ShowyVICTORブラジルから神栖へ、ラップスタア優勝まで
ShowyVICTOR(ショーウィーヴィクター)は、ブラジルのサンパウロ州に生まれ、茨城県神栖市で育ったラッパー。幼なじみのShowyRENZOと組むShowyの活動に加え、ビート制作、録音、ミックス、MV制作も手がける。「ラップスタア誕生!2023」では、敗者復活から優勝した。
家族、恋人、地元の仲間を背負ってステージに立つという言葉は、優勝後だけの飾りではない。ブラジルにいる家族へ会いに行けなかったこと、震災後も神栖で育ったこと、RENZOと同じ音楽を聴いてきたことが、曲に出てくる自分の居場所につながっている。
CHAPTER 01 / SECTION 01ShowyVICTORのプロフィールと読み方
ShowyVICTORは、Showyのユニット名をソロ名義にも付けている。Showyは英語で派手な、目を引くといった意味を持つ言葉だ。本名として紹介されているのは悠仁という名前。
ラップ以外にも、自分でビートメイク、レコーディング、ミックス、MVのディレクションを行う。モデルとしての活動もあり、音と映像、服装をまとめて自分の表現にしてきた。
CHAPTER 02 / SECTION 02ShowyVICTORの生い立ちと家族
ブラジルで生まれ、8か月で日本へ
父親は日系ブラジル人、母親はスペイン人で、両親ともブラジルで育った。家庭ではポルトガル語を使い、ShowyVICTOR自身も話せるという。本人は生後8か月までブラジルで暮らし、その後に両親と神栖へ移った。
祖母はブラジルに住んでいるが、番組で家族について話した当時は、経済的な理由から両親も含めて帰国できずにいた。「ラップスタア誕生!2023」で得た賞金300万円のうち100万円を母親へ渡し、ブラジルの家族に会わせたいという思いを語っている。
神栖で育った仲間との「KAMISU GANG」
Showyのチャンネルで公開された「KAMISU GANG Part.1」。配信での名義はKAMISU GANGで、ShowyVICTOR、Xhrist AIR、Kzgrmを客演に迎えている。ソロ曲とは異なる形で、神栖の仲間とのつながりが表れた作品だ。
神栖には工業地帯があり、南米出身の人たちも暮らしていた。中学生のころに東日本大震災を経験し、周囲の外国人の友達が地元を離れるなか、ShowyVICTORとShowyRENZOの家族は残ったという。友達のいる場所で育ててくれた両親への感謝を、本人は強く話している。
高校卒業まで神栖で過ごし、卒業とともに上京。2023年ごろに紹介された生活では、本人は東京、母親はつくば、父親は神栖にそれぞれ暮らし、以前の実家は残っていなかった。母親が神栖からつくばの職場へ、送迎バスで片道1時間30分かけて通っていた話もある。現在の住所を示す情報ではなく、家族が働きながら支えた当時の経緯だ。
一人ではないと思わせてくれる家族
ラップスタアへの出演が決まったとき、真っ先に伝えた相手は母親だった。両親は音楽活動を誇りに思い、好きなことをやってほしいと応援し、ライブにも足を運んでいた。母親が好きな曲はShowyとDJ JAMの「遊ぶだけ」だという。
売れても家族やルーツを忘れてはいけないという母親の言葉も、本人の中に残っている。一人で来たつもりはない、という番組での姿勢は、こうした日々の関係から出ていた。
番組の公式Xも2023年3月25日、HOOD STAGEの告知で、ブラジルから神栖へ来たShowyVICTORと家族の思いに焦点を当てていた。ルーツは、番組中から本人を知る軸の一つだった。
優勝後の2023年5月には、ヒロシという視聴者もHOOD STAGEの家族を紹介する回に触れ、母親への思いに感動したと投稿していた。これは視聴者の感想であり、番組の採点や本人の性格を確定する評価ではない。
CHAPTER 03 / SECTION 03ShowyVICTORの恋人とファッション
凪さんとの出会いが曲に与えたもの
かつて公に話していた恋人は凪さん。共通の友達がShowyVICTORの家へ連れてきたことが出会いになり、同棲する関係になったという。凪さんと母親が同じ香水を使っていたことから、意気投合したという小話もある。
本人は、恋人と出会ってから愛について考えることが増え、曲にも愛を歌う言葉が増えたと話している。楽曲への助言も率直にしてくれる大きな存在だった。これは本人が語った関係と制作への影響の話であり、現在の交際状況や結婚を断定するものではない。
黒を基調に、靴やヘッドギアで変える
PLUGの「Lit」で、Showyの服装を知るための映像。ShowyVICTORは黒を基調にしながら、靴やヘッドギアの個性的な形をアクセントにする。ステージでも私服でもサングラスを愛用してきた。
- BALENCIAGA
- Yuki Oshimi
- SCOLOCT
- Rick Owens
- New Rock
着用ブランドとして紹介されてきたのが上の5つ。ブランド名だけを並べるより、暗い色で揃えた服に、足元などの大きな形をどう組み合わせるかを見ると、本人の見せ方が分かる。
CHAPTER 04 / SECTION 04ShowyVICTORのMBTIを編集部が考える
Djtube編集部は、公開された制作上の選択からENFPを仮説に挙げる。本人公表の診断ではなく、表現の変化を読むための推定だ。
ラップスタアでは、審査員から自分のアイデンティティを出すよう助言され、それまで前へ出していなかった家族やルーツを曲の中心へ置いた。CAMP STAGEでは対戦相手のKay-onの意見も取り入れた。一つの作り方へ閉じず、人とのやり取りから新しい自分の表現を試す動きが、この推定の根拠になる。
一方で、自分で録音やミックスまで担う姿からは、表現を細かく管理する面も読み取れる。番組で見える柔軟さが普段の全てではない。ENFPという型を、家族思いや明るいという印象だけで確定するものではない。
CHAPTER 05 / SECTION 05Showyとラップスタア優勝への歩み
サッカーから、RENZOと始めたラップへ
Showyが、日常や音楽、モデル活動について語るニートtokyoのインタビュー。ShowyVICTORは中学生までサッカーをしていたが、本人いわく上手ではなかった。高校で出会ったヒップホップには、サッカーとは違う感覚があったという。
友達のイベントで出演者が一組キャンセルしたとき、ShowyRENZOと自分たちで出ようと決めた。それがラップを始めるきっかけになり、2MCのShowyへつながった。ソロを始めても、2人とも名義にShowyを残している。
Showy「この世」
Showyの「この世」は、2023年の5曲入り作品「LITRON」の収録曲。作詞にはVICTORとRENZOの両名が並ぶ。2人は自分たちの音楽を決まったジャンルへ閉じず、Acid Rapという呼び方でも説明している。
世の中をシナリオと呼び、それをどうでもいいと突き放す。他人が描いた筋書きに従うより、自分たちの目の前の暮らしへ向かう曲の言葉だ。共同曲の表現として読み、どちらか一人の日常や思想の全てへ置き換えない。
RENZOは「ラップスタア誕生!2021」のファイナリスト。一方、同じ年のVICTORは動画審査で落選した。仲間が先へ進む姿も、次の挑戦の背景にあった。
敗者復活から「ラップスタア誕生!2023」優勝
2023年のFINAL STAGEのライブ映像。3,457人が応募したシーズンで、ShowyVICTORは一度敗れた後に復活し、優勝を果たした。パフォーマンス60点、楽曲55点、合計115点。2位のKay-on a.k.a. Kwi4Kangは47点だった。
敗退後には焦りがあったが、恋人から一度立ち止まることを覚えた方がよいと声をかけられ、周囲の支えを考え直したという。RENZOや家族、彼女、友達の思いも背負って来たと話し、番組で初めて敗者復活から優勝する結果を残した。
自分をさらけ出す曲への変化
CAMP STAGEで曲作りに向かうShowyVICTORを追う番組映像。審査員からアイデンティティをもっと出してほしいと助言され、本人はそれまで自分をさらけ出す曲を書いていなかったと振り返った。
助言を受け入れたことで、新しい自分を見つけたと感じたという。派手な音や格好だけで説明するのでなく、自分の家族や土地を言葉にする曲が増えたことが、番組中の転機になった。
優勝後も続くソロとShowy
2025年2月26日には、本人が全編のミックスを担ったアルバム「VS」を発表。2026年3月13日にはShowyとして「Showy is Lit 3」、4月17日にそのDeluxe Editionを届けている。ソロ、ユニット、客演という複数の形で活動を続けている。
2026年10月9日発売のkrynX「Shout out to krynX」では、「Turn me up」と「ベットの中」に参加。「Turn me up」ではマスタリングも担当している。他の人の作品にラップするだけでなく、仕上げる作業にも関わる近年の活動が分かる。
CHAPTER 06 / SECTION 06ShowyVICTORのラップと代表曲
ShowyVICTOR「やる事」
「やる事」はShowyのチャンネルで公開されているが、配信名義はShowyVICTORのソロ。2023年5月24日に発表され、作曲はPulp KとFUKUが担当した。家族や仲間への思いを飾りすぎない言葉で歌うこと、メロディーを付けたフロウやオートチューンを使うことは、本人の音楽を聴く際の手がかりになる。
普段の会話より、音楽の上なら本音を出しやすいという言葉だ。やるべきことを片付ける日常の動きと、自分の本音を出す場所が同じ曲にある。作業をこなすだけの宣言ではなく、音楽が自分の言葉を置ける居場所にもなっている。
ShowyVICTOR「LAST SAMURAI」
ラップスタアのファイナルで披露し、優勝後にシングルとして発表した曲。ルーツと日本で育った自分を、LatinoとSAMURAIという言葉で結び付ける。メロディアスな運びにも、自分を選んでほしいという強い言葉が残る。
見た目と心を対にし、片方を捨ててどちらかになるという説明をしていない。Latinoという外から見える像と、SAMURAIに重ねる心構えを、自分の中へ同時に置く自己紹介だ。歌詞を根拠に、本人が公表していない民族的な属性を新たに認定するものではない。
ShowyVICTOR「SORRY」
JP THE WAVYへの楽曲提供でも知られるPucka Fallがプロデュース。短い謝罪の言葉に、取り繕わない本人の語りを置いた曲だ。
英語のSORRYを、日本語のごめんなさいでもう一度言い直す。説明を重ねるより、同じ意味を違う言語で重ねることが、謝りたい相手へ向けた率直さとして響く。歌詞の相手を、根拠なく実在の特定人物へ当てはめることはできない。
ShowyVICTOR「GENZAI」
公式MVの題名は「GENZAI」で、制作はZOT on the WAVEとdubby bunny。「ラップスタア誕生!2023」で披露した曲で、POP YOURSのパフォーマンスでも注目を集めた。
CAMP STAGEが始まってすぐに作り、対戦相手Kay-on a.k.a. Kwi4Kangの助言も言葉へ反映したという経緯がある。競争している相手からも、作品をよくする意見を受け取っていた。
夢や希望という抽象的な言葉の後に、工場を照らす月と地元が現れる。誰にでも言える励ましへ終わらせず、育った土地の景色へ戻る一節だ。公式MVはShowyVICTORのラップとして公開されている。AMOとの交流とは、作品の参加クレジットを分けて捉えたい。
ShowyVICTOR「TYPE」
2026年6月24日発売。DynoxとSodaが作曲・プロデュースし、ShowyVICTORが録音、ミックス、マスタリングを担う。家族やルーツを歌う代表曲とは別に、相手への欲望を反復する言葉で押し出す曲だ。
顔と体を並べ、相手が自分の好みだという意味を、typeという短い言葉へ集める。曲のなかで繰り返されるこの句は、長い生い立ちの物語よりも、その場の欲望へ焦点を当てている。曲にある演出を、本人の現実の行動の証明にはしない。
Kohjiya, ShowyVICTOR, eyden & ¥ellow Bucks「Ma Boyz (Remix)」
2026年7月15日発売。Kohjiyaの曲に、ラップスタアの歴代優勝者であるShowyVICTOR、eyden、¥ellow Bucksが参加したリミックスだ。配信版では、ShowyVICTORにもミックスのクレジットがある。優勝という経歴が、その後の共演と制作へつながる作品として位置付けられる。
数字で比べられる成功に対し、他の人へ何を残したかという価値を並べる。この短句を含む共同曲は、番組での順位を肩書にするだけでなく、その後のシーンで自分たちが持つ力を主張している。
CHAPTER 07 / SECTION 07ShowyVICTORと仲のよいラッパー
ShowyRENZO、AMO、Kay-on a.k.a. Kwi4Kang、Yvngboi P、X-AIRらと交流してきた。ラップスタアで競い合った相手とも、番組後に関係が続いている。相手をライバルとして見ることと、その意見を尊重することは両立していた。
ShowyRENZOとは家族ぐるみの幼なじみ
ShowyRENZOとは、神栖で暮らす外国にルーツを持つ子供同士として出会い、両親も親しかった。RENZOの父親の車でBOB MARLEYを聴き、一緒に行動し、ラップも同じ時期に始めている。
震災で友達が町を離れた後も2人は神栖に残った。音楽活動のためだけに集まった関係ではなく、地元で育つ時間を共有してきた2人だ。ソロ名義にShowyを付け続けることにも、そのつながりが見える。
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