MADDY SOMAプロフィールと音楽
MADDY SOMA(マディーソウマ/配信名義はMaddy Soma)は、東京を中心に活動するラッパー兼ダンサー。Cookie Plantのメンバーで、低い声、繰り返すフック、言葉と一緒に動く身体を持ち味にしている。「踊る人がラップもする」というだけではない。ステップを踏んできた経験そのものが、歌詞やフロウにつながっている。
ソロでは『Shichihenge』『Cultural Reset』の2枚のアルバムを発表。2026年には「LA DI DA DI DA」をリリースし、客演やCookie Plantでの制作も続けている。麻生・新百合ヶ丘との結びつきから代表曲、仲間との関係まで、その歩みをたどる。
CHAPTER 01 / SECTION 01MADDY SOMAの基本プロフィール
「MADDY SOMA」はマディーソウマと読む。本人の発信先にはMADDY SOMAのXがある。「A.S.A.O」では相馬という名前を自分に重ねているが、それだけで戸籍上のフルネームまで特定できるわけではない。
👻👻👻
Photo By 📸 @chobimae pic.twitter.com/9GfsTUeKfI— MADDY SOMA (@maddysoma) September 19, 2022
CHAPTER 02 / SECTION 02ダンスからラップへ進んだ生い立ち
中学2年生から、音楽を身体で覚える
ダンスを始めたのは中学2年生のころ。Soulja Boyの音楽に触れたことが入口だった。学校行事の幕間で踊り、新百合ヶ丘を最寄りとする地元の仲間たちと集まって練習を重ねた。その後はダンスバトルやショーケースに出場し、HARLEMやBUENOSといったクラブでも踊っていた。
生活の中にも音楽とダンスが入り込んでいた。朝に瞑想し、曲を聴いて踊るという習慣を語っている。ラップを始めてからダンスを捨てたのではなく、今の表現へ持ち込んできた経験と考えると、その身のこなしが理解しやすい。
XLARGE OFFICIALの「XMARZY #06 Cookie Plant 後編」は、MARZYの番組にクルーが登場するトーク映像。楽曲のMVとは違う場面で、メンバーたちの顔ぶれや関係を知るための映像だ。
この投稿をInstagramで見る
仲間と踊るSNS映像では、膝を深く折って姿勢を低くする動きも目を引く。ただし、姿勢や立ち位置だけで他のメンバーとの身長差は測れない。長い手足や細身のシルエットの印象と、身長の実測値は分けておきたい。
「A.S.A.O」に残る麻生と新百合ヶ丘
「A.S.A.O」は、Maddy Somaと川崎市麻生区のつながりを知るうえで外せない曲だ。本人チャンネルのMVには麻生のハッシュタグが付き、歌詞では学校で踊った経験と新百合ヶ丘での練習が結び付いている。映像の小田急線・新百合ヶ丘駅という地元の風景も、その歩みを伝えている。
地名を掲げるだけでなく、そこで何をしてきたかまで書く一節だ。ステージと仲間との練習が、地元を語る具体的な記憶になっている。歌詞の表記は「K NORTH CITY」。麻生への帰属意識は読み取れるが、出生地を証明するプロフィールとは別のものだ。
ディグる側から、自分の曲を作る側へ
音楽サイトDatPiffでインディーズの音源を探すことも日課になった。まだ広く売れる前のLil Uzi Vertを聴いていたという話からは、流行を追うだけではない聴き方がうかがえる。気になるビートを見つけ、アルバイトで貯めたお金で購入し、歌詞を書く。踊るために聴いていた音楽が、自分で作る対象にもなっていった。
2018年にはJP THE WAVYとのD.T.R.I.(Do The Right Inc.)で「Memories」を発表している。ソロ名義の出発点は2020年の「Untill I Die」。ダンサーとしての積み重ねと共同制作を経て、声を前面に出す活動へ進んだ。
「Untill I Die」は2020年8月1日配信のソロデビュー曲。下のMVは、その出発点に当たる作品だ。
音楽に居場所を置き続ける意思を、曲名と同じ言葉に集約したフック。自分で進路を決める姿勢を歌いながら、Cookie Plantへの意識も曲の中に残している。ソロデビューは、仲間との活動を切り離す宣言ではなかった。
CHAPTER 03 / SECTION 03ファッションとドレッドヘア
細身の服にスポーツと定番ブランドを合わせる
RAW ✖️ INTERBREED pic.twitter.com/96oKvVSNEC
— MADDY SOMA (@maddysoma) November 29, 2021
服装は細身のシルエットを軸に、スポーツウェアや長く親しまれてきたブランドを組み合わせるスタイル。着用ブランドとして挙がるのはRAW×Interbreed、Dope Couture、Polo Ralph Lauren、EVISU、MAISON EMERALDだ。RAW×Interbreedについては本人の投稿でも触れている。
DOPE SPORTのセットアップ、Polo Ralph Laurenのヴィンテージアイテムなど、動きやすさと服そのものの個性を両立する着こなしが見られる。「AMATERASU」では仲間とEVISUのジーンズをそろえた装いも印象的だ。ダンスを見せるMVでは、一人の服だけでなく並んだときのまとまりも表現の一部になる。
長いドレッドとニットキャップ
OSAKA💚 pic.twitter.com/jLHjrB5QMA
— MADDY SOMA (@maddysoma) January 15, 2022
胸元まで伸ばした太いドレッドヘアは、これまでの写真やMVでおなじみの姿だ。ニットキャップと合わせると、細身の服とボリュームのある髪の対比が際立つ。一方で、祖母はドレッドを好まないという家族のエピソードも語っている。ステージ上の強い印象とは違う、身近なやり取りだ。
CHAPTER 04 / SECTION 04MADDY SOMAのMBTIと人物像
MBTIは本人による公表を確認できていない。低い声や鋭い動きから、内向的・外向的などのタイプを決めることもできない。人物像を知る手掛かりになるのは、音源を探し続けたこと、仲間と練習を重ねたこと、自分の曲を作るために働いたことだ。
一方、よく物をなくすという、おっちょこちょいな一面も紹介されている。髪型をめぐる祖母とのやり取りや、友人と音楽を送り合う日常は、MVだけでは見えにくい身近な姿を伝えている。
CHAPTER 05 / SECTION 05Cookie PlantとNinja We Made It.
Cookie Plantは4MC、1DJ、映像担当の6人
この投稿をInstagramで見る
- MADDY SOMA:MC
- SANO:MC
- YUNG NIGO:MC
- Liu Atsumu:MC
- GEEKBOY:DJ
- 3Light:ビデオディレクター
Cookie Plantは、4人のMCにDJと映像担当を加えた6人組。全員にダンサーとしての経歴があり、音源だけでなくSNSやMVで踊ることもクルーの表現になっている。2019年6月に『CookieTape vol.1』を発表し、音楽活動を広げていった。
「Ninja Mode」のMVは、Cookie Plantのチャンネルで公開されたMaddy SomaとYUNG NIGOの楽曲映像。『CookieTape vol.1』期のクルーを知る入口であり、日本語のフロウを軸に名前を広めた曲だ。
Cookie Plantという名前には、クルーらしい響きの「plant」に、かわいらしい「Cookie」を合わせたという由来がある。それ以前は「ニューレンジャーズ」という名前で踊っていた。音楽を始める前からの仲間関係が、現在の制作にもつながっている。
Showy、DJ JAMと制作した『KAGAMI』
『KAGAMI』はCookie PlantとShowyによる6曲入りEPで、2020年11月11日に配信された。制作を担うのはYENTOWNのDJ JAM。表題曲に加え、「TOKYO」「Studio」などでは参加MCの組み合わせを変えている。クルー全員を一つの声として扱わず、曲ごとの掛け合わせを聴ける作品だ。
下の「KAGAMI」は、XLARGE OFFICIALが公開したCookie Plant×ShowyのMV。タイトルにもXLARGEとChampionが掲げられており、音楽とファッションの接点がある映像として紹介したい。
Ninja We Made It.をzakeruと始めたころ
MADDY SOMAはNinja We Made It.の初期メンバーでもある。zakeruと2人で始め、その時期にクルー名が付いた。その後、2022年の「福沢諭吉」が広まったころには、zakeru、SlowBoYy、SLIMの3人の活動として知られるようになった。初期の関係と、その後の編成を混同しないことが大切だ。
立ち上げ時に、日本を連想させる「Ninja」と「We Made It.」を組み合わせてクルー名にしたという。なお、英語の「We made it」には「やり遂げた」「たどり着いた」といった意味がある。
「福沢諭吉」はNinja We Made It.が2022年10月に発表し、TikTokでも広まった楽曲。下のMVは同クルーのチャンネルで公開されている。MADDY SOMAのソロ曲ではなく、彼が立ち上げに関わった仲間の活動を紹介する映像だ。
紙幣の肖像を人のように扱い、「一緒に遊ぶ」という身近な言葉に置き換えたフックだ。富や消費への憧れを、固い説明ではなく口に残る反復で伝える。MADDY SOMAの歌唱パートとして引用しているわけではない。
CHAPTER 06 / SECTION 06MADDY SOMAのラップスタイルと代表曲
二刀流⚔️
ライブ中back dj GEEKBOY とワンムーブ🥶 pic.twitter.com/ryU9hJBR4W— MADDY SOMA (@maddysoma) August 10, 2021
持ち味は、低い声でフックを反復することと、言葉のリズムを身体の動きにつなげること。MVの切れのあるステップまで含めて曲の印象が残る。新しいジャンルが成立したと大きく括るより、同じ言葉を繰り返すたびに踊りたくなる仕掛けに注目したい。
この投稿をInstagramで見る
Hit ittt:ステップを踏む経験が、韻を踏む言葉へ
「Hit ittt」のMVは2023年3月1日に公開された。JPerryが手掛けた曲で、同月31日配信の『Cultural Reset』に収録。ダンサーだった過去とラッパーとしての現在を、別々の話にせず一続きに歌っている。
「踏む」という動詞が、足のステップから韻へ移る。同じ仲間と踊りながらラップするという説明を、言葉の重なりそのもので表す部分だ。アルバイトの給料でビートを買い、作品を出したという制作の歩みも歌詞に入っている。
公開当時には、約3週間で16万回再生され、英語のコメントも多い曲として紹介されていた。これは当時の反響の記録であり、現在の再生数ではない。海外の聴き手にも届く入口として、声と動きの組み合わせが注目されてきた。
OKE:抜け出すイメージを低い声で押し出す
「OKE」は2022年6月21日に配信された、Kezii作曲のシングル。本人の公式アーティストページにもMVが掲載されている。神秘的な印象のトラックと低音のフロウを組み合わせたドリル曲として、MADDY SOMAの音を知る入口になってきた。
暗い場所から抜け出す動きと、追ってくるものを振り切るイメージが一続きになる。歌詞は煙のように上がる描写から、大きなビジョンを描き直し、自分を磨く方向へ進む。「魔の手」を実際の出来事として読むより、前へ進もうとする勢いを捉えると曲の輪郭が見える。
AMATERASU:祈りの所作を曲のフックにする
「AMATERASU」は2020年12月公開のMVでも知られ、翌年の『Shichihenge』に収録された曲。日本的な響きや神への感謝を思わせる言葉が、短いフックの中に収まっている。TikTokなどで広まった代表曲の一つだ。
手を合わせる、お辞儀をするという具体的な身体の動きが、聴き手への呼びかけになっている。続く二礼二拍手一礼、より良い状態へ向かう言葉、移動中のBGMに勧める表現まで、特別な儀式と日常の音楽が近づく。歌詞の題材から本人の信仰まで決め付けるのではなく、所作をリズムに置き換える面白さを聴きたい。
『Shichihenge』から『Cultural Reset』へ
1st Album “Shichihenge” Out Now⛩https://t.co/IdvUXmpdM9
1.Shichihenge
2.Untill I Die
3.Jyuzu On My Wrist
4.A.S.A.O
5.2021
6.Line Dance
7.AMATERASU— MADDY SOMA (@maddysoma) January 3, 2021
初のソロアルバム『Shichihenge』は2021年1月3日発売。表題曲、「Untill I Die」「Jyuzu On My Wrist」「A.S.A.O」「2021」「Line Dance」「AMATERASU」の全7曲で構成される。地元の記憶、踊ってきた身体、ソロとしての意思を一枚でたどれる作品だ。
『Shichihenge』にはデビュー曲「Untill I Die」も収録されている。下のMVとアルバムを行き来すると、2020年に示したソロの方向性を、その後にそろった曲と合わせて聴ける。
2023年3月時点では、シングル3枚、アルバム2枚を発表したアーティストとして紹介されていた。同月31日発売の『Cultural Reset』は全11曲。「Hit ittt」や「OKE」に加え、「OKE (Remix)」も収録。原曲とリミックスを別版として並べ、ソロの曲が積み重なった時期を示す2作目のアルバムになっている。
この投稿をInstagramで見る
CHAPTER 07 / SECTION 072024年以降の作品と現在の活動
LA DI DA DI DA:2026年のソロシングル
2026年3月6日に発表した「LA DI DA DI DA」は、本人名義のシングル。作詞とラップはMaddy Soma、作曲はfukk2beatz、マスタリングはDJ SWINGが担当している。ソロの発表と客演の活動を分けて追うと、現在の制作が見えやすい。
この一節は、文字の意味だけでは曲を読み切れないことを示す。短い曲の中で地元や仲間を振り返りながら、言葉をフロウに乗せることへ意識を戻す。初期の「A.S.A.O」にあった地域との結び付きが、その後の経験を経ても歌う題材になっている。
WE READY:vividboooyとの共演
2025年3月13日配信の「WE READY (feat. vividboooy)」では、Maddy Somaとvividboooyが作詞・ラップを担い、R.I.Kが作曲とプロデュースを担当した。低い声を軸にする本人と、メロディを行き来する客演者の組み合わせが、この曲の聴きどころだ。
配信前日の3月12日には「03- Performance」でパフォーマンス映像も公開された。ソロMVとは異なり、共演者と同じ楽曲を披露する企画で、声の組み合わせを確かめられる。
CookieTape vol.3:ソロと並行するクルー作品
Cookie Plantは2024年8月3日に『CookieTape vol.3』を発表した。全8曲のうちMaddy Somaの名が付くのは「BOP」「KATANA」「FLMJ」「Livin’ My Life」「RACKS」「Skrrr」の6曲。クルー作品を、そのまま本人のソロアルバム数に加えることはできない。
参加曲の組み合わせからは、一人で全曲を担うソロ盤との違いが分かる。MCごとの曲と複数人の曲を並べ、声の個性を持ち寄る構成だ。本人のソロを聴いてから戻ると、仲間の声と交わる場面を追いやすい。
2 Face:複数のラッパーと制作陣による客演曲
2026年5月15日発売のPxrge Trxxxper & OVER KILL『REVERSAL』には、「2 Face (feat. Maddy Soma, Leon Fanourakis, Touge & Yabu)」が収録されている。Maddy SomaはPxrge Trxxxper、Leon Fanourakisと作詞を担い、作曲にはOVER KILL、Touge、Yabuが名を連ねる。客演欄に並ぶ全員を同じ役割とせず、ラップと制作の分担を見ると、この共演の構成が分かる。
SAMURAI SOUL:2026年のクルー客演
2026年6月12日には、vividboooyの「SAMURAI SOUL (feat. Cookie Plant)」が配信された。作詞とラップはvividboooyおよびCookie Plant、作曲・制作はR.I.K。前年の個人同士の共演から、クルー名義を迎える作品へと関係が続いている。
楽しむことと真剣に続けることを対立させない短句だ。刀や戦の言葉を使いながら、歌詞の軸には音に乗り、踊る行為がある。複数人の共作としての引用であり、特定の一人の発言には割り当てない。
この曲はCookie Plantとしての参加であり、配信クレジットだけで各メンバーの歌唱箇所までは分けられない。MADDY SOMA個人の最新ソロ曲と呼ばず、所属クルーの近年の活動として聴く一曲だ。
CHAPTER 08 / SECTION 08音楽を共有する仲間たち
この投稿をInstagramで見る
Cookie PlantのLiu Atsumuとは、Apple Musicのシェア機能で曲を送り合う仲。Liuは、MADDYが今どんな音楽を聴いているのか気になるという趣旨を話している。単に同じクルーにいるだけでなく、お互いの聴き方を気に掛ける関係だ。
zakeruとはNinja We Made It.を立ち上げたころからのつながりがある。ダンスを通じて出会い、そこからラップや映像制作へ活動が広がった。MADDY SOMAのソロを支える背景には、こうした長い仲間関係がある。
CHAPTER 09 / SECTION 09MADDY SOMAについてよくある疑問
ステップから韻へ、仲間との練習からソロ制作へ。MADDY SOMAの曲には、踊ってきた時間が今も残っている。「Hit ittt」でその接点をつかみ、初期の「A.S.A.O」と近年の「LA DI DA DI DA」を続けて聴くと、変わった部分と手放していない場所の両方が見えてくる。
