ヘロインとは
ヘロインは極めて強い作用を持つオピオイド性の麻薬です。
もともとは強い医療用麻薬として開発が進められてきましたが、有害事象があまりにも強く、医療研究は頓挫しました。
ヘロインは知名度も高く、楽曲や映画の題材となり、快楽と有害事象の強さが広く知られています。
ヘロインの効果は?使うとどんな感じ?
ヘロインを使用すると、「体内で非常に強い幸福感がくり返し波打つ」ような感覚が生じるとされ、ヘロイン使用者はこの感覚を「ラッシュ」と呼びます。
「ラッシュ」は、違法薬物の快楽の中でもトップクラスと言われ、「キングオブドラッグ(邦題)」というタイトルのヘロイン乱用映画もあるほどです。
ヘロインの副作用と危険性
ヘロインは極めて危険な薬物です。
ヘロインは精神と身体に重大な副作用をもたらすことに加えて、依存性がとても強いです。
世界中でヘロイン関連の死者があとを絶たず、国際的な大問題になっています。
参考 National Survey on Drug Use and Health (NSDUH)SAMHSA過剰摂取
ヘロインの過剰摂取は命に関わります。
2018年のアメリカでは、ヘロインの過剰摂取で15,000人の死者が出ました。
特に、ヘロインは他の違法薬物との併用によって、さらに致死的な効果を発揮するとされます。
ヘロインを含めた複数種類の違法薬物のオーバードーズは、極めて危険です。
参考 Drug and Opioid-Involved Overdose Deaths - United States, 2013-2017PubMedオピオイド性白質脳症
オピオイド性白質脳症は、ヘロインを吸入することによって生じる、脳の構造的・機能的障害です。
ヘロインが脳を破壊して、神経の構造がスカスカになり、多様な精神神経症状を呈します。
- 注意力散漫
- 錯乱
- 運動失調
- せん妄
- 言語障害
- 失行(目的に合った行動ができない)
- 覚醒障害
禁断症状(離脱症状)
ヘロインの禁断症状は凄まじく、時に命を落とします。
ヘロイン使用者の体内でヘロインが不足すると、ストレスホルモンや神経伝達物質が著しいバランス崩壊を起こし、苦しい症状が現れます。
- 筋肉痛
- 関節痛
- 嘔吐
- 下痢
- 循環器疾患
- 気分の落ち込み
- オピオイド性麻薬への耐えがたい欲求
痛覚過敏
ヘロインの離脱症状のうち、最も苦痛を伴うものが痛覚過敏です。
そよ風程度の刺激でも激痛に感じ、失神して、次の激痛で目が覚めると言われます。
注射器の使いまわし
ヘロインに限ったことではありませんが、注射器の使いまわしによる血液感染症は、危険薬物の深刻な問題です。
重症の血液感染症は性行為によって感染することもあり、薬物使用を伴う性行為によって、重症感染症が拡大しています。
- AIDS
- B型肝炎
- C型肝炎
ヘロインは違法ドラッグ
ヘロインはジアセチルモルヒネという別名があり、ジアセチルモルヒネは麻薬及び向精神薬取締法における別格の規制対象です。
前述の通りの危険薬物のため、国が特に力を入れて規制しています。
麻薬及び向精神薬取締法は、ジアセチルモルヒネを麻薬や向精神薬と別に指定し、乱用者に10年以下の懲役刑を課します。