RAU DEFプロフィール・復帰までの歩みと代表曲
RAU DEF(ラウ・デフ)は、千葉県市川市出身のラッパー。PUNPEEとの出会いを経て、2010年に「ESCALATE」でデビューした。ビートをどう乗りこなすかに重きを置くフロウが特徴で、活動休止と復帰を挟みながら作品を重ねている。
SKY-HIのBULLMOOSEから復帰作「ESCALATE II」を発表したのは2015年。2026年の配信資料にはDEF ROW RECORDSの表記があり、過去の所属と作品ごとの発売名義を分けて見ていきたい。
CHAPTER 01 / SECTION 01RAU DEFのプロフィール
本名、身長、血液型は非公表として紹介されてきた。「—」は情報の記載がない項目で、家族や経歴の不存在を示すものではない。
RAU DEFという名前と「Ya10mon」の意味
名義はReal All Universeの頭文字RAUと、最高という意味のスラングDEFを組み合わせたもの。「Ya10mon(ヤッテンモン)」も楽曲やSNS、アパレルに使われ、RAU DEFを象徴する言葉になっている。ただし、その語の意味について本人が語った説明は見つかっておらず、音や表記から由来を作ることはできない。
CHAPTER 02 / SECTION 02RAU DEFの生い立ち
小学生のころは、スポーツや勉強が得意ではなく、習い事も長続きしなかったという。小学6年生のとき、DJを目指していたいとこのレコードを見て、まずヒップホップの服装に惹かれた。LL COOL Jらのオールドスクールな姿が入口だった。
中学では自分の服装もB-BOY寄りになり、ヒップホップを聴く時間が増えた。一方、周囲には同じ音楽を好きな人が少なく、ラップをしたいと思いながら始めるきっかけをつかめずにいた。
転機は高校1年生のとき。当時交際していた相手の兄がDJとしてイベントに出ていた。ラッパーになりたいと伝えたところ、ラップを書いてくるよう促され、地元のクラブで活動を始めることになった。
CHAPTER 03 / SECTION 03RAU DEFのファッションと人物像
- XLARGE
- Columbia
- adidas
- NIKE
- SEAWORTHY DRYGOODS
大きめの服、バスケットボールシャツ、目立つアクセサリーなど、オールドスクールの装いを取り入れてきた。そのまま昔の服装を再現するだけではなく、新しいストリートブランドも組み合わせる。ヒップホップを聴く前に服装へ惹かれた経験が、今のスタイルにもつながっている。
XLARGEの2017年の企画では、RAU DEFらがコレクションの服を着た写真も公開された。
活動を休んだ時期には、音楽だけでなく人間関係や自分のあり方を見直し、精神面で大人になったと語っている。初期のトラブルだけで人物全体を決めつけず、復帰後に何を作ってきたかも追いたい。
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CHAPTER 04 / SECTION 04RAU DEFのMBTIを編集部が考える
Djtube編集部は、RAU DEFの公開された制作姿勢からESTPを仮説として挙げる。本人公表の診断結果ではない。
根拠にしたのは、意味を頭で解きほぐすことより、耳で聴いたときのかっこよさやビートへの反応を重視するという作り方。高校時代にラップを始める機会へ飛び込み、就職後もPUNPEEへ自分から連絡を取り、作品につなげた行動も、この読みの手がかりになる。
ただし、制作で音の感覚を優先することから、生活全体の性格まで判定はできない。活動休止後の内省を重く見れば別の読み方もできる。ESTPは公開活動の一面を整理するための編集部見解だ。
CHAPTER 05 / SECTION 05RAU DEFのデビューと活動休止・復帰
PUNPEEと出会うまで、一度は就職した
初期はライブのノルマがあり、曲を作ってもなかなか聴いてもらえなかった。音楽に見切りをつけるつもりで就職したものの、ラップを続けたい気持ちは残り、MySpaceでPUNPEEへメールを送っていた。
PUNPEEも弟の5lackから、若くてラップのいい人物がいるとRAU DEFのことを聞いていた。2009年のB-BOY PARKで会い、PSG「M.O.S.I ~もっとMCが増えたならREMIX~」への参加につながる。WAX、RAU DEF、alledが参加したこの曲が、レコード会社に見つかる機会になった。
2010年9月10日、PUNPEEが制作に関わったアルバム「ESCALATE」でソロデビュー。20歳での発表は、同世代のラッパーにも強い印象を残した。
SUMMIT脱退から「ESCALATE II」へ
2011年のZeebraとの応酬後、悪評や人間関係の難しさを感じる時期があった。2012年5月にはSUMMITを離れ、元SIMI LABのQN、X&TRICKSのRICKとMUTANTANERSを結成。QNとはMUTANTAIMENTも立ち上げたが、その活動もやがて途絶えた。
友人にも会わず、新しい作品を作れない状態になり、表立った活動を休む。復帰を支えたのがSKY-HIだった。2015年にBULLMOOSEへ加わり、当初10月7日予定だった「ESCALATE II」は11月11日に発売された。発売延期の告知も含め、復帰は一つずつ作品を形にする過程だった。
SKY-HIは2015年9月28日の告知で、BULLMOOSEから出す復帰作の発売日を10月7日から11月11日へ一か月延期すると説明し、作品の内容に自信を示しながら理解を求めていた。
CHAPTER 06 / SECTION 06RAU DEFとZeebraのビーフ、解消まで
始まりは2011年5月18日にRAU DEFが発表した「KILLIN EM!」。宣戦布告の投稿とともにZeebraへ向けた曲を出し、翌19日午前3時にはZeebraが「Die By The Beef」で応じた。RAU DEFは22日に「TRAP OR DIE」を発表する。
当時のSUMMITは、RAU DEFがZeebraへ否定的感情を持っていたわけではなく、文化としてビーフを楽しむための発表だと説明していた。若さや売名、下剋上と解釈された経緯はあるが、それだけを本人の動機と確定できない。RAU DEFは当時、付き合ってくれたZeebraと、気にかけた人たちへ感謝する投稿もしている。
SKY-HIは2015年8月11日、GRANDMASTER公演の自分のライブ後にBULLMOOSEの新アーティストとしてRAU DEFを呼び込み、リリースを発表したことを報告した。同じ報告では、Zeebra本人からビーフ解消を公式に宣言してもらったとも述べている。
2015年、実際に会って解消する話が出たが、RAU DEFは曲で始めたものを曲で終わらせたいと考えた。SKY-HIのカバー曲を作るという提案から、Zeebra「SUPATECH(what’s my name?)」をもとに「HYPATECH」を制作。一度は原曲の歌詞のまま録音した後に書き直し、Zeebra自身もイントロへ参加した。
CHAPTER 07 / SECTION 07RAU DEFのラップスタイルと曲
RAU DEFが重視してきたのは、ビートに対するグルーヴとリズムだ。ビートがなくても成立する言葉だけのラップより、音に乗ったときどう聴こえるかを考える。歌詞へのこだわりが薄いと語られた時期も含め、フロウやアプローチの選択肢の多さに持ち味がある。
「ESCALATE II」を語るRAU DEF、PUNPEE、SKY-HI
2015年の「ESCALATE II」について、RAU DEF、PUNPEE、SKY-HIが話す映像。楽曲のMVではなく、復帰作を三人の関係から知るためのトーク映像だ。
DREAM SKY
デビュー作「ESCALATE」のリード曲。軽快なトラック上を泳ぐように動くフロウに、初期のRAU DEFの勢いがある。20歳でのデビューを象徴する曲として、後の作品との違いを聴きたい。
出発点にあるのは、すでに成功した場所ではなく、そこから飛び出したいと思う日常だ。勢いよくビートへ乗る声と、満足できない状況の言葉が重なることで、初期のラップの切迫感が伝わる。
GOOD TIME feat. PUNPEE
PUNPEEを迎えた曲。オートチューンも織り込みながら、メロウな雰囲気と落ち着いたフロウを聴かせる。初期の勢いだけではない、大人びた言葉とラップの表情がある。
人生を宇宙の遊泳に見立てる短句には、日常の決まりから一度離れるような開放感がある。誰か一人の自伝として決めつけず、RAU DEFとPUNPEEによる共同曲全体の言葉として読むと、メロウな雰囲気にもつながる。
FEEL ME IN
オートチューンを使う歌い方と、早口のテクニカルなフロウを行き来する。癖のあるトラックに対して一つの乗り方へとどまらない、RAU DEFの器用さを感じられる曲だ。
HYPATECH introduced by Zeebra
Zeebraとの経緯を、共演する曲として結んだ作品。原曲を踏まえながら歌詞を更新し、イントロでZeebra本人の声につながる。ビーフ解消の記録であると同時に、受け継いだ曲を自分のラップにする技術が見える。
CHAPTER 08 / SECTION 08RAU DEFの仲間と現在の活動
Real Talk feat. SKY-HI & 鋼田テフロン
「Real Talk」はSKY-HIと鋼田テフロンを迎え、BACHLOGICがプロデュースした共演曲。客演の声とRAU DEFのフロウが同じ曲の中で交わる。
交流するラッパーにはSKY-HI、PUNPEE、Junkman、QNらがいる。特に地元の先輩としてのSKY-HIは、困ったときに連絡する相手であり、復帰にも力を貸した。音楽上で認め合う関係が、活動を支えてきた。
Creepy NutsのR-指定とDJ松永も、RAU DEFの技術を高く評価している。「HYPATECH」への評価や、同世代のRAU DEFを初めて見たときの衝撃を語った。R-指定が名前をDEF TECHにすればよかったと冗談を言った逸話も、その評価の一つだ。
2026年10月21日にアルバム「PROPORTION」を発表。全10曲をJ-ViewCycleがプロデュースし、PUNPEE、SEEDA、018、AI jackyが客演した。「Sir Vibe」「イキガリ」「Dear Father」を含む。韓国のラッパーSKOLORとのASIAN PIRATESを経て「ESCALATE IV」を出した2024年から、次のアルバムへ進んだ形だ。
「PROPORTION」から聴く「愛」
「愛」は、2026年10月21日発売の「PROPORTION」に入ったRAU DEFのソロ曲。J-ViewCycleが作曲とプロデュースを手がける。ここで聴けるのはMVではなく、配信元のリリースページからつながる公式音源だ。
気持ちを一途に伝えるだけではなく、思い描く関係と実際の関係が合わないところから始まる。後悔や疑いを抱えながらも相手へ惹かれるという揺れがあり、単純な恋愛賛歌に収まらない。初期の技巧を聴かせる曲から進み、声の流れに感情の矛盾を乗せる現在の一面が見える。

