69ニキ(行虎)本名・ラップとBreakingDownの歩み
69ニキは、本名を金城行虎(きんじょう ゆきとら)という沖縄県出身のラッパー。Yukitora名義で楽曲を発表し、BreakingDownへの出演をきっかけに69ニキ、脱臼ニキという呼び名でも知られるようになった。メロディーを生かした曲と、自分のキャラクターを前面に出した曲の両方を持つ。
BreakingDownでは、第5回のオーディションでこめおを挑発した姿が注目を集めた。その後は格闘技、YouTube、音楽を行き来している。銀座の強盗事件への発言が報じられたこともあるが、その事件の容疑者と行虎本人を混同してはいけない。
CHAPTER 01 / SECTION 0169ニキのプロフィールと名前
「—」は記載できる情報が揃っていない項目で、不存在や未婚を意味しない。行虎という名義は本名から取ったもの。額の69が目を引いたことで69ニキと呼ばれ、その呼び名を音楽活動にも使うようになった。
20歳のころにラップを始め、Yukitora名義で制作を続けてきた。格闘技未経験でBreakingDownのオーディションに出た後、YouTubeでも活動を始めた。注目されたきっかけは格闘技の番組だが、音楽活動はそれ以前からある。
CHAPTER 02 / SECTION 02行虎の生い立ちと家族
家族は両親と妹。BreakingDownに出る際には、妹から電話で、恥ずかしいからやめてほしいと言われたという。一方、両親は番組を見ておらず、特に反応はなかったと話している。
妹から見たBreakingDownへの挑戦
このインタビューでは、69ニキと10人ニキが家族の反応を語っている。行虎にとっては自分を知ってもらう場でも、身近な家族が同じように歓迎していたわけではない。その温度差が伝わる話だ。
CHAPTER 03 / SECTION 0369ニキの服装とタトゥー
FALUMELOとキョロちゃん柄のシャツ
行虎が愛用してきたブランドの一つは、先輩が手がけるFALUMELO。チェーン柄をアイコンにしたシックなデザインが特徴で、本人も当時、最先端で格好いいブランドだと評している。立ち上げ間もない時期から着用していた。
対照的に、チョコボールのキャラクター・キョロちゃんを総柄にしたシャツもトレードマークになった。BreakingDownやSNSで着ていたことで、顔の数字と合わせて行虎の印象を作るアイテムになっている。
顔の69と、偽物ではないかという話
| 位置 | 図柄 |
|---|---|
| 右額 | 69 |
| 左眉の上 | Party Boy |
| 両目尻 | ティアドロップ |
| 胸 | ウイング |
行虎は顔を中心にタトゥーのような図柄が目立つ。タンクトップで出場した際には、胸の翼も見えていた。なかでも額の69があだ名の由来になった。
Xでは、額の数字が減っていると指摘する第三者の投稿もあった。一方、汗でにじんだという指摘や、額の数字が68、67へと変わって見える投稿から、描いたものではないかという疑問も出た。本人は本物だと否定している。数字が変わって見えることと、全身の図柄がどの技法で施されたかは別の話であり、画像だけで一括して真偽を決めることはできない。
Tekashi 6ix9ineからの影響
行虎がリスペクトするラッパーとして挙げているのが、アメリカのTekashi 6ix9ine。額の69という見せ方にもその影響がある。ここに掲載したのは6ix9ineの「GOOBA」で、行虎本人の楽曲ではない。
6ix9ineはドキュメンタリーの監督から厳しい人物評を受け、資金面の窮状も報じられてきた。ただし、それらは行虎の経歴や音楽性をそのまま説明するものではない。
CHAPTER 04 / SECTION 0469ニキのMBTIを編集部が考える
Djtube編集部は、公開されている活動の見せ方からESFPを仮説に挙げる。本人が公表した診断結果ではなく、実生活の性格を断定するものでもない。
根拠は、BreakingDownで得た69ニキ、脱臼ニキという呼び名を、楽曲「ワラー!!」の自己紹介へ取り込んだ点だ。周囲の反応を受け止め、自分の失敗もその場の表現へ変えて見せる選択をしている。「KOMEO」でも対戦相手との関係を、反復するフレーズで音楽の題材にした。
このような即応性や人前での表現からESFPと読んだが、番組やMVは演出された場でもある。計画的なセルフプロデュースとも解釈でき、外向性や判断の仕方まで確定できる材料ではない。
CHAPTER 05 / SECTION 05BreakingDownの戦績とこめおとの関係
行虎は第5回大会のオーディションに初登場し、その場でこめおを殺したいとまで言って、執拗に挑発した。番組内での強い挑発であり、殺害を実行したという話ではない。その時点では格闘技未経験。後に本戦へ進むと、自信を見せる発言や素手でもよいという挑発を重ねた。「親父狩り歴3年」という自己紹介も番組内での発言であり、実際の犯罪歴の証明として扱うことはできない。
当時のXでは、岐阜のはやしという投稿者が、格闘技未経験の行虎がボクシング歴7年のかまるに優勢にも見えたと評していた。同じ投稿では、大舞台でも臆せずエンターテインメントに徹する姿や、行虎のような役がいることで飯田ら他の選手も引き立つという見方を示している。これはその投稿者の観戦の感想で、公式の勝敗や選手歴を確定する記録ではない。
本戦とオーディションのスパーリングを分ける
| 大会・場面 | 相手 | 結果 |
|---|---|---|
| 第5回オーディションのスパーリング | べーやん | 肩を脱臼し敗北 |
| 第5.5回本戦 | こめお | 判定負け、0-5 |
| 第7.5回本戦 | 初見涼 | 負傷によるTKO負け |
この表の対戦は、オーディションのスパーリングを含む3件。これを公式本戦3敗とまとめるのは正確ではない。第7.5回でも肩を負傷し、肩の脱臼が脱臼ニキという呼び名や楽曲の題材につながった。
本人は負けた後も、結果は負けでも自分は負けておらず、肩は自分から外してやったのだという強がりを見せた。また、終わらない、やり続けることに意味があるという姿勢も示してきた。初登場時の格闘技未経験という状態から、その後はジムにも通っている。
対戦相手から、こめおチャンネルのメンバーへ
第5回オーディションでの乱闘から因縁が生まれ、第5.5回ではこめおとの対戦が実現した。行虎にとっては本気で戦いたかった相手で、対戦決定を喜んでいた。判定では敗れたものの、その後は双方のYouTubeで共演。2023年5月には、こめおチャンネルのメンバーになったことが発表された。
当時は月給10万円で出演するという話もあった。対戦前の挑発と、チャンネルで一緒に活動する関係は、時期を分けて見る必要がある。
CHAPTER 06 / SECTION 06行虎のSNS発言が話題になった経緯
2023年5月8日に起きた銀座の高級腕時計店強盗事件をめぐり、行虎は翌9日に、取り押さえられる容疑者の動画を添えて意見を投稿した。強盗を悪いことだとしたうえで、容疑者にも人権があると訴えた発言に賛否が起きた。
5月11日には「Twitterでプチ炎上した件に対しての謝罪….」という動画を公開。ニュースの裏側を見るべきだと訴え、批判する人たちの民度が低いという強い批判も重ねた。集団が同じ意見になることへの疑問を語り、謝罪という題名だけでは収まらない内容だった。報道されたのは他人の事件に対する発言で、行虎がその事件で逮捕されたという話ではない。
批判の的になった後には、自分にも人権があるという趣旨の反応をしている。投稿の内容、受け手の批判、本人の説明を分けて捉えたい。
CHAPTER 07 / SECTION 07Yukitoraと69ニキのラップ、代表曲
行虎の音楽は、Yukitoraと69ニキの名義で印象が変わる。Yukitoraでは、女性ボーカルも交えたメロディアスな曲や、メッセージを打ち出す曲がある。69ニキでは、ワラー、脱臼ニキ、こめおといった自分に結び付く言葉を使い、自虐やユーモアを前に出している。
Yukitora「Bye」
Yukitora名義の「Bye」。しっとりした曲やメロディーに乗せる表現から聴きたい人には、69ニキとしての賑やかな曲との違いを知る入口になる。配信音源の動画で、BreakingDownの映像ではない。
別れを辛いと言い切る短句は、曲名のByeに感情の重さを与えている。大きな名前を使って自分を誇示する「KING KONG」とは異なり、別れた相手への思いが残る語りだ。
69ニキ「ワラー!! feat. エリート」
口癖のワラーを題名にした曲。自分の名前や脱臼ニキという呼び名を反復し、失敗さえも覚えやすい自己紹介へ変えている。MVでは、ユーモアのあるリリックと本人の動きも見どころだった。
ワラーという声かけを、左右へ視線を振る言葉と反復している。内容を長く説明するより、名前と身ぶりを一度で覚えてもらう自己紹介の働きが大きい。
69ニキ「KOMEO feat. エリート」
BreakingDownで対戦したこめおを題名にした曲。名前と短いフレーズを繰り返す構成で、番組で知った人物関係が音楽へつながる。対戦前の挑発とは違う形で、こめおという存在を自分の活動へ取り込んでいる。
相手の名前を何度も繰り返す一方、括弧の聞いてが嫌とぶつかる。こめおへの拒否と、聞いてほしいという訴えを同じ反復へ押し込むユーモアがある。
Yukitora「KING KONG」
BreakingDown出演前のYukitora名義の曲。トラップを取り入れ、メロディアスなラップと力強い自己表現を組み合わせている。69ニキ名義の自虐的なユーモアとは異なる、硬派な面を聴ける。
King Kongを、自分がリズムに乗る姿へ重ねた自己比喩として使っている。NIPPONと最南端を続け、日本と沖縄という立ち位置をスケールの大きな像へ接続する。
Yukitora「Let it Flow」
2026年7月31日発売。動画は公式配信のプレビュー版で、全曲の試聴は公式配信からできる。作詞とボーカルはYukitora、作曲・プロデュースは清水慶吾が担当している。死や無常を題材にし、それでも今日を生き、流れに身を任せるというテーマを持つ曲だ。69ニキ名義のキャラクターソングだけでは捉えきれない題材の広がりが分かる。
永遠を否定する短い言葉が、曲の無常という題材を端的に示す。ここでは相手との勝ち負けを誇るのではなく、終わりを含む時間のなかでどう生きるかへ視線が向いている。歌詞の語り手を、本人の人生の全てと同一視することはできない。
CHAPTER 08 / SECTION 08行虎と交流のある音楽仲間
Yukitora「Christmas party feat. Ayumi」
2021年12月23日発売のAyumiとの共演曲。作詞はYukitoraとAyumi、作曲はlcobeat、リミキサーにはNOYSONEの名前がある。Yukitoraが女性ボーカルを交えたメロウな曲を作ってきた一例でもある。
この共同曲では、クリスマスに欲しい物を探すより、相手がいるだけで十分だという意味で、何も要らないと歌う。贈り物を期待する季節に、その必要を打ち消す言葉を置くことで、二人で過ごす時間へ重心を移している。ここでは共同曲全体の短句として読み、どちらか一人の実体験や担当パートとは決めていない。
69ニキ名義ではエリートをフィーチャリングした曲があるが、エリートが誰なのかを名前だけから特定することはできない。Yukitoraと69ニキを両方聴くと、同じ人物が音楽と番組のキャラクターを使い分けてきたことが見えてくる。
