Djtube./slide no. 2838
ARTIST WIKIZUSHIZENKNOW

Lick-Gバトルの勝敗から、自分の価値基準で作る音楽へ

Lick-G
年齢
27歳1999年4月6日生まれ
身長
175cm原記事の紹介
本名
伏見絃ふしみ・げん
出身地
神奈川県逗子市
学歴
高校への進学歴学校名は未確認
結婚・配偶者
公表を確認できず
逮捕歴
公表を確認できず
MBTI
ISFP

Lick-G(リックジー)は、神奈川県逗子市出身のラッパー。高校生ラップ選手権の準優勝、フリースタイルダンジョンの完全制覇を経て、作品制作へ活動の重心を移した。日本語と英語を使い、ビートの感触に合わせて言葉の置き方を組み替える。

2017年の「Trainspotting」から、2025年の「Anything You Want」へ。しばらくリリースを休んだ時期を挟んでも、自分の価値基準で音楽を作る姿勢は続いている。バトルで知られた人にも、現在の作品から聴き始める人にも、その歩みをたどれるように紹介する。

CHAPTER 01 / SECTION 01Lick-Gのプロフィール

Lick-G 基本データno. 2838
本名
伏見絃公式プロフィールの表記
アーティスト名
Lick-Gリックジー
生年月日
1999年4月6日27歳
出身地
神奈川県逗子市
身長
175cm原記事の紹介/新たな本人公表は未確認
血液型
公表を確認できず
MBTI
ISFP編集部推定/本人公表とは異なる
兄弟・姉妹
公表を確認できず
ユニット
ソロで活動
所属
自主制作を軸に活動
レーベル
Zenknow2018年設立
最大の実績
フリースタイルダンジョン完全制覇2018年/当時2人目
学歴
高校への進学歴学校名は未確認
結婚・配偶者
公表を確認できず
子供
公表を確認できず
逮捕歴
公表を確認できず

日本人の父とイギリス人の母を持つ。本名は、公式プロフィールでは「伏見絃」。旧記事の「伏見弦」とは漢字が異なる。誕生日から計算する年齢と、過去の取材に記された「17歳」「25歳」などの年齢は、それぞれの取材時点を分けて読む必要がある。

現在の結婚や交際、子供について、確認できる公表は見つかっていない。過去のバトルで相手が持ち出した私生活の話だけで、実際の交際歴を決めることはできない。過去の恋愛経験から「モテる」と推測しても、本人の現在のプロフィールを示す根拠にはならない。

CHAPTER 02 / SECTION 02逗子で育ち、ラップに出会うまで

家には父の持っていたアメリカのヒップホップのCDがあった。父はICE-Tの書籍の翻訳やKRS-ONEへの取材にも関わっており、音楽は身近なものだった。ただ、本人がラップを始める直接の入り口として話しているのは、13歳の頃にYouTubeで聴いた日本語ラップだ。Mikikiの取材では「24 HOUR KARATE SCHOOL JAPAN」から受けた影響も挙げている。悩みや考えを言葉にして外へ出す方法に出会った。

初めはインターネットのサイファーへ参加し、中学2年生頃には横浜や横須賀のサイファーへ。14歳から現場のバトルにも出るようになった。高校生ラップ選手権で注目される前に、画面の向こうと地元の路上の両方でラップを試していたことになる。原記事はKOKへの若い時期の出場も紹介していたが、「最年少」の記録については大会と時点の確認が必要だ。本人取材に出てくるUMBの最年少出場歴と、別大会の記録を一つにまとめることはできない。

影響を受けた音楽家として、Wiz Khalifa、Logic、Russ、Witt Lowry、6lackらを挙げている。好きなアメリカのラップの良いところを取り入れつつ、丸ごとまねるのではなく自分の作品にする。2025年のBEAT SPACEへの回答でも、影響源は世界そのものだと話し、ラップで気持ちを整理できることに触れている。

英語が身近な家庭で育った一方、本人は「バイリンガル」という説明だけを前に出すことに積極的ではない。17歳時のABEMAの取材では、日本語は自然な日本語の発音を大切にしたいと語った。小学校の合唱大会では、音符を覚えられず、みんなのペースについていけなかったと回想している。担任と本人以外のクラス全員が、出演させるかどうかを学級会で議論したという経験だった。その頃と比べれば、クラブの人前で自分の音楽を表現する現在は大きな変化だ。

CHAPTER 03 / SECTION 03Lick-Gの名前と服の好み

名前の「G」は本名の絃から。「Lick」は、かつて見たイギリスのスラングを紹介するサイトに、格好いいという意味だと書かれていた言葉だった。ただし本人はBELONGの取材で、後に調べ直しても確認できず、元の説明は誤りかもしれないと話している。辞書的な意味を確定した名前というより、響きを気に入って選んだ名前と捉えたい。

QUOTEDno. 2838

響きが良かったんで。

Lick-G/名前の由来についてBELONG インタビュー

服では、原記事がHUF、PULP、GOLF WANGを紹介していた。過去の衣装や投稿をもとにした記録として残したいブランドだ。現在の契約先や、いつも着用している服までを示すものではない。

CHAPTER 04 / SECTION 04Lick-GのMBTIを編集部が考察

編集部ではISFPを候補に考える。本人が公表した診断結果ではなく、公開された制作の話からの推定だ。Mikikiの取材では、提案されたポップなトラックに言葉がうまく浮かばず、自分に合うトラップ寄りの曲を選んだことを話している。ABEMAの取材では、トラックを聴いたときの気分から曲のテーマを考え、日本語をどうつなげるかでフロウを作ると説明した。

周囲の期待に作品を合わせるより、自分がしっくりくる音と価値基準を確かめ、実際の言葉の置き方へ落とす点を重視した推定である。一方、発音や構造への細かな関心はISTPなど別のタイプとしても読める。音楽家としての制作方針は私生活の性格そのものではなく、バトルの勝敗、国籍、家庭環境からタイプを決めるものでもない。

CHAPTER 05 / SECTION 05現在の活動と作品の歩み

2015年にEP「無題」を発表。2017年2月15日にはGENESIS/DREAM BOYからアルバム「Trainspotting」を出した。それ以前、KEN THE 390の「Nobody Knows」への客演をきっかけに声がかかり、アルバム制作へつながっている。9曲約24分の作品で、既に一緒に作っていた仲間とのやり方を大切にし、ゲストを招かず自分の言葉でまとめた。

2017年9月にはEP「有題」を自主リリース。2018年に自主レーベルZenknowを立ち上げ、2019年には「カラス」を発表した。2019年1月15日発売の「Takoyaki」では、父であるHoodoo Fushimiと共同制作している。主に父が手がけたトラックに、エレクトロ、琵琶や尺八、謡曲の要素を交え、全編英語のラップを乗せた。原記事に残る2019年1月のファンの反応も、この父子共作を話題にしていた。

2022年から約3年、リリースを休んだ時期を経て、2025年3月に「Inochism」で復帰。同年7月11日、2ndアルバム「Anything You Want」を発表した。9曲の中には「just fly with me」「Tomorrow Comes」「Zenny」「Live By The Law」「American History X」「Zensha」も並ぶ。「Zenknow」は2018年の曲の再録であり、同じ題名の動画や旧版をすべて2025年の新録と取り違えないようにしたい。

アルバムの発表では、「Zenny」で資本主義と向き合い、「Live By The Law」で自分のルールと法を扱うことが説明されている。約6分の「American History X」は映画を題材にし、「Zensha」は前へ進む方向を示す。表題曲だけでなく、社会に向けた視線と、自分の人生をどう動かすかという問いが同じ作品に入っている。

客演には、KEN THE 390「五月雨の君に」収録の「Call Of Justice」や、TEAM 2MVCHの「What?」への参加もある。ベスト盤に再収録された曲を、収録盤の名前だけで新しい客演と数えることはできない。2025年作の後にも公開された公式音源動画があるが、動画の公開日と録音・配信開始日は別に考える必要がある。

CHAPTER 06 / SECTION 06Lick-Gの曲を聴く

「Trainspotting」――自分の価値基準で進む

2016年12月に先行公開・配信され、2017年の同名アルバムの表題曲になった。公式MVの説明ではdubby bunnyがプロデュース、HAVIT ART STUDIOが映像を担当。映画「トレインスポッティング」に通じる題名を掲げ、自分で人生を選ぶことをラップする。

LYRICTrainspotting/Lick-G
他人じゃねえお前自身が決めろ価値基準

周囲の視線や意見を並べた後、誰が価値を決めるのかを本人へ返す一節だ。単に自由になりたいと願うのではなく、判断の責任まで自分に引き寄せている。用意されたレールから自由に進むという読みも、この言葉とつながる。

「Mellow Akira」――言葉を反転させる遊び

「Trainspotting」に収録された曲。公式MVではdubby bunnyのプロデュースと案内されている。題名は「Mellow Akira」を入れ替えて読むと言葉がつながり、「諦めろ」を思わせる仕掛けになっている。本人が取材で説明していたように、テーマから厳密に組み立てるだけでなく、ビートに触れた感覚と語感から曲を作る面が表れる。

LYRICMellow Akira/Lick-G
己だけを信じ抜く

外野を退ける強気な言葉の一方、詞にはやるべきことをやること、驕らないことも置かれている。自信は何もしなくても認めてもらえるという意味ではない。音楽で稼ぐ難しさを踏まえたうえで、自分の手を動かすという姿勢とセットになっている。

「Inochism」――英語と日本語で命を問い直す

2025年3月の復帰作で、後に「Anything You Want」の冒頭にも入った。作詞はLick-G、公式音源動画のプロデュース表記はmikey。アルバム版の正規配信では作曲にLick-Gとmikeyの二人が記されている。英語で行き詰まった声を描き、日本語へ移るところで、命をどう扱うのかという別の視点を差し込む。

LYRICInochism/Lick-G
救える命あれば

この後には、救われない命もあるという言葉が続く。単純な励ましで片づけず、救いの届く範囲そのものへ問いを向ける構成だ。英語側の「my-self」と日本語へ入る「Self, ya,」の綴りの接続も、言語を切り替えながら一つの詞を進める工夫として読める。詞の中の声を、そのまま本人の健康状態や実生活の出来事と決めつけることはできない。

「Anything You Want」――過去の自分とも折り合いをつける

2025年7月11日発売のアルバムの表題曲。正規配信では作詞・作曲・プロデュースから録音、ミックス、マスタリング、歌唱までLick-G本人の担当と記されている。金銭だけでは満足できないことを考え、自分や家族を笑顔にするために行動するという方向へ詞を進める。

LYRICAnything You Want/Lick-G
過去にいがみ合ってた自分と結んだ平和条約

争っていた相手を外の誰かではなく、過去の自分とするところが印象的だ。初期曲にある周囲への反発を否定するのでなく、今の自分が何を望んで動くのかへ視点を移す。「平和条約」という具体的な比喩が、過去を消すのとは違う折り合いのつけ方を示している。

CHAPTER 07 / SECTION 07高校生ラップ選手権とダンジョン

第8回から第10回までの高校生ラップ選手権

第8回では1回戦でKY-7に勝利し、2回戦で三日月に敗れた。原記事に残るKY-7戦の紹介では、相手の坊主頭から未来予想図、期待のホープへと韻をつなげる組み立てを取り上げていた。三日月戦ではLick-Gが勝ったと感じた観客の反応も紹介されていたが、それは判定への感想であり、公式の勝敗を変えるものではない。原記事の筆者は、この第8回でLick-Gと言xTHEANSWERが勝ち上がっていれば、さらに面白い大会になっただろうとも評していた。二人が直接対戦したという記録ではなく、当時の勝ち上がりへの期待だ。

第9回では、APELIL、黒さき海斗、写楽を破って決勝へ。黒さき海斗戦は延長にもつれた。決勝では裂固に敗れて準優勝となった大会で、ちゃんみな、当時R’kuma名義だったOZworldらとともに注目された。原記事は裂固が、Lick-Gに苦しめられたことや、別の大会なら結果が違ったかもしれないと語った内容も紹介していた。相手から見ても競り合った決勝だったことを伝える当時の記録だ。

第9回決勝の主催側公式動画。準優勝という結果だけでなく、同世代の二人が向き合った大会の記録として見られる。

第10回のオールスター大会では、初戦で裂固と再戦して勝利。その後、原記事がIcereyと表記した相手との2回戦で敗れた。このときも判定を疑問に思う反応が紹介されている。

こちらは主催側の第10回参加者紹介。バトル本編の動画とは役割が異なる。

2018年、フリースタイルダンジョンを完全制覇

2018年にはACE、FORK、輪入道、呂布カルマ、般若を破り、100万円を獲得。晋平太に続く、当時2人目の完全制覇となった。5人とも決着したラウンドがクリティカルヒットだったことは大きな話題になったが、すべてのラウンドを一度も落とさず5対0で勝ったという意味ではない。原記事の当時の観戦投稿にも、FORK戦では先に2対3、般若戦では4対1のラウンドがあったことが残っている。

2018年5月の原記事掲載の反応には、全員へのクリティカル決着を喜ぶ声、これまでで一番の回だという感想、最後のライブも格好よかったという賛辞があった。ラップの完成度だけでなく、その後の音源やステージへ関心が向かった転機でもある。

CHAPTER 08 / SECTION 08バトルを離れた理由と交友

2017年1月には、大きな大会から距離を置く意思を示していたと原記事は紹介している。ただ、その後も2017年末のTHE 罵倒 GRAND CHAMPIONSHIPで優勝し、2018年のダンジョンへ出場した。最初の意思表示と、実際にバトルを引退するまでの過程は同じ日付ではない。

BELONGの取材で語ったのは、自分のラップと会場の評価のずれだ。韻を重視する採点や、自分のスタイルを否定されることへの違和感があった。「9割」という自己評価も、自分では納得できない判定が多いという趣旨であり、公式の勝率ではない。対戦相手を言い負かす形式から、観客や聴き手へ届ける作品に力を向けたいという判断だった。知名度や賞金だけが目的だったと、外から動機を決めつけることはできない。

制作では言葉を変えるだけでなく、単語をつなげる位置や音を抜く位置を工夫する。ABEMAの取材では2小節ごとにフロウを変える発想や、過度なオートチューンに頼らない考えも語っていた。「Oasobi」の言葉のつながりを例に挙げ、Kendrick Lamar「Backseat Freestyle」から受けた刺激にも触れている。2017年10月の原記事掲載のファン投稿が、タイソン・ゲイの名前を使う場面の音の抜き方を評価していたのも、こうした技術への反応だった。

原記事には、2016年の「Karasu」「We Get High」を挙げるリスナーの声、2017年のTOWNとの延長戦でビートへの乗り方を称える声も残る。「We Get High」がどの公開版かは今回確定できておらず、似た名前の別曲へ置き換えない。2018年末には新しいラブソングを、昔からの持ち味が残る曲として喜ぶ投稿も紹介されていた。その投稿だけで曲名を特定することはできないが、バトル以外を追う聴き手がいたことはわかる。

GOMESSは、2017年11月に二人で4時間ほどファミリーレストランで話したことを投稿していたと原記事は紹介している。Lick-Gを数少ないラッパーの友人とし、今は別々の道でも、いつか映画のような共演をしたいという思いを記した内容だ。対戦の結果とは別に、音楽を通じて長く交わっていく関係もあった。

誰かの判定を待つ場所から、自分で曲を仕上げる場所へ。Lick-Gの歩みは、言葉と音の価値基準を自分の手に戻していく過程でもある。

Djtube 編集部

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