は「Preview」と表記された公式試聴版で、全曲を収めたMVではない。フルの楽曲はEPの配信先で聴ける。
相手との時間が終わっても、自分の気持ちはその夜から出られない。広く感じる部屋や返事のないメッセージと並ぶことで、過ぎる時間と取り残された心のずれが、身近な景色になる。激しい言葉だけを見るより、関係が終わった後の生活の小さな変化を追うと、曲の輪郭が見えてくる。
CHAPTER 08 / SECTION 08よくある質問
一人の夜に、誰かの言葉が残る
Djtube 編集部

