ケタミンとは
ケタミンは臨死体験ができると噂される、麻薬の一種です。
医療の場では扱いが容易な麻酔薬として知られ、医薬品としての確保を進めるために、国際的な貿易の規制が弱いです。
貿易規制の弱さがケタミンの入手を容易にして、乱用に繋がっていると指摘する人もいます。
ケタミンには様々な別名・隠語があることも特徴の一つです。
- スペシャルK
- キットカット
- ビタミンK
- スーパーK
ケタミンの効果は?使うとどんな感じ?
ケタミンには幻覚作用があり、特に”臨死体験”に近い幻覚をもたらすとされます。
幻覚剤のLSDは脳に対して興奮作用を示しますが、ケタミンは脳に対して抑制的に働くため、幻覚作用に差が生じると考えられています。
“臨死体験”として「身体と精神が分離して、空を飛び回った」などの経験談が挙げられています。
抗うつ薬としての期待
ケタミンは従来の治療法が奏功しないうつ病に対して、有効である可能性が示されています。
ケタミンの抗うつ作用は即効かつ強力であり、うつ病の最も深刻な症状である希死念慮(自殺したいという気持ち)を低減する可能性さえ示されています。
アメリカでは実際にうつ病患者に対してケタミンを使用することもあります。
参考 The Effect of a Single Dose of Intravenous Ketamine on Suicidal Ideation: A Systematic Review and Individual Participant Data Meta-AnalysisThe American Journal of Psychiarity 参考 A Randomized Trial of an N-methyl-D-aspartate Antagonist in Treatment-Resistant Major DepressionJAMA Networkケタミンの副作用と危険性
ケタミンは、同じ幻覚作用をもつLSDと異なり、死に至る危険性を孕んでいます。
循環器系の異常は代表例として挙げられ、緊急治療をしなければ命を落とすことがあります。
また、他の麻薬・幻覚剤と同様に、精神神経系への悪影響があることも報告が挙げられました。
参考 Ketamine abusers presenting to the emergency department: a case seriesPubMed 参考 Effects of ketamine in normal and schizophrenic volunteersPubMed 参考 Incidence and severity of recovery agitation after ketamine sedation in young adultsPubMed中枢神経抑制
ケタミンは麻酔薬としての側面があり、脳に対して抑制的な作用を示します。
急性ケタミン中毒の症状としては、脳の抑制作用による意識障害が圧倒的に多いです。
脳の抑制は、全身の臓器の働きを止めることにも繋がり、呼吸さえ止めてしまうことがあります。
参考 Apnea After Low-Dose Ketamine Sedation During Attempted Delayed Sequence IntubationPubMed 参考 Clinical practice guideline for emergency department ketamine dissociative sedation: 2011 updatePubMed他の危険薬物との併用
ケタミンを他の薬物とともにオーバードーズすると、死に至る可能性が高まるとされます。
ケタミンの乱用者は他の危険薬物も使用していることが多く、ケタミン乱用者のオーバードーズは問題視されています。
特に、ヘロインなどのオピオイド性麻薬との併用が危険です。
参考 Ketamine exposure demographics and outcomes over 16 years as reported to US poison centersPubMedケタミンの依存性
長い間、ケタミンは耐性を示すが依存性はない、と考えられてきました。
しかし、2020年に離脱症状が報告され、ケタミンは身体的依存を示すと考えられるようになりました。
参考 Acute and Persistent Withdrawal Syndromes Following Discontinuation of Psychotropic MedicationsPubMedケタミンは違法ドラッグ
ケタミンは麻薬及び向精神薬取締法で指定される麻薬の1種です。
乱用すれば7年以下の懲役刑に化されます。